どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年1月21日(月)新発売のカップ麺、ヤマダイ「ニュータッチ 九州じゃんがら 濃厚とんこつ ぼんしゃん」の実食レビューです。
これまでカップ麺での商品化が困難だった「九州じゃんがら」の「ぼんしゃん」をついに再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
九州じゃんがら ぼんしゃん カップ麺
ニュータッチこと「ヤマダイ」と「九州じゃんがら」のコラボは今回で第6弾になるのですが、第1弾「からぼん(ぼんしゃんコク辛味)」、第2弾「こぼんしゃん(熊本マー油)」、第3弾「九州じゃんがら(東京上品とんこつ)」、第4弾「九州じゃんがら(2回目)」、第5弾「こぼんしゃん(熊本マー油)」だったので、「ぼんしゃん(博多げんこつ)」がカップ麺になるのは史上初の試みです。
「九州じゃんがら」とは、1984年11月28日に東京・秋葉原で誕生したラーメン専門店で、当時まだ東京では認知度が低かった豚骨ラーメンで勝負。その当時から現在に至るまで東京の豚骨ラーメンシーンを牽引し続けている豚骨ラーメンブームのパイオニア的存在なのですが、有名芸能人のファンも多く、2017年6月にはラーメン通として有名なハリウッド俳優のキアヌ・リーヴスも赤坂店に来店されたのだとか。
もともとは九州じゃんがらの現社長・下川高士氏が1979年9月13日に設立した「ブルカン塾」という学習塾が基盤となっているのですが、ブルカン塾を始めて1年ほど経った頃から保護者の都合で授業料が払えない子が目立ち、それだけで通塾は断れないと一部の塾生の授業料を免除。その結果、徐々に経営が傾きはじめ、学習塾を運営しながらできる仕事はないか‥と、考えた末に辿り着いたのが「ラーメン店」だったそうです。
昼はラーメン店、夜は学習塾と二足の草鞋を履き、その我武者らに頑張る姿・生き様を通じて子どもたちに「生きる」ということを伝えたい‥そんな想いと懸命な努力の結果、現在の「九州じゃんがら」が築き上げられました。ちなみに「ブルカン塾」の「ブル」はブルドッグ、「カン」はカンパニーを意味しており、「九州じゃんがら」という名前の由来は長崎・平戸の豊作を祈る「じゃんがら祭り」からきているそうです。
個性的なメニューの名前も面白く、たとえば「ぼんしゃん」という名前の由来は、1988年に当時の “こってりらあめん” を食べたフランス人の方が「トレビアン, セボン!」と絶賛したことからセボンのボンを取り、そこからBon champ(いい故郷)、Bon chant(いい曲)に結び付け、 “「よかふるさと」から出発したこの味が、いつか日本の味になりますように‥” と、満場一致で命名されたそうです。そう、実は「ぼんしゃん」の由来はフランス語だったんですね。
さて、そんな「ぼんしゃん」を再現したカップ麺が今回のコラボ商品第6弾になるのですが、お店の「ぼんしゃん」は “とにかく豚骨が濃厚” なことで有名です。その濃厚さゆえ、カップ麺での再現が困難とされていました。2013年12月9日に初版のコラボカップ麺を発売して以降、その「ぼんしゃん」が満を侍しての初カップ麺化ということで、かなり楽しみにしていたのですが‥‥ど、どこにも売ってないww
どこに売ってるの? というわけでヤマダイお客様相談室に問い合わせ、私の家から360°見渡して県外を含む地域(とりあえず限度は車で往復約3時間半以内に行ける距離の店)すべて指定し、販売店を確認していただいたところ、「お取扱店について、○○周辺でお探ししましたが、ご紹介できるお店がございませんでした」‥‥え、ほんとに?(笑)。
開封
というわけで、ヤマダイ公式通販サイトより箱買いしました(ついでに非売品の「凄麺学習帳」ゲット)。ヤマダイの公式通販サイトで購入した場合、販売単位は1箱12食入が基本で本体価格は税込2,721円。送料は高い地域で北海道と九州全域が864円(沖縄・離島:実費)、最も安い関東でも594円、北陸・甲信越・中部=648円、東北・近畿(私ここ)=702円、中国・四国=756円となっているので、ぶっちゃけ高いです(ただし税込5,000円以上で送料無料)。
基本は箱単位での注文になるので、残念ながら「このカップ麺を3食だけ買いたい!」みたいなバラ売りにも対応していません(2019年1月現在 ※ご検討いただけると幸いです)。でも「凄麺」シリーズだけは「アソート購入」が可能なので、「じゃんがら」カップ麺(「凄麺」アソート購入に対応)を○個+近所に売ってない味の「凄麺」を○個=1箱12食にすれば、じゃんがら1箱12食と同じ税込2,721円で様々なバリエーションが選択可能です。
って別に私はヤマダイの回し者ではないですからねw ヤマダイのカップ麺は取扱店が限られてくるので、あくまでも最寄りで入手に困った際、こんな方法もあるよー、という紹介です。さて、別添の小袋は「粉末スープ」「液体スープ」「かやく」「ふりかけ」の4種類。とんこつマニアをも唸らせる濃厚豚骨ラーメンの再現ということで、思わず鼻息の荒い実食前の現在です。
製品情報・購入価格
製品名:ニュータッチ 九州じゃんがら 濃厚とんこつ ぼんしゃん 製造者:ヤマダイ 内容量:104g(めん60g) 発売日:2019年01月21日(月) 実食日:2019年01月27日(日) JANコード:4903088013985 希望小売価格:210円(税抜) 発売地域:全国(一部地域を除く) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:4袋(粉末スープ・液体スープ・かやく・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(ポークエキス、動物油脂、たん白加水分解物、食塩、しょうゆ、糖類、でん粉、ポーク風味調味料、しょうゆ加工品、香辛料、ニンニクペースト、デキストリン、ゼラチン)、かやく(味付肉そぼろ、ねぎ、フライドガーリック、キクラゲ)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(増粘多糖類、加工でん粉、アルギン酸Na)、酒精、かんすい、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、香料、酸味料、微粒二酸化ケイ素、クチナシ色素、(一部に卵・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】卵・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン ※本品製造工場では、そばを含む製品を製造。 |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみで、けっこうネギの量が多いです。お店の「ぼんしゃん」に挽肉具材は入っていないので、これはカップ麺のオリジナルですね。今回の待ち時間は熱湯2分(120秒)、その間に液体スープをフタの上で温めるようにと書いてあるのですが、けっこう量が多いので、あらかじめ熱湯に小袋を浸けるなどして軽くケアしておくとスマートです。
2分経ったらフタを開けてスープ類を入れる前にノンフライ麺をほぐし、液体スープを入れる前に「粉末スープ」から開封して馴染ませます。写真のように一箇所へまとめるとダマになりやすいので、全体に満遍なく入れて手際よく混ぜましょう。粉末スープの中にはトロミ成分が含まれているので、とけ残りがないよう念入りにかき混ぜてから「液体スープ」を投入し、さらによくかき混ぜてください。
滞りなく調理すれば、およそこの時点で熱湯を注いでから2分30〜45秒前後だと思います。「ふりかけ」は食べる直前に入れてくださいと小袋に書いてあるのですが、パッケージには “味の変化を楽しむ” フライドガーリック入り、また調理方法にも “ふりかけ(フライドガーリック)は味の変化を楽しむために、お好みのタイミングで入れてください” と書いてあるので、最初から入れるのはナンセンスです。
ノンフライ麺については同じく熱湯2分の「凄麺 熟炊き博多とんこつ」でのノウハウがあるので心配していませんが、お店で豚骨ファンを唸らせている濃厚な豚骨感は再現されているのかどうか、そしてフライドガーリックを途中で入れた時の味変効果に注目しながらレビューしたと思います。
1食(104g)当たり
カロリー:359kcal |
めん
豚骨ラーメンらしさを麺質で追求した本格細ストレートノンフライ麺。
(出典:ヤマダイ「ニュースリリース」)
やはり体感的にも同社の「凄麺 熟炊き博多とんこつ」と同じノンフライ麺に思えたのですが、とろみのあるスープと細めの形状が相俟って、スープとの一体感が高いですね。見た目も豚骨ラーメンらしい丸刃の白い細ストレート麺で、表面は滑らかな質感ですが、しっかりと中心部は芯が残る食感が楽しめます。
ただ、熱湯2分ジャストで開封した場合、どうしても乾麺から戻りました的なノンフライ麺っぽさが強かったので、寒い時期は特に2分30〜45秒くらい待ったほうが自然です。それでも食べ終わるまで歯切れの良さは残ると思いますし、スープとの一体感も高くなったので、なんだったら3分くらい待ってもいいかもしれません(※もちろん好みによって加減してください)。
個人的には表面にザラついた舌触りがあって、現在よりも粉っぽく、より博多とんこつ麺のリアリティが高かった熱湯90秒の頃がヤマダイ史上最もハイクオリティなノンフライ細ストレート麺だと思っているのですが、中心部の硬め食感を長時間維持することにおいてはヤマダイが抜きん出ているので、そこが高く評価できるポイントですね。
スープ
炊き出し感と豚骨のまろやかさのあるポークエキスをふんだんに使用し、畜肉の旨味と香り、かえしの甘さとコクをブレンドした豚骨スープに仕上げました。
(出典:ヤマダイ「ニュースリリース」)
「ぼんしゃん」のスープは豚骨発祥の地・久留米にあり、材料は豚骨(げんこつ)が中心で、じっくり煮出した濃厚なスープは独特の野性的な香りが残り、「九州じゃんがら(東京上品とんこつ)」に相対する “西の横綱” といわれているのですが、とんこつ臭むんむんの玄人タイプではありません。
しかしながらトロミが強く、また油脂も多めに含まれていて、こってりとした(実際に唇がギトッとするくらい)濃厚なスープです。ただ、ファーストインプレッションで強く感じたのはフロントにある “酸味” 。豚骨スープって実はかなりデリケートで、冷めたスープを温め直すと酸味が出てしまうのですが、その酸味を強く感じたんです。
たとえば冷凍のスープなんかを使っているラーメン店に見られる傾向で、もし実際の店舗なら雑味(マイナス)なんですけど、その酸味が出るということは裏を返すとリアルに近い豚骨エキスを使用しているということ。私は酸味が気になってしまったのですが、豚骨臭こそ控えめではあるものの、こってりでも油脂で抑え込む浅はかなタイプではなかったことや奥からフッ‥と抜ける骨っぽい旨味にリアリティを感じました。
かやく
肉そぼろ、ねぎ、キクラゲ、フライドガーリック
(出典:ヤマダイ「ニュースリリース」)
そこそこ大きな肉そぼろはスパイシーな味付けで、かなりカップ麺サイドのジャンクな肉具材になるのですが、存在感があっていいですね。混ぜると探すのちょっと大変だけどw 何気なく口に飛び込んできた時の自己主張は強めです。
たっぷりと入った小葱も豚骨ラーメンにピッタリで、これだけ後入れだと最高だったんですけど、歯触りは控えめで香りは強く、スープを引き立たせることに徹しているような立ち居振る舞いが好印象。きくらげは細切りながら中には大きな個体もあって、こりこりとした歯応えが食感のアクセントに大きく寄与していました。
そして「ふりかけ」のフライドガーリックは、お店で「カピタン」と呼ばれているトッピングを再現したものですね。九州じゃんがらの師は長崎の卓袱料理人(しっぽくりょうりにん)で、昭和天皇に卓袱料理の「角煮」を献上したといわれているのですが(その野田氏直伝の角煮が九州じゃんがらの店舗で提供されている「角肉」)、ルーツのある長崎のエキゾチックなイメージを打ち出したい! ということでトッピングの揚げニンニクをオランダ船の船長(キャプテン)を意味する「カピタン」と名付けたそうです。
そんなにフライドガーリックの量は多くありませんが、けっこう香りは強く、それも “途中で入れるからこそ” パンチがあります。ちゃんと調理方法に書いてありますけど、これ先に入れちゃダメですね。ただ、全体に馴染ませるとインパクトが弱くなってしまうので、途中で入れたらスープに浮かべたまま麺に絡めるようにして食べるのがオススメです。余談ですが、トッピングの「全部入り」というコールは「九州じゃんがら 秋葉原本店」で生まれた言葉だそうですね。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4.8)
ノンフライ麺は安定の「凄麺」クオリティですし、食べている “途中” にいれることで味の変化が楽しめるカピタン(ふりかけ)も効果的で、こってりした豚骨スープも美味しかったのですが、デリケートな豚骨のリアリティを覚えた項目でもあり、同時に残念なポイントでもあったフロントの酸味にジレンマを感じました。でも、これで「九州じゃんがら」の3大豚骨スープ(じゃんがら・ぼんしゃん・こぼんしゃん)すべてのカップ麺化に成功したので、今後の展開が楽しみですね。
それから再三になりますが、フタ裏にも “「フライドガーリック」のふりかけは、お客様が召し上がっている最中の「味の変化」を楽しんでいただきたくおつけしました” と書いてあるので、いきなりガン無視して最初から入れるのではなく、ぜひ途中で計画的に使い、フライドガーリックならではの芳ばしいアクセントによる味の変化を意識して楽しんでみてください。
地域によっては売ってないと書きましたが、ヤマダイの公式通販サイトなら確実ですし、一般販売店の取り扱いはニューデイズ、全国のスーパーマーケット・ドラッグストア(ニュータッチのツイッター公式アカウントからのアナウンス)、また全国のコンビニエンスストアや「九州じゃんがら」各店の店頭でも販売されているそうです。どうしても見つからない時は、ヤマダイのカスタマーセンターに相談しましょう。