どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月11日(月)新発売のカップ麺、明星食品「馳走麺 狸穴(まみあな)監修 シビ辛ラー油肉蕎麦」の実食レビューです。
東京・池袋の人気行列店「馳走麺 狸穴」監修カップ麺「第4弾」は “シリーズ初の夏季限定商品になる予定だった” シビ辛バージョンついに発売!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
馳走麺 狸穴 シビ辛ラー油肉蕎麦
「馳走麺 狸穴(ちそうめん まみあな)」とは、ラーメン激戦区の東京・池袋に本店を構える行列の絶えない人気店で、創業は2009年12月16日。「明星 馳走麺 狸穴監修 ラー油肉蕎麦」は、店主・岩田圭介氏監修のもと、 “カップめんオリジナルメニュー” として開発されたタテ型BIGサイズの和風カップ麺で、2016年11月14日に第1弾が登場しました。
「馳走麺 狸穴監修 ラー油肉蕎麦」は、同店の看板メニュー「肉盛つけ蕎麦」をベースにアレンジしたもので、以降は冬の恒例商品として定着。その第4弾となる今回の「シビ辛」は、シリーズ初の夏季発売商品として企画され、2019年8月12日に発売を予定していたのですが、同年7月25日に明星食品は急遽「発売延期のお知らせ」を発表します。
発売延期の理由は、かやくに使用していた「乾燥味付け豚肉」に “不具合” が確認され、その代替資材となる豚肉の調達に時間を要し、当初予定していた発売日での商品供給が困難になったから。ちなみに不具合が確認された乾燥味付け豚肉は、「狸穴監修 シビ辛ラー油肉蕎麦」専用の資材につき、同社が販売する他の商品には使用していなかったとのこと。
しかし、いったい “どんな不具合があったのか” については明記されておらず、延期後の発売日についても未定のまま時は流れ、発売延期の発表から約3ヶ月後となる10月15日に「発売日決定のお知らせ」を発表。けっきょく不具合の詳細については開示されませんでしたが、シリーズ初の夏季限定予定から第4弾も例年通り冬に発売されました。
2016年11月14日発売の第1弾「明星 馳走麺 狸穴監修 ラー油肉蕎麦」は、鶏だしベースの甘濃い蕎麦つゆに熱湯4分の力強い和蕎麦をあわせた一杯で、焙煎ラー油を加えた液体スープを別添。2017年11月27日発売の第2弾も同じ商品名でしたが、さらに蕎麦つゆの味を甘濃く仕上げ、焙煎ラー油に花椒がブレンドされます。
第3弾も引き続き同じ商品名で、例年よりも遅れ気味の2019年1月21日に発売。さらに麺が太くなって、焙煎ラー油の辛さもアップし、パッケージには「温玉おすすめ!」と温玉トッピングのアレンジを提唱していたのですが、花椒のアクセントは目立たなくなるなど、何気にマイナーチェンジを繰り返してきました。
そして今年のパッケージは温玉トッピングの提唱がなくなって、中国山椒の花椒(かしょう、ホワジャオ)ではなく和山椒の痺れをテーマにした「山椒香るラー油仕立て」に変更。容器側面の下には小さな図で「辛さレベル」の目安が5段階で表示されているのですが、標準以下の「2」となっているので、そんなに辣油は辛くないかもしれません。
そもそも発売当初から辛さは控えめで、しかしながら甘みの強い蕎麦つゆと焙煎ラー油の芳ばしさには強い中毒性があり、ひとたびハマッたら病み付きテイスト、しかしながらダメな人は徹底的にダメかもしれない——そんな良くも悪くも人を選ぶ一杯でした(※2019年1月発売品の詳細については、「明星 馳走麺 狸穴監修 ラー油肉蕎麦」の記事をご参考ください)。
開封
別添の小袋は後入れの「液体スープ」が1袋、これについては第1弾から一貫して変わっていません。しかし、今回は “焙煎の文字が消えている” ので、山椒の痺れ具合と焙煎の有無が気になるところ。メーカー希望小売価格は税別205円から220円に値上がりしていますが、2019年11月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段設定です。
実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では、「セブンイレブン」「ローソン」「ミニストップ」での販売を確認。コンビニでの税込価格は232円、もちろんコンビニでしか買えないカップ麺ではないため、スーパーやドラッグストア、ドンキホーテなどのディスカウントストアも取り扱い対象店舗で、コンビニ以外だと税込200円以下でしょうか。
調理前に視認できる具材は味付豚肉と小葱、この味付豚肉が不具合のあった乾燥味付け豚肉の “代替資材” で、厚みのある大きめの資材を採用しています。同じ日に別の店で買った予備の商品に入っている肉具材も同じくらいの量でしたが、前回けっこう豚肉が多い個体と少ない個体の差が激しかったので、もしかすると今回も個体差が生じているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:馳走麺 狸穴監修 シビ辛ラー油肉蕎麦 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:94g(めん75g) 商品コード:4902881435734(JANコード) 発売日:2019年11月11日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:350ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白)、スープ(糖類、食塩、デキストリン、しょうゆ、たん白加水分解物、豚脂、香味調味料、鶏肉エキス、香味油、かつおエキス、植物油脂、チキンオイル、かつおぶしエキス、かつおぶし粉末)、かやく(味付豚肉、ごま、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、乳化剤、酸味料、増粘剤(増粘多糖類、加工デンプン)、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、香料、酒精、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・そば・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は熱湯4分の油揚げ麺で、前回と同じゴツゴツとした田舎蕎麦ライクな雰囲気。製造所も前回と同じく東日本明星株式会社の埼玉工場(嵐山工場)となっていて、麺の量も調理前75gで変わりません。有名店監修の縦型ビッグ製品は、平均して麺量70gが標準となっているので、きもち多めに入っています。
別添の液体スープは後入れなので、お湯を入れる前にフタの上から取り外し、熱湯を注いでから4分待機。パッケージに表示されている作り方には、小袋を “温めてください” とも “温めないでください” とも書いてありませんが、ちょっとフタの上で温めたほうが香りの立ち上がりがよくなりますよ。
さて、4分経ったら後入れの液体スープを投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。山椒の香りは控えめですが、その分けっこう蕎麦粉の香りが頼もしいですね。それでは、夏にあわせて開発された痺れる辛さに注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)当たり
カロリー:422kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:422kcal(めん・かやく:363kcal)(スープ:59kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ゴワゴワとした口当たりの野趣に富んだ油揚げ蕎麦で、繊細な更科(さらしな)系とは真逆のベクトルを歩む田舎蕎麦(いなかそば)系統のスタイル。 “和蕎麦界の二郎” と謳われた幻の元祖ラー油肉蕎麦「港屋」の麺も本店では繊細さより力強さを前面に打ち出していたように、変わり種のラー油系には無骨な蕎麦が似合います。
サイズでいえば中太くらいなので、エースコックの「厚切太麺(あつぎりふとめん)」や東洋水産の「本気盛(まじもり)」ほどの太さではないけれど、そば粉の香りは業界随一といっても過言ではないくらいに強く、油揚げ麺特有の風味もネガティブに作用してきません。それに後述する蕎麦つゆの方向性もあいまって、そば粉の香りは以前よりも強めに感じました。
おそらく麺は前回(2019年1月発売品)と共通で、もともと加水率の低い質感ではあるものの、フライングはオススメしません。ある意味ちょっと部分的にサクサクしているのが面白いといえば面白かったりもするのですが、麺の持つポテンシャルを最大限に引き出すことができないので、かならず沸騰した熱湯を使い、熱湯4分ちゃんと守るのが基礎的ながらに大切なポイントです。
つゆ
前回と同じく魚介は鰹だけで「かつおエキス」「かつおぶしエキス」「かつおぶし粉末」と3種類も重ねていて、豚脂(ラード)で厚みを持たせつつ、動物系は鶏肉エキスやチキオンオルと土台のフレームワーク自体は大幅に変わっていません。しかし、何が違うって明らかに “甘さが控えめに” なっています。
別添の後入れ液体スープには豚脂と辣油、そして濃口醤油ベースのカエシも含まれているのですが、醤油の主張も穏やかになっていて、どっしり甘濃い蕎麦つゆから “ほんのり穏やかに甘辛い蕎麦つゆ” に刷新。辣油の辛さはレベル2もといレベル1程度のピリ辛で、焙煎の芳ばしさも目立たなくなりましたが、豚脂のコクは以前よりも増しています。
なるほど温玉トッピングを推奨しなかったのも納得の温和なテイストで、容器側面には “山椒香る” とありますが、どちらかというと鼻を抜ける清涼感のベクトルは華北山椒(花椒)寄りの爽やかさが中心。けれども「シビ辛」というほど痺れは強くなかったので、パッケージの力強いタッチは煽りすぎだと感じました。
かやく
具材は味付豚肉、ごま、ネギとシンプルな内容。胡麻とネギは薬味ですが、特に胡麻は引き続き多く、穏やかな甘い蕎麦つゆに胡麻の芳ばしいパンチが映えていて、プチッと弾ける食感も心地よい、辣油蕎麦に必須のアクセント。辣油蕎麦に必須といえば定番の揚げ玉は入っていませんが、歴代の「馳走麺 狸穴」にも共通する特徴です。
豚肉は脂身が少なめで赤身がメイン、大きいものだと熱湯4分でも重なったままの部分が硬かったのですが、しばらく沈めておけば大丈夫。ほんのり甘い味付けは前回よりも醤油を控え、豚本来の旨味を重視。けれどもネガティブな癖のある風味は目立っておらず、代替資材でもネガティブどころか前回より高品質かもしれません。
総評
★★★★☆☆☆☆☆(★4)
無骨な油揚げ蕎麦に甘い蕎麦つゆなど、あいかわらず部分的に人を選ぶ要素は健在で、しかしながら甘さや刺激的な要素は前回よりも比較的に軽くなり、以前よりも食べやすくなったように感じました。どっしり構えた前回の甘濃い蕎麦つゆも魅力的でしたが、穏やかになった今回の蕎麦つゆも素直に印象がよかったので、主観的な満足度は引き続き★5です。
しかし、だいぶパッケージでは「シビ辛」の文字が目立っていたので、もうちょっと痺れは硬派に効かせるべきだと感じたギャップが総評に響きました。もし夏用から冬用に切り替えて味を調節したのであればデザインもあわせて変更するべきですし、そうじゃないなら夏の暑い日に対してインパクト不足。けっこう個人的にはオススメしたいのですが、「シビ辛」に対する期待値は下げておいてください。