どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年2月10日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 恋七味付き 京風あんかけうどん」の実食レビューです。
ほっこり和む生姜仕上げの恋七味付きで京都の「たぬきうどん」を再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
恋七味どん兵衛 京風あんかけうどん
恋七味(こいしちみ)とは、おそらくバレンタインデーに合わせて開発された期間限定の七味唐辛子で、いつもの “彩り七味” とは違う、特別な配合でブレンドされたもの。しばらくの間、一時的に通常商品の別添 “彩り七味” が「恋七味」に変わり、それに合わせた変わり種の新商品「京風あんかけうどん」と「淡麗塩だしそば」が同時にリリースされました。
対象商品は「日清のどん兵衛 きつねうどん」及び「同 天ぷらそば」(東日本向け / 西日本向け / 液体つゆ仕上げ)並びに「日清のどん兵衛 特盛きつねうどん」及び「同 特盛天ぷらそば」(東日本向け / 西日本向け)の合計10品で、星野 源(ほしの げん)さん扮する “孤独な男” と吉岡 里帆(よしおか りほ)さん扮する “どんぎつね” の期間限定ハートマーク・恋七味アイコンが目印。
今回の「京風あんかけうどん」と既存の各「きつねうどん」に別添されている恋七味の中身は、ほっこり和む生姜仕上げということで、生姜の風味を強化したもの。そして同時発売品「淡麗塩だしそば」と既存の各「天ぷらそば」に別添されている恋七味の中身は、華やぐ香りの山椒仕上げということで、一味唐辛子の量を大幅に減らし、多めの和山椒と黒胡椒がブレンドされています。
さらに恋七味どん兵衛の発売にあわせ、星野源さん(孤独な男)と吉岡里帆さん(どんぎつね)が2人で “恋七味” を作り上げる大掛かりな新テレビCM『日清のどん兵衛 恋七味 篇』を放映し、どん兵衛のラインナップを強化。ただし、既存の各種どん兵衛は、一時的に彩り七味が恋七味に置き換わるだけとなっているため、麺・つゆ・具材に特別な違いはありません。
さて、今回の変わり種は “京風+あんかけ+うどん” という組み合わせから、京都の「たぬきうどん」がモデルで間違いありません。たとえば関東で麺類の「たぬき」といえば “天かす入り” のことを指しますが、関西で天かす入りの麺類は “ハイカラ” といい、中でも大阪周辺での「たぬき」は “油揚げをのせた蕎麦” に限定されます(関東の「きつねそば」≈ 大阪の「たぬき」)。
しかし、京都の「たぬきうどん」は “味付けなしの刻み揚げをトッピングした餡掛けうどん” のことを指すのが伝統で、甘くない刻み揚げの「きつねうどん」を餡掛けにしたもの。大阪を発祥とする甘い油揚げがのった「きつねうどん」は京都で “甘ぎつね” と呼び分けられ、おちょぼ口で食べないといけない舞妓さんでも食べやすいように‥‥と、揚げを短冊状に刻んだのが始まり。
その「きつねうどん」が餡掛けうどんになってドロッとしている、つまり「きつね」が “ドロン” と「たぬき」に化けたのが由来——と、幼い頃に京都の老舗で教えられたことを覚えています。さらに底冷えする京都の冬でも体の芯から温まるように、京都の餡掛けうどんには生姜を入れるのが定番なので、それも “うどん用” の恋七味に生姜を効かせるアレンジに繋がったのでしょう。
なお、和山椒を効かせた同時発売品の変わり種「淡麗塩だしそば」は、ひとつ前のページでレビュー済みです。しょうゆを使わずに塩と出汁(だし)で味付けしたカップ麺でも珍しいスタイルの新作で、東京都台東区・稲荷町に本店を構える風変わりな立ち食い蕎麦屋「そば助」の “塩だし蕎麦” を再現したカップ麺でした(関連ページ「日清のどん兵衛 恋七味付き 淡麗塩だしそば」)。
開封
別添の小袋は「粉末スープ」「かやく」「恋七味」の合計3袋、淡麗塩だしそばでは液体スープでしたが、こちらは粉末スープとなっています。ところで日清食品は、2004年1月26日に発売した「日清のどん兵衛 京風あんかけうどん」を皮切りに、標準どんぶり型どん兵衛から「京風きつねうどん」を何度かリリースしているため、実は今回が初のテーマではありません。
おそらく麺は定番どん兵衛・うどんシリーズ共通の油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。かやくの小袋が別添されていますが、それとは別に刻み揚げのみ最初から容器の中に入っています。ひとつ調理前にサクッと味見してみたところ、濃口醤油と砂糖で炊いたような味付けが施されていたので、京風の刻み揚げでも “甘ぎつね” でした。
ちなみに新作の「京風あんかけうどん」と「淡麗塩だしそば」の販売地域は全国ですが、定番どん兵衛で “恋七味” が搭載されるのは富山県・石川県・福井県・滋賀県・奈良県・和歌山県以西の西日本向け、並びに北海道を除く東日本向けの商品だけとなっており、北海道限定「北のどん兵衛」に恋七味は搭載されません(※「北のどん兵衛」には置換元の “彩り七味” が入っていないため)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 恋七味付き 京風あんかけうどん 製造者:日清食品株式会社 静岡工場 製造所:静岡県焼津市相川17-2(F) 内容量:80g(めん66g) 商品コード:4902105255124(JAN) 商品サイズ:縦144mm×横144mm×高さ75mm |
発売日:2020年02月10日(月) 実食日:2020年02月12日(水) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:198円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:390ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・かやく・恋七味) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類)、スープ(食塩、かつおぶし調味料、糖類、粉末しょうゆ、さばぶし粉末、七味唐辛子、こんぶ調味料)、かやく(味付油揚げ、卵、ねぎ)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、カラメル色素、酸味料、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・ゼラチンを含む) |
実食開始
お湯を注ぐ前に入れる小袋は「かやく」1袋のみ、別添の “粉末スープは後入れ” なので、かならず食べる直前に入れてください。あんかけうどんを表現するためのトロミ成分が粉末スープに入っているため、先に入れると高確率で麺が適切に戻らなくなります。で、何気に意識しつつ「淡麗塩だしそば」では失敗した “恋七味をハート型に整えてみる” ですが——
とろみのある餡掛けつゆなら——勝てる!!(誰に)場合によっては寂しくなりますけどw 今回の粉末スープは間違いなく歴代どん兵衛史上‥‥いや、もしかすると和風カップめん史上最強クラスかってくらい高粘度だったので、恋七味の小袋を小さく開けてチマチマ出せばハート型も可能です。つまり餡掛け=粉末スープの溶け残りが発生しやすいため、くれぐれも念入りに混ぜてください。
まだいくか!? ってくらい、混ぜれば混ぜるほどトロミが強くなり続けるので、20秒や30秒じゃ足りません。最短でも “1分30秒”「できれば2分くらい」全体がボテッと餡掛け状になるまで混ぜ続けてください。それでは、引き続き京風らしさに注目しつつ、「めん」「つゆ・恋七味」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(80g)あたり |
カロリー:342kcal たん白質:6.4g 脂 質:119g 炭水化物:52.4g 食塩相当量:4.7g (めん・かやく:1.5g) (スープ:3.2g) ビタミンB1:0.23mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:149mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:342kcal(めん・かやく:318kcal)(スープ:24kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おなじみのクオリティ
あいかわらずコシの強い油揚げうどんで、麺の表面は摩擦抵抗ゼロの滑らかさ。近年、東洋水産やエースコックをはじめ他社が手掛ける剛麺スタイルの太うどんもメキメキと成長していますが(中でもエースコックの成長が目覚ましい)、どん兵衛ならではの絶妙なコシと絶妙な耐久性には日清食品が培ってきた技術力の高さを感じます。
もちろん粉末スープを入れてから2分まぜ続けたくらいでは微動だにせず、むしろ程よく馴染んでナチュラルだと感じるくらい。もちろん好みはありますが、高粘度あんかけ系の和風つゆには讃岐うどんライクなコシの強い麺よりも大阪うどん系の優しい麺が合うと思うので、とりあえず粉末スープを徹底的に溶かし、ゆっくりと落ち着いて食べるのがベストかもしれません。
それから一つ前のページで2019年3月上旬に行われたマイナーチェンジの件について触れていて、どん兵衛の蕎麦シリーズに使用されている麺には「かつおぶしエキス」と「糖類」が新たに練り込まれたと書いたのですが、うどんシリーズの麺には「こんぶエキス」と「糖類」が練り込まれました。同時に耐久性もアップしているので、10分どん兵衛の安定感も増しています。
つゆ・恋七味
素人泣かせの高ハードルw
今回は商品名が「京風あんかけうどん」となっているように、いわゆる “あんかけ風” ではありません。本気モードw あ、やばい片栗粉ちょっと入れすぎたかも‥‥ってくらい強烈な仕上がりで、しっかり混ぜないと確実にダマが発生します。もしダマになった場合、味にも必然的にムラが生じてしまうため、小刻みに箸を動かしながら全体を念入りに混ぜてください。
味は恋七味を入れる前から生姜の風味が明白で、それについては粉末スープを開封した瞬間からハッとするレベル。とはいえ粉末の生姜ですし、特有の辛味が襲ってくることはありません。わりと色は濃いめですが、しょうゆは風味付け薄口醤油、鰹節と鯖節の旨味が濃厚で、餡掛けの中にギュッと詰まっています。これ厚揚げ豆腐にかけて青葱・大葉・茗荷(みょうが)をのせたら確実に旨いやつw
同時発売品の山椒仕上げと違い、生姜仕上げの恋七味は一味唐辛子の含有量が多く、ブラックペッパーは気になりません。また一味唐辛子も見た目のわりに辛味は弱いため、唐辛子特有の芳ばしい風味と生姜のキレがすこし強くなる感じです。ただ、部分的にガリッとした歯触りが目立っていたので、それが優しい口当たりの餡掛けに対して蛇足でした。
具材
雰囲気あるけど量は少ない
京風でもネギは九条種ではないですし、たまごも写真では中央に寄せていますが、実際に食べるときには散り散りになってしまうため、そんなに存在感はありません。刻み揚げは甘辛い味付けが施されていたと書いたものの、かなり餡掛けのインパクトが強く、定番の「きつねうどん」に入っている大判お揚げよりも体感的な味付けは控えめです。
京都のたぬきは味付けしてない刻み揚げだからこその風味が醍醐味となっているのですが、今回のカップ麺では単純に餡掛けとの一体感が高く、味付けについては好印象。もともとモデルの京風あんかけうどんもトッピングは刻み揚げ・九条葱・生姜とシンプルですし、構成としては悪くないものの、ちょっと量的に寂しいかもしれません。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)
10段階評価なので、ちょっと星の数が少なく見えるかと思うのですが、このブログで4つ星は及第点(★3)以上。同時発売品の物珍しさが強かったことに加え、なまじ餡掛けつゆのインパクトが凄まじいことから「恋七味」の立ち位置は完全にサブ、というわけで若干ながら差し引いてはいるものの、ひとつの「京風あんかけうどん」として抜群の安定感を誇る一杯です。
おそらくスーパーやドラッグストアでは頻繁に見かけると思うのですが、コンビニでの取り扱いは「ローソン」と「ファミリーマート」くらいでしか見なかったので、もし近くに売ってない場合はローソンとファミマを探してみてください。とにもかくにも今回の京風あんかけうどんは、つゆが重くなるくらい “徹底的に混ぜる” のが美味しく食べるコツですよ。