どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月8日(月)新発売のカップ麺、エースコック「でびっと監修 鶏とん塩ラーメン」の実食レビューです。
ラーメン激戦区・東京品川の名店「でびっと」創業当時の人気メニュー「三位味」を復刻・再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
でびっと監修 鶏とん塩ラーメン
「でびっと(でびっとらーめん)」とは、1986年に結成されて一世を風靡したお笑いトリオ「B21スペシャル」のメンバーで、現在は俳優としても活躍されているデビット伊東(伊藤 努 – いとう つとむ)さんが店主を勤める創業2000年の人気ラーメン店。紆余曲折ありましたが、なんと創業15年目となる2015年には年商2億円を叩き出しています。
カップラーメンの側面には、 “2000年に人気テレビ番組の企画から誕生した、デビット伊東氏(英語表記だと David – デビッドですが、「デビット・でびっと」が公式)が店主を勤める人気ラーメン店。” という解説しかありませんが、1991年から2001年にかけて放送されていた日本テレビ系のバラエティ番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』の企画から生まれました(英語表記だと David – デビッドですが「デビット – でびっと」が正式名称)。
当時、デビット伊東さんは事故で左足の膝から下がほとんど動かない腓骨神経麻痺の状態で、タレントとして伸び悩んでいた頃、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』にて彼を再生させるための企画が立ち上がり、河原成美さん(株式会社力の源ホールディングス代表取締役会長兼社長)が店主を勤める福岡の著名ラーメン店「博多一風堂」へと修行に出されます。
“デビット伊東がラーメン屋を始める” という企画は過酷なもので、福岡の有名店「一風堂」で長期合宿すること、そして “2度とTVに出ない(芸能界に戻らない)” という条件を約束させられた上でのスタートでした。まるで昭和の部活動よろしく厳しい修行に耐え、2000年7月に1号店「でび渋谷店」をオープン。
豚骨、鶏ガラ、野菜スープ、それら “三位(さんみ)” の出汁を別々に取った後、大きな寸胴で一つにしてから1日寝かせるという手間暇かけた「三位味」を開発し、カップ麺のパッケージにも “2000年創業当時の人気メニュー” と書いてありますが、実際はスープを残す客が多く、お蔵入りになって今では提供されない幻のメニューになりました。
しかし、そこから苦節2、3年——何度も何度も味を変えながら試行錯誤の結果、徐々に人気店へと成長を続け、一度は傾きかけた経営も持ち直し、2015年には年商2億円を突破。2019年4月現在の国内既存店舗は「中延本店」「桜新町店」「イトーヨーカドー大和鶴間店」、フランチャイズ店舗の「らっ衆」、さらに「上海店」「マカオ店(姉妹店)」「ホーチミン店」と海外にも3店舗展開しています。
グランドメニューは「醤油豚骨らーめん」「醤油らーめん」「塩らーめん」「つけめん」、サイドメニューの「肉ごはん」「特製餃子」などが公式ウェブサイトの “お品書き” に掲載されているのですが、でびっと中延本店の数量限定メニューに「煮干しラーメン」があり、今回のカップ麺「鶏とん塩ラーメン」と一緒に「でびっと監修 煮干し醤油ラーメン」というタイトルで商品化されました(※同時発売)。
数年前、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県を地盤とするディスカウントスア・Big-A(ビッグエー)限定商品として、「煮干しの旨みに山椒の華やかな香り 煮干し醤油」「煮干しの旨みに柚子の爽やかな香り 煮干し塩」「すだち風味のコク醤油ラーメン」などの再現カップ麺も販売されていたのですが、当時それを製造していたのもエースコックだったので、そのパイプから今回の商品化に漕ぎ着けたのでしょう。
開封
原材料名や保存方法、調理方法、使用上の注意など、カップ麺の製品情報はフタの上に記載されていて、別添の小袋などは貼り付けてありませんが、あらかじめ容器の中に「調味油」の小袋が入っています。エースコックのタテ型カップ麺では毎度おなじみの構図なんですけど、粉末スープまみれなのが玉に瑕‥w
販売エリアは全国、販売店舗も限定されていませんが、コンビニのローソンやファミリーマート、セブンイレブン、ミニストップ並びに地元のローカルスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアも探したところ、どこにも売ってない状況だったので、イトーヨーカドーのネット通販サイト・オムニ7を利用しました。
メーカー希望小売価格は税別180円、オムニ7での販売価格は税込116円と廉価版(れんかばん)並みに安かったので、おそらく税込100円前後で取り扱っている店舗も多いのではないかと思われます。ちなみに「でびっと」の公式フェイスブックによると、「イオン」「ライフ」「コープ」「いなげや」「オーケー」「東急ストア」「ビッグエー」が販売店一覧として紹介されていました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:でびっと監修 鶏とん塩ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:自社工場・埼玉県川越市(製造所固有記号 K) 内容量:63g(めん50g) 商品コード:4901071246259(JANコード) 〃 :14901071246256(ITFコード) 規格サイズ:縦100mm×横100mm×高さ110mm 発売日:2019年04月08日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用・中華麺) スタイル:縦型レギュラー・標準サイズ 容器材質:紙 湯量目安:290ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、砂糖)、スープ(動物油脂、食塩、乳化油脂、植物油脂、チキンエキス、香辛料、ポーク調味料、チキン調味料、オニオンエキス、粉末しょうゆ、カツオブシパウダー、酵母エキス、揚げねぎ、チキンパウダー、全卵粉)、かやく(ごま、玉ねぎ、大豆加工品、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、香料、増粘多糖類、かんすい、微粒二酸化ケイ素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごま(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
容器の大きさは同社の「まる旨」や「飲み干す一杯」と同じタテ型カップ標準サイズ(縦100mm×横100mm×高さ110mm)で、必要なお湯の目安量は290mlと少なめですが、麺の量も50gと平均値60gよりも少なめです。そして具材の量が寂しい調理前の見た目なんですけど、麺が大きく動いた形跡はありませんし、麺と容器の間にも隙間はありません。
ネット通販サイトでの販売価格もバラ売り税別108円という一般のスーパーやドラッグストアなら安売り用のワゴンに入っていても不思議ではない均一特価ラインだったので、納得といえば納得なんですけど——とりあえず湯戻し時間は熱湯3分、別添の調味油はフタの上で温めてくださいと書いてあるため、お湯を注いだらフタの上で小袋を温めながら待ちましょう。
3分後、温めておいた調味油を投入し(けっこう量が多い)、よくかき混ぜたら出来上がりです。お世辞にも具沢山とは言えませんが、格安カップ麺と肩を並べる立ち位置ですからね。そんな販売価格も加味した上で、「でびっとらーめん」監修の個性に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(63g)当たり
熱 量:281kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:281kcal(めん・かやく:230kcal)(スープ:51kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
適度な弾力と滑らかさを併せ持った丸刃のめんです。適度な味付けを施し、スープと相性の良いめんに仕上げました。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > でびっと監修 鶏とん塩ラーメン」)
エースコックの安売り用カップ麺に採用される油揚げ麺は、基本的に大きく分けてプリッと歯切れのいいタイプとモチッとした弾力が目立つタイプに分かれるのですが、今回は紛れもなく後者。もちもちとした粘り気と適度に反発してくる弾力の持ち主で、歯切れの良さよりもクッション性で勝負してきます。
見た目は黄色味が強く、断面が楕円形の丸刃でカットされた形状で、なめらかなザラつきのない舌触り。属性としては「飲み干す一杯」の系譜にあって、ご当地シリーズの味噌ラーメンとか豚骨醤油ラーメンが題材の時に採用されるタイプの雰囲気です。お湯を注いでから10分ほど経過すると表面は柔らかくなってきますが、それ以降も食べ終わるまで弾力をキープしてくれる持久力の持ち主でした。
今回のスープとも相性は悪くありませんし、オープンプライスの「まる旨」よりも根性があるイメージの麺ですが、けっこう油揚げ麺特有の芳ばしさも強めです。これはこれでカップ麺ならではの魅力ともいえる反面、有名店監修らしい本格さや洗練された印象は得られませんが、本体価格108円の麺として見ると悪くありません。
スープ
チキンとポークの旨みをしっかりと利かせた濃厚な白湯スープです。鰹の風味を加えることで、最後まで満足できる味に仕上げています。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > でびっと監修 鶏とん塩ラーメン」)
スープの原材料名の筆頭に動物油脂が位置している(つまり含有量が多い)ように、動物油脂特有のパンチが効いていて、体感的には鶏油(チーユ)ではなく豚脂(とんし – ラード)が主体の芳ばしいオイル感。ポーク調味料も併用されているのですが、ベースは鶏が軸を担っていて、食塩の直接的な塩気がキリッと後味を引き締めます。
なるほど「鶏とん塩」というタイトルにも納得のテイストで、さらにオニオンエキスを中心とした香味野菜の旨味を効かせることで三位味——いや、けっこうカツオブシパウダー(鰹節)の魚介感も強めに効かせてあったので三位以上の——などと思っていたら、奥からフワッと上がってくる揚げ葱のアクセント。いやいや、これは面白いスープですね。
軽く醤油の香りを感じるものの、塩・醤油・味噌の中でタレに該当するのは塩。あえて味のイメージを要約するなら鰹の旨味が効いた魚介系の鶏だし塩とんこつスープといった内容で、最初は豚脂のパンチでコッテリとした印象を与えつつ、後半じわじわ鰹の旨味が蓄積され、ふと香る揚げ葱が面白い、思っていた以上にオリジナリティを感じるスープでした。
かやく
風味の良いごま、玉ねぎ、食感の良い大豆そぼろ、色調の良いねぎを加えて仕上げました。
(出典:エースコック公式ウェブサイト「HOME > 商品情報 > でびっと監修 鶏とん塩ラーメン」)
開封直後の具材は実に頼りなく、玉ねぎなんて1欠片しかなかったので、どうなることかと危惧していたのですが、けっこう麺の下から玉ねぎ出現。いったん素揚げしてから乾燥させたような玉ねぎの優しい甘みで食わせるタイプではなく、生の玉ねぎをドライに熱風乾燥させたようなイメージの香味を前面に押し出したフレッシュなタイプ。
もちろん乾燥+熱湯のW加熱済みなので玉ねぎ特有の辛味成分は飛んでいますが、シャキッ! とした食感とシャープな香味が軽いアクセント以上の存在感を打ち出していて、鰹の効いた鶏しお豚骨スープにベストマッチ。さらに胡麻も意外と多く、それも擂り胡麻(すりごま)ではなく煎り胡麻(いりごま)なので、プチッと弾ける食感とパンチのある芳ばしい風味がスープに映えています。
ネギは汎用、肉そぼろチックな白い物体は食感の良い大豆そぼろ(大豆加工品)なので本物の肉ではありませんし、ふわふわした食感で下味も感じられませんが、スポンジ食感の白いハズレ肉そぼろよりマシかもしれません。ただ、これを入れるなら揚げ玉のほうがいいかも——というのはエースコックのカップ麺にありがちな構図からの連想ですけどね(笑)
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)
開封時は具材が貧弱、麺を食べている時も “とりあえず今回は★3(及第点)かなぁ——” などと思いながら食べ進めていたのですが、鶏ガラ・豚骨・香味野菜に加えて鰹だし・揚げネギと見所が多いスープの後半じわじわ蓄積されていく尻上がりの旨味、芳ばしい胡麻とフレッシュな玉ねぎの効果的なアクセントなど、これで本体価格108円ならとプラスマークを付けました(記事公開当初は★4としていましたが、本体価格と税込価格を混同していましたスミマセン)。
強いていえば今回のスープには弾力の強い多加水麺よりも歯切れのいい低加水麺のほうが相性よさそうだったのと、チャーシューのような食べ応えのある肉具材やナルト、メンマも入っていなかったので、もし128円〜138円なら★3(※イマイチではありません)。それ以上だと購入を迷いますが、たとえばスーパーやドラッグストアのワゴンで税込108円ラインだった場合、試してみても損はないと思います。