どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年9月15日(火)新発売のカップ麺、寿がきや食品「ふくろう からみそラーメン」の実食レビューです。
赤湯ラーメンの流れを汲む「からみそラーメンふくろう」の看板メニューをコンビニ限定のカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ふくろう監修カップ麺
「からみそラーメン ふくろう」とは、愛知県名古屋市北区(上飯田)に本店を構える “からみそラーメン” の人気店で、創業は2013年(平成25年)6月4日。ラーメン消費量日本一の山形県で人気を博す赤湯ラーメンの総本山「龍上海」出身の店主・佐藤智雄(さとう ともお)氏が名古屋で1号店を立ち上げ、現在は独自のフランチャイズ制度を構築し、愛知県を中心に多店舗展開しています。
今回の新商品「ふくろう からみそラーメン」は、からみそラーメンふくろう(株式会社パッシオーネ)と寿がきや食品株式会社の共同開発商品で、コンビニの中でもファミリーマート限定・数量限定のカップラーメンとして展開。からみそラーメンふくろう監修のもと、コクと辛味が絶妙なスープを特徴とする「からみそラーメン」が再現されました。
からみそラーメンふくろうの運営母体・株式会社パッシオーネの代表取締役を務める佐藤店主は、もともと名古屋を中心にフランチャイズ制度を利用した店舗を運営していたらしく、サラリーマン時代に新横浜のラーメン博物館で山形発祥の「からみそラーメン」に出会い、衝撃を受けたのが当時36〜37歳の頃。そのラーメンに心を奪われ、自らラーメン店を経営すべく40歳で脱サラを決意。
当時、プライベートで訪れた福岡でも衝撃を受けたラーメン店があったらしく、山形の「からみそラーメン」と福岡の「とんこつラーメン」どちらのラーメン店で修行するか悩んだそうですが、味噌と辛いものが根付いている名古屋に出店する予定だったので、山形県南陽市に本店を構える老舗「龍上海」で強引に修行を申し込み、寝る間も惜しんでラーメンの作り方や店の経営について学んだそうです。
龍上海(りゅうしゃんはい)とは、1958年(昭和33年)に創業したラーメン店で、製麺から調理まで一貫した自家製ラーメンの店として開業。当初は普通の「しょうゆラーメン」を提供していたらしく、独特の縮れを特徴とする太めの自家製麺が評判を呼び、龍上海の名は瞬く間に広がったそうですが、開店当時は仕込んだスープの大半が残ってしまい、残ったスープは家族の食卓に毎日のぼったのだとか——
以降、その残されたスープに好みの薬味や調味料を加え、家族総出で味噌汁代わりにするという涙ぐましい努力を続けていたそうですが、1960年(昭和35年)に赤湯地区で江戸時代から生産されていた石焼南蛮(石臼で挽いた唐辛子)と秘伝の香辛料を使った辛い味噌ラーメンを開発。それが現在の「赤湯からみそラーメン」で、残ったスープと闘う日々に終止符が打たれました。
そんな「龍上海」は、基本的に弟子を取らないスタンスで、何度も “修行させてくれ” という申し出を断ってきたそうですが、40歳で脱サラしてきた佐藤智雄氏の気概を認めて初の弟子入りを許可したらしく、修行は定番の皿洗いからスタート。しかしながら最後までラーメンの作り方は教えてもらえなかったことから、ひたすら「からみそラーメン」が作られていく工程を勉強し、辛味噌を特徴とする伝統の味を会得したそうです。
その後、赤湯からみそラーメンを名古屋の味覚にカスタマイズして、2013年6月4日(佐藤店主が43歳の頃)に満を辞す「からみそラーメンふくろう」の1号店をオープン。2020年9月15日現在「からみそラーメン ふくろう 本店」の食べログ点数は3.73と高得点を記録、2017年〜2019年の「食べログ ラーメン 百名店 EAST」にも3年連続で選出されるなど、名古屋を代表する人気店に成長しました。
開封
さて、そんな「からみそラーメンふくろう」の看板メニューを再現した今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に後入れの「液体スープ」と「辛みそ」で合計3袋。
寿がきや食品はチルド商品の「こわだり名店 ふくろう監修 からみそラーメン2人前」や「ふくろう監修 みそタンメン2人前」だけでなく、調味料の「ふくろう監修 辛みそキャベツ炒めの素」や「ふくろう監修 辛みそまぜ麺の素」「ふくろう監修 辛みそ鍋つゆ」など、ふくろう監修商品を以前から展開しているため、その流れから今回のタイアップが実現したのでしょう。
麺は縮れが強く、従来の汎用麺よりも白っぽいノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。現在は加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場(群馬県高崎市新町2330-26)に麺の製造を委託していますが、2021年6月30日に群馬工場の土地建物や機械設備一式が寿がきや食品に譲渡されるらしく、工場の従業員も寿がきや食品に転籍予定とのことで、今回のようにノンフライ麺の雰囲気が変わってくるかもしれません。
ちなみに修行先の「龍上海」が監修したカップ麺は明星食品の担当で、2006年12月20日に “地域の名店シリーズ第5弾” として発売されたセブンイレブンのオリジナル商品「地域の名店シリーズ 龍上海 本店」が初のカップ麺。2018年以降はノンフライ麺を使用した縦型BIGブランド「銘店紀行」に移行しているため、寿がきや食品×ふくろう×ファミリーマートの大判どんぶり型には頑張ってもらいたいところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ふくろう からみそラーメン 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 内容量:147g(めん70g) 商品コード:4901677082787(JAN) 商品サイズ:φ167×70(mm) |
発売日:2020年09月15日(火) 実食日:2020年09月15日(火) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:278円(税込) ファミリーマート通常価格:258円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・辛みそ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、小麦たん白、たん白加水分解物)、スープ(味噌、動物油脂、ポークエキス、辛みそ、みりん、植物油脂、鰯節エキス、食塩、香味油、ゼラチン、鰹節粉末、にんにく、ジンジャーエキス、煮干粉末)、かやく(チャーシュー、ナルト、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、着色料(カラメル、パプリカ色素、紅麹)、乳化剤、かんすい、香料、炭酸カルシウム、酒精、酸味料、香辛料抽出物、カゼインNa、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(V.E、ローズマリー抽出物、V.C)、増粘多糖類、(一部に卵・乳成分・小麦・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの「かやく」に入っている具材は、チャーシュー、ナルト、ねぎとシンプルな構成で、ちょっと大きめのナルト2枚が目立っているのですが、実店舗の「からみそラーメン」にはトッピングされているメンマは入っていません。寿がきや食品のカップラーメンは具材に乏しいため、まずまずの内容ではあるものの、ファミリーマート通常価格(税込278円)を思うと寂しい構成です。
あとは熱湯を注いで5分間、待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めて、時間になったら液体スープを馴染ませた後、別添の辛みそをトッピングしたら出来上がり。実際の「からみそラーメン」には、龍上海と同じようにアオサがトッピングされているため、そこも再現してほしかったところではあるものの、少しずつ辛みそを溶かして味の変化が楽しめるのは嬉しいポイント。
ちなみに本店のTwitterアカウントは “北海道の皆様から沖縄の皆様まで、ふくろうのからみそラーメンを是非ご賞味ください” と呟いていたのですが、流通の問題で寿がきや食品のカップ麺は沖縄で販売されないため、もしかすると沖縄では売ってないかもしれません。それでは、念のため “辛みそ” の辛さレベルにも注目しつつ、「めん」「スープ・辛みそ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(147g)あたり |
カロリー:494kcal たん白質:12.8g 脂 質:20.7g 炭水化物:63.9g 食塩相当量:8.6g (めん・かやく:3.0g) (スープ:5.6g) カルシウム:116mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:494kcal(めん・かやく:349kcal)(スープ:145kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もしかして新開発?
「からみそラーメンふくろう」の実店舗で提供されている麺は、しっかりとした縮れを特徴とする「龍上海」の流れを汲んだ極太の手揉み麺で、もちもちとした粘りの強さが特徴とのこと。開業当初の本店では、創業者の佐藤店主が自ら手揉みしていたらしく、今でもネット検索した画像を見るとランダムに縮れた厚みのあるビジュアルが印象的でした。
対する今回のカップ麺に採用されているノンフライ麺は、明らかに実店舗の麺よりも厚みがなく、縮れも特筆して強いわけではないのですが、既存の汎用ノンフライ麺と比較して白っぽい色合いで、使い回し感が控えめなのは好印象。また白っぽい見た目のわりに加水率は高く、もちもちとした粘りの強い弾力から、今回の濃厚な辛みそスープに負けません。
ただし、食べ始めはコシの強い硬めの歯応えが魅力となっていた反面、ややスープとの一体感が完璧とはいえなかったので、液体スープを溶かした後、1分ほど休ませてスープに馴染ませるのがオススメ。お店の極太麺には及ばないかと思いますが、単純にスープとの相性は悪くなかったので、税込278円という値段を加味しても上出来だと感じました。
スープ・辛みそ
にんにく強めで中毒性あり!
「からみそラーメンふくろう」が本店を構える名古屋には、塩分濃度の高い赤味噌文化が根付いているため、それに合わせてチューニングされたスープは赤味噌の主張が強いのかと思いきや、どちらかというと味噌ダレは米味噌をベースにしているようなテイスト。それなりに塩気も感じますが、丁寧なポークエキスと味醂(みりん)のコクに多めの動物油脂で、マイルドな印象さえ覚えます。
しかしながら生おろしニンニクのエッジと生姜のキレでパンチも強く、鰹節(かつおぶし)よりも鰯節(いわしぶし)の旨味を効かせることで個性を表現。濃厚な味噌ラーメンのスープとして、別添の「辛みそ」を加える前の段階から完成系にあるといっても過言ではない作りとなっているのですが——
別添の「辛みそ」をスープに溶かすと一変。唐辛子の辛さレベルは一般的にみても中辛程度だったので、激辛クラスの非常識な辛味噌ではないのですが、想像していたよりも生おろしニンニクのパンチが強く、全体のニンニク感が大幅にブースト。さらに赤味噌寄りのエッジで塩気も強くなりますが、溶かすタイミングも量も自分好みに合わせて調節できるため、すこしずつ溶かしながら味の変化を楽しんでください。
具材
麺とスープを思えば及第点
大きめのナルトは雰囲気がよく、パッケージのイメージ写真でもナルトは2枚なので、おそらく数は2枚が標準。最近ちょっと変な風味の魚肉練り製品が気になることもありましたが、今回そういった違和感はなく、ネギも比較的に自然な歯触り。
数年前の寿がきや食品が販売するカップ麺のチャーシューは、職人技の薄さにカットされたチャーシューが定番で、ケミカルな風味が鼻につく肉具材だったのですが、最近のチャーシューは比較的に厚みがあり、ケミカルなニオイも気にならなくなってきました。とはいえ今回のカップ麺はコンビニ限定かつ税込278円の商品なので、味の決め手となる前述のアオサを別添してほしかったです。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
ノンフライ麺は写真で見た実店舗の極太麺ほど太くないですし、税込278円もするコンビニ限定のカップ麺として具材のボリュームも上出来とはいえないけれど、辛みそ投入前の液体スープは完成度が高く、辛みそ投入後のスープはニンニクの風味と唐辛子の辛味で中毒性あり。アオサが別添されていないのは寂しいけれど、総合力は低くありません。
コンビニの中でもファミリーマートでしか買えない限定商品となっているため、基本的には税込278円必須になりますが、その価値は充分あると思います。ちょっと多めのアオサもしくは青のりをトッピングすると美味しさ倍増なので、ちょい足しアレンジも試してみてください。