どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年06月24日(月)新発売のカップ麺、味のマルタイ「うま推し 縦型長崎塩レモンラーメン」の実食レビューです。
長崎県産塩を使用したマルタイの自信作「塩レモンラーメン」が「うま推し」シリーズから新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
うま推し 長崎塩レモンラーメン
1976年(昭和51年)9月から販売されている即席カップちゃんぽんのパイオニア「長崎ちゃんぽん」や家庭用皿うどん売上No.1の定番「即席皿うどん」などが有名な “味のマルタイ” ですが、九州・福岡に本社を置く食品メーカーで、九州とんこつ味スープの即席化第1号「屋台ラーメン」という袋麺を開発した会社でもあります。
「うま推し」シリーズとは、マルタイが手掛けるタテ型カップ麺の中でもオープン価格の廉価版ブランド(安売り用のカップラーメン)で、私が購入した地元ローカルスーパーの店内でも1個あたり88円(税込95円)の格安コーナーに山積みでした。その隣でカップスターの新作が税込105円だったんですけど、カップ麺で実売価格10円の差は、けっして小さなものではありません。
今回の新商品「長崎塩レモンラーメン」は、さっぱりしたものが食べたくなる夏向け用の商品として開発された期間限定商品で、他にも「梅」や「バジル」など、マルタイ社内で約20種類もの味を研究して試食を繰り返し、やっとこさ太鼓判が押されたのが柑橘系の「塩レモンラーメン」だったそうです。梅やバジルのプロトタイプがどんな味だったのかも気になりますけどね。
昨年も同シリーズから夏向け用のカップ麺として、「うま推し えびだし塩ラーメン」と「うま推し 旨辛山椒担々風ラーメン」が2019年6月にリリースされているのですが、けっきょく見つかったのは同年11月。さらに2019年2月にも「うま推し 長崎えびだし塩ラーメン」と「うま推し 博多屋台とんこつラーメン」が発売されたんですけど、けっきょく見つからないまま7月になりました。
はたして感嘆符(ビックリマーク)の位置は「うま! 推し」が正しいのか、それとも「うま推し!」なのかが気になるところではあるものの、それはさておきパッケージに「長崎県産塩使用」の文字があるように、これが「長崎」と商品名につく所以ですね。レモンといえば瀬戸内ですが、今回の推しメンは「塩」ということで、スープに配合している食塩に長崎県産塩100%使用だそうです。
企業間コラボ商品とかではないので、特に塩の細かい産地やブランドまでは明記されていませんが、長崎県産の塩といえば「五島灘の塩」や「平戸の塩」が有名。以前、旅行に行ったときに味を見た本場の塩は、まろやかで塩カドのない旨み重視の味わいが特徴的だと感じたので、塩気の加減にも期待したいところ。
とはいえ実売価格100円以下の格安商品なので、それも踏まえた上でレビューしなければいけないのですが、一般的なカップラーメンと違って面白いのが「熱湯2分半」という絶妙な設定。基本は熱湯3分が標準で、長いものだと4分〜5分、逆に短いものだと熱湯60秒〜90秒(1分〜1分30秒)というパターンもありますけど、あえての「2分30秒」が個性的です。
ただ、以前からマルタイのカップ麺は “お好みで調節してください” と湯戻し時間に関しては寛大なのと、前述した2018年〜2019年の「うま推し」シリーズすべて「熱湯2分半」となっていました。長崎県産塩はもちろん、 “レモンの風味が爽やかな味わい” とのことなので、柑橘系の強さにも注目です。ちなみに星の位置が長崎の場所を示しているのと、サングラスかけたレモンのキャラクターなんかいいですねw
開封
具材はキャベツ、鶏そぼろ、卵(かきたま系)とシンプルな内容で、値段が値段だったのとパッケージのイメージ写真からフェイクミート(大豆たん白加工品)かと思いきや、ちゃんと本物の鶏肉が使用されています。ただ、やはりオープン価格の商品ということもあって具材の量は少なめですし、別添の小袋もありませんでした。
それから容器の形状と底(裏面)の表示にも注目したいポイントがあって、賞味期限の下段左端に「F」という表示があり、これを製造所固有記号といいます。2009年(平成21年)10月から株式会社マルタイはサッポロ一番こと「サンヨー食品」と資本・業務提携を行なっているのですが、2012年(平成24年)7月より “自社工場ではカップ麺を作っていません” 。
この「F」という記号はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部「太平食品工業」の「九州工場」(1967年8月第一工場完成 / 1980年4月新工場竣工)を意味していて、マルタイはサンヨー食品グループの一員になってからカップ麺の製造をサッポロ一番の九州工場に委託するようになりました。
上の写真をよく見るとカップの周りに蛇腹型の紙が巻き付けてあるのですが、これは熱湯を注いだ後に手が熱くならないように——という初代「サッポロ一番 カップスター」と同じ工夫。現行のカップスターは蛇腹型じゃないですけど、昔は段ボールみたいな構造の型紙を巻き付けて隙間を作っていたので、その名残かもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:うま推し 縦型長崎塩レモンラーメン 販売者:株式会社マルタイ C 製造所:太平食品工業株式会社 九州工場(F) 内容量:63g(めん50g) 商品コード:4902702004378(JANコード) 商品サイズ:φ100×110(mm) 発売日:2019年07月06日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型レギュラー・標準サイズ 容器材質:紙 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯2分半 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、卵粉)、スープ(食塩、デキストリン、砂糖、チキンエキス、レモンパウダー、クリーミングパウダー、酵母エキス、香辛料、でん粉、ホタテエキス、植物油脂)、かやく(キャベツ、鶏そぼろ、卵)、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酸味料、かんすい、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、増粘剤(キサンタンガム)、カラメル色素、カロチノイド色素、(原材料の一部に乳成分、ごま、大豆、豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示) |
実食開始
麺は熱湯1分半でも大丈夫そうな細さの麺で、素麺(そうめん)レベルの極細麺ではないんですけど、だいぶ細めに切り出されています。レモン果汁などが入った別添の小袋がないのは寂しいポイントではあるものの、ふわっとレモンの香り——ただ、なんというかアレですね、お菓子のレモン系にまぶしてある白い粉みたいなw
というわけで熱湯を注いで2分30秒、とろみ成分なども含まれていなかったので、軽くかき混ぜたら完成です。2019年6月1日にカップ麺の値上げ(価格改定)が施行され、マルタイのオープン価格商品(縦型ちゃんぽん等)も出荷価格改定率が6~7%上昇しているのですが、安売り用のカップ麺が税込95円という価格は当地方で値上げ前と変わりません。
そんなところにマルタイと地元ローカルスーパーの企業努力を感じつつ、何気に具材の量も見た目は悪くありませんし、あとは塩のニュアンスとレモン酸味ですね。それでは、コストパフォーマンスにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(63g)当たり
熱 量:286kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:286kcal(めん・かやく:250kcal)(スープ:36kcal) 食塩相当量(めん・かやく:1.2g)(スープ:3.7g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
撮影をしていたら2分30秒で食べるのは至難の業なので、今回は撮影用とは別にもう一食調理していたのですが、2分30秒ジャストでフタを全部剥がし、軽くかき混ぜてから直後に食べてみたところ、さすがに歯応えのある食感でした。しかし、そりゃ早めに開けたら硬いよね‥といった感じの歯応えで、サクッと乾いたままの状態の戻りムラが部分的に生じています。
丸刃でカットされた白い見た目の細麺で、緩やかな縮れが施されているのですが、するすると啜り心地のいいライトな質感。麺の加水率は低いため歯切れがよく、スープとの一体感が高めではあるものの、食感も風味も安売り用のカップ麺であることに深く納得できるタイプです。値段相応といえば値段相応なんですけど、つまりそれ以上でもなければそれ以下でもありません。
もちろん安っぽさが悪いと言っているわけではなく、実際のラーメン店や有名店監修の最新型カップ麺では味わえないチープさには魅力を感じますし、常々この安っぽさも大切にしてもらいたいと思っています。ただ、イマイチでもなければ上出来とも言えず、なんというか‥‥こう、 “ふつうにおいしい” の直球ど真ん中でw 油揚げ麺特有の風味も洗練されたものではありませんし、麺量も50gと多くありませんが、ある意味これも醍醐味ですよね。
スープ
激辛もとい激酸スープではありませんが、想像していたよりもガツンとレモンの酸味が好印象。どうしても油揚げ麺特有の風味がレモンのシャープさをマスキングしてくるので、それが残念なポイントではあるものの、むしろ柑橘系の酸味があるからこそ油揚げ麺臭が抑制されていたと思えるくらい、立場としては圧倒的にレモンが上。
ベースは癖のないチキンエキス、加えて隠し味にホタテエキスを使用しているのですが、後者については油揚げ麺臭が優勢なので、残念ながらホタテの主張は目立ちません。けれども一口目から先陣を切るのはレモンのシャープな酸味、続いてチキンの旨味が脇を固め、最後はレモンの酸味とともに長崎県産の塩がキュッと後味を引き締めます。
スープの食塩相当量は3.7gと縦型レギュラーサイズのカップ麺にしては多く、実際けっこう塩気は強めに効いていて、ちょっと食後は後味に残る塩気が気になるくらい。ただ、塩の輪郭を強調しつつ同時に甘味も感じられたので、長崎県産かどうかは扨措いても「塩」にこだわっているのが伝わってくる作りは印象がよく、なによりレモンの爽やかな酸味が心地よかったです。
具材
レモンピール(レモンの皮)は含まれていなかったので、特有の苦味には期待できませんが、けっこうキャベツが多く、鶏そぼろもイミテーションの具材ではありません。ふわふわの卵は混ぜると散り散りになってしまったのですが、塩気とレモンの酸味がキリッと効いたスープに卵の優しい風味がいいですね。
鶏肉そぼろは大きくもなければ小さくもなく、これといって特別な味付けが施されているわけでもなく、どちらかというと大人しい味付けで、ほんのり生姜が効いてます。ちょっと鶏ミンチ特有の風味を感じるけれど、それはそれでリアルに通じるところがあり、オープン価格の廉価版でも悪質な具材ではありません。
キャベツは小さめにカットされていたのですが、何気にサイズは肉厚で量も多く、みずみずしさが卵とともにシャープなスープと対比を描いています。めちゃくちゃ具沢山なわけではないですし、物珍しい具材が入っているわけでもないけれど、なかなか悪くない内容で寂しくありませんでした。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
麺も具材も及第点で、100円前後なら値段相応のクオリティですが、思いのほかスープのレモンが強かったこと、また塩ラーメンらしくキリッと塩分の輪郭もあり、なるほど爽やかな酸味と塩気で暑い夏の日にも嬉しいカップ麺でした。食べて感動するかと言われたら、そういうタイプの商品ではないけれど、オープン価格の廉価版としては悪くありません。
ちなみにマルタイのオンラインショップで購入すると1箱12個入りで税込2,074円(1食あたり172.83円)だったので、この内容だと高いと言わざるを得ませんが、もしスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなどで見かけたら試してみても損はないと思います。真夏にたくさん汗をかくと塩分を甘いと感じるので、より美味しく食べられますよ。