どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月15日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清のどん兵衛 あさりとはまぐりのW貝だしうどん」の実食レビューです。
春先にピッタリなアサリとハマグリの「貝だし系どん兵衛」が季節限定で新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
どん兵衛 あさりとはまぐりのW貝だしうどん
近年、春の定番メニューとして人気を集めている「貝だし」系うどんのおいしさを手軽に楽しめる季節限定の新商品として開発された「あさりとはまぐりのW貝だしうどん」。これまでにも貝だし系どん兵衛ってあったかな? と、日清食品公式ウェブサイト内にある「どん兵衛の歴史」に掲載されている全商品* を調べてみたところ、正式に「貝」及び「あさり」「はまぐり」をタイトルに冠している商品はなかったので、今回が始めてかもしれません。
(* 1976年に業界初のどんぶり型容器を採用して発売された初代「きつねうどん」から2019年3月11日に発売された「日清のどん兵衛 スパイシー豚カレーうどん」までの間に発売された「どん兵衛の歴史」に掲載中のカップめん・袋めん・カップめし・リフィル・レンジ調理タイプを含む同ブランドの焼うどん・うどん・そば・そうめん全170商品)
2006年1月10日(火)にトリノオリンピック日本代表応援商品として発売された「日清のどん兵衛 地中海風海鮮うどん」の簡易説明に「アサリ」と書かれていましたが、純粋に貝出汁(かいだし)を題材にした新商品は今回が始めてだと思います。商品名にもなっているように「あさり(浅蜊)」と「はまぐり(蛤)」を使った「W(ダブル)貝だし」がテーマの新作になるのですが——
浅蜊は三春(さんしゅん – 初春・仲春・晩春)の季語にもなっているように、3〜5月に旬を迎える食用の二枚貝。蛤も三春の季語に含まれているのですが、3月3日の雛祭り(桃の節句)に蛤のお吸い物が付き物とされているように、浅蜊と同じく春が旬の二枚貝で、食べごろは2月〜4月とされています(※写真はハマグリ)。
アサリは英語で “Japanese littleneck” と呼ばれ、漢字では “蛤仔” とも書きますが、ハマグリの子どもではありません。日本では古くから味噌汁や酒蒸しなどで親しまれている食用の二枚貝で、シジミより大きく、ハマグリよりも小さく、貝殻の表面は細かい筋があり、ザラザラとした手触りが外見の特徴。
ハマグリはアサリよりも貝殻が大きく、表面の手触りはツルツル。アサリとハマグリは同じマルスダレガイ科に属しているものの別種の貝で、ハマグリのほうが大きい分ふっくらと身も肉厚、値段も高めに設定されていますが、実はアサリよりも短命です(ハマグリの寿命は7〜8年、アサリの寿命は8〜9年)。アサリは二枚貝特有のシャープな旨味、比較してハマグリは柔らかい旨味が特徴ですね。
パッケージのイメージ写真はピンクの花蒲鉾、わかめ、かきたま、ねぎと春らしい雰囲気ですが、たとえば6月に夏向けの激辛カップ麺が出たり、まだセミが鳴いている時期に秋・冬向けのカップ麺を発売するなど、季節に合わせた新作カップ麺は実際にテーマがピークを迎える1~2ヶ月ほど早めにリリースされることが多い中、旬ど真ん中——いや、そろそろ終わるくらいなので、やや出足が遅い登場となりました。
もともと貝は日本の出汁文化を支えてきた重要な食材ですし、「日清のどん兵衛」というブランドの安定力から違和感なく記事を書き始めたのですが、よくよく考えてみると純粋な貝だしがテーマのカップうどんは珍しい新商品なので、和風カップ麺のトップブランドが打ち出すW貝だしの組み立て方に注目です。
開封
容器のサイズは標準のレギュラーサイズ(縦144mm×横144mm×高さ75mm)となっているのですが、どん兵衛の容器には種類があって、今回は食べ終わった後、容器の底中心に丸が3つ見える「カレーうどん」系統のカップ(お湯の目安量が少ない)。別添の小袋は、先入れの「かやく」、後入れの「液体つゆ」で合計2種類です。
麺は油揚げ麺で普段通りの雰囲気に見えますが、実は2019年3月上旬から順次うどん・そばを含む既存どん兵衛のスープ(つゆ)と麺がマイナーチェンジしているので、2019年3月11日に発売された「日清のどん兵衛 スパイシー豚カレーうどん」以降の新商品及び既存の通年商品すべて麺の原材料名が変わりました。
写真にはチラッと茶色い粒が写りこんでいますが、おそらく麺の焦げ。私は数量限定で先行販売されていたものを日清食品グループの公式オンラインストアから購入していたのですが、ネット通販サイト限定商品ではありませんし、パッケージ・中身ともに一般販売されているものと変わりません。大きく違うのは、税込194円というゴリゴリの定価購入必至という条件くらいですw
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 あさりとはまぐりのW貝だしうどん 製造者:日清食品株式会社 製造所:滋賀工場(製造所固有記号 O) 内容量:91g(めん66g) JANコード:4902105250150 ITFコード:14902105250157 規格サイズ:縦144mm×横144mm×高さ75mm 発売日:2019年04月15日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい不使用・うどん) スタイル:和風どんぶり型レギュラー・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:390ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体つゆ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、昆布エキス、大豆食物繊維、糖類)、スープ(魚介エキス(あさり、かつお、はまぐり)、食塩、植物油脂、糖類、魚粉、香辛料)、かやく(たまご、魚肉練り製品、わかめ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、酒精、炭酸Ca、香料、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、クチナシ色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・さば・大豆・豚肉を含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・牛肉・さば・大豆(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
先入れの「かやく」に入っているのは花形かまぼこ、かきたま系のたまご、わかめ、ねぎとフタの上に掲載されていたイメージ写真通りの内容。これまで特に私は気になったことはなかったんですけど、容器の側面には “※わかめの色がカップに付着する場合があります。” という注意書きがありました。緑色になるのかな——
貝出汁といえば2015年頃から二枚貝をトッピングした「シェルラー(シェルラーメン)」というジャンルがラーメン業界で流行り始め、2017年に爆発。それを皮切りに貝だしブームがカップ麺業界にも波及して、触発された大手メーカー各社がオリジナルの新商品や有名店監修の新作カップラーメンを数多く開発・販売しているのですが、和風カップ麺で貝をテーマにした新商品は、ラーメンほど多くありません。
そもそも貝だしメインのカップうどんを食べるのは今回が始めてなんですけど、後入れの「液体つゆ」を入れた瞬間、とても芳醇な魚介の香りが漂ってきました。液体つゆはフタの上で温めてくださいと書いてあるので、待っている間に温めておきましょう。それでは、 “W貝だし” ということで旨味の違いに注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(91g)当たり
熱 量:344kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:344kcal(めん・かやく:310kcal)(スープ:34kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
どん兵衛ならではの、もっちりとしたつるみのあるうどん。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清のどん兵衛 あさりとはまぐりのW貝だしうどん』」)
前述した「日清のどん兵衛 スパイシー豚カレーうどん」では、マイナーチェンジ前と比較して明らかに質感のベクトルが変わり、まるで乾麺を茹で上げたかのようなコシの強さに驚いたのですが、今回——いつも通りw いや、でもマイナーチェンジ前と比較して麺の厚みが増しているのと、より縮れのないストレートな形状になりました。
どん兵衛ならではの “ふっくら” ジューシーな食感で、表面は摩擦抵抗ゼロの滑らかさ。事前に複数個購入していたので、2食目に10分どん兵衛(通常5分のところ10分待機)も試してみましたが、以前の10分どん兵衛よりも弾力の持続力が増しています。また、弾力が増した分のトレードオフか熱湯5分で食べ始めると一部に戻りムラが生じていたので、ちょっと長めに待ったほうがいいかもしれません。
もともとスープ(つゆ)を選ばない麺ですが、マイナーチェンジ後は昆布エキスと糖類が練り込まれ、以前よりも油揚げ麺特有の風味が穏やかになり、練り込まれた昆布エキスが効果を発揮したか今回の貝だし和風つゆとの一体感が高く、まさにベストマッチ。麺の量は定番の「きつねうどん」よりも少なめの66gですが、これは変わり種どん兵衛の標準値ですし、特に少ないとは思いませんでした(ちなみに「カレーうどん」の麺量も66g)。
つゆ
鰹、煮干し、さばのうまみに加え、あさりとはまぐりの “W貝だし” をきかせたつゆ。重なり合う貝だしの奥深いうまみと豊かな香りが特長です。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清のどん兵衛 あさりとはまぐりのW貝だしうどん』」)
スープの原材料は「魚介エキス(あさり、かつお、はまぐり)、食塩、植物油脂、糖類、魚粉、香辛料」とシンプルなフレームワークで構築されているのですが、とにかく出汁(だし)の旨味で食わせるタイプ。シジミほどではありませんが、舌の脇に訴えかけてくるのはアサリのシャープな旨味で、しかしながらエグ味を覚えるほどアクの強い出汁ではありません。
さらにアサリとは違ったハマグリの大らかで丸みを帯びた旨味が舌を全体的に包み込んでくるのですが、ホタテよりも力強く、それでいて活気付いたアサリほど若くはない大人の旨味で貫禄を見せてきます。基本の主軸は鰹(かつお)が担い、軽く鯖(さば)がサポートに入りますが、魚粉の煮干(いりこ)が軽くシャープな表情を演出。
魚粉で初速を出しつつ基本は丁寧に雑味なく煮出された「だし」で、ハマグリと鰹がマイルドにブレンドされた横広がりの旨味を、煮干とアサリがシャープな縦の旨味を表現し、それらが蛇足なく融合しているのですが、あえて醤油は使用せず、塩だけで味を整えているのが好印象。甘味は糖類によるものですが、出汁が丁寧なので甘味がナチュラルに奥行きを深め、きちんとW(ダブル)の貝出汁が大切にされていて長く余韻が響く——これは名作ですよ。
具材
かきたま、花形かまぼこ、ワカメ、ネギ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清のどん兵衛 あさりとはまぐりのW貝だしうどん』」)
もっとも目立っていたワカメから滲み出る磯の香りは効果的ですが、貝出汁の繊細なハマグリを喰うほど目立っておらず、それでいて海産物系の和風つゆと申し分ない相性で、過不足のない影響力が相乗効果を発揮。かきたまは混ぜると散り散りになると思っていたのですが、意外と最後まで口当たりに存在感があって、ふと感じる卵の穏やかな風味が貝だしメインのつゆとマッチしています。
ネギは他の具材にはない歯触りで自己主張、花かまぼこで彩りもよく、どどーんと大きな油揚げ(きつね)や後のせサクサク天ぷらほどボリュームのある食べ応えは得られませんが、期間限定どん兵衛の具材は貧弱になりがちなのに対し、今回そのような寂しさはありません。パッケージのイメージ写真通り彩りが良く、まさに春を感じさせてくれるような視覚効果も好印象。で、わかめの色移りは気になりませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
たしかに貝出汁メインの和風つゆに仕上がっていたのですが、その旨味には想像以上に層があり、幾重にも重なる海産物の旨味とシンプルな塩気、そして絶妙な甘味が心地よく、季節限定商品らしい特別感がありました。おそらく今回のカップ麺に攻撃性を求める方はいらっしゃらないと思いますし、きちんと貝出汁が主役の良品だったので、「出汁」が好きな方には特にオススメです。
そして、またもやマイナーチェンジ後の麺に違いを感じたのですが、「スパイシー豚カレーうどん」は先入れ粉末スープで今回は後入れ液体つゆだったこと、製造所も静岡県工場・滋賀工場という違いがあったので、これについては後日きっちり検証して記事にします。とにもかくにも今回の新作どん兵衛「あさりとはまぐりのW貝だしうどん」は今までにない新鮮味があり、来年・再来年と春の定番を張っていけそうな実力派でした。