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井出商店の流れを汲む金沢の行列店「金澤濃厚中華そば 神仙」監修カップ麺 ファミリーマート限定発売!!

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サンヨー食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2020年9月22日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、サンヨー食品「神仙金澤濃厚中華そば」の実食レビューです。

金沢の行列店「金澤濃厚中華そば 神仙」監修のもと唯一無二の中華そばをコンビニ限定のカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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金澤濃厚中華そば 神仙 カップ麺

金澤濃厚中華そば神仙(しんせん)とは、1998年のTV番組『日本一うまいラーメン決定戦』で優勝したこともある和歌山の老舗中華そば専門店「井出商店」出身の店主・河方卓氏が創業したラーメン店で、2003年7月5日にオープン。北陸の台所として知られる金沢市中央卸売市場(金沢市西念4丁目)に1号店を立ち上げ、現在は全国のラーメンイベントで売上杯数1位最多記録を更新し続けています。

実店舗の外観

「金澤濃厚中華そば神仙」の真髄は、生粋の濃厚馬鹿が作る小細工なしの無骨なスープにあり、とことん濃度を追求した唯一無二の豚骨スープは北陸一もとい全国屈指との評判。大量のゲンコツ(豚の大腿骨)をはじめ、豚頭や豚の背骨、鶏ガラなどの食材を寸胴で3日以上、ひたすら圧倒的な火力で煮込み続け、豚骨本来の旨みを極限まで叩き出すことに成功しました。

多くのマニアを唸らせている最強のド濃厚とんこつスープは、一般的なラーメン店で使用されるラードに頼らず、寝る間を惜しんで焦げ付かないように寸胴を見守ること3日間。その際に骨の髄から旨みとゼラチンが溶け出して、スープと油が丁寧に乳化。その量ゆえに、とろっとした舌触りに仕上がるスープに溶け込んだ豚骨は800g以上らしく、スープの濃度は “ブリックス22” を超えるとか——

ブリックス(Brix)とは、主に食品産業のワインや精糖、果実農業などにおいて、ショ糖・加糖・ブドウ糖といった糖の含有量を測るために用いられる値ですが、ラーメン業界におけるブリックスはスープの濃度を示す指標となり、ミシュランガイドに選出された「Japanese Soba Noodles 蔦」や「饗 くろ㐂(もてなし くろき)」の店主なども重要視している値。

カップ麺でも濃厚ド豚骨醤油を強調

たとえば濃度計を販売している株式会社ATAGO(アタゴ)の計測結果によると、札幌の味噌ラーメンはブリックス5.2%という数値が公式ウェブサイトに掲載されており、他にも長崎ちゃんぽんはブリックス5.4%、喜多方ラーメンはブリックス8.1%、博多の豚骨ラーメンはブリックス10.1%とのこと。もちろん店によって数値は大幅にバラ付きますが、ブリックス22以上というのはラーメン店の中でも限られた濃度。

その圧倒的な濃度を叩き出した「金澤濃厚中華そば 神仙」が誇る一杯は、日本最大級の野外ラーメンイベント「東京ラーメンショー」(2013年、2015年)で2度の日本一を獲得。さらにキャリア公式サイト「超ラーメンナビ」の石川県人気投票ランキングで7年連続第1位を記録するなど、数々の輝かしい受賞歴を持ち、他にも全国で開催されているラーメンイベントで何度も売上杯数第1位を記録してきました。

そんな怪物店を築き上げてきた河方店主は、2011年12月19日に現在の運営母体である「株式会社全力の元」を設立。基盤となっている「金澤濃厚中華そば 神仙」をはじめ、味噌ラーメン専門店「らぁめん秀」や二郎インスパイア店「麺屋 神やぐら」など、石川・富山・東京を中心に神仙ブランドを展開し、いずれの店舗も人気を博しています。

撮影協力:ファミリーマート

さて、今回のカップ麺「神仙金澤濃厚中華そば」は、サンヨー食品(サッポロ一番)とファミリーマートの共同開発商品で、金沢の人気行列店「金澤濃厚中華そば 神仙」監修のもと、濃厚なド豚骨醤油の味わいを再現。サンヨー食品の縦型ビッグは再現度に乏しいこともあるため、そこが不安なところではあるものの、とりあえず開封して中身をチェックしていきましょう。

開封

別添の小袋は最初から容器の中に

今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体スープ」が1袋。縦型のカップラーメンに小袋が別添されている場合、ほとんどがフタの上に貼り付けてあるのですが、今回はエースコックよろしく最初から容器の中に入っています。こいつを取り出さないことには始まらないものの、小袋は粉末スープまみれになっているため、気になる方は注意してください。

具材はオーソドックスな構成

神仙(実店舗)のオーソドックスな「中華そば」にトッピングされている具材は、厚みのある豚チャーシュー、メンマ、海苔、ネギとシンプルな構成で、対するカップ麺の具材も味付豚肉、メンマ、ネギと近いラインナップではあるものの、それぞれサンヨー食品のカップ麺で頻繁に見かける汎用の具材。量も平均的なので、麺とスープの完成度に期待でしょうか。

今回はサンヨー食品とファミリーマートの共同開発商品なので、販売店はコンビニの中でもファミリーマートに限定されていますが、北海道から沖縄を含む全国の店舗が対象とのこと。ファミリーマート通常価格は212円(税込228円)、縦型ビッグのカップラーメンにおける2020年9月現在のコンビニ標準売価は税込232円となっているため、比較的に良心的な値段設定です。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:神仙金澤濃厚中華そば
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 本社工場
    群馬県前橋市朝倉町555-4(A)
内容量:101g(めん70g)
商品コード:4901734041078(JAN)
商品サイズ:φ112×118(mm)
発売日:2020年09月22日(火)
実食日:2020年09月23日(水)
発売地域:全国(数量限定)
取得店舗:コンビニ(ファミリーマート)
商品購入価格:228円(税込)
ファミリーマート通常価格:212円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:420ml
調理時間:熱湯2分
小袋構成:1袋(液体スープ)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、粉末卵)、スープ(ポークエキス、糖類、食塩、しょうゆ、チキンエキス、ゼラチン、鶏脂、クリーミングパウダー、植物油脂、鶏レバーパウダー、酵母エキス、香辛料)、かやく(味付豚肉、ねぎ、メンマ)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、カラメル色素、香料、炭酸カルシウム、加工でん粉、酒精、かんすい、クチナシ色素、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

麺は熱湯2分の細麺を採用

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯2分と短めの設定。サンヨー食品の縦型カップ麺に使われている油揚げ麺は、一部のブランド(「和ラー」等)を除いて食感も風味もスナック的に仕上がる傾向にあり、有名店監修のカップ麺では不利に働くことも多いため、そこが不安なところ——ただ、実店舗の麺と同じく細めに切り出されているのはポイントです。

濃厚ド豚骨醤油の再現度は‥‥

あとは熱湯を注いで2分間、別添の小袋は後入れなので、時間になったら粉末スープを溶かし、液体スープは食べる直前に加えます。液体スープを加えたあとは醤油が強めの色合いで、実際の香りも醤油を強めに感じるのですが、前述したように「金澤濃厚中華そば 神仙」最大の特徴は無骨に炊き続けた豚骨の濃度。はたしてサンヨー食品は忠実に再現できているのでしょうか‥‥

ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部の名称なので、実質 “サッポロ一番の本社工場” という認識で問題ありません。それでは、神仙ブランドが誇るド濃厚豚骨醤油スープの臨場感に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(101g)あたり
カロリー:432kcal
たん白質:13.7g
脂  質:17.8g
炭水化物:54.2g
食塩相当量:7.1g
(めん・かやく:2.3g)
   (スープ:4.8g)
ビタミンB1:0.34mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:234mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:432kcal(めん・かやく:315kcal)(スープ:117kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

想像以上にハイクオリティ

5.5

「金澤濃厚中華そば 神仙」実店舗の中華そばに使われている麺は、博多とんこつラーメンよろしく “バリかた・かた・ふつう・やわ” と麺の茹で加減が指定できるらしく、スープはブリックス22以上のド濃厚豚骨醤油スープを特徴としているのに対し、加水率低めの細ストレート低加水麺を使用。また最初に提供される麺は「細麺」で、替え玉を頼むと最初に入っている麺とは違う「極細麺」に変わるそうです。

サンヨー食品の製麺技術進化!!

対して今回のカップ麺に使われている熱湯2分の油揚げ麺は、丸刃で切り出された断面の丸い細麺で、きちんと加水率は低く、ほとんど縮れはありません。そのためモチモチとした粘りのある弾力は楽しめない反面、ややザラつきを感じる表面の舌触りにパツッとした歯切れの良さが心地よく、思いのほかイメージは悪くないどころか想像以上に高品質。

油で揚げた麺なので、どうしても油揚げ麺特有のニオイが常に並行してくるのですが、そこまで野暮ったい印象は受けません。むしろ油揚げ麺ならではの芳ばしさが適度にジャンクな欲求を満たしてくれますし、そこそこ耐久性もあって歯切れの良さが最後まで楽しめる、クオリティの高い仕上がりでした。しかし、熱湯2分ではパキッとした部分が残っていたので、30秒〜1分ほど長めに待ったほうがいいかもしれません。

スープ

やや人工的だけど

5.0

液体スープを加える前に味を確認してみたところ、人工的な旨み成分を軸に粉末しょうゆが土台を整えていたのですが、粉末スープだけの状態だと味にピンボケがみられます。とはいえ液体スープを入れる前の状態ですし、鶏レバーパウダーを使っているのが個性的で、もうちょっと鶏レバーパウダーが多かったら面白かったかも‥‥などと思いつつ、別添の液体スープを追加。

オイルの香りに注目

すると液体しょうゆ特有のキレに豚臭いオイルの厚みが重なって、粉末スープだけでは出せないコクを表現。ゼラチンや増粘剤でスープの粘度を高めているため、とろみのベクトルは人工的ではあるものの、ぽってりとした口当たりが個性を表現しています。ド豚骨というわりに豚骨のクセは抑えられているのですが、実際のスープも豚骨臭は控えめとの評判なので、あえて抑えたのかもしれません。

具材

具材は及第点

3.0

具材の味付豚肉は食感も風味もハムみたいなチップ状のチャーシューで、数も4枚程度と少ないですし、定評のある実店舗のチャーシューには及ばないであろう存在感。しかしながら濃厚なスープに対し、歯触りの強いネギは食感のアクセントに嬉しく、小ぶりなメンマもコリコリとした歯応えで、こちらは量も多めに入っています。

豚肉よりもメンマが主役

もうすこし具材にもこだわってほしかったところではあるものの、今回は麺の出来栄えが印象的だったので、実際そこまで気になりませんでした。ファミリーマート通常価格も税込228円ですし、製品スタイルも手軽さが売りの縦型ビッグなので、こんなもんでしょう。

総評

★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)

実店舗のスープは濃すぎるとの評判・口コミが多かったので、かなり塩分濃度も高いのかと思いきや、カップ麺のスープは濃口醤油仕立てでも思いのほか飲みやすく、万人ウケを狙っているような仕上がり。けれども人工的な粘度と濃いめのテイストから、やや後半に単調さを感じたり、もうちょい骨っぽさを感じたかったりした反面、不安だった麺のクオリティは想像以上に高く、結果的な印象は悪くありませんでした。

しかし、どうしても手軽さが売りの縦型カップ麺ならではの弱みを感じたのも事実。思えば2018年9月25日に和歌山県全面協力のもと「金澤濃厚中華そば 神仙」の修行元である「井出商店」のカップ麺をサンヨー食品が販売しており、製品スタイルはノンフライ麺を使用した大判どんぶり型のNB商品だったので、タイアップ第2弾の登場にも期待しましょう。

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