どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年11月5日(火)ファミリーマート限定発売、サンヨー食品のカップ麺「ファミマル さっぽろ純連監修 濃厚味噌ラーメン」(258円+税)の実食レビューです。
さっぽろ純連のカップラーメンをファミリーマート専用の縦型ビッグに!? ファミマルの名店シリーズに老舗のニューフェイス!! ただし‥‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
さっぽろ純連監修 濃厚味噌ラーメン
さっぽろ純連(じゅんれん)とは、1964年(昭和39年)8月2日に村中明子(むらなか あけこ)その人が創業した「純連(すみれ)」にルーツを持ち、1987年(昭和62年)から村中家の長男・教愛(のりよし)氏が事業を継承した、いわゆる “純すみ系„ の金字塔。ちなみに中の島に本店を構える「すみれ」は三男・伸宜(のぶよし)氏が立ち上げた店で、どちらも北海道を代表する名店として知られます。
このページでレビューする「さっぽろ純連監修 濃厚味噌ラーメン」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、PB(プライベートブランド)のカップラーメンで、共同開発者は同店監修のNB(ナショナルブランド)商品「サッポロ一番 名店の味 純連 札幌濃厚味噌 大口径」を販売しているサンヨー食品。
また「さっぽろ純連」は、ファミリーマートの冷凍食品(チャーハン、味噌ラーメン、ライスバーガー)なども監修しているため、こちらも以前から繋がっているのですが、今回の新商品が出た瞬間、真っ先に懸念を覚えたのが製品スタイル。というのもサンヨー食品のNB商品は大判どんぶり型の容器を使用しているのですが‥‥
ファミマルのカップラーメンは縦型ビッグということで、こちらコンビニでの陳列に重宝される容器から、頭ごなしには否定できないチョイスになりますけど、本格さに意識を傾けた場合、どうしても大口径のカップラーメンに引けを取るスタイル。また原材料名を確認すると、NB商品はノンフライ麺なのに対し、こちらは油揚げ麺を使っているため、そういった部分も意識しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れ「液体スープ」と「調味油」の合計2パックで、エースコックの縦型カップよろしく最初から容器の中に入っている状態。また名称も「仕上げの小袋」パターンから外れるなど、すこし特殊な構成です。粉まみれの小袋に関しては、直近にレビューした商品を例に挙げると「牛たん炭焼利久」監修にも該当しますけど、このパターンちょいちょい増えてきましたね。
かやくは「鶏・豚味付肉そぼろ」「メンマ」「ねぎ」の組み合わせで、粉末スープの香りはサンヨー食品のロングセラー「サッポロ一番 みそラーメン」に似たタイプ。ちなみにファミリーマート通常価格は258円(税込278円)に設定されているため、同じコーナーに並んでいる「味仙」や「麺屋 極鶏」「三宝亭」「来来亭」など、見覚えのある名店監修のカップラーメンと同じ値段なのですが‥‥
「サッポロ一番 名店の味 純連 札幌濃厚味噌 大口径」のメーカー希望小売価格を例に挙げると268円(税別)、それをファミリーマートで購入した場合の税込価格は289円なので、その差たったの11円。この業界における11円というのは、我々が思っている以上に大きい数字ではあるけれど、11円プラスしたら「名店の味」に手が出せる、そのことは念頭に置いておかなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:さっぽろ純連監修 濃厚味噌ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:108g(めん70g) 商品コード:4901734056867(JAN) |
発売日:2024年11月05日(火) 実食日:2024年11月10日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:258円(税別) 購入価格:278円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(液体スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、粉末卵)、スープ(みそ、糖類、植物油脂、調味油脂、ポーク調味料、豚脂、食塩、香辛料、ポークエキス、油脂加工品、酵母エキス、発酵調味料、たん白加水分解物、オニオンペースト、粉末ソース)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、酒精、増粘剤(キサンタン)、香料、かんすい、クチナシ色素、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、香辛料抽出物、パプリカ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、前述のように「名店の味」ではノンフライ麺を使用していることを考慮すると、本格さにおいては負けを認めざるを得ない部分。とはいえサンヨー食品の縦型カップに選ばれるフライ麺といえば、ノンフライ麺と見紛うような品質であるパターンもゼロではないため、もしかするともしかするかも。
別添の小袋は後入れなので、それを取り出してから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「調味油」を待つこと4分。時間になったら小袋の中身を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。大口径のそれとは異なる香りが漂ってくるけれど、中華鍋で具材を炒めたような雰囲気にはワクワクさせられたファーストインプレッション。
ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純に “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き純連監修ならではの個性とコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(108g)あたり |
カロリー:492kcal たん白質:9.9g 脂 質:23.0g 炭水化物:61.3g 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.82mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:172mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:492kcal(めん・かやく:357kcal)(スープ:135kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
これはこれと割り切れば‥‥
熱湯4分ちょうどにフタを開け、すぐに箸を入れてみたところ、まだ上層の面が頑固な状態で嫌な予感。しかし、それを軽くほぐしてから「液体スープ」と「調味油」を入れ、よく混ぜ終えたタイミング(合計5分前後)に差し掛かると、部分的な戻りムラなどは気になりません。
そこまで粘りは強くないけれど、なかなか歯応えのある食感で、躍動感のある口当たりも印象的。けっきょくノンフライ麺に見紛うような品質ではなかったので、本格さでいえば「名店の味」の足元にも及ばない品質ですが、黄色味の強いカラーとランダムな縮れ具合は雰囲気を感じるポイント。
食感の持続性も悪くなかったので、適度な歯応えが最後まで楽しめます。とはいえ11円を課金すれば(むしろスーパーやドラッグストアであれば、もっと安く)あのノンフライ麺が楽しめることを考慮すると、ちょっと割に合わないかな‥‥という気持ちは無きにしも非ず。これはこれで個性的な麺ではあったんですけどね。
スープ
味は悪くないけど方向性が違う
まずは別添の小袋を入れずに確認してみたところ、使用している味噌や香辛料が似ているのか、やはり「サッポロ一番 みそラーメン」を彷彿とさせる組み方で、サンヨー食品らしいなと。山椒のアクセントが強いところは明確な違いになりますが、例の七味スパイスよろしく赤唐辛子の芳ばしさが目立つなど、なんかホッとする土台。
続けて「液体スープ」を加えると、味噌ダレのコクが加わって、味の重心がグッと低くなるのですが、それと同時に効果的だったのが炒め野菜の香り。タンメンが題材のカップラーメンに使われるタイプの香味油だったので、さっぽろ純連らしい調理感とは異なるベクトルを歩んでいるけれど、おかげで複雑な味わいに。
さらに「調味油」も面白く、ラード由来の厚みもさることながら、前述の香味油とは違う “中華鍋で具材を煽ったような力強い芳ばしさ„ が加わって、より厚みのある仕上がりに。とはいえ再現度の高さや本格さでいえば「名店の味」には及ばない‥‥っていうか、トマト?
たぶん原材料の粉末ソースに由来しているのだと思いますが、後味にトマトっぽい酸味が残るので、ちょっと目立ちすぎているような印象も。また “純すみ系„ といえばの味噌を焼いた風味も意識されておらず、結果的に複雑ではあるけれど、イメージ的に随分とライトなスープでした。
かやく
肉そぼろは後半に食べたほうがいいかも
ラインナップはシンプルですが、ボリューム的には充分と思える内容で、香りの強いメンマが多めに入っているところは好印象。ただし、熱風乾燥のネギに特筆すべき要素はなく、肉そぼろも最初に食べるとサックサクの状態だったので、なかでも後者が気になる方は、すこし沈めておくなどの工夫が必要です。
総評
「名店の味」は本格的で重厚感のある味わいなのに対し、ファミマルではライトな路線を狙っている、そういった開発背景を想像すると、納得できない仕上がりではありません。とはいえ「さっぽろ純連」らしいと思える要素が弱く、これなら既存の大判どんぶり型を試したほうがいいのでは? などと。たぶん実店舗のファンは納得できないでしょうし、ラーメン好きからも賛否両論ありそうで、まずいわけじゃないんだけど——みたいな。
たとえばコンビニ限定の縦型ビッグでは「辛味噌」や「味噌バターコーン」を再現するとか、新たに湯切りメニューを提案するとか、セブン-イレブンの「名店ジャンク」よろしく雑うまにアレンジするとか、そこまでの差別化が必要なのかなと。名店の味が重いと感じていたユーザーには朗報かもしれませんが、さっぽろ純連の看板を掲げた商品にしては不完全燃焼だったので、今後の展開に期待しています。【author・taka :a(大石敬之)】