どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年8月17日(火)新発売、明星食品のカップ麺「鬼金棒監修 カラシビ味噌らー麺(二代目)」の実食レビューです。
唐辛子のカラさと花椒のシビれ「鬼金棒」監修のカップラーメンがファミリーマート限定で今年も登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
鬼金棒 カラシビ味噌らー麺 2021
鬼金棒(きかんぼう)とは、東京都千代田区(神田)に本店を構える “カラシビ味噌らー麺” 専門店で、創業は2009年(平成21年)9月17日。酸味・甘味・苦味・辛味・香りに特徴を持つ多様な唐辛子をブレンドしたオリジナルスパイス「カラ」に、最高級の和歌山産ぶどう山椒と四川産花椒(ホワジャオ)から抽出する痺れ油「シビ」を組み合わせた、唯一無二の「らー麺」と「つけ麺」を提供しています。
今回のカップ麺「鬼金棒監修 カラシビ味噌らー麺」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない販路限定のPB(プライベートブランド)商品で、東京都渋谷区に本社を置く明星食品と鬼金棒が共同開発。以前はニュータッチのブランドで知られるヤマダイとコラボしていましたが、ちょうど1年前の夏、2020年7月21日発売品を境に「鬼金棒」のカップ麺は明星食品が担当するようになりました。
カップ麺を監修している「鬼金棒」の店主・三浦正和(みうら まさかず)氏は、池袋の人気店「麺屋武蔵 二天(めんやむさし にてん)」の初代店長を務めていた人物で、そのときに考案した限定麺 “麻辣豆腐の味噌ら~麺” が「カラシビ味噌らー麺」のルーツ。唐辛子と山椒を強烈に効かせ、揚げ豆腐をトッピングした “麻辣豆腐の味噌ら~麺” は当時、かなりネット上でも酷評されたとか——。
しかし、強烈なインパクトだったからこその批判に手応えを感じた三浦店主。その瞬間、独立するときは唐辛子の辛さ(カラ)と花椒の痺れ(シビ)を強烈に効かせた「カラシビ」をコンセプトにしようと決め、おもわず「人に伝えたくなる」「五感で楽しめる」らー麺で “人を喜ばせたい、楽しませたい” との想いから試行錯誤を重ね「カラシビ味噌らー麺 鬼金棒」を創り上げました。
そんな「鬼金棒」のカップラーメンが初めて発売されたのは、現在を遡ること10年以上、2010年(平成22年)11月の話。当初は凄麺(すごめん)シリーズを展開しているヤマダイの製造で、記念すべきカップめん第1弾の商品名は「激辛KING 鬼金棒 カラシビ味噌らー麺」と題し、コンビニの中でもスリーエフとミニストップでしか買えないPB商品として市場に投下。
以降、しばらくヤマダイが「鬼金棒」の製造者として、店名にもなっている「カラシビ味噌らー麺」はもちろん、アクセントにパクチーを効かせた汁なしカップ麺「カラシビまぜそば」の開発など、インパクトの強い商品をコンスタントにリリースしていたのですが、前述の2020年7月発売品よりメーカーを明星食品に鞍替え。容器も大判どんぶり型から縦型ビッグに変更し、製品スタイルを一新します。
ファミリーマートの公式ウェブサイト内に記載されている商品情報(2021年8月発売品)には “唐辛子をきかせ、山椒の香りで特徴付けした芳醇なスープです。スープがよく絡む食べごたえのあるノンフライ太麺が特徴です” とあり、容器の形状も縦型ビッグなので、一見するとノンフライ麺を搭載した2020年7月発売の「鬼金棒監修 カラシビ味噌らー麺(初代)」から変わっていないように思えるのですが‥‥
念のため熱量(カロリー)などの栄養成分表示を比較してみた結果、前回の2020年7月発売品は419kcalだったのに対し、今回の2021年8月発売品は499kcalと約20%も高く、脂質の値も11.0gから20.8gと2倍ちかい値を叩き出しているため、まったくテコ入れなしの再販ではありません。ええ、すこしカップ麺に詳しい方であれば、その理由についての見当はついていることでしょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「調味油」が1袋。それを取り外した先の天面には “豚骨や魚介の旨みに2種類の味噌とマー油のコクが織りなす濃厚スープ。唐辛子のカラさと山椒のシビれがまさにカラシビな一杯” という商品の紹介文があり、前回発売品にはなかったサプライズが用意されているのですが、もっとも注目すべきリニューアルポイントは此処ではありません。
2021年8月18日現在、まだファミリーマートの公式ウェブサイトには “ノンフライ太麺が特徴” と記載してありますが、今年の「カラシビ味噌らー麺」には “油揚げ麺” を使用しているため、それがカロリーと脂質の値を大幅に底上げしている最大の理由。ノンフライ麺から油揚げ麺に変わったということは、必然的にスナック感なども強くなっているハズなので、それが吉と出るか凶と出るか——。
ちなみにファミリーマート標準価格は212円(税込228円)だったので、値段は2020年7月発売品から据え置いたまま、麺の種類をノンフライ麺から油揚げ麺に変更した状態。再現度を高めるためにはノンフライ麺のほうが理想的なのですが、辛いカップラーメンには油揚げ麺のほうが合うパターンも珍しくないため、結果的にカップ麺としての総合力は上がっている可能性も否定できません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:鬼金棒監修 カラシビ味噌らー麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:R・東日本明星株式会社 埼玉工場 内容量:113g(めん80g) 商品コード:4902881476171(JAN) |
発売日:2021年08月17日(火) 実食日:2021年08月18日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:228円(税込) ファミリーマート通常価格:212円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:350ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、酵母エキス)、スープ(みそ、食塩、糖類、デキストリン、豚脂、香辛料、ポークエキス、乳等を主要原料とする食品、香味油、香味調味料、チーズ、植物油脂、酵母エキス、たん白加水分解物、かつおぶし粉末)、かやく(味付豚肉、キャベツ、もやし、ニラ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、リン酸塩(Na)、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、カロチノイド色素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、炭酸マグネシウム、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本品製造設備では、そば・かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
別添の小袋は後入れなので、フタを開ける前に取り外したら、お湯を注ぐだけの簡単調理。かやくの構成は味付豚肉、キャベツ、もやし、ニラなので、前回の縦型ビッグから変わっていません。お店の「カラシビ味噌らー麺」には “鬼の金棒に見立てたヤングコーン” をトッピングしており、ヤマダイの大判どんぶり型では再現できていたのですが、やはり縦型ビッグでは具材の内容にも制約が生じます。
しかし、縦型ビッグのカップラーメンは陳列スペースの狭いコンビニでも並べやすいのと、大判どんぶり型と比較して小袋の数が少ない分、調理しやすい簡便性の高さも魅力。そのため本格さを犠牲にしなければいけないのですが、前回のノンフライ麺から油揚げ麺にリニューアルした今回、あえて製品スタイルに合わせて変更したのであれば、前回よりも高評価を叩き出してくれるかもしれません。
ちなみに辛さレベルなどの表示はないのですが、容器側面に “辛みが強いので注意してお召しあがりください” という激辛系のカップ麺でも定番の注意事項が記載されていたので、カラとシビの威力にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(113g)あたり |
カロリー:499kcal たん白質:11.1g 脂 質:20.8g 炭水化物:66.9g 食塩相当量:7.2g (めん・かやく:3.0g) (スープ:4.2g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.38mg カルシウム:138mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:499kcal(めん・かやく:407kcal)(スープ:92kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
たぶん既製品だけど悪くない
店舗の「カラシビ味噌らー麺」には、3種の異なる切刃番手(12番・14番・16番)で切り出した特注の “三種混合麺” を使っているのが特徴で、三浦店主が「麺屋武蔵 二天」の店長を務めていた頃から付き合いのある製麺所「カネジン食品」の高橋工場長と共同開発。中太麺・中細麺・細麺を混ぜ合わせ、唯一無二の食感を生み出しています。
即席カップめん業界における混合麺といえば、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品の得意分野で、独自に開発した特殊切刃の麺を保持しているのですが、明星食品と共同開発した今回の油揚げ麺に斬新な特徴はありません。しかし、奥歯で噛むと内側からブチンッと弾けるような、独特の躍動感は明星食品らしいポイント。
スープの持ち上げも悪くないですし、なんといっても油揚げ麺のコクがスープに対してプラスに作用してくれるので、油揚げ麺に変更したことが仇になるようなこともなく、むしろ正解だったのではないかと素直に思えたくらい。また前回のノンフライ麺は70gに切り出されていたのですが、今回は80gに増えていたので、食べ応えもアップしていました。
スープ
油揚げ麺に変更したことが功を奏す
2020年7月発売品の粉末スープと比較して、原材料が大幅に変わっているわけではないのですが、以前のスープに使用していた大豆加工品を省き、乳等を主要原料とする食品やチーズの使用量を増やすなど、まったく同じ構成ではありません。しかし、大豆加工品を除く原材料は完全に一致するため、ひとまず前回の粉末スープをベースに据えながら、乳製品系の要素を深めて微調整したようなフレームワーク。
調味油を加える前は、赤味噌と白味噌をバランスよくブレンドした味噌ダレを軸に、味噌感は塩分よりも旨みをフロントに構え、まだ花椒の痺れは目立っておらず、あえて唐辛子の辛さも中辛程度に抑えているようなイメージ。そこに隠し味の鰹を重ねるなど、それらについては前回に抱いた感想と変わらないのですが、新たに油揚げ麺のコクが滲み出ることで、以前よりも濃厚で深みのあるテイスト。
そこに別添の調味油を加えると、花椒(華北山椒)から抽出したオイルを中心に、それとは異なる和山椒の清涼感もブレンドしているのが四川の麻辣(マーラー)とは一線を画すポイントで、すこし焦がしにんにくのアクセントを感じるのも個性的。
最終的な辛さレベルは中辛〜辛口の手前くらい、痺れの強さも常識的なので、お店のイメージ的にはインパクトに欠ける思いもありますが、味のバランスとしてはベストなシビカラかもしれません。
具材
具材は前回から変更なし
前回の具材と比較して目立った変化を感じる項目はないのですが、もやしは個体差か選別したのか短めで太く、シャキシャキとした食感がアクセントに効果的。みずみずしいキャベツは濃厚なスープに対してオアシスで、ニラは太めの軸が多めに入り、それぞれの旨みがスープのコクを深めることにも寄与。
メインのダイスミンチを筆頭に、あくまでカップラーメンらしい構成なのですが、それだけにノンフライ麺だった前回よりも一体感が増しています。たとえば八角を使用した角煮チャーシューの再現や金棒(ヤングコーン)の導入は無理だとしても、次回作では唐辛子と花椒をブレンドした辛さ調節用の “カラシビふりかけ” を別添するとか、そういった工夫があると嬉しいですね。
総評
明星食品とのコラボ商品としては初代となる2020年7月発売品と比較して、クオリティの高いノンフライ麺から油揚げ麺に変わった今回の2021年8月発売品。それによって商品の魅力が弱くなっているのではないか‥‥と、実食前は危惧していたのですが、なんのなんの。むしろ油揚げ麺であることが功を奏し、ひとつのカップラーメンとしての品質は向上したと感じました。
本物の「シビカラ味噌らー麺」は人を選ぶほど強烈なので、再現度の高さはイマイチなのですが、それをマイナスに思わせないのがよかったです。いつかレトルト具材の角煮チャーシューとかヤングコーンを搭載した、販売価格度外視の商品にも期待しつつ、それはさておき今回も数量限定なので、気になっている方は早めに最寄りのファミリーマートをチェックしてください【author・taka :a(大石敬之)】