どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月31日(月)セブンイレブン限定発売、ヤマダイのカップ麺「ニュータッチ 極麺処 札幌 濃厚味噌」の実食レビューです。
ヤマダイが誇る凄麺ご当地シリーズの上位版!? セブンイレブンに突如として現れた高級志向のカップラーメン「極麺処」の実力とは‥‥
既存の「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」と何が違うのかにも注目しつつ、実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ニュータッチ 極麺処 札幌 濃厚味噌
ヤマダイとは、現在を遡ること74年以上、1948年(昭和23年)10月に “大久保製麺” の前身として創業以来、現在も茨城県結城郡八千代町に本社を置いている食品メーカーで、社名だけ聞くとイマイチこうピンとこない方もいらっしゃるかとは思いますが、同社の代名詞と言っても過言ではない「ニュータッチ」のブランドや「凄麺(すごめん)」は知ってるよ、という方も多いのではないでしょうか。
今回の新商品「極麺処(きわみめんどころ)札幌 濃厚味噌」は、なんの前触れもなくセブンイレブンに現れた数量限定のカップラーメンで、販売価格は358円(税込386円)と即席カップめん市場では高級品に該当する一杯。さらに家系ラーメンを再現した「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」も数量限定で同時発売となっているのですが、セブンイレブンとヤマダイの公式ウェブサイトに製品情報はありません。
札幌における味噌ラーメンといえば、1964年(昭和39年)8月2日に村中明子(むらなか あけこ)さんが創業した「純連(すみれ)」を皮切りに、その系譜に連なる「すみれ」と「さっぽろ純連(じゅんれん)」をはじめ、カップ麺を監修した店をザッと挙げても両手で数えきれないほど。全国的に知られた札幌の人気ご当地グルメで、博多と喜多方に並び “日本三大ラーメンの一つ” にも数えられます。
そんな札幌の味噌ラーメンを再現したヤマダイのカップラーメンといえば、2013年(平成25年)9月2日の発売以来、現在も通年で販売している「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」があるため、このカテゴリーについてのノウハウは浅くありません。つまり、今回のセブンイレブン限定商品「極麺処 札幌 濃厚味噌」も凄麺ご当地シリーズの流れを汲んだ商品かと思っていたのですが‥‥
現在販売中の「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」は、この商品専用に開発されたコシの強いノンフライ麺に、北海道産の味噌を使用したスープを特徴とする一杯で、現時点の最終リニュアールは2017年(平成29年)8月21日。このリニューアルをもってノンフライ麺が専用の仕様に変わり、シャキシャキとした食感の生タイプもやしにも定評があります。
しかし、セブンイレブン限定の「極麺処 札幌 濃厚味噌」には、生タイプもやしではなく肉味噌を別添しているようなので、前述した「純連(すみれ)」にルーツを持つ “純すみ系” のラーメンではありません。個人的に札幌の味噌ラーメン+肉味噌の組み合わせはピンとこなかったので、かるく検索してみたところ、ヒットするのは「サッポロ一番 みそラーメン」に肉味噌をトッピングするアレンジばっかりw
たとえば「さっぽろ純連」の味噌ラーメンには、具材に秘伝のタレで漬け込んだ豚肩ロース肉と挽肉を、また兄弟分の「すみれ」でも具材に細切れのチャーシューと挽肉を使っているため、札幌の味噌ラーメンに挽肉を使うこと自体は珍しくないのですが、いわゆる肉味噌とは違うよね? みたいな。もし現在の札幌で肉味噌をトッピングしたラーメンがトレンドになってたらスミマセンw
またパッケージのイメージ画像(調理後のシズル)を見る限り、札幌の味噌ラーメンには必須といっても過言ではない “もやしは使っていない” ようなので、そこも気になるところ。プリッとした食感の熟成麺だったり、たっぷりのラードだったり、札幌の味噌ラーメンを語る上で象徴的な特徴は他にもありますけど、はたしてパッケージにもある「ご当地の旨さ」は伝わってくるのでしょうか。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」「粉末スープ」「レトルト調理品」の計4種。凄麺ご当地シリーズの「札幌」にもレトルト調理品を別添していますが、前述の生タイプもやしと細切りのニンジンなので、それとは別物。以前に東洋水産のカップ麺(でかまる)でレトルトタイプの辛肉調理品を食べたことがあるのですが、ヤマダイでは初めてかも?
パッケージに凄麺のブランドロゴは印刷されていませんが、麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、調理前のビジュアルは凄麺ご当地シリーズの「札幌」専用麺と瓜二つ。もしかすると微妙に配合を変えているの可能性もありますけど、凄麺と同じノンフライ麺を使用している確率も高そうです。
ちなみに同時発売品「極麺処 横浜 家系豚骨醤油」の販売価格は328円(税込354円)なのですが、札幌の販売価格は358円(税込386円)と横浜よりも高く、販売店はコンビニのセブンイレブン店舗のみ。イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、同じグループでもGMSでの取り扱いは基本的にないそうです。ちなみに凄麺のメーカー希望小売価格は242円(税別)なので、かなりの差。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 極麺処 札幌 濃厚味噌 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:159g(めん65g) 商品コード:4903088016092(JAN) |
発売日:2022年10月31日(月) 実食日:2022年11月20日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 販売価格:358円(税別) 購入価格:386円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・かやく・レトルト調理品) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】スープ(みそ、植物油脂、糖類、たん白加水分解物、食塩、ポークエキス、ショウガペースト、ニンニクペースト、ソテーオニオン、食用風味油、香辛料、おからパウダー)(国内製造)、めん(小麦粉、食塩、大豆食物繊維)、かやく(肉味噌、メンマ、ネギ)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、酒精、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、リン酸Ca、香辛料抽出物、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本品製造工場では、そばを含む製品を製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容はメンマにネギのみと貧弱なラインナップ。食べる直前にレトルトタイプの肉味噌をトッピングするため、そっちが具材の見所になるわけなんですけど、かなり極端なステ振りです。そして、やはり札幌の味噌ラーメンを象徴する “もやしが入っていない” のは寂しいポイント。
かやく以外の小袋は後入れなので、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「レトルト調理品」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら “添付調味料を加える前にノンフライ麺を箸で解し” それから「粉末スープ」と「液体スープ」を馴染ませて、最後に「レトルト調理品」をトッピングしたら出来上がり。
ちょっと貧弱に見えますけど、液体スープを入れた途端に漂ってくる、もやしなどの野菜を中華鍋で炒めたような香りに調理感を覚えました。もやしが入ってないのに炒め野菜の香りが漂ってくるのも変な感じですけどw 引き続き “ご当地の旨さ” に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(159g)あたり |
カロリー:483kcal たん白質:11.9g 脂 質:17.4g 炭水化物:69.6g 食塩相当量:7.9g (めん・かやく:2.0g) (スープ:5.9g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
やっぱり「凄麺」と同じですよね?
やや黄色みの強いビジュアルに、適度な縮れの加減やサイズなど、いずれも既存の「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」にも通じる特徴で、ヤマダイのノンフライ麺にしては若干ながら解れにくい、というのも共通するポイント。厳密にいうと完全に同じ麺ではないかもしれませんが、まず「凄麺」の流れを汲んでいることは間違いありません。
ちょっと表面にノンフライめん特有のゴムっぽさが残るため、可能であれば調理後に1、2分ほど休ませるのがベストですが、十数年前の「凄麺」で気になったほど頑固な質感ではなく、なんといっても札幌の熟成麺を彷彿とさせるプリッ、と弾むような歯切れが印象的。もちろん他社も札幌の味噌ラーメンを再現したノンフライ麺を保有していますけど、歯切れの再現度は業界随一なんじゃないですかね。
調理前の麺重量は65gなので、他社の商品を例に挙げるとレギュラーサイズの「カップヌードル」(日清食品)と同じ麺重量なんですけど、適度なコシとリズミカルな歯切れの良さが功を奏し、実際の麺重量以上に食べ応えが楽しめました。とはいえ値段的に、もうちょっと量が多ければ‥‥という不満が無きにしも非ずではあるものの、ご当地の再現レベルは高いです。
スープ
既存の「凄麺」よりも味の重心が低い
粉末スープの小袋には、細かい粒子の白い粉が入っていたので、ちょっと舐めてみたところ、なんかこう怪しい旨みを感じたのですがw もちろん “うま味調味料” 的な話。あくまでも土台を支えることに徹しているため、これ単体で味が決まるわけではないけれど、ずっしり重たい液体スープを加えると本格さ爆上がり。
既存の「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」と比較して糖類の甘さが強く、それが余韻に長く残るため、気になる人は気になるかもしれません。ただ、北海道産の味噌を使っているのかどうかは定かでないけれど、味の輪郭を調えてくれる赤味噌のキレも然る事乍ら、それとは異なる白味噌の優しいコク、さらに “ふわっ” と鼻に抜ける特有の発酵感も印象的。
残念ながら動物油脂ではなく植物油脂をメインに使っているため、札幌の味噌ラーメンといえばのラードは目立っていませんが、豚骨を中心とする動物系の厚みは明白。加えてペースト状のニンニクと生姜、おからパウダーによるザラついた舌触り、ソテーオニオンのアクセント、そして炒め野菜の風味が臨場感を底上げしてくれる、このスープには値段相応の価値を感じました。
かやく
肉味噌がイマイチ‥‥
先入れのメンマとネギは多くないけれど、メンマの食感は適度に歯応えを残しながらも柔らかく、ネギも主張しすぎないフリーズドライで、それらの上品な印象は悪くありません。ただ、メインの肉味噌は肉の旨みが弱く、レトルト調理品ならではのフカフカとした食感で、肉々しさもイマイチと評価せざるを得ない仕上がり。
肉味噌を謳いながら味噌の存在感は弱く、それよりも乾いた感じの雑味が気になったので、残念ながら感動を覚えることはありませんでした。雑味についてはスープに馴染ませると気にならなくなりますけど、肉の存在感も格段に落ちてしまうので、これだったら既存の「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」と同じ生タイプもやしを別添してほしかったです。
総評
既存の「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」と明確な差別化を図るために、もやしを肉味噌に変更したのだと思いますけど、おかげで一般的にイメージされるであろう “ご当地の旨さ”(札幌のイメージ)から遠ざかるだけでなく、その肉味噌が正直あまり美味しくなかったので、これならレトルト調理品よりも単価が低い、乾燥の挽肉や肉そぼろを大量に搭載したほうがインパクトあったんじゃないのかなと。
あるいは「凄麺」と同じ生タイプもやしとノンフライ麺を継承しつつ、スープを爆発的に美味しく強化するなど、そっちのほうが “ご当地の旨さ” を伝えやすかったのではないでしょうか。もちろん「おいしい」「まずい」でいえば前者ですし、スープは既存の凄麺(札幌)以上ではあったものの、反省点も多かったので、この感想を続編に活かしていただきたく存じます【author・taka :a(大石敬之)】