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昭和13年創業【ホープ軒本舗】監修のカップ麺「東京背脂豚骨醤油ラーメン」第2弾は “さらにお店の味へ” 進化!?

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サンヨー食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2021年12月6日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン(二代目)」の実食レビューです。

吉祥寺の名門「ホープ軒本舗」が守り続ける屋台の味を再現したカップラーメン・第2弾は “ガーリックの風味と醤油の旨み” を強化してリニューアル!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン 2021

ホープ軒本舗(ほーぷけんほんぽ)とは、東京都武蔵野市吉祥寺に本店を構える老舗のラーメン店で、1938年(昭和13年)の創業以来、現在は自ら “東京背脂豚骨醤油の始祖” を標榜しているレジェンド。その創業者である難波二三夫(なんば ふみお)氏が錦糸堀(現在の錦糸町)で引き始めた一軒の屋台「貧乏軒(びんぼうけん)」にルーツを持ち、最盛期には都内に103台の屋台を展開していました。

パッケージには店舗の外観写真や住所・営業時間を掲載

今回の新商品「ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン」は、東京・吉祥寺の老舗「ホープ軒本舗」監修のもと、東京背脂豚骨醤油の始祖とされる「中華そば」の味わいを再現したカップラーメンで、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品と共同開発。2020年12月14日にも同じ名前のカップ麺を発売していましたが、まったくテコ入れなしの再販ではありません。

カップ麺のモデルになった「ホープ軒本舗」で提供されている「中華そば」は、昨今の高刺激な潮流とは一線を画す、昭和の屋台営業から変わらない味を守り続けた一杯で、豚骨や野菜を丹念に炊き出してエキスを抽出。その旨味たっぷりのスープに、甘くて芳ばしい豚の背脂をトッピングした、今もなお屋台の雰囲気が感じられる素朴なテイストを求め、各地より多くのファンが集います。

たとえば堀切菖蒲園の「弁慶」や恵比寿の「香月」に、常盤台の「土佐っ子」など、後にラーメン業界のレジェンドとして語られることになる店主を輩出してきた、千駄ヶ谷の生ける伝説「ホープ軒」の創業者・牛久保英昭(うしくぼ ひであき)氏も「ホープ軒本舗」の先代・難波二三男氏が展開していた貸し屋台の出身なので、なるほど “東京背脂豚骨醤油の始祖” という標榜にも納得の重鎮。

出典:ホープ軒本舗の公式ウェブサイトより

そんな「ホープ軒本舗」とサンヨー食品(サッポロ一番)の関係は、現在を遡ること19年以上、2002年(平成14年)12月9日に発売された「うわさの人気ラーメン店」シリーズ第8弾「吉祥寺 ホープ軒本舗 まろやかとんこつ」からの付き合いで、当時のサンヨー食品としては初となる “180Φ大口径どんぶり” を使い、喉越しがいいノンフライ麺と厚切りとろチャーシュー(レトルト調理品)で本物感を演出。

続けて翌2003年(平成15年)8月25日に切刃18番の丸型ノンフライ麺を採用した「うわさの人気ラーメン店 ホープ軒本舗 とんこつ醤油ラーメン」という袋入りのインスタントラーメンも展開し、お互いの繋がりを深めていたのですが、それ以降に目立った動きはなく、数年ぶりに満を持して登場したのが2020年12月14日発売の即席カップめん「ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン」という流れ。

2002年12月発売品では大判どんぶり型の容器を採用していましたが、それよりも手軽で簡便性に優れた縦型ビッグの容器に切り替え、麺もノンフライから油揚げ麺に変更。かやくの背脂加工品と豚臭い風味を伴うガーリックオイルの組み合わせには相乗効果を感じたものの、再現度が高いとはいえない油揚げ麺と具材のポークダイスは要改善で、このブログでは評価が伸び悩みました。

さらにお店の味へ。※2020年12月発売品比

先に冒頭でも触れたように、二代目「ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン」のリニューアルポイントはスープのブラッシュアップ。サンヨー食品曰く “ガーリックの風味と醤油のうまみを増し、さらにお店の味へ近づけました。” とのことなので、それに加えて麺と具材も改良されているのか、従来品のスープで感じた魅力が損なわれていないかなど、前回との違いに注目しながらレビューします。

※2020年12月発売品の詳細が気になる方は、関連ページ「東京背脂豚骨醤油の始祖【ホープ軒本舗】監修 “SINCE1938” 伝説の味わいをカップ麺で再現!!」をご覧ください。

開封

接着剤で「ホープ軒本舗」のロゴが‥‥w

今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「仕上げの小袋」が1袋。これについては前回の2020年12月発売品と共通で、容器の材質もカップラーメンで定番の紙やPS樹脂(ポリスチレン)ではなく、それよりも硬いPP樹脂(ポリプロピレン)の縦型カップを採用しているのも共通点。

具材のラインナップには変化があった

しかし、具材は前回と異なるラインナップで、総評の足を引っ張ることになった味付豚肉加工品(同社の「サッポロ一番 カップスター 醤油」にも使われているポークダイス)から鶏・豚味付肉そぼろに変更。お店の中華そばにはトッピングされている “もやし” と “海苔” は今回も入っていませんが、背脂加工品と青葱は引き続き採用しています。

メーカー希望小売価格は税抜き220円に設定されているので、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は232円になりますが、おそらくスーパーでの相場は200円前後。ちなみに筆者の購入店舗(田舎のローカルスーパー)では、税込192円で販売されていたので、ドラッグストアやディスカウントストアなど、コンビニを除く店舗であれば、200円以下でも入手可能かもしれません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:ホープ軒本舗監修 東京背脂豚骨醤油ラーメン
販売者:サンヨー食品株式会社
製造所:太平食品工業株式会社 関西工場
内容量:96g(めん70g)
商品コード:4901734044789(JAN)
発売日:2021年12月06日(月)
実食日:2021年12月10日(木)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
商品購入価格:192円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:プラ(PP)
湯量目安:430ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、ポークエキス、豚脂、食塩、植物油脂、クリーミングパウダー、香辛料、しょうゆ、たん白加水分解物、香味油、油脂加工品、酵母エキス、たまねぎ調味料、にんにく調味料)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、背脂加工品、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、香料、増粘多糖類、カラメル色素、トレハロース、香辛料抽出物、乳化剤、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

麺は前回発売品と共通か‥‥

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は3分と標準的。残念ながら原材料名の構成は前回発売品と完全に一致するのですが、ほぼ同じ容器を使用しているのにもかかわらず、必要なお湯の目安量が420mlから430mlに増えているため、そこが気になるところ。あとは内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で後入れの小袋を温めながら、待つこと3分——。

とろみ成分が強いので溶け残りに注意

調理後の見た目と香りは前回発売品と似ていますが、具材のポークダイスが鶏・豚味付肉そぼろに変わったところは大きく、しかしながらカロリーの値は454kcalから444kcalに減少し、脂質も22.0gから20.2gに減っているのは不安なポイント。とはいえ誤差の範囲内に過ぎない変化なので、あとは麺の仕上がり次第でしょうか。

ちなみに製造所は太平食品工業株式会社の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)なのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き前回との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(96g)あたり
カロリー:444kcal
たん白質:8.3g
脂  質:20.2g
炭水化物:57.2g
食塩相当量:6.1g
(めん・かやく:1.8g)
   (スープ:4.3g)
ビタミンB1:0.40mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:202mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:444kcal(めん・かやく:342kcal)(スープ:102kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

割り切れば悪くない(でも再現度は低い)

3.0

「ホープ軒本舗」の店舗で使われている麺は、防腐剤不使用の自家製麺で、太さは屋台の頃から変わらない角切・番手24番(麺幅1.25mm)で切り出した細麺を特徴としています。開業当初はストレート麺だったそうですが、1965年(昭和40年)頃から縮れの強いウェーブ麺に改良し、一般的な生の中華麺に使われている食品添加物の酒精(エタノール)やPG(プロピレングリコール)は添加していません。

たぶん2020年12月発売品と同じ油揚げ麺を使用

それを再現した今回の油揚げ麺にも縮れは施されているのですが、あいかわらず油揚げ麺ど真ん中な仕上がりで、食感も風味もスナック的。加水率は低めの設定で、食べ始めは部分的な強付きが目立ち、しかしながら耐久性が高いわけではなく、気が付けば柔らかめの食感に‥‥というわけで、ほとんど1年前から変わった様子はありません。

そのため麺の再現性については妥協すべきポイントになりますが、にんにくの風味が強い後述のスープとスナック的な油揚げ麺の相性に問題はなかったので、これはこれと割り切れば(再現性を度外視すれば)悪くありませんでした。今回も熱湯3分ジャストでフタを開けた場合、それでも硬い部分が残っていたので、とりあえず最短でも3分は守るようにしてください。

スープ

人工的な粘度の高さと異様な甘さが蛇足

2.0

2020年12月発売品と比較して “醤油のうまみを増し-・” ということで、わずかに前回よりも醤油の主張を強めに感じますが、極端に強くなっているわけではありません。たとえば横浜発祥の家系(いえけい)ラーメンや和歌山の中華そばも豚骨醤油ベースのスープを特徴としていますが、まったくの別物で、醤油の味よりも豚骨(若干ながら白濁寄り)や野菜の旨みが強く、あくまで醤油の風味は香り付け。

オイルは単体で見ると好印象

とろみ成分で強引に粘度を高めているため、そこが不自然ではあるものの、別添されている「仕上げの小袋」を加えた途端、豚脂に由来する芳ばしい風味がプラスされ、粉末スープだけでは出せない臨場感を演出。前回のスープには使用していなかった「たまねぎ調味料」や「にんにく調味料」を追加しているため、にんにくの風味だけでなく、たまねぎの香味を強めに感じたのもリニューアルポイント。

さらに「発酵調味料」をカットして「香味油」を追加するなど、けっこうフレームワークは変わっていました。しかし、ちょっと問題を感じたのが不自然な甘さ。にんにくと玉ねぎの風味がアップしたことにより、香味野菜の主張は前回よりも強くなっていたのですが、糖類と玉ねぎの旨みが必要以上に共鳴し合い、ずっと舌に纏わり付いてくる変な甘さが気になったので、ダメな人はダメかもしれません。

具材

肉具材は変わったけど及第点

3.0

前回の味付豚肉加工品は、しっかり時間を守ってもサクサクした食感で、異様に芳ばしい風味が目立ち、なんだかなぁ‥‥などと思っていたのですが、鶏・豚味付肉そぼろに置換することで比較的にマシな印象。ただ、それでも他の商品で頻繁に当たるジャンクな味わいの肉そぼろなので、高級感は皆無。青葱も歯触りが強い熱風乾燥の資材なので、こちらも “とりあえず入れました感” が否めません。

背脂加工品の量も減った

背脂加工品は単体で食べてもプニッ、とした弾力が面白く、そこに多めのオイルを重ねることで、なるほど背脂らしい雰囲気が楽しめます。ただ、前回よりも量が少なかったので、そこにコスト調整を感じました。

総評

2.5

吉祥寺のレジェンドが監修したカップラーメンということで、2020年12月発売品を知らない方にとっては特に、けっこう楽しみな商品になっているのではないかと思いますが、とりあえず再現度の高さはイマイチと評価せざるを得ない商品。前回と比較して肉具材の変更は改良と思えたものの、スナック的な油揚げ麺は据え置きで、テコ入れしたはずのスープは人工的な甘さがネガティブな仕上がり。

パッケージにも堂々と「ホープ軒本舗監修」とあるように、店主のゴーサインが出ていることは間違いないのですが、ひとつのカップラーメンとして前回よりもクオリティが低くなっていると感じたので、ちょっと厳しめに評価しました。サンヨー食品は品質の高いノンフライ麺を保有しているため、次は本格志向の大判どんぶり型で商品化してもらいたいです【author・taka :a(大石敬之)】

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