どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年6月14日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん でかまる もやし中華そば」の実食レビューです。
うまい大盛「でかまる」が話題の “町中華” をカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
でかまる もやし中華そば
でかまるとは、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産が “うまい大盛” をコンセプトに展開している即席カップめんブランドで、1989年(平成元年)7月に発売された「もやし味噌ラーメン」(現「でかまる バリシャキ! もやし味噌ラーメン」)及び「コーン塩バター味」を皮切りに発足。
1988年(昭和63年)7月25日に発売されたエースコックの「スーパーカップ」が業界初の大盛りバケツ型なので、カップ麺における大盛りジャンルでは後発組になる東洋水産の「でかまる」ですが、具材の質とボリュームにも力を入れることで差別化を図り、多くの固定ファンを得ることに成功しました。
今回の新商品「マルちゃん でかまる もやし中華そば」は、味とボリュームを両立した大盛りカップめんブランド「でかまる」が送る “どこか懐かしい昔ながらの「町中華」をイメージした” 新作で、町中華の中でも定番の「もやしそば」を食べ応えのある大盛りバケツ型のカップラーメンで再現。
町中華(まちちゅうか)とは、昭和の懐かしい雰囲気を色濃く残し、中華料理を中心に提供している大衆食堂の総称で、いま食品業界でも注目を集めているジャンル。ラーメンや炒飯はもちろん、カレーにカツ丼、さらにはオムライスまで、節操なく提供している店が多いのですが、いずれも “懐かしい雰囲気” と “安くて腹いっぱいになる” というのが共通の魅力。
それを大々的にシリーズ化してしまったのがサッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品で、古きよき老舗の中華料理店とタイアップした「THE町中華」を2021年2月22日に発売し、ネット上でも目の付け所が評価されたところ。その第1弾は、東京都台東区谷中3丁目に店を構える「一寸亭(いっすんてい)」とのコラボ商品で、お店の看板商品である「モヤシソバ」の味わいを再現していました。
今回の「でかまる もやし中華そば」は東洋水産のオリジナル商品なので、どこかの老舗とタイアップしているわけではないのですが、町中華を代表するメニューといっても過言ではない「モヤシソバ」をテーマに開発。なんといっても低温殺菌調理品を搭載しているのが最大の見どころで、もやしの信頼度については間違いありません。
「でかまる」の低温殺菌調理品(レトルトパウチ)といえば「バリシャキ! もやし味噌ラーメン」の “バリシャキもやし” が代表的で、おそらく今回の「もやし中華そば」にも使われているハズ。さらにスープはオーソドックスな醤油味にトロミをつけ、なおかつ胡椒のアクセントを効かせているらしく、ちょっと横浜の「サンマー麺」にも通じる雰囲気。
ちなみに “ごっつい大盛り” がコンセプトの「ごつ盛り」と混同されることもありますが、2009年(平成21年)11月16日に発売された「ごつ盛り」は豊富なナインナップと手頃な価格(オープンプライス)を特徴としている廉価版なのに対し、1989年7月発売の「でかまる」にはメーカー希望小売価格が設定されているので、そもそもの土俵が異なります。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は「液体スープ」「粉末スープ」「もやし調理品」の合計3袋。やはり低温殺菌調理品は「バリシャキ! もやし味噌ラーメン」と同じ “もやし調理品” だったので、これについては勝ち確の要素。カップ麺の具材で一般的な乾燥もやしとは一線を画す本格的な具材で、これも同社の「ごつ盛り」にはないアイデンティティ。
もやし調理品の小袋に “本品は、保存性を高めるため、食塩や酸味料を使用しておりますので、塩味や酸味をお感じになる事がありますが、安心してお召し上がりください” と小さく書かれているように、スープが弱いと酸味が表に出てくることがあります。気になる方は事前に中の水分を捨てておくことをオススメしますが、酸味がプラスに働いてくれることもあるので、その兼ね合いも注目したいポイント。
ちなみに先ほど「ごつ盛り」はオープンプライス(廉価版)と書きましたが、こちら「でかまる」のメーカー希望小売価格は220円(税別)が基本ということで、場合によっては実売価格に100円以上の値段差が生じます。しかし、それだけ本格的な味わいに期待できるのと、2021年6月現在の大盛りカップ麺における標準的な値段なので、特別に高いわけではありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん でかまる もやし中華そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:M8・関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8) 内容量:158g(めん90g) 商品コード:4901990369084(JAN) |
発売日:2021年06月14日(月) 実食日:2021年06月19日(土) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(ミニストップ) 商品購入価格:232円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:510ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、卵黄、香辛料、粉末野菜、砂糖)、かやく(もやし、味付挽肉、にんじん)、添付調味料(しょうゆ、ポークエキス、食塩、でん粉、植物油、ラード、香辛料、砂糖、粉末野菜、香味油脂、酵母エキス、たん白加水分解物、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、酒精、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、酸味料、かんすい、トレハロース、pH調整剤、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、甘味料(ソーマチン)、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
さて、一見すると粉末スープのみ先入れかと思われるかもしれませんが、気を付けてくださいトラップです。容器側面の調理方法に「もやし調理品を麺の上にあけ、熱湯を内側の線まで注ぐ」とあるように、実は “もやし調理品が先入れの小袋” で “液体スープと粉末スープは食べる直前に入れる” というのが注意しなければいけないポイント。
あとは熱湯を注いで3分間、液体スープの小袋をフタの上にのせて温めながら待ち、時間になったら粉末スープを馴染ませて、液体スープを加えて混ぜたら出来上がり。あんかけレベルの粘度ではないものの、後入れの小袋にトロミ成分が含まれていたので、こちらも調理の際に注意したいポイントの一つ。
なお一部の地域には売ってない場合もあるかと思いますが、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」と「ミニストップ」での取り扱いを確認しているので、販売店の参考にしてください。それでは、引き続き “町中華” っぽい雰囲気と低温殺菌調理品の酸味にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(158g)あたり |
カロリー:522kcal たん白質:11.9g 脂 質:22.9g 炭水化物:67.1g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.9g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.48mg カルシウム:237mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:522kcal(めん・かやく:444kcal)(スープ:78kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
新開発ではないけど安定の仕上がり
丸刃で切り出された口当たりのいい平打ち麺で、サイズは中くらい。油で揚げた麺なので、町の中華屋さんが使っている生の麺とはベクトルが異なるものの、何度か引き合いに出している廉価版の「ごつ盛り」よりも(当たり前ですが)クオリティは高く、量も90gの大盛り仕様で食べ応えあり。
どうしても油揚げ麺らしい弾力に仕上がりますが、このジャンルとしては比較的にコシが強く、時間の経過による食感の劣化も控えめ。逆に焦って早めに食べ始めると部分的にサクサクとした食感になりますが、今回は後入れの小袋が2種類あり、なおかつトロミ成分を完全に溶かさなければいけないので、そうこうしている間に食べごろ。
どこかの店が監修した商品ではないのですが、後述する漠然と「町中華」っぽいスープとの相性は問題なく、むしろ油揚げ麺であるがゆえの芳ばしい風味をポジティブに感じるくらい。平打ちの形状なので、とろみのついたスープとの一体感も高く、これといって文句の付け所は見当たりませんでした。
スープ
そうそう、これこれ‥‥みたいなノスタルジックテイスト
粉末スープには前述のトロミ成分をはじめ、香味野菜の旨味や胡椒、砂糖などが含まれており、けれども味の決め手となるタレやアブラは含まれておらず、あくまでも土台を支えるための役割。しかし、とろみの加減が強過ぎず弱過ぎず絶妙で、コショウとは違う化学調味料のピリピリとした刺激も感じますが、ある意味それもミシュランガイドには載らない「町中華」の魅力に通じるポイント。
その粉末スープが溶け残らないように、しっかりと混ぜ合わせた後、液体スープを加えたら一変。やや粘度の高いタレは、濃口醤油をベースにしたキレのあるタイプ。そこに豚脂(ラード)の芳ばしい風味とコクが重なることで、軸はチャーシューのタレに通じるようなテイストになり、ちょっと焦がしたようなホロ苦いアクセントが年季の入った中華鍋を想起させるような——。
というのは想像し過ぎかもしれませんけどw たしかに漠然と懐かしく、とろみが施されているところ以外は奇を衒った要素のない、きわめてオーソドックスな醤油味のスープ。最近では珍しくない‥‥というか、逆に入っていないほうが珍しい魚介系の下支えは皆無だったので、ある意味それが印象に残りました。
具材
もやしの中では最強かもしれない
もやし調理品の中にはニンジンも入っているのですが、そちらはクタクタな食感なのに対し、もやしは熱湯3分後もシャッキシャキの食感で、乾燥具材では打ち出せない臨場感を実現。これ単体で食べると穏やかな塩味と酸味に加え、ふんわり胡麻油の風味もあり、それこそ別皿に移して白胡麻をトッピングしたらナムルとして出せそうな完成度の高さ。
粉末スープに入っていたネギは飾り程度だったので、正直これといって書くことはないのですが、最初から入っていた味付挽肉は大きめで存在感あり。けっこうスパイシーな味付けとスープの相性もよく、もやしでは楽しめないワイルドさに魅力を感じました。
もやし調理品が先入れなので、必然的に胡麻油の風味と酸味がスープに溶け出しますが、それもスープの複雑さに寄与。邪魔になるどころか相乗効果を発揮していたので、特に抵抗なければ “小袋に入っている水分は捨てないほうがいい” かもしれません。
総評
たとえば地域によって “ど定番の味” は異なるかと思いますが、下町にある昔ながらの中華屋さんで、ベテランのオヤジさんがチャチャッと作ってくれるような、どこか懐かしい町中華の-・という漠然とした雰囲気が楽しめる仕上がり。そのため新進気鋭の味ではないけれど、あえてそれを「新商品」としてリリースしてきたことに価値がある、そう素直に思えるカップラーメンでした。
コンビニで購入した場合の税込価格は232円になりますが、レトルト具材のバリシャキもやしは値段以上の品質かつ大盛りなので、コストパフォーマンスについても問題ありません。さらに「お酢」や「ラー油」「胡椒」でアレンジしても間違いないので、昔ながらの素朴な味に魅力を感じている方は、いくつかストックしておくことをオススメします【author・taka :a(大石敬之)】