どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年5月6日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 船越 塩中華そば」(322円+税)の実食レビューです。
講談社発行『第24回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2023-2024』TRY新店大賞 “総合1位„ 今現在、最も輝いている「桜上水 船越」監修のカップラーメン初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
船越 塩中華そば
桜上水 船越(さくらじょうすい ふなこし)とは、東京都杉並区にある行列必至のラーメン店で、2023年(令和5年)1月15日に開業するや否や、マニアの間で話題沸騰。其れも其のはず、店主の船越節也(せつや)氏は、2009年(平成21年)12月〜2022年(令和4年)10月まで「渡なべスタイル」に在籍していた人物で、渡なべスタイルの代表・渡辺樹庵(わたなべ じゅあん)その人が公認した5番弟子。
今回の新商品「船越 塩中華そば」は、講談社が発行する『第24回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2023-2024』の “TRY新店大賞„ において「桜上水 船越」が “総合1位„ 選出されたことを記念して開発されたカップラーメンで、製造者はマルちゃんのブランドで知られる東洋水産。以前にも解説していますが、念のため『TRYラーメン大賞』の概要に触れておきます。
『TRY(トライ)ラーメン大賞』とは、ラーメンのエキスパートである6名の審査員と2名の特別審査員が “1年間かけて本気で食べ歩いた結果„ を発表する、ラーメン業界最高権威のアワード本(1週間MOOK)で、前述の『第24回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2023-2024』(2023年10月20日発売)で審査員を務めたのは青木誠氏、レイラ氏、しらす(斉藤光輝)氏、田中一明氏、尾瀬氏、まろ氏。
上記6名は3年前から審査員を務めている面々で、昨年の『第23回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2022-2023』(2022年10月20日発売)と同様に、麺好い(めんこい)ブログの筆者・いけ麺氏、しらけんの日記筆者・しらけん氏がゲスト審査員に就任。本年度は新店ラッシュに伴い、ページを増量して “TRY新店部門に個人賞を新設„ するなど、例年よりも内容のボリュームがアップしているようです。
『TRYラーメン大賞』の “TRY„ は、東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(Tokyo Ramen of the Year)の略称で、講談社が発行していた同社初の都市情報雑誌『TOKYO☆1週間』[1997年(平成9年)11月18日〜2010年(平成22年)6月8日]の企画にルーツを持ち、その当初から “東京で一番うまいラーメンを決めよう„ をコンセプトに掲げていました。
そろそろ話を「船越 塩中華そば」に戻しまして‥‥本商品を監修している「桜上水 船越」の評判・口コミを検索すると、圧倒的な比率で「ワンタンメン」を絶賛されている方が多かったのですが、同店監修のカップラーメンは “豚・鶏・牛の動物系素材に、昆布、煮干し等の魚介系素材を合わせた、パワフルな塩豚骨スープ„ を特徴とする「塩中華そば」がモデル。
しょうゆ・とんこつ・みそ・鶏白湯などと比較して、あっさりとした印象が強い「塩」ですが、ラーメン業界を席巻している「桜上水 船越」のフラッグシップ「塩中華そば」は、豚のゲンコツ(脛骨・大腿骨)や背ガラ、老鶏、鶏ガラ、モミジ(鶏の足)の他に、少量の牛骨を合わせた、とろみのある動物系の白湯(ぱいたん)がベース。
そこに昆布や煮干などの海産物を合わせ、黒胡椒と塩のエッジを強めに効かせている、パワフルな味わいが特徴とのこと。厳密にいうとタイプは異なりますが、東洋水産のNB(ナショナルブランド)商品を例に挙げると「麺づくり 鶏だし塩」も力強い味わいを特徴としているので、そこで培われてきたノウハウが組み込まれているかもしれません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の合計3パックで、あらやだ「麺づくり 鶏だし塩」と同じ構成だわ、というのは偶然か必然か。いずれにせよ液体スープには液体ならではのメリット、粉末スープには粉末ならではのメリットがあるので、二刀流は臨場感を高める上で効果的な手法。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、東洋水産の公式ウェブサイトやパッケージにも製法までは記載されていませんが、こんにゃくを練り込んでいる構成から察するに、マルちゃん正麺(せいめん)カップのために確立された「生麺ゆでてうまいまま製法(特許第5719064号)」による乾燥麺だと思います。個人的な感想になりますけど、さすがに食傷気味‥‥w
さらに、メーカー希望小売価格は322円(税別)に設定されているため、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は1食あたり347.76円のミドルレンジクラス。とはいえコンビニ限定の商品ではないので、スーパーやドラッグストアでも購入することはできますが、どこで購入しても250円を超えるタイプ。レビューするにあたっては、コスパ面についても強く意識しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 船越 塩中華そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:114g(めん75g) 商品コード:4901990377898(JAN) |
発売日:2024年05月06日(月) 実食日:2024年05月11日(土) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:322円(税別) 購入価格:347.76円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、植物油脂、乳糖、大豆食物繊維)、添付調味料(ポークエキス、植物油、牛脂、チキンエキス、食塩、でん粉、豚脂、魚介エキス、ゼラチン、こんぶエキス、香辛料(こしょう)、植物油脂、酵母エキス)、かやく(焼豚、チンゲン菜、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酒精、炭酸カルシウム、レシチン、増粘多糖類、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ベニコウジ色素、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は焼豚、チンゲン菜、メンマ、ねぎの計4種。カップスープの「ワンタン」シリーズや「ホットワンタン」「激めんワンタンメン」「麺之助 ワンタン麺」なども展開している東洋水産なので、ワンタンを入れることも難しくはなかったと思いますが、TRYに掲載されていたメニューを再現するために、あえて「塩中華そば」を題材にしたのかも? ←まだ読んでない人。
別添の小袋は後入れなので、かやくを入れてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら「粉末スープ」と「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。ちなみに調理方法を見ると、後入れ添付調味料は「粉末スープ」から投入し、それを混ぜ合わせてから「液体スープ」を入れるように記載されていたので、調理の際は留意してください。
さて、香りは想像していたよりも魚介が強く、同時に動物系もパワフルなファーストインプレッション。見た目はシンプルながらも塩味のカップラーメンとしては珍しい仕上がりなので、引き続き「桜上水 船越」監修ならではの個性に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(114g)あたり |
カロリー:408kcal たん白質:12.7g 脂 質:11.6g 炭水化物:63.3g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:0.28mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:171mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:408kcal(めん・かやく:307kcal)(スープ:101kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープとの相性は悪くないが‥‥
実際の「塩中華そば」に使われている麺は、有名店御用達の製麺所「三河屋製麺」が手掛ける特注麺で、加水率は高く、強めに施された縮れも印象的。またラーメン業界では、茹でる前の状態で150g前後を “並„ としている店舗が多いのに対し「桜上水 船越」では “普通に注文すると200g„ なので、一般的には大盛りに分類されるボリューム感を基本としているところも特徴的なポイント。
それをイメージしているはずのノンフライ麺は、見るからに縮れが弱く、ピンと真っ直ぐなストレート麺ではないけれど、比較的にストレート寄り。加水率は目立って高いわけでも低いわけでもなく、粘りに関しても控えめで、内側から強めに跳ね返してくる反発性は、現在の「生麺ゆでてうまいまま製法」によって作られた乾燥麺における普遍的なポイント。
揚げ油に由来する風味が滲み出てくることはないので、そこは本格さを高めることに寄与していますし、なめらかな肌感を特徴としながら、スープの掴みも悪いわけではなかったけれど、よくも悪くも “また正麺カップ系ね„ みたいな。とはいえスープとの力加減は上手く調整されていたので、この系統にネガティブでさえなければ、受け取り方も大きく変わってくると思います。
スープ
塩の概念をガラッと覆してくる
まずは「粉末スープ」の味を確認してみたところ、うまみ調味料と粒子の細かい魚粉が中心で、けっこうコショー(ホワイト、ブラック)の効き目も強く、ありそうでなかった感じの独特なブレンド。しかしながら動物系の要素は弱く、あくまでも土台を支えることに徹しているタイプだったので、続けて「液体スープ」を加えてみたところ——
動物系のコクが途端に深まるのですが、いわゆる豚骨ラーメンのベクトルではないし、鶏白湯や牛骨ラーメンとも違う、かなり不思議な世界観。ややコショーの風味と刺激は強めに効かせながら、意外と塩ダレの表情は穏やかで、まったりとした旨みが層になって味蕾に乗ってくる‥‥やだ、こんなの初めて‥‥//// いや真面目に。
前述した「麺づくり 鶏だし塩」とは完全に別物で、とろみの加減も不自然ではなく、むしろ口の中で転がしたくなる絶妙な加減。これまでに数え切れないほどのカップラーメンを食べてきましたけど、マジで初体験でした。
かやく
ハイライトはチンゲン菜
メインの丸い焼豚は、豚肉と脂身を混ぜて成型したチャーシューなので、たとえば揚げ物を引き合いに出すと鶏の唐揚げvs.チキンナゲットみたいな感じになっているのですが、数年前から横行している大豆たん白加工品ではないことを評価すべきなのかもしれない‥‥などと。いずれにしても値段を踏まえるとチープなので、高く評価できる肉具材ではないけれど、最も効果的だったのはチンゲン菜。
今回のスープとチンゲン菜の相性は素晴らしく、例えるなら家系ラーメンのホウレン草みたいな、わたし例えるの好きですね。メンマもスープと相性よかったけど、具材すべてチンゲン菜でもイイんじゃね? ってくらい好印象だったです、チンゲン菜。
総評
ノンフライ麺は毎度お馴染み「マルちゃん正麺 カップ」の延長線上で、かやくも値段相応とは評価できない内容でしたが、スープの個性は一見の価値あり。商品名は「塩中華そば」となっていますけど、いわゆる塩ラーメンや中華そばの既成概念に囚われない、凝り固まった頭をほぐしてくれるような一杯でした。
逆に考えすぎて頭ちょっと凝った感じが無きにしも非ずですけどw 値段とか度外視でスープの個性を評価するのであれば、余裕で★5じゃ足りないくらい。上記のように総評は「★4」としましたが、個人的にはオススメしたい商品です【author・taka :a(大石敬之)】