どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年5月18日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「吉祥寺武蔵家 家系MAX 豚骨醤油ラーメン」の実食レビューです。
家系ラーメンの最高峰と謳われた「武蔵家」の家系MAX “アジコメアブラオオメカタメ” をカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
吉祥寺武蔵家カップ麺 家系MAX
吉祥寺武蔵家(きちじょうじ むさしや, THEE KICHIJOJI MUSASHIYA)とは、東京都武蔵野市吉祥寺で独自の進化を遂げた家系ラーメンの専門店で、創業は1999年(平成11年)5月13日。地元に愛される店舗を目指し、家系御三家の名門「六角家(ろっかくや)」出身の藤崎茂也氏(現店主)及び永井康介氏(現「有限会社洞くつ家」代表取締役)が “三世代に愛されるラーメン屋” を合言葉に立ち上げました。
家系ラーメンとは、横浜市磯子区・新杉田駅付近に開業した1974年(昭和49年)創業の家系総本山「吉村家(よしむらや)」を発祥とするラーメンジャンルの通称で、家系総本山の創業者・吉村実氏が考案。その影響を受けたインスパイア店は「○○家(や)」という屋号を掲げることが多く、しかしながらジャンルとしての通称は家系(いえけい)ラーメンと発音するため、全国的に “家系” という呼び名が定着します。
その家系総本山「吉村家」の2号店として、1986年(昭和61年)にオープンした「本牧家(ほんもくや)」という店があり、そこで店長を任されていた神藤隆氏が当時33歳の頃、1988年(昭和63年)に独立するかたちで神奈川県横浜市神奈川区・六角橋付近に「六角家」を開業。今回の「吉祥寺武蔵家」は “六角家の姉妹店” として生まれ、吉祥寺の宮神輿 “武蔵野八幡宮” から「武蔵家」と名付けられました。
ちなみに都内の家系ラーメンにおける「武蔵家」といえば、東京都中野区・新中野に本店を構えている、1997年(平成9年)11月27日創業の中野系武蔵家「横浜ラーメン 武蔵家」も有名な店。しかし、中野の武蔵家は “六角家” の系譜にあらず、神奈川県横浜市南区高砂町を発祥の地とする「たかさご家」の流れを汲んでいるため、今回の「吉祥寺武蔵家」とは関係ありません。
「たかさご家」の歴史を辿ると「六角家」に辿り着くのですが、長くなるため話を本題に戻しましょう。
今回のカップ麺「吉祥寺武蔵家 家系MAX 豚骨醤油ラーメン」は、寿がきや食品株式会社と吉祥寺武蔵家の共同開発商品で、通称 “家系MAX(いえけいマックス)” と呼ばれている同店の人気メニュー「アジコメ アブラオオメ カタメ」を大判どんぶり型の本格カップラーメンで再現したもの。
実店舗で提供されている「家系MAX」は “アジコメアブラオオメカタメノリ多め” となっているため、厳密にいうと海苔だけシレッとカットされているのですが、コスト上の問題で致し方なかったのかもしれません。とはいえ多くの家系ファンがオーダーする傾向にある「味濃いめ」「脂多め」「麺硬め」を網羅し、家系ラーメンならではのインパクトが感じられるパッケージでシズル感を演出しています。
「吉祥寺武蔵家」が提供する家系ラーメンの特徴は、同じく地元・吉祥寺に総本店を構える創業1928年(昭和3年)の老舗「いせや」から仕入れた国産の豚骨と鶏ガラを1日150kg以上も使い、家系ラーメンの常識を打ち破る旨味を実現。秘伝の醤油ダレは店主のみが知る門外不出の製法で作られ、麺は家系御三家御用達の酒井製麺ではなく三河屋製麺の麺を使用とのこと。
ちなみにアジコメ(味濃いめ)は醤油ダレを多めに入れたもので、アブラオオメ(脂多め)は家系ラーメンに欠かせない鶏油(ちーゆ)の量を増やしたもの。カタメ(麺硬め)については文字通り麺を硬めに茹で上げてもらうオーダーなので、豚骨・鶏ガラを炊き出した乳化感と醤油ダレの掛け合い、鶏油の芳ばしさ、そして麺の歯応えが今回の注目ポイントです。
開封
寿がきや食品×吉祥寺武蔵家のカップ麺に別添されている小袋は「液体スープ」「かやく」「海苔」の合計3袋で、メーカー希望小売価格は税別260円と高めの設定。コンビニで購入した場合の税込価格は280円、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ミニストップ」と「ファミリーマート」での取り扱いを確認しましたが、コンビニでしか売ってないカップラーメンではありません。
麺は熱風乾燥(エアドライ)のノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。寿がきや食品の工場には製麺設備が整っていないため、ノンフライ麺の製造は加ト吉水産株式会社フーズ部の群馬工場に、油揚げ麺の製造は “ポンポコラーメン” でおなじみの山本製粉に委託しています。以前は代わり映えのしない汎用麺を使い回していましたが、2017年の中旬以降、スープに合わせてバリエーションが増えてきました。
「吉祥寺武蔵家」のコラボ商品といえば、コロワイドグループが運営する回転すしチェーン「かっぱ寿司」全店にて、2019年9月13日に「吉祥寺 武蔵家監修 家系ラーメン」を発売し、わずか80日間でシリーズ史上最速の累計販売数80万食を突破。さらに同年11月7日「マシマシトッピング家系ラーメン」「ゼンブのせトッピング家系ラーメン」を緊急追加しているのですが、カップラーメンの発売は今回が初の試みです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:吉祥寺武蔵家 家系MAX 豚骨醤油ラーメン 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 群馬県高崎市新町2330 内容量:133g(めん70g) 商品コード:4901677082725(JAN) 商品サイズ:φ167×70(mm) |
発売日:2020年05月18日(月) 実食日:2020年05月31日(日) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:280円(税込) 希望小売価格:260円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・海苔) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、小麦たん白、たん白加水分解物)、スープ(しょうゆ、チキンオイル、ポークエキス、チキンエキス、食塩、香味油、酵母エキス、ゼラチン、魚醤)、かやく(チャーシュー、ほうれん草、海苔)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、かんすい、香料、炭酸カルシウム、着色料(クチナシ、カラメル)、カゼインNa、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(V.E)、増粘多糖類、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみで、中身はチャーシューとホウレン草。寿がきや食品のカップラーメンに入っているチャーシューといえば、ほんの数年前まで向こうが透けて見えそうなくらい薄くカットされていたので、それと比較したら分厚くなったほうではあるものの、コンビニで税込280円のカップ麺にしては頼りないサイズ。しかし、家系ラーメンには欠かせないホウレン草の存在は素直に好印象ですね。
あとは熱湯を注いで4分待機、かなり後入れの液体スープは量が多いので、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めます。もし熱湯よりも先に液体スープを入れてしまった場合、麺が適切に戻らなくなってしまうので、かならず食べる直前に加えてください。で、さすがにサイズは小さいけれど、家系ラーメンに必須のホウレン草と海苔3枚は雰囲気あっていいですね。
ちなみに先ほど販売店は限定されていないと書きましたが、寿がきや食品のカップ麺は流通の問題で “沖縄には売ってない” ため、現地での入手は厳しいかもしれません。それでは、家系MAX(アジコメ アブラオオメ カタメ)の威力に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(133g)あたり |
カロリー:463kcal たん白質:12.5g 脂 質:20.1g 炭水化物:57.9g 食塩相当量:8.8g (めん・かやく:3.0g) (スープ:5.8g) カルシウム:293mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:463kcal(めん・かやく:239kcal)(スープ:224kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
きちんと硬めで致命的な戻りムラなし
メーカー指定の熱湯4分待ってから、すぐに箸を入れてみたところ、特に抵抗なくスムーズにほぐれたのが好印象。部分的に若干の戻りムラが生じていたのですが、結果的に噛んでいてストレスを感じるようなレベルではありません。液体スープを馴染ませ終わった頃には気にならなくなっていると思いますし、なるほど「カタメ」の通り噛み応えのある弾力。
形状は縮れの強い平打ち麺で、もちもちとした粘り気を兼ね備えてはいるものの、比較して麺の表面は加水率が高いわけではなく、適度な粉っぽさを残す質感から、すでに食べ始めの段階でスープとの一体感が高いのもポイント。やや中心部に乾麺特有の芯が残るのと、かなり縮れが強いため、そこは妥協すべき点になりますが、スープとのバランスはよく単純に印象は悪くありません。
最初は単純に熱湯5分の汎用ノンフライ麺を使い、それを1分早めに切り上げさせているだけかと思ったのですが、その歯応えには持続性があり、お湯を注いでから合計15分ほど経過しても硬めの食感が楽しめます。まったく食感が変化しないわけではないものの、焦って食べる必要はないですし、むしろ後半にかけて麺とスープの一体感が高まるので、あえて焦らして白ご飯と一緒に‥‥みたいな食べ方もアリだと思います。
スープ
なかなかお目にかかれない硬派な味
まず「アジコメ」について、しっかり濃口醤油のコクとキレが強めに効いていて、口の中がキュッ‥‥ってする感じ(伝わりますかねw)というわけで淡麗系のスープが好きな方にはオススメできない濃度を誇っているのですが、ガチの家系ラーメン店で “味濃いめ” をチョイスした時と比較して、まだ食べやすいギリギリの濃度を攻めて狙っているような、市販品として程よいライン。
続いて「アブラオオメ」について、今回はカエシの塩分濃度が高く、そのキレが鶏油に対して常に切り込むような姿勢にあるため、意外と後味はスッキリとしています。けれどもスープだけで熱量は224kcalとハイカロリーな数値が示しているように、濃いめの指標は鶏油と豚骨にも掛かっていて、ただ無闇矢鱈に尖ったスープではありません。
スープの原材料は “しょうゆ、チキンオイル、ポークエキス、チキンエキス、食塩、香味油、酵母エキス、ゼラチン、魚醤” となっていて、アブラはラード(豚脂)ではなくチキンオイル(鶏脂)を軸にしているのが好印象。その芳ばしさもさることながら、まったりと乳化した豚骨と鶏骨の旨味も濃密で、ほんのり奥から上がってくる魚醤のアクセントも奥深く、かなりレベルの高いスープに仕上がっていました。
具材
寿がきや食品にしては頑張ってるw
下請業社が変わったのか以前よりもチャーシューは厚みを増し、ケミカルな風味も気にならなくなってきたのですが、今回ちょっと雑味が目立っています。とはいえ寿がきや食品のチャーシューは基本的にオマケなので、こんなもんだろうと割り切ってくださいw 一方のホウレン草は小さいながらに風味が強く、しっかり家系ラーメンのアイデンティティを表現。
同じく海苔も家系ラーメンを語るうえで欠かせない素材ですし、サイズは小さくても家系ラーメンで標準の “3枚” なのが嬉しいところ。どうやってラーメンの海苔を食べるのが正解なのか——というのは別に決まっていませんが、特にこだわりがない場合とりあえず思い切ってスープに沈めて柔らかくしたあと、たっぷり鶏油を絡めて麺と一緒に食べる、またはアツアツの白ご飯に移動させて優勝するのがオススメの食べ方です。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
コンビニで購入した場合の税込価格は280円とカップ麺の中では高級品なので、手放しにコストパフォーマンスの高い商品とはいえないのですが、味だけでいえば値段相応‥‥いや、それ以上の価値があるといっても過言ではありません。おそらくスーパーやドラッグストアでも200円は超えるかと思いますが、とりあえず家系ラーメンが好きなら買っておいて損のない商品です。
つまり淡麗系のスープが好きな方や塩っぱいラーメンが苦手な方、そもそも家系ラーメンが好みでない場合はオススメできないのですが、逆に “家系ラーメンとはなんぞや” と感じている方の疑問を解決できるくらい硬派な作りだったので、気になった方は最寄りの量販店や一般小売店、コンビニでは「ミニストップ」と「ファミリーマート」をチェックしてみてください。