どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年3月20日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「祭盛 にんにく醤油豚骨ラーメン」の実食レビューです。
1年ぶりの新作は “Wにんにく” の波状攻撃!? 九州の雄が展開するマシマシ企画「祭盛」シリーズ第2弾は刻み&フライドチップのニンニク尽くし!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
祭盛 にんにく醤油豚骨ラーメン
サンポー食品(SANPO FOODS Co.,Ltd.)とは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置き、即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造を生業としているメーカーで、現在を遡ること100年以上、1921年(大正10年)1月に創業した「米穀卸大石商店」を源流とする企業。現在は “九州の「うまい」をカタチに” をコンセプトに、地元の魅力を具現化しています。
今回の新商品「祭盛(まつりもり)にんにく醤油豚骨ラーメン」は、たっぷりの具材を使用し、驚くほどインパクトのあるシズル感を特長とした「祭盛」シリーズの新作で、2022年3月21日発売の「ねぎ博多豚骨ラーメン」に続く第2弾。しかし、実は “4年以上前にルーツとなった商品がある” ので、すこし振り返っておきましょう。
これはサンポー食品が世間に公表している情報ではないのですが、同社の絶対的エースとして知られる「焼豚ラーメン」の派生品として、2019年(平成31年)3月11日に「ねぎとんこつ味(ねぎねぎねぎ)」及び「にんにくとんこつ味(にんにくにんにく)」を発売しており、2022年3月発売の「祭盛 ねぎ博多豚骨ラーメン」は「焼豚ラーメン ねぎとんこつ味」のブラッシュアップ版。
2020年11月24日にも「ねぎ博多豚骨ラーメン」をリリースしていましたが、2022年は新たに白ネギを追加した “さらにネギ増量” をコンセプトに、このブログでは超高評価となる「★6」を記録。その際、総評で “ひとまず続編としては「焼豚ラーメン にんにくとんこつ味」の後身が予想されますが、えっと‥‥それに関しては早急に商品化してくださいw” などと触れていたのですが——
黒と黄色を基調に、赤の差し色といえば、二郎系・インスパイア系を象徴するカラーリング。おそらく4年前の「焼豚ラーメン にんにくとんこつ味」が企画のベースになっていることは間違いないと思うのですが、即席カップめん業界では2019年から2020年、2021年にかけてニンニクを強調した二郎インスパイア風の商品が市場を席巻したので、そっちに路線を寄せたのかもしれません。
ただ、2022年の即席カップめん市場における二郎インスパイア界隈は前年ほどの盛り上がりを見せておらず、2023年の上半期は韓国系のフレーバーや健康志向の多機能系、ハイクラス系(メーカー希望小売価格が税別300円前後〜それ以上の商品)が騒がしいので、トレンド的には乗り遅れた感が否めないタイミングではあるものの、まだまだ熱狂的なユーザーが存在するジャンルであることも事実。
4年前の「焼豚ラーメン にんにくとんこつ味」には、同ブランドのアイデンティティとなっているハート型の焼豚に、大量の刻みニンニク(あといれにんにく)を別添して、なおかつ粉末スープにもガーリックパウダーを仕込んでいたのですが、スープの系統は醤油豚骨味ではなく、クリーミーな白濁豚骨を特徴としていました。
しかし、その後身と思しき「祭盛 にんにく醤油豚骨ラーメン」のスープは、商品名の通り醤油豚骨味に改め、なおかつ刻みニンニクにフライドガーリックを追加しているところも大きな変更点。サンポー食品の “やりすぎ系” は基本的に容赦ないので、ニンニクの効き目については申し分なさそうですが、そのインパクトを支えるスープの力量が問われる展開です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に「あといれかやく」の計2パックで、そういえば2022年2月21日にリブランドした「ご当地シリーズ」あらため「九州三宝堂(さんぽうどう)」の「久留米ラーメン」にもリニューアルと同時に後入れニンニクチップが導入されましたが、そこにフライドガーリックの組み合わせは(たぶん)サンポー史上初の試み。
いや、前にもあったっけ、どうだったっけ‥‥などと、それはさておき麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。サンポー食品が保有している熱湯3分の油揚げ麺は、基本的に22番(溝巾1.36mm)の切刃で裁断されており、調理前の形状や揚げ油に由来する香りは定番の「焼豚ラーメン(九州とんこつ味)」に酷似しています。
ちなみにメーカー希望小売価格は214円(税抜)なので、2023年4月現在の即席カップめん業界におけるレギュラーサイズ商品での標準的な値段。ただし、この価格帯の商品は、2023年6月1日(木)出荷分から236円(税別)に値上がりするため、それまでに金銭感覚を調整しておいてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:祭盛 にんにく醤油豚骨ラーメン 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町長野230) 内容量:79g(めん60g) 商品コード:4901773101627(JAN) |
発売日:2023年03月20日(月) 実食日:2023年04月01日(土) 発売地域:全国 小売価格:214円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(粉末スープ・あといれかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、食塩、香辛料、しょうゆ、糖類、デキストリン、ねぎ、たん白加水分解物、植物油脂)、かやく(にんにく、フライドガーリック)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘剤(キサンタン)、カラメル色素、pH調整剤、かんすい、クチナシ色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、早くも強烈なガーリック臭が漂ってくる頼もしいファーストインプレッション。しかし、サンポー食品といえば粉末スープと調味油の組み合わせに命を懸けている印象が強いところ、今回の「祭盛」に調味油は別添されていないため、やはり寂しさも‥‥
などと考えながら熱湯を注ぎ、フタをして3分後、粉末スープを完全に溶かしてから「あといれかやく」をトッピングした瞬間、とりあえずニンニクについては申し分ないインパクト。外出予定のない休日なら兎も角、食後に誰かと会う約束をしていたり、仕事中だったり、そういったシーンに食べるのは危険なレベル。
そもそも調理中の段階からスメハラクラスのオイニーが漂うのでw くれぐれもタイミングには気を付けてください。というわけで、ニンニクのインパクトも然る事乍ら、総合力の高さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(79g)あたり |
カロリー:341kcal たん白質:9.4g 脂 質:12.2g 炭水化物:48.4g 食塩相当量:5.1g (めん・かやく:1.5g) (スープ:3.6g) ビタミンB1:0.39mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:133mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
独特のスナック感が魅力的
おそらく定番の「焼豚ラーメン」と共通の油揚げ麺で、ラード配合の揚げ油に由来する芳ばしさだったり、食べ始めのコリッとした食感だったり、生麺を茹で上げたようなベクトルとは完全に異なるラインを歩んではいるものの、それこそがサンポー食品らしい魅力。
ほんのちょっと歯応えを強めに感じたので、もしかすると「焼豚ラーメン」と比較して微妙に配合を変えている可能性もありますが、スープにおける水素イオン濃度の関係かもしれません(かんすいの効果にpH調整剤が反応するため、スープの水素イオン濃度が変わると麺の食感も変わる)。
サンポー食品の油揚げ麺には、26番の切刃を使った細麺も存在するので、そっちを使ってニンニクのインパクトを際立たせても‥‥などと思った節もありますが、あえてバランスを重視したのでしょう。ノンフライ麺のような高級感こそないけれど、商品の雰囲気には合っていました。
スープ
ちょっと豚骨は軽いけどニンニクはスゴい
原材料名は「ポークエキス、食塩、香辛料、しょうゆ、糖類、デキストリン、ねぎ、たん白加水分解物、植物油脂」とシンプルで、香辛料の内訳はガーリックパウダーとペッパーがメイン。どちらも存在感は明白で、あといれかやくの “Wニンニク” なしでも喫食のタイミングには注意したほうがいいレベルのガーリック感は備わっています。ただ、ちょっと豚骨が軽いところが玉に瑕。
サンポー食品の開発部は、業界随一といっても過言ではない豚骨マニアの集まりなので、豚骨に対して並々ならぬ熱意を持っているのですが、今回は粉末しょうゆの刺々しさだったり、ガーリックやペッパーのアクセントだったり、そういった要素がフロントで、豚骨はバックヤードというか、動物油脂メインの調味油が別添されていなかったことも重なって、あまり深みは感じられませんでした。しかし‥‥
かやく
Wニンニクは伊達じゃない
あといれかやくのWニンニクについては強烈で、生おろしニンニクほどではないけれど、白っぽい刻みニンニクは特有の辛味を感じるレベル。対してフライドガーリックの量は比較的に控えめですが、その存在感は少量でも凄まじく、ほろ苦い風味が印象に残りました。
総評
にんにくブーム真っ只中に投下できていたらベストだったのに‥‥というタイミング的な残念さと調味油に関する物足りなさは否めませんが、とにもかくにもニンニクの存在感については申し分なく、それについての期待は裏切りません。総評を書き綴っている現在、とんでもなく自分がニンニク臭いのでw 潔いまでの思い切りは素晴らしかったです。
というわけで、4年前の変わり種を彷彿とさせる「ねぎ」「にんにく」と続いた「祭盛」シリーズ。驚くほど “たっぷりの具材を使用したインパクトのあるシズル感” をコンセプトにしているため、次の題材は何なのか、引き続き楽しみにしています【author・taka :a(大石敬之)】