長岡生姜醤油と燕三条背脂煮干が奇跡の邂逅!? 背脂×生姜の新体験「生姜醤油専門 我武者羅」監修のカップラーメンついに完成!!
どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年1月3日(月)新発売、エースコックのカップ麺「一度は食べたい名店の味 我武者羅 背脂生姜醤油ラーメン」を実食。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。詳細にレビューしているので、よろしければ最後までお付き合いください。
一度は食べたい名店の味 我武者羅 背脂生姜醤油ラーメン
生姜醤油専門 我武者羅(がむしゃら)とは、東京都渋谷区幡ヶ谷に本店を構える人気店で、創業は2005年(平成17年)4月6日。当初は「どっかん」という屋号を掲げ、あご出汁と家系ラーメンを掛け合わせた豚骨醤油ラーメンなどを提供していたようですが、紆余曲折の末に「背脂生姜醤油ラーメン」という “温故知新の進化系ジャンル” を生み出し、ラーメン業界に新たな風を吹き込みました。
今回の新商品「一度は食べたい名店の味 我武者羅(ガムシャラ)背脂生姜醤油ラーメン」は、生姜醤油専門「我武者羅」監修のもと、新潟5大ラーメンの二大巨頭 “長岡生姜醤油” と “燕三条系” の魅力を両立した新潟・長岡進化系「背脂生姜醤油ラーメン」を再現した即席カップ麺で、大阪府吹田市に本社を置くエースコックと共同開発。パッケージには「脅威の新体験」とあり、思わず期待が高まります。
カップ麺を監修した我武者羅グループの代表取締役・蓮沼司(はすぬま つかさ)店主は、新潟県見附市の出身で、素行の悪さから高校を中退後、幼い頃に描いた “コックさんになる” という夢を思い出し、新潟県長岡市の調理師専門学校に進学。そこには後にラーメン界の革命児と呼ばれ、株式会社グランキュイジーヌ(けいすけグループ)を創設した竹田敬介(たけだ けいすけ)氏の姿もあったとか——。
2人は理師専門学校を卒業後、東京の老舗ホテルなどで腕を磨き、フレンチのシェフを8年ほど務め、蓮沼店主は経営を学ぶために「ほっかほっか亭」のFCオーナーに就任。そこでも実績を上げ、オーナーとしての頭角を現すものの、バイクで事故を起こしたことを機に店舗を売却。ほんとうに自分がやりたいのはラーメンだ‥‥と、一念発起で横浜の家系ラーメン店を引き継ぎ、ラーメン業界に転身します。
家系ラーメンの世界で修行を積むこと9年間、やっとの思いで独立開業したのが東京都渋谷区幡ヶ谷の「どっかん」で、当初は横浜で人気を博したオリジナルの家系ラーメンを提供していたそうですが、東京でのウケは残念ながらイマイチ。そこで新たに考案したのが連子鯛を使った魚介豚骨ラーメンで、2006年(平成18年)1月6日から「鯛だしとんこつ 我武者羅」としてリニューアル。
さらに土日限定の二毛作「新潟濃厚味噌弥彦」や平日夜限定の三毛作「背油煮干濃厚醤油どっかん」など、自らの出身地である新潟のラーメンを東京で提供するようになり、たしかな手応えを感じた蓮沼店主。2010年(平成22年)5月24日からメインの鯛出汁を生姜醤油に変更し、屋号を「生姜醤油らぁ麺 我武者羅」に改め、平日昼の部で本格的に「長岡生姜醤油ラーメン」の提供を始めました。
長岡生姜醤油ラーメンとは、新潟県長岡市の「青島食堂 宮内駅前店」を元祖とする、生姜のキレを効かせた醤油味のラーメンで、新潟5大ラーメン(長岡生姜醤油、燕三条背脂、新潟濃厚味噌、新潟あっさり醤油、三条カレー)の中でも代表的な存在。そこに燕三条系の遺伝子を組み込んだのが「我武者羅」を代表する「背脂生姜醤油ラーメン」で、カップラーメンでもありそうでなかった取り組み。
燕三条系とは、新潟県燕市の燕駅付近で開業した「福来亭」を元祖とする、大量の背脂を浮かべた背脂チャッチャ系の煮干し醤油ラーメンで、こちらも新潟5大ラーメンの代表格。長岡生姜醤油ラーメンよりもカップ麺で再現される率が高いため、全国的な知名度の高さは燕三条系のほうが上かもしれません。ただ、それを組み合わせたラーメンは「我武者羅」が元祖といっても過言ではないでしょう。
開封
そんな「我武者羅」の味わいを再現した今回のカップ麺には、エースコックが得意とする背脂パックをW(ダブル)で搭載しているのが特徴で、まずはフタの上に1袋「調味油」を別添。お察しの通り、もうひとつの「液体スープ」は最初から容器の中に入っているのですが、さらに「後入れかやく」も入っている、まさかの縦型カップで3袋構成というエースコックらしい別添方式。
最初から容器の中に入っている小袋は、例に漏れず粉末スープまみれなので、そこだけが玉に瑕ではあるものの、おかげで縦型カップに3種類の小袋を別添できるのは大きな強み。また開封直後から生姜の香りが強く、あくまで粉末的なベクトルではあるものの、ひとまず生姜のキレは大丈夫そうな雰囲気。
2022年1月現在、縦型ビッグ製品のメーカー希望小売価格は220円(税別)が標準となっているのに対し、今回は230円(税別)なので、若干ながら高めに設定されています。そのためコンビニで購入した場合の税込価格は248円になりますが、スーパーマーケットやドラッグストアなども販売店に含まれるため、特定の店にしか売ってない商品ではありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたい名店の味 我武者羅 背脂生姜醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:W・関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:91g(めん70g) 商品コード:4901071247461(JAN) |
発売日:2022年01月03日(月) 実食日:2022年01月04日(火) 発売地域:全国 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(調味油・液体スープ・後入れかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(背脂加工品、食塩、植物油脂、鶏油、ポークエキス、豚脂、でん粉、しょうゆ、砂糖、ガーリックパウダー、香味調味料、粉末しょうゆ、ポーク調味料、たん白加水分解物、ニボシパウダー、魚醤、胡椒、唐辛子、ジンジャーパウダー)、かやく(背脂加工品、焼豚、ねぎ、しょうが)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、カラメル色素、酒精、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(カンゾウ)、酸味料、増粘多糖類、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
燕三条系のラーメンには極太ちぢれ麺を合わせるのに対し、今回の麺は中細サイズに切り出された油揚げ麺なので、イメージとしては長岡生姜醤油寄り。本店で提供している本物の「背脂生姜醤油ラーメン」も極太麺ではないため、きちんと意識していることが伝わってくる形状です。
別添の小袋は “すべて後入れ” なので、3つの小袋を取った後、内側の線まで熱湯を注ぎ、待つこと3分。容器側面の調理方法には記載されていませんが、液体スープと調味油の小袋は “フタの上で温めて-・” とのアドバイス書きがあったので、お湯を注いでから待っている間に温めてください。
ちなみに液体スープの小袋には “深うまいの素” と同じような背脂パックが入り、もう片方の調味油に粒感はなく、しかしながら後入れかやくに背脂加工品を加えることで臨場感を底上げ。引き続き生姜の香りも明確なので、背脂との兼ね合いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(91g)あたり |
カロリー:407kcal たん白質:8.3g 脂 質:18.9g 炭水化物:50.9g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:1.4g) (スープ:5.5g) ビタミンB1:0.59mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:269mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:407kcal(めん・かやく:319kcal)(スープ:88kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
再現度は完璧じゃないけど悪くない
店舗の「背脂生姜醤油ラーメン」に使われている麺は、三河屋製麺から取り寄せている中細ストレート麺で、やや加水率は高く、すこし柔らかめに茹で上げているのもポイント。カタ麺派の間では賛否両論あるようですが、すこし柔らかめに茹でるのは新潟のラーメン文化における特徴の一つなので、そこも大切にしているのが「我武者羅」のこだわり。
それをイメージした今回の油揚げ麺も細身の形状で、燕三条系に寄ったスタイルではないのですが、加水率は中位〜若干ながら低めの設定。さらに緩やかな縮れが施されているため、完璧に再現できているわけではありません。しかし、素朴な「中華そば」を彷彿とさせる、いい意味で主張し過ぎない麺なので、素直に好印象なチョイス。
エースコックの油揚げ麺は、しばしば特有の風味が指摘されがちで、再現カップ麺だと不利に働くこともあるのですが、後述する背脂の芳ばしさが油揚げ麺臭を相殺‥‥いや、むしろ芳ばしさの相乗効果を感じるような取り合わせ。さらに生姜の香味が後味を引き締めてくれたことから、油揚げ麺でもネガティブではなく、最後までスープの魅力を損なうことはありませんでした。
スープ
さすが背脂に強いエースコック
土台の粉末スープはシンプルで、煮干しパウダーや魚醤も使っているようですが、あくまでも隠し味。ただ、ジンジャーパウダーの存在感は明確で、素朴な味わいながらも個性は強く、ホワイトペッパーのアクセントも効果的。そのため最初から入っている粉末スープは「長岡生姜醤油」の系譜にあるのですが、別添の液体スープを加えると‥‥
小袋の中に入っているのは食塩で味を調えた背脂なので、液体スープとは名ばかりのアイテム。おそらく既存の「タテ型 飲み干す一杯 京都 背脂醤油ラーメン」や「来来亭」シリーズ(ファミリーマート限定)にも使っている背脂と共通で、新規に開発したわけではないと思いますけど、リアリティにおいては即席カップめん業界の中でも最高峰の逸品。
背脂が持つ芳ばしい風味も然る事乍ら、ちゃんと粒が残っているのもポイントで、ちょっと卑怯だなとw 粉末スープだけの状態だと、よくも悪くもカップ麺らしいチープな味なのに、別添の背脂を加えることで全体の臨場感がイッキに高まります。そして、もうひとつの「調味油」も忘れてはいけません。
背脂がメインの液体スープとは違い、こちらは植物油脂と鶏油をブレンドしたような内容で、全体のオイル感を強めるだけでなく、オイルに多様性を持たせてくれるのがポイント。お店のスープにも丸鶏や鶏油を使っているため、鶏油の存在は背脂のインパクトを底上げしつつ、再現度をアップさせることにも寄与していました。
かやく
ちゃんと “まともな” 豚肉を使用
焼豚は四角いカットの肉具材で、そんなに量が多いわけでもなく、ここだけ見ると値段相応に思えません。けれどもエースコックがスープに注力していた場合、スポンジみたいな食感の粗悪な肉そぼろ(または大豆加工品)を合わせてくるパターンが定番なので、量は少なくても比較的まともな肉具材を合わせきたところは評価すべきポイント。
さらに、後入れかやくの中に入っている背脂加工品も見どころで、こちらは量も多くて好印象。乾燥状態だとギミック感の強いアイテムになりますが、多めの動物油脂を纏わせるとバカにできない存在で、きちんと背脂のインパクトを強めてくれていました。この背脂加工品をナチュラルに楽しむために、実食の際は3種の小袋を入れた後、全体を大きく混ぜるのが美味しく食べるコツになります。
総評
もちろん店舗の「背脂生姜醤油ラーメン」に及ばないことは明確ですし、油揚げ麺を使った縦型ビッグのカップラーメンで230円(税別)は強気の値段設定ですが、なんのなんの。都内で人気を博す「我武者羅」が打ち立てた金字塔を表現しつつ、やっぱり “エースコックは背脂に強い” と再認識させてくれる良品でした。
油揚げ麺と粉末スープはカップラーメンらしい仕上がりですが、別添の背脂入り液体スープパック×調味油×背脂加工品の合わせ技は一見の価値あり。おそらくコンビニでは1〜2ヶ月後に姿を消してしまうと思うので、気になっている方は早めにチェックしておいてください【author・taka :a(大石敬之)】