どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年7月15日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「一度は食べたいご当地ラーメン 宮崎旨辛麺」セブン&アイ限定商品の実食レビューです。
格安ご当地カップラーメンシリーズに辛旨スープが特徴的な宮崎の「辛麺(からめん)」が参戦!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
一度は食べたいご当地ラーメン 宮崎旨辛麺
セブンプレミアムではありませんが、サッポロ一番でおなじみのサンヨー食品とセブン&アイグループの共同開発商品で、ご当地ラーメンにスポットを当てた安売り用のカップ麺「一度は食べたいご当地ラーメン」シリーズの新作です。今回のテーマは「宮崎」の辛いご当地麺「辛麺(からめん)」を再現しているのですが、本体価格93円(税込100円)の格安ライン。
販売店はIYグループ3社(イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート)とシェルガーデンで、数量限定生産につき商品が無くなり次第販売終了となっているのですが、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)も対象店舗です。しかし、同じセブン系列でも “セブンイレブンには売ってない” セブン&アイ・ホールディングス傘下の「スーパーマーケット限定」商品なので、コンビニでは買えません。
「辛麺(からめん)」とは、もともと一軒の居酒屋が “〆の一杯” に提供していたサイドメニューが始まりで、それを昭和62年に「元祖 辛麺屋 桝元(ますもと)」が「辛麺」として商品化。発祥の地・宮崎県延岡市を中心に親しまれていたのですが、いまでは県内外にも専門店が進出し、カップ麺や袋麺、お土産ラーメン等を通じて全国的な知名度も上がってきました。
「辛麺」の特徴は、たっぷりのニンニクと唐辛子を加えた辛いスープに新鮮なニラ(いずれも大量)、そして最後に溶き卵で仕上げる辛さと旨味が渾然一体の辛旨テイストが魅力的なご当地麺。それから通称「こんにゃく麺」といって、実際に蒟蒻(こんにゃく)を練り込んでいるわけではないのですが、そば粉と小麦粉を主原料とする独特な食感の麺も個性的なポイントです。
たしか2016年ごろから特に注目され始めたように記憶しているのですが、こんにゃく麺は食物繊維の含有量が多く、唐辛子のカプサイシン(辛味成分)には代謝の促進と脂肪燃焼効果が見込めるとダイエット中の方や女性の方に支持されて、激辛ブームの追い風もあり——などなど、そのような理由が重なって話題になりました。
もちろん「辛麺屋 一輪」という専門店の東京進出も辛麺ブームを大きく牽引していたのですが、ニンニクやニラを大量に使うことで得られるのは気分的なスタミナ感だけでなく、それらに含まれる臭いの元「硫化アリル」は原料の挽肉(豚肉)に多く含まれているビタミンB1の吸収を助けてくれるので、実際に疲労回復や滋養強壮に繋がります。
さらにビタミンCと食物繊維を足せば完全栄養食品と言っても過言ではない「卵」、ビタミンCと食物繊維はニラに含まれているので、実は栄養学的にも筋の通った食べ物と言えるかもしれません(※臭いが気になる方は消臭効果のあるチーズをトッピングすると、カルシウムも補えて美味しさもアップ、一石三鳥が見込めますよ)。
とはいえ今回は安売り用のカップ麺なので、栄養面については云々そっちのけになってしますのですが、大切なのはコストパフォーマンスの高さと前述した「辛麺」の特徴を再現できているのかどうか——そして黄色いパッケージの「一度は食べたいご当地ラーメン 博多豚骨ラーメン」もセットで販売されているのですが、まずは「宮崎旨辛麺」からレビューします。
ちなみにサンヨー食品は以前、先ほど例にあげた東京進出店「一輪」の再現カップ麺を担当していた経緯があるので、当時の製品情報や詳しい感想・評価が気になる方は、「サッポロ一番 東京 一輪 旨辛麺」(2018年9月3日発売)の記事をご覧ください。
開封
さて、パッケージのイメージ写真を見てから嫌な予感はしていました——いきなり再現度低ッw 特徴的な卵は入っていましたが、ニラではなくネギが代打を務め、ひき肉などの肉具材は入っていません。税込100円といえばオープン価格の廉価版と同じような立ち位置なので、肉具材のカットは致し方ないポイントではあるものの、いくら安売り用のカップ麺とはいえ気を抜き過ぎです。
でもって容器の側面に “まずは、フタを矢印まであけて左右にフリフリ! 具材を広げます。” と調理方法が記載されているのですが(広げるほど具材は多くありませんけど‥w)、同社が製造している「サッポロ一番 カップスター」と一言一句まったく同じアドバイス。ちょうど手元にあった「カップスター しお」と比較してみたところ、改行のタイミングまで同じでした。
ちなみにエースコックの再現ご当店カップ麺シリーズに「一度は食べたい名店の味」というブランドもあるのですが、エースコックはサンヨー食品の子会社——もしや何か関係があるのかと両社に尋ねてみたところ、別に関係ないそうです。同シリーズから2019年3月11日、東北エリアの「山形辛味噌ラーメン」と関東エリア(栃木)の「佐野ラーメン」を再現していた縦型カップ麺が販売されていたので、今回その続編ですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたいご当地ラーメン 宮崎旨辛麺 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場(A) 内容量:63g(めん50g) 商品コード:4901734038092(JANコード) 商品サイズ:φ100×110(mm) 発売日:2019年07月15日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型レギュラー・標準サイズ 容器材質:紙 湯量目安:330ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、食塩、香辛料、しょうゆ、ポークエキス、たん白加水分解物、酵母エキス、デキストリン、発酵調味料、植物油脂)、かやく(味付卵、ねぎ、唐辛子)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、パプリカ色素、香料、微粒二酸化ケイ素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、カロチン色素、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示) |
実食開始
麺は油揚げ麺で熱湯3分、定番の「カップスター」をはじめ、タテ型レギュラーサイズのカップラーメンは麺量60g、タテ型ビッグになると麺量80gが平均的な基準値になるのですが、今回の「宮崎旨辛麺」は麺量50gと少なめです。とはいえ値段が値段ですし、安売り用のカップ麺としては珍しいことではありません。
ただ、IYグループ限定のPBカップラーメンには「マルちゃん大盛! ○○系」という東洋水産の大盛バケツ型シリーズがあって、そちらも「ご当地ラーメン」の再現をテーマにしているのですが、麺大盛(85g)かつ実売価格は税込100円。それはさておいても、やはりニラがないのは‥‥と思いつつ、そういえば「一輪」のカップ麺にもニラは入っていませんでした。
とりあえずワゴンセールの顔馴染みとも言える廉価版と同じ立ち位置なので、それも加味した上で評価しなければいけませんが、待っている間にも漂ってくる油揚げ麺特有の臭いが心配なところ。それでは、辛麺の再現度や辛さレベル、コストパフォーマンスにも注目しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(63g)当たり
熱 量:269kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:269kcal(めん・かやく:222kcal)(スープ:47kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
白っぽい見た目の縮れ麺でサイズは細く、食べはじめのプリッとした歯切れの良さが特徴的。なんですけど、かなり食感や風味も安売り用のカップ麺らしいチープさから、まさに値段相応の油揚げ麺です。個人的に好きか嫌いかでいえば好きな麺ですし、お店では食べられないカップ麺ならではの魅力が詰まっている反面、今回は酸化臭が気になりました。
私の行動圏内にセブン系列のスーパーマーケットはないので、発売日に公式ネット通販サイトのオムニ7で注文。届いてからは冷暗所に保管していたのですが、それでもワイルドに油揚げ麺特有の風味がスープを侵食します。ある意味それも安売り用ならではの魅力ではあるものの、さすがに野暮ったいと感じました。
同時発売品の「博多豚骨ラーメン」は、熱湯80秒で超カタ麺、90秒でカタ麺、120秒で普通と湯戻し時間の提案に工夫があり、また前回の「山形」と「佐野」にはサンヨー食品独自特許製法の平打ち麺が採用されていたのですが、今回の「宮崎 旨辛麺」は何の変哲もない油揚げ麺です。ただ、私は安いカップ麺が発作的に食べたくなることもあるのでw そういう気分の時であれば “これだ!!” ですね。バシッとハマります、バシッと。
スープ
まず辛さレベルなんですけど、他のカップラーメンに例えると農心(NONGSHIM)の「辛ラーメン」ちょい下か同等くらいなので、飛び上がるほど辛いわけではありません。しかし、その「辛ラーメン」が厳しければ苦戦しそうなレベルで、もし辛い食べ物が苦手だと思わず “からっ‥‥” ってなると思います(普通に中辛が平気なら大丈夫)。
でもって実は期待していなかったニンニクも力強く、それはガーリックペースト(生おろしニンニク)ではなくガーリックパウダーになるのですが、もし食後に人と会う約束をしていたら自重したほうがいいレベルに達していました。というわけで思いのほかパンチのある味には中毒性を覚えた反面、前述した油揚げ麺臭が野暮ったく、唐辛子とニンニク意外の要素は強くありません。
とりあえずポークエキスは入っていますが、動物系の旨味は人工的で軽く、醤油も粉末しょうゆ特有のトゲトゲしさを感じます。また調味油(オイル系)や液体スープなどの小袋は別添されていないため、どうしても粉末だけでは旨味の天井が低くなってしまうんですけど、ひき肉を煮込んで生まれる辛麺らしさは楽しめませんでした。
具材
ニラの入ってない辛麺なんてチャーシューの入ってないチャーシューメンと同じだ! とまでは言いませんが、宮崎の辛麺を構築する上でニラは唐辛子やニンニク、卵と肩を並べて大切なポジションに位置していますからね。とりあえずネギはシャキッとした食感が何気にいい感じではあったものの、ニラは必須でしょう‥‥
ただ、ふわふわの掻き玉(かきたま)は口当たりがよくて、しっかり混ぜた後も存在感が埋没することはありませんでした。いいですね、これはいい。マイルドなのは口当たりだけでなく、きちんと玉子らしい風味もあったので、思いのほか辛かったスープと対比を描く玉子の優しさは辛麺らしくてよかったです。
総評
★★☆☆☆☆☆☆☆☆(★2)
けっきょく “おいしい” のか “まずい” のか、単純に味だけでいえば前者です。けれども「宮崎」の「辛麺」を再現した商品であることを加味した場合、ネギに妥協したのは致命的な采配に思えたので、総評は及第点から星の数ひとつマイナスしました。というわけでブログ的には渋ちん評価なんですけど、「辛麺」に固執しなければ悪い商品ではありません。
税込100円の格安カップラーメンだからと割り切れば魅力がないわけではなく、粉末的とはいえガツンとニンニクが効いた辛くてジャンクな味わいには中毒性を覚えたので、いかにも安っぽくて程よく辛いカップ麺が食べたい気分になった時、オススメの一杯です。お湯を入れる前に生のニラちょい足し、または王道のチーズや卵黄でアレンジも間違いないですね。