どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年5月25日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「貝ガラ屋監修 濃厚牡蠣味ラーメン」の実食レビューです。
牡蠣ラーメン専門の行列店「貝ガラ屋」の “濃厚牡蠣ソバ” を再現した鶏白湯仕立てのカップラーメンが登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
貝ガラ屋監修 濃厚牡蠣味ラーメン
貝ガラ屋(かいがらや)とは、ラーメン業界の新世代 “シェルラー” の通り名でトレンド入りしたこともある人気ジャンル・貝だしラーメンの専門店で、牡蠣(かき)に特化したメニューが最大の特徴。2014年2月1日、神奈川県相模原市中央区淵野辺本町にあるマンション色利の1階(現所在地)に開業した汁なしラーメン専門店「イプサ」が前身で、2014年11月20日から現在の「貝ガラ屋」としてリニューアルしました。
今回の新商品「貝ガラ屋監修 濃厚牡蠣味ラーメン」は、サッポロ一番ことサンヨー食品株式会社及び「貝ガラ屋」の共同開発商品で、同店の看板メニュー「濃厚牡蠣ソバ」を縦型ビッグのカップラーメンにアレンジ。2015年頃を境にカップめん業界でもメジャーになってきた貝出汁ですが、牡蠣にフォーカスした商品はオイスターソース系を除いて変わり種でも一般的ではありません。
「貝ガラ屋」を立ち上げた店主・永山尚吾氏は、もともとフランス料理店で腕を振るっていたらしく、ラーメン店では東京・府中の有名店「麺創研かなで」出身という経歴を持ち主。最初に開業した「汁なしイプサ」は、敷居が高いフレンチよりも多くの方に食べてもらえるラーメンを——という想いから発足した専門店で、イプサの由来は “自発的な” を意味するラテン語「ipsa」に因んだもの。
「汁なしイプサ」が入る前は、パイナップルを使ったラーメンで業界に衝撃を与えた「パパパパパイン」の姉妹店「麺屋 クラー軒(くらーけん)」が店を構え、その「クラー軒」が閉店した跡地に「汁なしイプサ」が居抜きでオープン。開業当初は多種多様な汁なし麺を提供していたようですが、心機一転して貝に特化したメニューに刷新し、屋号を「貝ガラ屋」に改めます。
店舗面積は約30平方メートル、席数もカウンター8席のみと小さな物件で、最寄駅(JR淵野辺駅)からも徒歩15分。けっして好立地とはいえない場所にありながら、現在の「貝ガラ屋」にリニューアル後、一杯あたり100gの貝を使用した豚骨ベースの「貝だしラーメン」と牡蠣に振り切った「濃厚牡蠣つけ麺」が話題になり、評判が評判を呼んで行列の絶えない有名店へと急成長。
2020年5月末現在、日本最大級のラーメン専門クチコミサイト「ラーメンデータベース」では89.821ポイントの高得点。さらに「食べログ」でも総合点3.90を叩き出し、2017年〜2019年の「食べログ ラーメン EAST 百名店」にも3年連続選出店として掲載されるなど、貝だしラーメン専門店の中でも名実ともに頭一つ抜きん出た存在になりました。
今回のカップ麺「貝ガラ屋監修 濃厚牡蠣味ラーメン」の再現元になっている「濃厚牡蠣ソバ」は、これ以上ないほど牡蠣の旨味を凝縮した一杯との口コミが多く、牡蠣好きにはたまらないと絶賛の嵐。その強烈な牡蠣のスープもさることながら、相模原が誇るブランド豚・さがみはら幸福豚(こうふくとん)を使用した低温調理チャーシューやサイドメニューの「貝めし」にも定評があります。
そんな「貝ガラ屋」のカップ麺を手掛けるサンヨー食品といえば、実は貝出汁に強いメーカーで、2015年7月発売のNB商品「満貝」を境に『ミシュランガイド東京2019』で “一つ星” を獲得した「SOBA HOUSE 金色不如帰(こんじきほととぎす)」のカップラーメンなど、これまで貝エキスを駆使した名作を何度もリリースしてきました。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。実店舗で提供されている「濃厚牡蠣ソバ」は豚骨と鶏ガラから動物系の旨みを抽出しているようですが、パッケージには “鶏白湯仕立て” とあるので、ジャンルとしては牡蠣鶏白湯。そういえば昨年の2月、日清食品が「行列のできる店のラーメン 牡蠣鶏白湯」という期間限定のカップラーメンを販売していましたね。
具材はチャーシューにネギとシンプルな構成‥‥って、量が少ないw いや、ちょっと移動中に麺が2回くらいガコッと動いたので、その拍子に具材が麺の下に移動してしまったのかもしれません。とりあえず量についてはさておき、本物の「濃厚牡蠣ソバ」には前述の低温調理チャーシューにカイワレ、穂先メンマ、白髪葱、海苔がトッピングされているので、具材は比較できないほど頼りない雰囲気です。
メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで買った場合の税込価格は232円が標準売価(2020年5月現在)。いつまで売ってるのかについては店頭在庫によりますが、おおむね販売期間は1ヶ月ほど。コンビニでは「ローソン」と「デイリーヤマザキ」での取り扱いを確認しているため、近所のスーパー等に売ってない方は販売店の参考にしてください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:貝ガラ屋監修 濃厚牡蠣味ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造者:太平食品工業株式会社 関西工場 製造所:奈良県大和郡山市額田部北町944(W) 内容量:92g(めん70g) 商品コード:4901734039990(JAN) 商品サイズ:φ112×118(mm) |
発売日:2020年05月25日(月) 実食日:2020年05月29日(金) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ウエルシア 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(食塩、糖類、豚脂、カキエキス、植物油脂、チキンエキス、みそ、昆布粉末、香辛料、ホタテエキス、酵母エキス、ゼラチン、発酵調味料、さば節粉末)、かやく(味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸カルシウム、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、かんすい、クチナシ色素、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、レシチン、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は縮れの強い油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。熱湯を注ぐ前は特に牡蠣の香りが漂ってくることもなく、それよりも油揚げ麺特有のニオイが気になるところ。サンヨー食品の縦型ビッグ製品は、スープの出来がよくても具材が頼りない、麺が残念でスープを壊してしまった‥‥などのトレードオフで最終的な総合点が低くなってしまう傾向があるため、そこが今回の不安要素です。
あとは熱湯を注いで5分待機、別添の小袋は食べる直前に加える後入れなので、うっかり先入れしないように気を付けてください。今回の容器はポリスチレン樹脂(PS)ではなくポリプロピレン樹脂(PP)を採用しているため、調理直後も容器が熱くならないのは利点。しかし、具材は “ひとつ残らず集めても上記画像の量で全部だった” ので、よほどスープに多額のコストを注ぎ込んだのでしょうか。
ちなみに販売者はサンヨー食品株式会社で、製造者は太平食品工業株式会社の関西工場(製造所固有記号:W)となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、濃厚な牡蠣の旨味に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:420kcal たん白質:7.2g 脂 質:18.1g 炭水化物:57.1g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:1.7g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.43mg ビタミンB2:0.58mg カルシウム:206mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:420kcal(めん・かやく:326kcal)(スープ:94kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
食感は面白い
今回のカップ麺に使用されている油揚げ麺は、熱湯5分後も縮れが強く、しかしながら滑らかな口当たり。それから食べ始めはゴワゴワとした加水率の低い食感なのですが、完全にフタを明けてから3分ほど経過すると、適度にモチモチとした粘り気のある弾力が出てきます。しかし、その段階に差し掛かると比較的に柔らかめの歯応えで、やはり調理前から気になっていた油揚げ麺臭が不快なところ‥‥
太さのわりにスープの味がボヤけるほど強烈な主張ではなかったので、さっさと麺から食べてしまえばスープを蹴散らすことはないものの、とうぜん熱湯を注いでから実食前までの5分間、油揚げ麺から雑味が滲み出でてきます。これがプラスに作用することもあるのですが、今回のように個性的な再現カップ麺には不向きといわざるを得ません。
二郎系・インスパイア系と呼ばれる店で提供される麺ほど野趣に富んだ食感ではないものの、楽しかったのは食べ始めの強付いた食感。けれども食べ始めは特に酸化したようなニオイが強く、これはこれと割り切って食べなければ厳しいかもしれません。サンヨー食品(太平食品工業製造)の縦型ビッグ製品としては比較的にマシなほうですけど、もうすこし麺の主張を抑えたほうがよかったように感じました。
スープ
鶏白湯はさておき牡蠣は好印象
スープの原材料は “食塩、糖類、豚脂、カキエキス、植物油脂、チキンエキス、みそ、昆布粉末、香辛料、ホタテエキス、酵母エキス、ゼラチン、発酵調味料、さば節粉末” と魚介を中心に据えた構成で、パッケージには「鶏白湯仕立て」とありますが、あまり白湯(ぱいたん)らしい濃度ではありません。いわゆる清湯(ちんたん)ほど淡麗ではないものの、鶏白湯に期待していると肩透かしを食う濃度。
けれども仕上げの小袋を入れる前の段階から、しっかりと重心の低いホタテの旨みがあり、加えて白味噌の隠し味が面白いポイント。残念ながら前述の油揚げ麺臭が邪魔をしてくるものの、粉末昆布と鯖節の旨みが柔らかく貝出汁の脇を固めてくれています。そして別添の小袋は「仕上げの小袋」というネーミングなだけあって、牡蠣の個性を表現するうえで実に効果的。
おそらく香料も重ねていると思うのですが、小袋を投入した瞬間、今回のテーマである「牡蠣」の風味がブースト。さすがにリアルな牡蠣をペースト状にしたような濃度ではないものの、アサリやホタテ、シジミ、ハマグリなど、それらとは違った牡蠣を思わせる香りが立ち上がり、なるほど個性的なスープに仕上がります。ちょっと鶏白湯的にはイマイチですけど、牡蠣の香りが目的なのであれば、まったく印象は悪くありません。
具材
もうちょっと頑張ってほしかった
とりあえず具材を集めてはみたものの、上記に写っている画像の分で全部。スープに使用していた牡蠣エキスにコストを惜しげもなく費やしたのか、しわ寄せが容赦なく具材に向けられているサンヨー食品らしい仕上がりです。とりあえず乾燥ネギは歯触りの強い汎用の青ネギなので、それ以上でもそれ以下でもありません。
チャーシューもインスタント感の強い加工肉をチップ状に加工しているため、まったく高級感はないのですが、これ地味においしいですw せめてチャーシューが大量に入っていたら、そのボリュームを評価できたんですけど、ちょっと今回は厳しいかな‥‥
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)
具材の貧弱さと麺の油揚げ臭もさることながら、そもそも鶏白湯仕立て的にどうなの?(ふつうに鶏しおスープっぽかった)というのが気になったので、今回の総評は迷ったのですが、とりあえず牡蠣の癖が楽しみたいのであれば「買い」だと思います。ただし牡蠣の風味は強くても “クリーミーさは感じられなかった” ので、そこは割り切ってください。
というわけで厳し目に評価してしまったのですが、今回の製品スタイルはコンビニでの取り扱いを意識した利便性の高い縦型ビッグのカップ麺。サンヨー食品はノンフライ麺にも定評があるため、今度は利便性やコストパフォーマンスの高さを度外視し、大判どんぶり型の容器で本気を出してもらいたいですね(このブログでの★3は “及第点” なので、イマイチではありません)