どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年3月8日(月)リニューアル新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん正麺 カップ 濃厚こくソース焼そば」の実食レビューです。
カップ焼きそばでは珍しいノンフライめん使用「マルちゃん正麺」のソース焼そば “三代目” はソースのテコ入れで重厚感のある味わいに!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺カップ 濃厚こくソース焼そば
マルちゃん正麺(せいめん)とは、いま抜群に美味しく、10年後・20年後も古びることなく愛され続けれるラーメンをコンセプトにしたブランドで、2011年(平成23年)11月7日に初代袋麺「マルちゃん正麺 醤油味」「同 味噌味」「同 豚骨味」を市場に投下。手軽に食べられる即席カップ麺の登場以降、ダウントレンドが続いていた即席袋めん市場に大きな話題を提供し、爆発的な売り上げを記録します。
その衝撃は業界で “マルちゃんショック” と呼ばれ、生麺食感を実現した東洋水産独自の特許技術「生麺うまいまま製法」に多くの関係者が震撼。さらに約4年後となる2015年(平成27年)10月5日、今度はカップめんタイプの「マルちゃん正麺 カップ」を発売するや否や、わずか1ヶ月で1200万食という驚異的な出荷数を叩き出し、即席カップめん市場で “第2のマルちゃんショック” を引き起こしました。
今回のカップ麺「マルちゃん正麺 カップ 濃厚こくソース焼そば」は、2019年4月1日に発売された正麺カップ初の湯切りタイプ「マルちゃん正麺 カップ 焼そば ~濃厚コクソース味 芳醇仕立て~」の後身で、2020年3月16日のリニューアル(二代目「マルちゃん正麺 カップ 焼そば」)を挟み、2021年7月現在の市場に出回っている「濃厚こくソース焼そば」は三代目。
カップ焼きそば業界でノンフライ麺を使用した商品といえば、明星独自のSNF(スーパーノンフライ)製法技術を結集し、食感を突きつめた一杯「明星 究麺(きわめん)ソース焼そば」が独擅場を築いていた時期が印象深く、2009年(平成21年)3月9日の発売以来、何度かリニューアルを繰り返しながら販売を継続。
それに対抗するかのようなタイミングで、2010年(平成22年)3月15日にニュータッチのブランドで知られるヤマダイも「凄麺(すごめん)NEO(ネオ)焼そば」を発売するなど、この時代は特にノンフライ麺のカップ焼きそばが注目されていたと記憶しているのですが、すでに明星食品の「究麺」もヤマダイの「凄麺 NEO焼そば」も製造・販売を終了している現在——。
ちょっとマイナーなところでいうと、かつて「とかち麺工房」が製造していた(後に「渡辺製麺」が “氷結乾燥ノンフライ麺” の技術と設備を買い取って受け継いだ)商品の後任であり、現在は神室のめぐみが製造、藤商が販売している「富士宮やきそば」もノンフライ製法の “低温乾燥やきそば麺” を特徴としていますが、静岡県内のSAなどが主な販売店になるため、それ以外の地域では入手困難な代物です。
というわけで、2021年7月現在のソース焼きそば・ノンフライめんカテゴリーは、ほぼ「正麺カップ」の独り舞台。その初代「焼そば」にはFD(フリーズドライ)製法の野菜ブロックを搭載していましたが、二代目「焼そば」から具材のFD野菜ブロックを2種類の揚げ玉(紅しょうが揚げ玉、あおさ揚げ玉)に変更し、現在の三代目「濃厚こくソース焼そば」ではソースの重厚感をブラッシュアップ。
個人的に初代のFD野菜ブロックを高く評価していただけに、二代目の具材変更はマイナスだと感じたのですが、それでも他社の商品とは一線を画すクオリティであることは事実。このブログでは2019年4月1日発売品(初代)のレビュー以来、きちんと取り上げていなかったので、あらためて評価することにしました。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「液体ソース」と「あとのせかやく」で合計3袋。初代には特徴の異なる2種類のソース(液体ソース・粉末ソース)を採用していたのに対し、現在は液体ソースだけなので、そこが寂しいところではあるものの、初代から一貫して高品質なノンフライ麺は継承済み。
「マルちゃん正麺」の袋麺には “生麺うまいまま製法” という特許技術を駆使しているのに対し、カップ麺には “生麺ゆでてうまいまま製法” のノンフライ麺(特許 第5719064号)を使っているのが特徴で、多孔質をキーワードに蒟蒻(こんにゃく)を練り込んでいます。詳細は公表されていませんが、こんにゃくの微粒子が重要なキーワードになっていることは間違いありません。
なお地域によっては売ってない場合もありますが、全国発売かつ販売店を問わないNB(ナショナルブランド)商品で、体感的にマックスバリュをはじめとするイオングループのスーパーやドラッグストア、ドンキホーテなどのディスカウントストアでの取り扱いが多い印象。ただ、基本的に入荷の有無は各店の采配に委ねられますので、どこに売ってるのかについては最寄りの販売店に問い合わせてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺(せいめん)カップ 濃厚こくソース焼そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:132g(めん90g) 商品コード:4901990368230(JAN) |
発売日:2021年03月08日(月) 実食日:2021年07月05日(月) 発売地域:全国 取得店舗:マックスバリュ 商品購入価格:235円(税込) 希望小売価格:225円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型・湯切りタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体ソース・かやく・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(ソース、植物油、砂糖、ポークエキス、豚脂、トマトケチャップ、醸造酢、酵母エキス、食塩、香辛料、たん白加水分解物)、かやく(キャベツ、味付豚肉、あおさ揚玉、紅しょうが揚玉)/ 加工でん粉、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酒精、レシチン、炭酸カルシウム、香料、クチナシ色素、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、ベニコウジ色素、野菜色素、(一部にえび・小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・もも・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は定番のキャベツに豚肉とシンプルなラインナップ。引き続き初代に搭載されていたFD野菜ブロックは復活ならずではあるものの、二代目より導入された本物の豚肉が嬉しい構成。また液体&粉末のWソースが液体に1本化されたのも二代目を転機としているのですが、三代目のソースには “新たにラードを配合している” というのがリニューアルポイント。
あとは熱湯を内側の線まで注ぎ、液体ソースの小袋をフタの上にのせ、待つこと5分——。時間になったら湯切りを行い、液体ソースを馴染ませて、あとのせかやくをトッピングしたら出来上がり。ほとんど見た目は二代目から変わっていませんが、なるほど以前よりもソースの香りが重厚感を増しているようなイメージで、食欲を刺激してくる調理直後。
ちなみにメーカー希望小売価格(税別)は初代が220円、二代目は225円と地味に値上がりしているのですが、三代目も225円から据え置きだったので、価格改定などは行われていませんでした。それでは、引き続き「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(132g)あたり |
カロリー:490kcal たん白質:10.0g 脂 質:14.4g 炭水化物:80.2g 食塩相当量:4.2g ビタミンB1:0.60mg ビタミンB2:0.43mg カルシウム:198mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
生麺ゆでてうまいまま製法は伊達じゃない
パッケージにはノンフライ麺の特徴について “もちもちの生麺食感” と記載していますが、粘りの強さに特化した多加水麺ではありません。たしかに加水率(小麦粉に対して加える水分の割合)は高めに設定してあるので、歯切れよりも反発性を重視しているような仕上がりですが、中心までギュッ‥‥と締まったコシの強さが印象的。
さらにブログで「生麺ゆでてうまいまま製法」のノンフライ麺をレビューする際、必ずといっていいほど “箸で持ち上げたときの重量感” を高く評価しているのですが、正麺カップの「濃厚こくソース焼そば」については “麺を短めにカットしている” のもポイント。これによって液体ソースが飛び散ることへのリスクヘッジになり、なおかつ女性の方でも食べやすい長さに仕上がっています。
その親切な設計もさることながら、汁なしカップ麺で一般的な油揚げ麺と違って雑味がなく、生麺食感というパッケージの謳い文句も誇張ではありません。この麺を最大限に楽しむために、熱湯5分きっちり守ることはもちろん、湯切りの前にかるく麺をほぐし、それからお湯を捨てるのも美味しく食べるポイントになるので、調理の際は意識してみてください。
ソース
ラードを配合することで従来品よりも重厚感を底上げ
当初はカドのないマイルドな液体ソースをベースに、ピリッとスパイシーな粉末ソースを合わせる隙のない構成でしたが、前述のように二代目以降は液体ソースのみというシンプルな構成に変更しています。しかし、隠し味にトマトケチャップを使っているのは初代のソースから変わっておらず、新たにラードを配合することで重厚感を大幅に底上げしてきた三代目。
その濃厚なコクと絡まる絶妙なスパイス感も然る事乍ら、若干のホロ苦さ(メイラード反応)と鉄板で炒めたような調理感を意識しているのも注目すべき見どころで、これによってチルド麺の「マルちゃん焼そば」を彷彿とさせるような、いい意味でカップ麺らしからぬ本格さを打ち出しています。正直、初代のWソースが最高峰だと思っているのですが、液体ソースだけでも素晴らしいテイスト。
なおカップ焼きそばを調理する際、別添のソースが粉末のみだと “すこし湯切りを甘くしたほうがいい” 場合もありますが、今回は粉末ソースが別添されていないため「しっかり水気を切る」のが美味しく食べる作り方のポイントになります。※粉末ソース+調味油などのオイルも別添されていた場合、適切な湯切りの加減も変わってきますので、臨機応変に対応してください。
かやく
固形具材は王道
先入れのキャベツと豚肉は他の商品にも使われている汎用の具材なので、これといって特別な個性を備えているわけではありません。しかし、どちらもカップ焼きそばでは王道を地で行く定番の具材なのと、東洋水産の味付豚肉はクオリティが高く、リアルな質感の再現度も然る事乍ら、甘辛い味付けも濃厚な液体ソースにシンデレラフィット。
初代に入っていたFD野菜ブロックの廃止は大きな痛手だった反面、その引き換えに豚肉が導入されたこと、さらにサクサクとした食感の大きな揚げ玉もアクセントに効果的で、ふわっと香るアオサの風味と紅生姜の酸味も絶妙な加減。ここだけはジャンクな要素になりますが、別に揚げ玉マシマシというわけではないので、ほどよいスナック感でした。
総評
こだわりの強い大人の男性はもちろん、男性のカップめんユーザーを最優先に意識していた従来の汁なしカップ麺とは一線を画す、女性の方にもオススメのカップ焼きそばで、さすが「マルちゃん正麺」と絶賛せざるを得ない完成度の高さ。けっこう濃いめの味付けなので、そこはターニングポイントになりますが、多くの方に食べていただきたい逸品です。
ちなみにMBS・TBS系『教えてもらう前と後』2021年7月5日(月)22:00〜放送のランキング「究極のカップ焼そばNo.1決定戦!!」でも紹介した商品なので、まだ未体験の方もテレビを観て存在が気になった方も、ぜひ最寄りの販売店をチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】