どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年1月21日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、サンヨー食品「麺屋はなび 濃厚海老味 味噌ラーメン」の実食レビューです。
台湾まぜそば発祥の店「麺屋はなび」初のカップラーメンは海老が強烈な期間限定特別メニュー!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺屋はなび 濃厚海老味 味噌ラーメン
「麺屋はなび」とは、2020年1月現在の本店所在地でもある愛知県名古屋市中川区高畑にオープンした “台湾まぜそば発祥の店” で、創業は2008年8月1日。「麺屋はなび」に関するカップ麺は基本的にサンヨー食品(サッポロ一番)の担当で、看板メニューの「台湾まぜそば」を定期的に再現しているのですが、おそらく麺屋はなびの “カップラーメン” は初の試み。
それに今回も「麺屋はなび」の運営母体「株式会社新山オールスターズ」代表取締役・新山直人社長が監修しているのですが、パッケージに印刷されているのは総本山「麺屋はなび 高畑本店」ではなく「台湾まぜそば はなび 天白店」の写真。今回の新商品「麺屋はなび 濃厚海老味 味噌ラーメン」は、天白(てんぱく)店の限定メニューを再現したラーメンとなっているようです。
カップ麺には「麺屋はなび 天白店」とありますが、屋号に「麺屋はなび」とつくのは総本山・高畑本店を含む直営店[国内5店舗(高畑本店・桑名店・弥富店・新宿店・京都店)と海外7店舗(クアラルンプール店・ソウル店・新紗店・ハプチョン店・ロサンゼルス店・セントレア店)※2020年1月現在]だけなので、フランチャイズ加盟店の天白店は「台湾まぜそば はなび」が正しい表記。
その「台湾まぜそば はなび 天白店」について調べてみたところ、愛知県名古屋市天白区・塩釜口に店舗を構えている「麺屋はなび」の系列店(FC)で、2017年2月25日に同所で開業していた「濃厚担々麺はなび 天白店」の後身。公式ウェブサイトの “お知らせ” によると、2018年11月10日から店長の体調不良を理由に休業、2019年3月28日にリニューアルして営業を再開したようです。
濃厚担々麺はなび時代には、麺屋はなびグループの看板メニュー「元祖台湾まぜそば」やキミスタ(炙りチャーシュー入りまぜそば)をはじめ、店名にもなっている「濃厚担々麺」に辛くない「クリーミーごまラーメン」、刺激強めの「麻辣担々麺」、変わり種の「濃厚担々まぜそば」などを提供し、食べログでも平均点数★3.20と安定の評判で休業から閉店しました。
口コミは7件と少なかったのですが、「台湾まぜそば はなび 天白店」にリニューアル後の口コミ(2020年1月21日現在)は2件とさらに情報量が少なく、とりあえず食べログから拾えた情報は「みそ台湾まぜそば」や「濃厚味噌ラーメン」、さらにサイドメニューの「みそ背あぶら飯」といった “味噌” 系統のメニューを展開していることくらい。
そもそも食べログ以外にもネット上に情報が出回っていなかったので、「濃厚味噌ラーメン」の味や構造についての詳細は掴めなかったのですが、とりあえず今回の新商品「麺屋はなび 濃厚海老味 味噌ラーメン」は天白店限定の期間限定メニュー “濃厚海老味噌ラーメン” を再現した数量限定商品となっているようです。※念のため実店舗にも確認
実店舗の「濃厚海老味噌ラーメン」は、グランドメニューの濃厚味噌ラーメンに海老の旨味と香りを加えたアレンジメニューとなっていて、新山大将の自信作。先ほど天白店はフランチャイズ加盟店と書きましたが、大将監修商品なので、直営ブランド「麺屋はなび」の看板が採用されているのでしょう。
開封
さて、別添の小袋はフタの上に貼り付けてあるのではなく、まるでエースコックのように最初から容器の中で粉末スープまみれになっているので、お湯を注ぐ前に取り出してください。エースコックはサンヨー食品の子会社、ある意味この構図も理解できなくはないのですが、サンヨー食品の縦型カップ麺に「液体スープ」と「調味油」の合計2袋は珍しいパターン。
具材はエビ団子っぽい物体とネギ、メンマが入っているのですが、このエビ団子っぽい具材は擬(もどき)で、原材料名には「えび風味大豆たん白加工品」とあります。つまり、いわゆるフェイクミートの海老バージョン。サンヨー食品のエビ風味だんご(魚肉練り製品)は美味しい具材なので、今回のフェイクも美味しいのか、それとも——
とりあえずファミリーマート限定のカップラーメンとなっているため、それ以外のコンビニやスーパーでは買えないのですが、販売エリアは北海道から沖縄まで全国を網羅。ファミリーマート通常価格は210円(税込226円)、これと同じ形態の縦型ビッグ製品をコンビニで購入すると税込232円が相場となっている現在、それと比較して6円も安いのはPB商品の強みですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺屋はなび 濃厚海老味 味噌ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造者:太平食品工業株式会社 本社工場 製造所:群馬県前橋市朝倉町555-4(A) 内容量:105g(めん70g) 商品コード:4901734038993(JAN) |
発売日:2020年01月21日(火) 実食日:2020年01月21日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:226円(税込) ファミリーマート通常価格:210円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、野菜エキス、しょうゆ)、スープ(みそ、糖類、食塩、植物油脂、香味油、ポークエキス、香辛料、豚脂、えび粉末、すりごま、乳等を主要原料とする食品、加工脱脂大豆粉、えびエキス、みりん、魚粉、発酵調味料、酵母エキス、しょうゆ、たん白加水分解物、調味油脂)、かやく(えび風味大豆たん白加工品、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、炭酸カルシウム、酒精、香料、微粒二酸化ケイ素、かんすい、クチナシ色素、カラメル色素、パプリカ色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
麺は熱湯5分の油揚げ麺で、調理前の段階から太く、見た目のイメージは “ちゃんぽん” でオーソドックスな丸刃の太麺といったところ。やや油揚げ麺特有のニオイは強めですが、同時にエビ粉末の芳ばしい香りも相俟って、けっこう両者の相性は良さそうな雰囲気。別添の小袋は2つとも後入れなので、小袋を取り出したら熱湯を注ぎましょう。
あとは時間になったらフタを剥がし、液体スープと調味油を入れて、よくかき混ぜたら出来上がり——なんですけど、粉末スープに強めの(けっこう頑固な)とろみ成分が含まれていたので、溶け残りに注意する必要があります。容器の底はもちろん、麺と麺の間にある粉末スープもシャカシャカシャカッと溶かしてください(※やけど注意)。
なお、製造所は太平食品工業の本社工場となっていますが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、サンヨー食品(サッポロ一番)の本社工場という認識で問題ありません。それでは、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(105g)あたり |
カロリー:439kcal たん白質:10.8g 脂 質:16.9g 炭水化物:60.9g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:1.9g) (スープ:4.5g) カルシウム:242mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:439kcal(めん・かやく:328kcal)(スープ:111kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
かなり独特な油揚げ麺
2019年7月16日にも再販されてた「麺屋はなび 台湾まぜそば」をはじめ、これまでの「麺屋はなび」とサンヨー食品の共同開発カップ麺は例外なくノンフライ麺を採用していたのに対し、このコラボ初となる今回のカップラーメンには油揚げ麺が採用されています。で、けっこう加水率低めの食感。
形状は丸刃でカットされた丸断面の縮れ麺で、ほぼ断面は円形の太さなのですが、箸で持ち上げた時は軽く、実際に噛んでみた時の食感もしかり——いや、けっこう食べ始めは歯応えのある食感なんですけど、粘り気は弱いのに歯切れも悪いというか、けっこう後半ふかふかしてくるので、旧世代系なんだけど記憶にない、なんとも独特なタイプ。
さらに麺の表面にある滑りも強く、これについては実店舗(台湾まぜそば)で麺を茹でる際、麺とタレの絡みがよくなるように “わざと麺の表面に傷をつけて粘りを出す” ので、もしかするとそれを表現しているのかもしれません。スープが濃厚だったので、ぬめりはいい意味で気になりませんでした。
スープ
えび! エビ!! 海老!!!
それぞれの小袋を入れる前、かなり念入りに混ぜ続けたのに、だいぶ粉末スープの中に含まれていたトロミ成分が強く、それも増粘剤による人工的なもので、容器の底に若干の溶け残りを途中で発見。また土台の粉末スープは糖類の甘味も強めに効かせてあったので、味としても人工的だったのですが、それも慣れると癖になる甘味というか印象は悪くありません。
すでに粉末スープにも「えび粉末」が含まれ、ふわっと海老の芳ばしい香りが泳ぎ、液体スープの中身はコクの深い味噌ダレが主成分となっていて、赤・白複数の味噌がブレンドしてあるような熟成感のある旨味。けっこう味噌の味は強く、はなびの本店がある東海の豆味噌を彷彿とさせる輪郭を備えているのですが、麹(こうじ)で程よく角を削っています。
そして真打の調味油が強烈で、かなり芳ばしい海老オイルが主成分。カップ麺での商品名は「海老 “味” 味噌ラーメン」となっているように、いわゆる「えびみそ(中腸腺・肝膵臓)」ではなく甲殻類特有の芳ばしさに振り切っているのですが、その中から海老味噌っぽい風味も顔を覗かせる、かなり海老推しのテイスト。
土台の人工的な甘味も気にならない、むしろ海老油のインパクトと重なって好印象と思えるほどだったので、とりあえず海老油さえ苦手じゃなければ試す価値ありですよ。ただ、ちょっと具材は弱いです。
具材
魚肉練り製品とは雲泥の差
えび風味大豆たん白加工品の量は地味に多かったのですが、なんというかスッカスカの食感で、パサパサした歯触り。たしかに海老油も相俟ってエビ風味ではあるものの、たとえば同社の「和ラー」に入っているような魚肉練り製品とは完全に別物で、これなら無理に入れなくてもよかったかもしれません。
ネギは歯触りの強い乾燥ネギで、かなり繊維質の強いタイプ。しっとりとした歯触りのメンマは素直に美味しく、海老油のインパクトで肉具材が入ってなくても寂しくはなかったので、えび風味大豆たん白加工品を減らしてメンマを増やすとか、相性が良さそうな玉ねぎでアレンジするとか、少量でも魚肉練り製品を使うなど、他に手があったように思いました。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)
現時点では再現元の情報が少なすぎるため、再現度については評価できませんが、とにかく海老油がスゴいの一言に尽きます。とにかく海老の殻から時間をかけて抽出したような、甲殻類特有の芳ばしさは特筆すべきレベルで強く、ほんのり海老味噌(えびみそ)っぽいコクも意識されていて、かなりスープのレベルは高いと感じました。
反面、加水率の低い太麺の独特な食感にファーストインプレッションから馴染めるかどうか、それとパサパサした大豆たん白加工品に対してポジティブになれるかどうかが好みの分かれ目になるかもしれません。ただ、スープについては手放しに好印象だったので、そこにウェイトを置いているのであれば食べる価値ありだと思います。