どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年10月5日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 麺神カップ 神太麺×旨 醤油」の実食レビューです。
カップめん業界に女神降臨!? 常識を超えた麺を味わう “神旨” な一杯「麺神」誕生!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺神カップ 神太麺×旨 醤油
麺神とは、真のお店品質を目指して開発された明星食品の自信作で、読み方は “めんしん” や “めんがみ” ではなく「めがみ」が正解。即席麺の常識を超える前例にない「超極太麺」と「超濃厚スープ」がコンセプトの新ブランドで、新型コロナ禍の中 “プチ贅沢” が味わえる商品という位置付けらしく、しっかりと作り込まれた麺神ブランドサイトも公開されました。
まずは関東・甲信越限定で、2020年9月21日に即席袋めん「麺神 神太麺×旨 醤油」及び「麺神 神太麺×旨 味噌」を新発売。袋麺は簡便食という立ち位置なのに対し、その常識を打ち破ることを狙った明星食品の「麺神」は茹で時間も7分と型破りな設定で、袋麺史上最太級の極太麺でありながら、これまでの即席麺では難しかったコシと耐久性の高さを誇る “神太麺” を実現。
さっそく千葉県松戸市の怪物店・中華蕎麦とみ田(富田治氏)をはじめ、辛麺屋 輪(長谷匡浩氏)、元祖スタミナ満点らーめん すず鬼(鈴木信介氏)、牛骨らぁ麺 マタドール(岩立伸之氏)、大砲ラーメン(香月均史氏)、支那そばや(佐野しおり氏)、風雲児(三宅重行氏)など、全国的な知名度を誇る有名店主からコメントを募り、麺神ブランドサイトで公開されたコメントは絶賛の嵐。
なかでも明星食品と付き合いの古い「大砲ラーメン」の店主・香月均史氏による “存在感のある麺と濃厚なスープが、極めてバランスがとれていて即席麺という事を忘れさせる。お店で出しても遜色のない仕上がりで即席麺という概念が完全に覆された商品、いや作品と呼ぶべきかな” という感想が印象的でした(店主のコメントは麺神ブランドサイトより)。
2020年3月に創立70周年を迎えた明星食品は、同社の総力を結集した渾身の新商品「麺神」を群雄割拠の即席めん市場に投下することで、はやくも業界に大きな衝撃を与えることに成功したところ。しかし、その2週間後に麺神ブランド初となるカップ麺「明星 麺神(めがみ)カップ 神太麺(かみふとめん)×旨 醤油(うま しょうゆ)」も展開して、畳み掛けるようにブランドのラインナップを強化。
こちらは埼玉県比企郡にある「東日本明星埼玉工場」に大型投資して整備したという、縦型カップのノンフライ麺専用の最新ラインで生産したようで、風速・風向・温度を段階的にコントロールする明星食品独自の麺乾燥技術を活かし、これまでの縦型カップ麺では実現が難しかった太さ・コシ・歯応えのある麺の製造(特許出願中)を可能にしたとのこと。
2020年10月現在、麺神袋麺の販売地域は関東甲信越の1都9県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県)限定ですが、今回の麺神カップは全国・全チャネル販売となっているため、スーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアなど、多くの店が販売店の対象店舗。
たとえば上記の写真は筆者の行動圏内にあるローカルスーパーの店内で、住んでいる地域が超のつく田舎かつ高齢者世帯が多いこともあり、売れるカップ麺は「日清のどん兵衛」や「カップヌードル」「赤いきつねうどん」といった定番商品ばかりなのですが、今回の「麺神」については他の新商品よりも圧倒的に売れていたので驚きました。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、豚と煮干しが香り立つ「神旨の一滴」が1種類。小袋を取り外すと、フタの上に “豚と煮干しが香る濃厚なコクと旨みの醤油スープ。太いのにギュッとしまったコシのある神太麺。ほぼほぼお店の神旨の一杯、お楽しみください” と商品の概要及び明星食品の想いが記載されています。
ブランド名から麺の作り込みに注目したいところですが、前述のように「麺神」のコンセプトには超濃厚スープも含まれ、明星食品のニュースリリースには “チキン・ポークをベースに煮干しを効かせた濃厚な旨みが味わえる” 醤油スープと記載。さらに焼き目のついた直火焼きのチャーシューチップは見慣れないため、これについては新開発の具材かもしれません。
2020年10月現在、縦型ビッグのメーカー希望小売価格は税別220円が平均となっているのに対し、今回の麺神カップ第1弾は税別230円と若干ながら高めに設定されているのですが、非常識な値段ではありません。コンビニで購入した場合、税込価格は246円になりますが、スーパーやドラッグストアなどであれば税込200円強が相場だと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 麺神カップ 神太麺×旨 醤油 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場 埼玉県比企郡嵐山町川島2360 内容量:94g(めん70g) 商品コード:4902881451086(JAN) |
発売日:2020年10月05日(月) 実食日:2020年10月08日(木) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ローカルスーパー(北近畿) 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(神旨の一滴) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、植物性たん白、酵母エキス)、スープ(しょうゆ、デキストリン、豚脂、食塩、たん白加水分解物、豚・鶏エキス、糖類、香味油、にぼし粉末、香味調味料、香辛料)、かやく(チャーシュー、背脂加工品、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、香料、微粒二酸化ケイ素、乳化剤、卵殻カルシウム、酸味料、酒精、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
先に発売された袋麺の茹で時間は7分と常識破れな設定ですが、カップ麺の湯戻し時間は5分と常識的。これまで明星食品が販売してきた縦型カップ麺の中にも極太麺を謳う製品はありましたが、それと比較しても明らかに太く、麺を戻りやすくするための工夫なのか麺と麺の間に “あえて隙間を空けている” ような作り。
あとは熱湯を注いで5分、容器側面の調理方法には記載されていませんが、神旨の一滴には豚脂(ラード)が含まれていたので、念のため待っている間に別添の小袋をフタの上で温めます。具材のネギとメンマは少なめですが、特別感を醸している直火焼きのチャーシューチップは量が多く、いい意味で豚臭い神旨の一滴が食欲を刺激してくる実食前。
創業以来ずっと製麺技術に磨きをかけ続けてきた明星食品が “真のお店品質” を目指した結果、従来の即席麺では味わえない神旨な一杯を実現ということで、新開発のノンフライ神太麺もさることながら、超濃厚スープの仕上がりにもに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)あたり |
カロリー:356kcal たん白質:8.8g 脂 質:7.4g 炭水化物:63.6g 食塩相当量:6.5g (めん・かやく:0.7g) (スープ:5.8g) ビタミンB1:0.27mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:149mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:356kcal(めん・かやく:292kcal)(スープ:64kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
さすが新開発ハイレベル
もともと明星食品は、同社の培ってきた製麺ノウハウに独自の乾燥技術・設備を組み合わせ、麺の食感を左右する気泡の大きさや数を自在にコントロールすることに成功した “スーパーノンフライ製法” という独自製法で他社との差別化を図っており、それを進化させて油揚げ麺との中間的な麺線組織を実現した “スチームノンフライ製法” という特許製法も開発していたのですが、その上を行くのが “神太麺” と名付けられた今回の極太麺。
明星食品の縦型カップめん史上もっとも太い極太ノンフライ麺は、かなり縮れが強く、歯切れの良さよりも粘り気のある弾力とコシの強さを重点的に強化した多加水麺で、なめらかな麺の表面は独特のぬめりを伴います。たとえば「つけ麺」だとネガティブな項目になってしまうところ、加水率の高い生麺を茹で上げたときの “ぬめり” に通じるため、逆に今回の場合はポジティブで印象的。
食べ始めの麺はソフトな表面に反して中心部には芯があり、そこが生の麺とは違う乾燥麺特有のポイントになりますが、後半は馴染んで気にならなくなってきます。むしろ後半のほうが自然な食感かつ小麦の風味も豊かに感じられるため、熱湯5分きっちり待ったあと、別添の小袋を加えてから2〜3分ほど休ませてから食べてみてください。
スープ
神旨の一滴が味の決め手
神旨の一滴を加える前の粉末スープには、豚・鶏エキスの旨みを中心に、カツオやサバなどの節系とは違う煮干し粉末のシャープな旨みを重ね、そんなに煮干しは主張してこないんだな‥‥というファーストインプレッションから一変。2口、3口と飲み進めていると、徐々に煮干しの旨みが蓄積され、途中で豚・鶏エキスとイーブンな関係になるのですが、最終的に舌の上に残るのは煮干しの存在。
続けて神旨な一滴を加えると、調理直後に感じた豚臭い香りのオイルだけでなく、キレのある醤油ダレと煮干しオイルが粉末スープでは出せない臨場感を表現。ややデキストリンによる人工的な粘度の高さが気になるものの、これによって加水率の高い麺を孤立させない工夫となっており、自然な糖類の甘みが重なって、濃厚な焼豚ダレを彷彿とさせるようなテイストに仕上がります。
膨よかな動物系の旨みとエッジの効いた煮干しのシャープな旨み、そして醤油のコクとキレがバランスよく共存しているのですが、新開発のノンフライ神太麺と比較してスープは前代未聞のフレームワークではなく、もうすこし人工的な要素を控えたほうが——いや、あえてカップ麺だからインスタント感を残したのかも。個人的には好きな味だったんですけど、人によっては好みが分かれるかもしれません。
具材
直火焼きチャーシューが秀逸
調理直後にも触れたように、ネギとメンマの量は少ないのですが、大きめの斜め切りにされたネギを使用することで高級感を演出。メンマも小さいながらに自然な食感で、カップ麺の乾燥メンマにありがちな繊維質を残しません。またスープの画像にも写っていたように背脂加工品の量も多く、スープのコクを底上げしてくれる存在。
そして主役の直火焼きチャーシューは、文字通り直火で焼いた特有の芳ばしさが漂う肉具材で、明星食品の縦型カップ麺で頻繁に見かけるチャーシューチップを炙っただけかと思いきや、それよりも赤身の部分は肉質しっかりと、さらに脂身の部分は甘くて柔らかくリアルな質感。個体差なのか別物なのか、とにかくチープなチャーシューチップではなかったので、けっこう印象に残ると思います。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
ややスープにおける人工的な粘度の高さが気になったのですが、商品の価値を下げるほどチープな要素ではないですし、なんといっても新開発の神太麺が最大の魅力。ぬめりのある表面の質感も茹で上げたときの臨場感を表現することに寄与しており、新開発と思しき直火焼きチャーシューのクオリティも高く、上々の出来栄えでした。
加水率の高い生麺を忠実にカップ麺で再現した多加水ノンフライ麺といえば、東洋水産の「マルちゃん正麺カップ」(生麺ゆでてうまいまま製法)が強大な壁ではあるものの、制約を伴う縦型カップで今回のクオリティなら申し分ありません。
さて、イメージキャラクターに新川優愛さんと「中華蕎麦とみ田」の店主・富田治氏を起用した “神ってる” テレビCMも公開した麺神カップ、第2弾は袋麺に倣って「神太麺×旨 味噌」かラーメン業界のドル箱といっても過言ではない二郎インスパイア系で正麺カップにはない極太低加水麺で攻めてくるか、今後の動向にも注目です。