どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年4月20日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「銀座香味徳監修 鳥取ゴールド レッドスパイシー(RED SPICY)」の実食レビューです。
創業70年以上の歴史を誇る老舗「香味徳」直系の銀座店で提供されていた期間限定メニュー “香味徳 赤” をカップラーメンにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
銀座香味徳 レッドスパイシー
香味徳(かみとく)とは、鳥取県東伯郡赤碕町(現・東伯郡琴浦町)を発祥の地とする牛骨ラーメンの名店で、創業は1949年(昭和24年)。今回の新商品「銀座香味徳監修 鳥取ゴールド レッドスパイシー」は、香味徳の「銀座店」と寿がきや食品株式会社の共同開発商品で、チリとハバネロパウダーの辛味がクセになる銀座香味徳の “期間限定メニュー” をカップ麺で再現したもの。
銀座香味徳の源流となる「香味徳 赤碕店」の歴史は、鳥取県中部地方に位置する倉吉市にあった食堂「松月」(現在廃業)をルーツとし、そこで牛骨ラーメンの基礎を学んだ先代・紙徳利男氏が1949年(昭和24年)に旧・赤碕町で「お食事処 香味徳」を開業。香味徳(かみとく)という屋号の由来は、創業者の苗字「紙徳」に因んでいます。
2020年4月現在、鳥取県内には「赤碕店」と分家の「由良店」及び「倉吉店」で “3つの香味徳” が存在するのですが、それぞれ経営者は別の人物で、ラーメンの味や製法も別物。その中でも本家に位置付けられている「赤碕店」は、紙徳利男氏の実子・紙徳武男氏が二代目店主を務め、その実子・紙徳真一氏が東京都中央区銀座一丁目に “本家 赤碕店” の流れを汲む「香味徳 銀座店」を開業しました。
「香味徳 銀座店」がオープンしたのは2010年7月23日、そこで店主を務める紙徳真一氏(現「株式会社香味徳」代表取締役社長)は、親子三代続く紙徳家の長男で、その弟である紙徳家の次男・紙徳潤一氏は2014年7月に国外では世界初となる牛骨ラーメン専門店「香味徳 ハワイ店(kamitoku hawaii)」を展開。
寿がきや食品とのタイアップは、2017年5月22日に発売された銀座香味徳監修カップラーメン「鳥取ゴールド牛骨ラーメン」に始まり、2018年5月21日にリニューアル。鳥取ゴールドは「香味徳 銀座店」でのみ提供している限定メニューで、寿がきや食品のオリジナルブランド「全国麺めぐり」からレギュラー商品として2020年4月現在も販売が続けられています。
その後、寿がきや食品×香味徳監修カップめん第3弾として、2019年5月27日に「香味徳 ハワイ店」限定の新世代こってり牛骨白湯「香味徳HAWAII BEEFY WILD(ビーフィーワイルド)」を商品化。今回の新商品「鳥取ゴールド レッドスパイシー」は、香味徳監修カップめん第4弾の新作で、銀座香味徳限定の “香味徳 赤” を再現とあるのですが、ネット上に詳しい情報は公開されていません。
しかし、独自のルートで調べてみたところ、どうやら再現元になっている「香味徳 赤」は、2019年12月~2020年2月頃に「香味徳 銀座店」で提供されていた1日30食(当時800円)の期間限定メニューで、牛骨スープに唐辛子とブレアーズの激辛デスソース(Death Sauce)をブレンドした「香味徳 ハワイ店」で人気の “超激辛ラーメン” を逆輸入した商品との情報を入手。
おそらく元ネタは「香味徳 ハワイ店」の激辛牛骨ラーメン「Beefy Spisy(Very Spisy)」だと思うのですが、鳥取ゴールドは「香味徳 銀座店」の限定スープなので、ハワイ店のメニューをもとに銀座店流のアレンジを加えた激辛ラーメンという立ち位置の商品だったのかもしれません。それを再現した今回のカップ麺「銀座香味徳監修 鳥取ゴールド レッドスパイシー」の実力やいかに——
開封
というわけで、別添の小袋は「液体スープ」「かやく」「辛味スパイス」の合計3袋。パッケージに “大変辛いラーメンです。辛いものが苦手な方はご注意ください。” みたいな警告文は記載されていませんが、小さく “chili powder & habanero powder”(※香辛料のうちチリパウダー40%、ハバネロパウダー4%使用)の文字があるため、辛味スパイスの辛さレベルも見所。
麺は独特の光沢が特徴的なノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。ちなみにカップ麺の販売者は寿がきや食品株式会社となっているのに対し、製造所は加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場(群馬県高崎市新町2330-26)となっているのですが、寿がきや食品の工場には麺を製造する設備が整っていないので、いつもノンフライ麺は基本的にテーブルマークグループのカトキチに委託しています。
メーカー希望小売価格は税別238円、コンビニで購入した場合の税込価格は軽減税率8%で257円が2020年4月現在の標準売価になるのですが、どのコンビニに行っても売ってない‥‥w で、その後ひょっこりイオン系列のウエルシアに現れて捕獲。他にもイオンリテールで見かけたとの販売店情報もあったので、イオン系列の店舗が意欲的に取り扱っているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:銀座香味徳監修 鳥取ゴールド レッドスパイシー 販売者:寿がきや食品株式会社 製造者:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 製造所:群馬県高崎市新町2330 内容量:113g(めん65g) 商品コード:4901677082718(JAN) 商品サイズ:φ167×70(mm) |
発売日:2020年04月20日(月) 実食日:2020年04月24日(金) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:ウエルシア薬局 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:238円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・辛味スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、小麦たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(しょうゆ、動物油脂、ビーフブイヨン、食塩、たん白加水分解物、乳糖、みりん、香辛料(チリパウダー40%、ハバネロパウダー4%)、ポークエキス、ゼラチン、砂糖、野菜エキス、ガーリックペースト)、かやく(チャーシュー、もやし、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸カルシウム、着色料(カラメル、パプリカ色素、クチナシ)、乳化剤、増粘多糖類、香辛料抽出物、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、V.E、V.C)、リン酸塩(Na)、カゼインNa、(一部に卵・乳成分・小麦・牛肉・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」1袋、具材はチャーシュー、もやし、ねぎとシンプルな構成で、あまり量が多いとはいえないものの、構成自体は既存の「銀座香味徳監修 鳥取ゴールド牛骨ラーメン」と一致します。ただ、鳥取ゴールドのカップ麺はネギが後入れ仕様なので、税別238円という希望小売価格を思うと寂しい内容といわざるを得ません。
しかし、今回の限定 “レッドスパイシー” には後入れの「辛味スパイス」を別添。しかも液体スープを開封した瞬間、牛脂の芳醇な香りが漂う様は、既存の「鳥取ゴールド」と同じファーストインプレッション。かなり辛そうな見た目ですが、唐辛子の香りよりもクミンの香りが強く、ここは人を選ぶ項目になるかもしれません。
ちなみに販売店は限定されていませんが、寿がきや食品のカップ麺は流通の関係で “沖縄では売ってない” ので、今回も沖縄を除く全国での販売とのことでした(※寿がきや食品の担当者に確認済み)。それでは、牛骨と辛味スパイスの兼ね合いや辛さレベルに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(113g)あたり |
カロリー:358kcal たん白質:8.8g 脂 質:11.0g 炭水化物:56.2g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:1.5g) (スープ:4.8g) カルシウム:102mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:358kcal(めん・かやく:251kcal)(スープ:107kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく既存の麺と同じもの
麺は丸刃でカットされた縮れの強いノンフライ麺で、熱湯5分きちんと待ったのですが、最近の寿がきや食品(加ト吉水産)には珍しく、ちょっと部分的な戻りムラが気になりました。しかし、ほんの一部分がほぐれにくかっただけで、その部分を食べてみても致命的な欠陥と思えるような戻りムラではありません。
やや加水率の高い多加水麺寄りの質感で、歯切れの良さよりも粘り気のある弾力とコシを重点的に強化。けれども全力で歯を包み込むようなタイプではなく、適度に跳ね返ってくる反発性の持ち主で、小麦の風味も主張し過ぎることなく芳醇に香り、麺の量は調理前65gと特別に多くはないのですが、きちんと値段に伴った品質。
おそらく既存の「銀座香味徳監修 鳥取ゴールド牛骨ラーメン」に使用されているノンフライ麺と同じものだと思うので、まったく新鮮味はないのですが、今回の牛骨スープとの相性は申し分ありません。実店舗の麺とは形状が違うため、再現度の高さは評価できませんが、基礎クオリティの高いノンフライ麺です。
スープ
がっつり牛推し
土台の「液体スープ」にはオレンジ色のオイルも入っていて、ほんのり唐辛子の辛味を感じますが、一般的にみても辛さレベルはピリ辛の枠を出ません。それよりも動物油脂の主成分と思われる牛脂のインパクトが凄まじく、一見して明白な牛脂の香りもさることながら、糖類や砂糖とは違う牛脂特有の奥深い甘みが実に個性的。
前回の香味徳監修シリーズ第3弾「香味徳 HAWAII BEEFY WILD」は濁りのある白湯(ぱいたん)系の牛骨スープを軸にしていたのに対し、今回の「鳥取ゴールド レッドスパイシー」は濁りのない清湯(ちんたん)系の牛骨スープで、既存の「鳥取ゴールド」にルーツを感じるフレームワーク。牛脂では出せないビーフブイヨンの膨よかな旨味もさることながら、豚骨や鶏ガラを使っていないのも好感が持てるポイントです。
液体スープの味を確かめた後に、別添の「辛味スパイス」を全部入れてみたところ、それでも辛さは一般的にみて “中辛” 前後だったので、よほど辛い食べ物が苦手でない限り心配ありません。そのため辛味に期待していると物足りない辛さになりますが、もとより寿がきや食品から激辛がアピールされているわけではないですし、こってりとした牛脂のコクに唐辛子の適度な刺激がベストマッチ。
ただし、けっこうクミンの香りが強く主張し続けていたので、もしも苦手な方は要注意。そのクミンも今回の牛骨清湯にフィットしていると感じたのですが、あまりクミンが得意でない場合、別添の辛味スパイスは使用せず、ふつうの一味唐辛子で辛味を調節したほうがいいかもしれません。
具材
具材はショボい
もともと寿がきや食品のカップラーメンは、比較的に具材が貧弱になるケースが多く、今回は牛脂のインパクトに別添スパイスのコストを思えば許容できなくもないのですが、お世辞にも値段に伴った内容とはいえません。思いのほかシャキッとした歯応えの太もやしは印象がよかったものの、先入れの乾燥ねぎは可もなく不可もなしの品質で、チャーシューに関しては及第点以下。
さすがに向こうが透けて見えそうなくらい薄かった数年前のチャーシューほどではないものの、寿がきやチャーシュー特有のケミカルな風味が目立っていたので、ちょっと邪魔に思えてしまいました。カップラーメンにはチャーシューという定番の縛りがあるのかもしれませんけど、たとえばチャーシューを抜いて乾燥ねぎを後入れにできるのであれば、そっちのほうがよかったかもしれません。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
ぜんぜん “超激辛ラーメン” ではなかったものの、液体スープを開封した瞬間から漂ってくる牛脂のコクはインパクトが強く、既存の「鳥取ゴールド」が好きなファンの期待を裏切らない仕上がりは流石(さすが)の一言。そのため牛脂が苦手な方にはオススメできませんが、唯一無二の仕上がりは一見の価値ありだと思います。
かなり辛味スパイスのクミンが強かったので、そこもターニングポイントになりますが、クミンが苦手な方は辛味スパイスを入れなければ問題解決。どうも販売店が少ないようなので、入手に手間取る商品なるかもしれませんが、牛脂とクミンさえ大丈夫ならイオン系列の店舗を中心に探してみてください。