どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月24日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん きら星×ゆうちゃん 鬼旨スタミナどっ豚骨」の実食レビューです。
業界最高権威『TRYラーメン大賞』誌面掲載連動企画 “名店部門とんこつ1位” を獲得した「ラーメン きら星」と「うまいヨゆうちゃんラーメン」がカップラーメンだけの味を新開発!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
きら星×ゆうちゃん 鬼旨スタミナどっ豚骨
『TRYラーメン大賞』とは、ラーメン業界で確固たる地位を築いた6名の審査員と2名のゲスト審査員によって決定されるラーメン業界最高権威のアワード本で、TRY(トライ)は「東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(Tokyo Ramen of the Year)」の略称。講談社が首都圏で発行していた同社初の都市情報雑誌『TOKYO☆1週間』の企画にルーツを持ち、様々なジャンルのラーメンを格付けしています。
今回の新商品「きら星×ゆうちゃん 鬼旨スタミナどっ豚骨」は、東京都武蔵野市で人気を博す「ラーメン きら星(きらぼし)」代表・星野能宏(ほしの よしひろ)店主と神奈川県大和市で “どっ豚骨♡” の看板を掲げる「うまいヨゆうちゃんラーメン」代表・千葉雄一(ちば ゆういち)店主がタッグを組み、何度も試作を重ねて作り上げた一杯で、カップラーメンだけの味わいとのこと。
メーカーはマルちゃんのブランドで知られる東洋水産で、2022年10月20日に発売された講談社発行『第23回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2022-2023』の誌面掲載と連動したコラボ企画とのこと。以前から東洋水産と深く交流している『TRYラーメン大賞』「きら星」「うまいヨゆうちゃんラーメン」ですが、きら星×ゆうちゃんW監修の即席カップ麺は前例がありません。
ラーメンきら星とは、2004年5月15日の創業以来、強烈な香りと濃厚な旨味を打ち出した「とんこつラーメン」を提供している人気店で、代表の星野店主は2000年1月6日に放送された『TVチャンピオン 第6回ラーメン王選手権」(テレビ東京)の決勝戦に進出したこともある生粋のラーメンフリーク。
「竃」や「二葉」「たけちゃんにぼしらーめん」で修行を積み、自身の店を開業するや否や『TRYラーメン大賞』の「新人とんこつ部門1位』を獲得。以降は1度もランキングから外れることなく受賞を続け、とんこつ部門では『2006・2007・2008・2009・2020-21 名店部門とんこつ1位』を獲得するなど、たしかな実力で現在の地位を築き上げました。
その「きら星」と組むことになった「うまいヨゆうちゃんラーメン」の創業は、2014年12月14日と比較的に最近の話。代表の千葉店主は「横浜らーめん 壱六家」出身の経歴を持ち、しかしながら独立後は呼び戻し製法で有名な久留米のド豚骨を超えた “どっ豚骨” を極める道を選び『TRYラーメン大賞』で3年連続『2018-19・2020-21・2021-22 名店部門とんこつ1位』を獲得した生粋の豚骨職人です。
そんな豚骨のプロ2名が監修した今回のカップ麺について、販売者である東洋水産はニュースリリースに “カップ麺でしか食べられない限定の味” と記載しているのですが、2022年10月30日(日)に星野店主が「うまいヨゆうちゃんラーメン」に出張し、千葉店主と2人でリアル版「鬼旨スタミナどっ豚骨」(1,000円)を1日100食限定で提供予定とのこと(千葉店主が自身の公式Twitterで開示済み)。
しかし、リアル版「鬼旨スタミナどっ豚骨」は、1日限りの実店舗限定メニュー。対してカップ麺は全国のコンビニを中心に、量販店や一般小売店、さらには通販サイトでも販売されているNB(ナショナルブランド)商品なので、実食までのハードルは高くありません。はたして文字通り「鬼旨スタミナど豚骨」な味わいなのか、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製スープ」が1袋。ちなみに当ブログでは、2019年7月29日発売の「うまいヨゆうちゃんラーメン どっ豚骨ラーメン」(★6)と同年11月11日発売のTRY20周年記念商品「凪×きら星 すごい煮干ど豚骨」(★5)を高く評価しているため、期待せずにいられません。
かやくは味付豚肉、玉ねぎ、ねぎ、ニラの組み合わせで、開封後の香りはピリ辛のスナック菓子を彷彿とさせるジャンクさが印象的。そのため「きら星」や「うまいヨゆうちゃんラーメン」の店舗に漂う香りとは一線を隠してはいるものの、あくまでコンセプトはカップ麺でしか食べられない限定の味。さらに両店主ともカップ麺を監修したことがある経験者なので、うまく噛み合ってくれそうな予感。
メーカー希望小売価格は245円(税別)なので、たとえばコンビニで購入した場合、2022年10月現在の相場は264円になりますが、前述のようにスーパーやドラッグストアなども販売店の対象となっています。もちろん地域差はあると思いますけど、私が住んでいる地域ではコンビニよりもスーパーでの取り扱いが意欲的でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん きら星×ゆうちゃん 鬼旨スタミナどっ豚骨 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34) 内容量:100g(めん70g) 商品コード:4901990372831(JAN) |
発売日:2022年10月24日(月) 実食日:2022年10月28日(金) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:スーパー 小売価格:245円(税別) 購入価格:213円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(ポークエキス、食塩、植物油、香味油脂、砂糖、香辛料、豚脂、しょうゆ、ゼラチン、でん粉、たん白加水分解物、ガーリックチップ、魚介エキス)、かやく(味付豚肉、たまねぎ、ねぎ、にら)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、酒精、乳化剤、pH調整剤、パプリカ色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。東洋水産の縦型ビッグに使われる油揚げ麺といえば、数年前の「本気盛(マジモリ)」を筆頭に、ネガティブな印象を抱いている方もいらっしゃるかとは思いますが、現在の本気盛あらため「マジ盛」は麺の基礎クオリティが高く、有名店が監修した商品でも安心して食べられるようになってきました。
別添の小袋は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら「特製スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。パッケージに辛さレベルの表示や辛味に関する警告もなく、しかしながら見た目は辛そうな調理直後。さらに独特の獣臭も漂ってくるため、食欲を刺激されました。
ちなみに製造所は酒悦(しゅえつ)の房総工場となっているのですが、酒悦は東洋水産が1983年(昭和58年)7月から資本参加している連結子会社で、房総工場については “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き “鬼旨スタミナどっ豚骨” な仕上がりに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)あたり |
カロリー:441kcal たん白質:10.9g 脂 質:19.5g 炭水化物:55.5g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:240mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:441kcal(めん・かやく:318kcal)(スープ:123kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
基礎クオリティは高い
原材料名の「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白」という構成は、近年の東洋水産が販売しているカップラーメンの中でも有名店監修の縦型ビッグで頻繁に見るテンプレで、しかしながらコシと反発性を強化していたり、しなやかさに重点を置いていたり、ちょっと伸びやすかったり、伸びにくかったり、複数のパターンが存在します。
今回は比較的に加水率が低く、それでいて歯切れよりも中心部の弾力と反発性を重点的に強化しているような、何度も何度も噛めるタイプの油揚げ麺で、ほとんど湯伸びは気になりません。むしろサイズのわりに頑固というか、食べ始めは部分的に硬いところが残っていたので、調理後に3分ほど休ませたくらいが食べごろ。
そのため単体としての自己主張が強く、しかしながら揚げ油の風味は不躾に作用してこない、基礎クオリティの高い麺に仕上がっているのですが、後述するスープに対して主張が強すぎるのが玉に瑕。これについてはスープ側にも責任があると感じたんですけど、もうすこし麺の自己主張を抑えたほうがよかったのではないかと感じるバランスでした。
スープ
なんかこう‥‥のっぺり
まずは「特製スープ」を入れずに味を確認してみたところ、まろやかな豚骨の旨みを全面に打ち出しつつ、一般的にネガティブとされるクセは徹底的に取り除いているような、人を選ばないタイプのポークエキスを使っているようで、原材料名にはガーリックチップとありますが、そこまでニンニクは強く主張してきません。それに、カツオとサバかな? 豚骨よりも節系の旨味が気になります。
次に「特製スープ」を加えると、見るからに辛そうなオイルが入っていたのですが、実際の辛さはピリ辛の枠を出ない程度。その中に含まれる獣臭は印象的だったんですけど、味覚に訴えかけてくるインパクトは意外にも控えめで、印象は引き続き “まろやか” なテイスト。とろみは強く、そのベクトルは人工的で、終始まったりとしています。ただ、その手綱を握るタレが頼りないというか‥‥
スープが冷めてくると豚骨の旨味が舌を包み込んでくるのを感じたので、それは印象に残ったのですが、麺を食べている間は旨味が分散しています。加えて「名店部門とんこつ1位」のWコラボなのに、豚骨よりも魚介が幅を利かせていたので、それは如何なものかと。けっして味は悪くないのに、企画のイメージや「鬼旨スタミナどっ豚骨」という商品名と実際の味わいにギャップを覚えました。
かやく
ハイライトは細切りの玉ねぎ
途中で引き合いに出した同社の「マジ盛」は、ガッツリ具材にも定評があるのに対し、今回は縦型ビッグの中でも平均的なボリュームで、しかしながら味付豚肉は少なく、ニラも多くありません。ネギはフリーズドライかつ大きめカット、それとシャキシャキした玉ねぎのフレッシュなアクセントには価値が見出せたのですが、監修店の個性を感じるようなトッピングはなかったです。
総評
あの「きら星」と「うまいヨゆうちゃんラーメン」を業界最高権威の『TYRラーメン大賞』が結び付け、夢のWコラボ実現という企画から、だいぶ楽しみにしていたことは認めます。そのため私情を挟むと高く評価したいのですが、商品名に「どっ豚骨」を冠しているわりに豚骨感は優等生で、パッケージのわりにスタミナ感は弱く、食後に残ったのは鬼旨よりも “ふつうにおいしい” でした。
しかし、まったり・とろっとした口当たりには魅力を感じたので、インパクト抜群の「どっ豚骨」に抱かれるであろう印象からは遠退きますが、癖のある濃厚とんこつラーメンが苦手な方にとっては好印象かもしれません。それと「うまいヨゆうちゃんラーメン」の店舗で1日限り提供されるリアル版は別物だと思うので、行動圏内の方はカップ麺と食べ比べてみるのも一興かと【author・taka :a(大石敬之)】