どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月2日(月)新発売のカップ麺、エースコック「一度は食べたい名店の味 PREMIUM 四つ葉 地鶏だし醤油ラーメン」の実食レビューです。
熱湯4分で行列回避!? 埼玉・川島町「中華そば 四つ葉」監修カップラーメン第3弾は満を持すプレミアムタイプ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
一度は食べたい名店の味 PREMIUM 中華そば四つ葉
「一度は食べたい名店の味 PREMIUM(プレミアム)」とは、手頃なタテ型カップ+油揚げ麺で展開されている名店コラボシリーズ「一度は食べたい名店の味」のワンランク上に位置するハイエンドモデルで、ノンフライ麺・どんぶり型カップを使用した本格路線。このシリーズと「中華そば 四つ葉」のタイアップは3回目で、初のPREMIUM版が開発されました。
「中華そば 四つ葉(ちゅうかそば よつば)」とは、埼玉県比企郡川島町伊草に本店を構える名店で、創業は2013年(平成25年)6月21日。最寄駅・本川越駅からエースコックの開発者が “実際に歩いて徒歩90分” という立地にもかかわらず、開店当初から完成度が凄まじいと評判で、2019年現在もマニアからの客足が途絶えません。
若き天才として名を馳せた「四つ葉」の店主・岩本和人さんは、生粋の寿司職人である両親の元に生まれ、その後を継ぐものと思われていたのですが、なんと “生ものが大の苦手” ——とても自分が寿司職人になる姿が想像できず、けれども家業である飲食業は継がなければいけない、その結果「ラーメン」の世界に身を置くことになりました。
もともとは服飾デザイナーを目指し、デザイン系の専門学校を卒業したそうですが、卒業後2年間はフリーター生活。仕事も決まらないまま、大好きだったサッカー観戦のためにイタリアを訪れた際、ふとイタリアの電車の中で “ラーメン屋になろう” と思ったのが23歳の頃。帰国後、彼は埼玉県川越市の名店「頑者(がんじゃ)」の門を叩きます。
四つ葉の店主は「頑者」及び系列店の「UNDERGROUND RAMEN」出身という経歴を持ち、ラーメン作りを必死に覚えながら他店での食べ歩きも積み重ね、様々なラーメンの味を舌に叩き込んでいく中、東京・町田にあった「ラァメン家 69’N’ROLL ONE (ロックンロールワン)」の “鶏と水だけ系” と呼ばれる醤油ラーメン「2号ラーメン」に衝撃を受けたのが27歳の頃。
2019年現在、数々の著名な店主に影響を与えた東京の「69’N’ROLL ONE」は閉店、その後「らぁめん矢 ロックンビリーS1(スーパーワン)」として尼崎にリニューアルオープン。「四つ葉」のコンセプトでもある “素材をシンプルに追求した作り” は、「69’N’ROLL ONE」の鶏と水だけ系にインスパイアされたものなのでしょう。
その衝撃を受けてから、さらに35歳まで修行を積み重ね、いよいよ両親の経営する「すし宝船」の横に「四つ葉」をオープン。2019年現在のグランドメニュー(麺類)は、「四つ葉そば」「蛤そば」「煮干しそば」「つけそば」「まぜそば」などのラインナップがあり、四つ葉の店内では店主の父が握った本格にぎり寿司が食べられる、というのも特徴ですね。
カップラーメンのサブタイトルは「地鶏だし醤油ラーメン」、パッケージでも国産地鶏だし使用* をアピールしているため、おそらく比内地鶏をメインに複数の地鶏をブレンドした濃口醤油味の看板メニュー「四つ葉そば」を再現しているものと思われます(*チキンエキス中に地鶏エキスを10%使用)。
開封
別添の小袋は「液体スープ」と「かやく」の合計2袋で、高価格帯のカップ麺にしては珍しく簡素な構成。ちなみに “一度は食べたい名店の味” のメーカー希望小売価格は税別220円、今回のハイエンドモデル “一度は食べたい名店の味 PREMIUM” のメーカー希望小売価格は270円と50円もの差が生じています。
もちろん麺はノンフライ麺で、見た目も汎用的ではなく、上品な佇まい。お店の「四つ葉そば」に使用されている麺は、加水率が低めの中細ストレート低加水麺。以前は埼玉県新座市の製麺所「村上朝日製麺所」謹製の “特製高級麺使用” でしたが、現在は東京都中野区に本社を置く「大成食品」に発注しているようですね。
このブランドから「四つ葉」のカップラーメンが初めて出たのは、2017年8月28日に発売された第1弾「一度は食べたい名店の味 四つ葉監修の一杯 行列必至の中華そば」。続いて2018年7月9日に第2弾「一度は食べたい名店の味 四つ葉 蛤ダシ中華そば」を発売しているのですが、今回は初のノンフライ麺・どんぶり型で、立ち位置は四つ葉監修シリーズ第1弾「行列必至の中華そば」のブラッシュアップです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたい名店の味 PREMIUM 四つ葉 地鶏だし醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W)兵庫県加東市河高1816-175 内容量:106g(めん65g) 商品コード:4901071211714(JANコード) 商品サイズ:縦165mm×横165mm×高さ75mm 発売日:2019年09月02日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物、卵白粉)、スープ(チキンエキス、動物油脂、しょうゆ、植物油脂、たん白加水分解物、食塩、香味調味料、酵母エキス、ポーク調味料、果糖ぶどう糖液糖、魚醤、ジンジャーエキス)、かやく(焼豚、味付鶏・豆腐だんご、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、乳化剤、炭酸カルシウム、香料、かんすい、増粘剤(加工でん粉)、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、酸味料、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
具材は193円のタテ型レギュラーサイズのカップ麺に入っているような丸型チャーシューが1枚、お世辞にも高級感のある具材とは言えませんが、大きめにカットされたネギは多めに入っていて、巨大な鶏だんご風の白くて大きな具材が目立ちます。ただ、原材料名には「味付鶏・豆腐だんご」と表示——いわゆる豆腐ハンバーグ的な感じですかね。
お店の「四つ葉そば」には、鶏・豚のレアチャーシュー、穂先メンマ、三つ葉、海苔がトッピングしてあるため、ほぼ共通点は皆無に等しいのですが、口径の広い容器のわりに寂しくありません。とはいえ冷静になったら高級感あふれるラインナップとも言えないんですけど、味付鶏・豆腐だんごの出来が気になるところ。
販売店はスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなどでも取り扱われていますが、コンビニで購入した場合、税込価格は288円とプレミアム。ちなみにコンビニ大手4社の中では、「ローソン」と「ミニストップ」で比較的よく見かけました。それでは、値段と味の釣り合いが取れているのかどうかに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(106g)当たり
カロリー:332kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:332kcal(めん・かやく:242kcal)(スープ:90kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しなやかな物腰は柳の如く、けれども食べ始めのコシは強靭で、なおかつ戻りムラは気になりません。これは「エースコックの多加水麺」や「茹でたて名人」など、2014年ごろに最盛期を迎えていた独自製法 “もちもっち多加水麺” の流れを汲む加水率の高い(麺の水分含有量が多い)ノンフライ麺で、形状の雰囲気は「四つ葉」の麺と似ています。
しかし、食べ始めは硬めの歯応えで、適度な歯切れの良さも並行しますが、どんどん麺の加水率がアップ。低加水麺とは真逆の仕上がりと言っても過言ではない、もっちりとした粘り気で抵抗を見せてきます。そのため再現度が完璧とは言えないけれど、ひとつのノンフライ麺としては実に上質で、コンビニ購入(税込288円)でも素直に納得できるレベル。
特に今回の奥深くて淀みのない鶏醤油清湯スープと麺の一体感が高く、小麦の豊かな香りも心地よく漂ってきて、単純に印象がよかったです。「一度は食べたい名店の味」からの「中華そば 四つ葉」前回、前々回は低加水麺だったので、とつぜんの路線変更ではあるものの、基礎レベルの高さとスープのマッチングは素晴らしく、素直に楽しむことができました。
スープ
たん白加水分解物や香味調味料、酵母エキス、果糖ぶどう糖液糖といった人工的な補強は体感的に否定できず、たん白加水分解物は仕方ないとしても果糖ぶどう糖液糖の雑味が気になったりもしたのですが、それを踏まえてもハイレベル。表面に浮かぶ鶏油(チーユ)の芳ばしい香り、そして土台は丸鶏から丁寧に旨味を抽出したような、鶏ガラ(骨)だけでは出せない畜肉系の旨みが印象的。
鶏油の芳ばしさは確かに主張させつつ、それがスッ‥‥と鼻を抜けたあと、口いっぱいに広がる鶏の余韻は地鶏の面影が見えるくらい芳醇で、醤油も濃いめに効かせてあるのですが、あくまで濃口醤油の旨みやコクといったポジティブな部分だけを抽出していような味わい。醤油は濃いめなんですけど、しょっぱくないギリギリを攻めてきます。
やや人工的な旨み成分に加えて清湯系の豚骨もサポートに入りますが、あくまでも補助。多すぎず少なすぎない鶏油の配分が絶妙で、ほんのり魚醤の隠し味が面白く、普段は香味野菜を強めに使ってくるエースコックですが、生姜の効かせ方も実に穏やか。ほんのり感じる醤油の酸味も見所で味わい深く、奥行きは複雑なのに簡素で無駄のないスープでした。
具材
大きめのメンマはコリコリとした食感で、風味もナチュラル。ネギも多めに入ってはいるものの、チャーシューはプリっと人工的な歯切れの良さが食べやすくも不自然な肉具材。今回はメーカー希望小売価格270円(税別)の大台ですが、「飲み干す一杯」(税別193円)に入っている丸い焼豚と変わりません。そして期待の新人「味付鶏・豆腐だんご」は——
なんかこう、フランスの「ウ・ア・ラ・ネージュ」(メレンゲを茹でたもの)を硬くしたような食感というか、弾力を増した麩(ふ)というか、しゅわっ‥と潰れます。これを鶏肉だの豆腐だのという認識で食べると不審すぎる具材なのですが、常に進化し続ける名店の店主が考案した新食感の具材なんだよ、などと言われたら思わず “へぇ〜‥” って納得できそうなw 意外と悪くないですね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
麺は低加水麺ではなく多加水麺に進路変更、具材も賑やかなようで人工的かつギミック的なものが多かったりもするのですが、存在感の強い中細多加水麺はエースコックのノウハウが最大限に活かされていて、スープのクオリティも高く、四つ葉シリーズ第1弾「一度は食べたい名店の味 四つ葉監修の一杯 行列必至の中華そば」から大幅な進化を感じました。
もうちょっと加水率の低い麺で食べてみたかったところではあるものの、鶏と醤油が膨よかな今回のスープと多加水麺の相性はよかったので、これはこれでありだなと。メレンゲチックな味付鶏・豆腐だんごについては賛否両論ありそうですが、味付けイマイチのスポンジ肉そぼろより悪くなかったですし、普段よりも値段の高い「PREMIUM(プレミアム)」らしい高級感が楽しめる一杯です。