どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年12月27日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん正麺 カップ 濃厚もやし辛味噌」の実食レビューです。
2021年を締め括る正麺カップは特許技術「生麺ゆでてうまいまま製法」のノンフライ麺に “シャッキリもやし入り” で攻めのスタンス!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺 カップ 濃厚もやし辛味噌
マルちゃん正麺(せいめん)とは “いま抜群に美味しく、そして10年後・20年後も古びることなく愛され続ける即席麺” をコンセプトに、東洋水産が力を入れているブランドで、2011年(平成23年)11月7日に初代「マルちゃん正麺 醤油味」「同 味噌味」「同 豚骨味」を市場に投下。ダウントレンドが続いていた当時の即席袋めん市場に衝撃を与え、爆発的な売り上げを記録します。
その衝撃は業界で “マルちゃんショック” と呼ばれ、既存の乾燥方法とは一線を画す東洋水産の独自技術「生麺うまいまま製法」に多くの関係者が震撼したのも束の間、袋麺の登場から約4年後となる2015年(平成27年)10月5日発売の「マルちゃん正麺 カップ」が市場を席巻。わずか1ヶ月で1200万食という驚異の出荷数を叩き出し、即席カップめん市場に “第2のマルちゃんショック” を引き起こしました。
今回の新商品「マルちゃん正麺 カップ 濃厚もやし辛味噌」は、寒い季節に需要が高まる味噌ラーメンをベースに辛味を加えた新作で、ラーメン店のような濃厚感たっぷりのスープが特長とのこと。さらに低温殺菌製法で食感を残した “シャッキリもやし入り” ということで、具材にも余念がありません。
もちろん麺の製法は「マルちゃん正麺 カップ」が誇る安心と信頼の「生麺ゆでてうまいまま製法」で、東洋水産のニュースリリースには “生麺のようななめらかな口当たりと、透明感や弾力のある食感が特長” と記載されています。実は袋麺の「マルちゃん正麺」とは製法が違うので、ちょっと長くなりますが、以下の解説を読んでみてください。
即席めん業界における麺の乾燥方法といえば、蒸した麺を1食分ずつ金属枠に入れ、140~160度の油で揚げる “フライめん” もしくは蒸した麺を油で揚げずに熱風を当てて水分を飛ばす “ノンフライ麺” が主流となっているところ、それらの常識を覆したのが「マルちゃん正麺」の特殊な技術「生麺うまいまま製法(特許 第5153964号)」で、最大の特徴は “麺を蒸す工程が入らない” こと。
「生麺うまいまま製法」も大きく分類すれば “ノンフライめん” に該当しますが、麺を茹でたり蒸したりせずに、生のまま高温の熱風でイッキに乾燥させる製法で、そんなことをすれば麺が割れてボロボロになってしまうのですが、熱風の当て方や温度はもちろん、小麦や澱粉(でんぷん)の配合を繰り返し見直すなど、さまざまな工夫を凝らして課題を克服。
それから4年の歳月を費やして完成させたのが即席カップめん専用の独自技術「生麺ゆでてうまいまま製法(特許 第5719064号)」で、こちらは乾燥前に麺を茹でる工程を採用しているのですが、麺を茹で上げると水分値が65%まで上がり、乾燥させるのに時間を要するのが難点。それをクリアしても乾燥の過程で麺が発泡し、内部に大きな気泡が発生するなど、新たな課題が残りました。
さらに試行錯誤を重ねた結果、麺にマイクロサイズの “微粒子” を配合し、多孔質化させる(無数の細かい穴を作る)ことで発泡を防ぐことに成功した東洋水産。その微粒子こそが “こんにゃく” で、問題の発泡を防ぐだけでなく、それが多孔質に被膜して伸びにくくなるなど、大きな付加価値も生まれました。——以上、今年も解説が長くてスミマセンw ここからは新作の「濃厚もやし辛味噌」を掘り下げます。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「粉末スープ」と「液体スープ」「もやし調理品」で計4袋。もやし調理品のパッケージは「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」に搭載されている例のアレと同じなので、おそらく中身も共通だと思います。なんというか、ちょっと卑怯ですよねコレw
麺は前述の “生麺ゆでてうまいまま製法” を駆使したノンフライ麺で、ひとつ前のページでレビューしたファミリーマート限定商品「中華そば処 琴平荘 中華そば」のノンフライ麺にも同じ特許製法を採用していましたが、いくつかのバリエーションが存在します。今回はスープの土台が辛味噌なので、定番の正麺カップを例にあげると「香味まろ味噌」と同じかな?
などと思いつつ、2022年1月現在も通年で販売されている「マルちゃん正麺 カップ」のメーカー希望小売価格は225円(税別)が基本なのに対し、今回の「濃厚もやし辛味噌」は270円(税別)なので、カップラーメンとしては高級品。とはいえシャッキリもやし入りのステータスは高く、頭ごなしにコストパフォーマンスが悪いとはいえません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ 濃厚もやし辛味噌 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:164g(めん75g) 商品コード:4901990370318(JAN) |
発売日:2021年12月27日(月) 実食日:2022年01月06日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:288円(税込) 希望小売価格:270円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく・もやし調理品) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(みそ、香味油脂、ポークエキス、豚脂、しょうゆ、香辛料、植物油、すりごま、乳糖、砂糖、食塩、チキンエキス、ゼラチン、野菜エキス、たん白加水分解物、発酵調味料)、かやく(もやし、味付挽肉、にんじん、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、酒精、かんすい、炭酸カルシウム、レシチン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ローズマリー抽出物、ビタミンE)、酸味料、香辛料抽出物、pH調整剤、クチナシ色素、パプリカ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、甘味料(ソーマチン)、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、もやし調理品には入っていない味付挽肉が嬉しく、ネギも彩りを添える上で効果的。それ以外の小袋は後入れなのですが、熱湯を注ぐ前に液体スープや粉末スープを入れてしまった場合、麺が適切に戻らなくなってしまうため、調理の際は注意してください。
かやくを開封後、内側の線まで熱湯を注いだら、液体スープの小袋をフタの上にのせ、温めながら待つこと5分。時間になったら麺をほぐし「粉末スープ」と「液体スープ」を念入りに混ぜ合わせ、最後に「もやし調理品」をトッピングしたら出来上がり。口径が広いφ180mmの容器を使用していますが、それでも見劣りしない具材量で、味噌・ラー油・にんにくの香りが食欲を刺激してくる実食前。
パッケージに辛さレベルなどの記載はありませんでしたが、東洋水産のニュースリリースには “味噌とポークの旨味をベースに、唐辛子・ラー油・にんにくを利かせた——” とあったので、念のため辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(164g)あたり |
カロリー:473kcal たん白質:13.6g 脂 質:17.2g 炭水化物:66.0g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:2.5g) (スープ:3.9g) ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:197mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:473kcal(めん・かやく:336kcal)(スープ:137kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく「香味まろ味噌」と同じ麺
既存の「マルちゃん正麺 カップ」に使われている麺は、2021年9月6日のリニューアル発売以降、より生麺らしい自然な食感を追求し、なめらかさをキープしながら弾力をアップさせているのですが、粘りの強さと箸で持ち上げたときの重量感は従来の麺に軍配。新たに “乳糖” を配合しているのも特徴で、自然な粘りよりも伸びにくさと反発性を強化したような麺にシフトしています。
今回のノンフライ麺もリニューアル後の例に漏れず、箸で持ち上げたときの重量感は従来ほどではないものの、前述した「中華そば処 琴平荘 中華そば」に使われていた “生麺ゆでてうまいまま製法” のノンフライ麺とは別物で、きちんと濃厚な味噌スープ用にチューニング。ちょっと伸びにくさが不自然ではあるものの、けっしてクオリティが低いわけではありません。
おそらく「香味まろ味噌」に使っているノンフライ麺と同じなので、それだけにリニューアル前の粘りと加水率の高さが名残惜しくはあるものの、とろみの強いスープの中にあっても最後まで弾力は持続。後述する辛味噌スープとの相性にも問題はなかったので、いい取り合わせだと感じました。
スープ
ぽってり濃厚な辛味噌スープは珍しいかも
粉末スープには、粉末みそ、すりごま、唐辛子などが入り、この段階では安っぽいというか、味噌の旨みより化学の力をフロントに感じるものの、唐辛子に由来する芳ばしい風味が印象的。そこまで辛味の強い品種を使っているわけではないようですが、この時点でピリッと辛く、すりごまの量が思っていたよりも多かったのは高く評価すべきポイント。
辛味噌系のスープといえば赤味噌の印象が強いところ、液体スープには白味噌ベースのタレを中心に、動物系は乳化感の強いポークエキスと豚脂を合わせ、チキンエキスが脇を固めた骨組み。魚介系の出汁や魚粉は使っておらず、しかしながら旨みは複雑で、前述の唐辛子と白味噌のコクが絶妙にマッチ。とろみは人工的ですが、いたずらに粘度を高めているのではなく、それさえも効果的と思える濃厚な味。
辛さレベルはピリ辛〜ギリギリ中辛くらいなので、パッケージのインパクトを加味すると、もうすこし頑張ってほしかった思いもありますが、それだけに辛い食べ物が苦手な方でも「辛くて食べられない!」とか「辛いを通り越して痛い!」みたいな状況に陥る危険性は低め。とにかく白味噌のコクと動物系の重心が低く、ぽってりと濃厚で飲み応えのあるスープに仕上がっていました。
具材
もやし調理品は卑怯だってw
具材の主役を飾る「もやし調理品」には人参も入っているのですが、なんといっても太めのバリシャキもやしが素晴らしく、加熱殺菌済みでもシャッキシャキ。保存性を高めるために食塩や酸味料を使用しているため、それに伴う塩味や酸味を感じますが、それも含めて前述の辛味噌スープにシンデレラフィット。なかでも酸味は絶妙で、まったくネガティブではありません。
先入れの挽肉はジャンクな味付けなので、かなりカップ麺らしい具材ではあるものの、もやし調理品にはない肉っ気を表現。ネギの緑で彩りもよく、税込270円というメーカー希望小売価格を加味しても素晴らしい内容でした。もやし調理品を搭載すると値段もアップするのは分かりますけど、積極的に使ってほしいですね。
総評
東洋水産が得意とする白みそ仕立ての辛味噌スープはリッチなテイストで、具材はバリシャキもやしの満足度が高く、総じてハイクオリティな仕上がり。コンビニでの販売価格は税込288円になりますが、スーパーやドラッグストアなども販売店に含まれますし、税込288円で購入したとしてもコストパフォーマンスは悪くありません。
あらためて2021年9月に実施されたリニューアル以前のノンフライ麺が恋しいと感じたものの、逆に煮干し系のスープに強くなった側面もあるので、それについては好みの問題。コンビニではファミリーマート、ミニストップ、ローソンでの取り扱いを確認していますが、すでに売り切れの店舗もあったので、早めにチェックしておいてください。【author・taka :a(大石敬之)】