どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年9月29日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「ダイショー監修 博多もつ鍋風〆のちゃんぽん」(271円+税)の実食レビューです。
とある投稿をきっかけに意気投合!? ダイショーのロングセラー「博多もつ鍋スープ しょうゆ味」の魅力をカップラーメンとして初の商品化!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ダイショー監修 博多もつ鍋風〆のちゃんぽん
サンポー食品とは、佐賀県三養基郡基山町に本社・工場を置き、即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造を生業としているメーカーで、1921年(大正10年)1月創業の “米穀卸大石商店„ を起源とする100年企業。現在は1978年(昭和53年)8月発売の即席カップめん「焼豚ラーメン」を屋台骨に、九州の「うまい」をカタチにしています。

このページでレビューする「ダイショー監修 博多もつ鍋風〆のちゃんぽん」は、東京都墨田区及び福岡県福岡市東区に本社を置くダイショーの鍋スープ「博多もつ鍋スープ しょうゆ味」を大盛りサイズのカップラーメンにアレンジした一杯で、サンポー食品が九州の食文化を盛り上げるため “もつ鍋感„ にこだわり商品化。これまでに何度かSNSでキャンペーンを実施している両社ですが、即席カップめんの展開は前例がありません。
もつ鍋とは、牛の内臓(ホルモン)を中心に、大量のニラ、キャベツ、ニンニク、鷹の爪などを加えて煮込んだ鍋料理で、言わずと知れた福岡県福岡市の郷土料理。そのルーツは第二次世界大戦後間もない食糧難の頃、福岡で働いていた朝鮮半島出身の炭鉱夫が安くて栄養豊富なモツとニラをアルミ鍋で焼き、醤油で味付けを施していたことに遡ります。
もつ鍋の源流になった食べ物は、現在の博多で「もつ焼き」と呼ばれている料理に近く、1953年(昭和28年)創業の老舗「もつ料理 かわ乃」が提供している「醤油もつ鍋」が伝統的な様式。その「もつ料理 かわ乃」が “もつ鍋の〆にちゃんぽんの麺を入れる食べ方を広めた元祖・発祥の店„ なんですけど、もつ鍋が現在のスタイルに移行しながら急激に発展し始めたのは1970年(昭和45年)以降の話。

1972年(昭和47年)から1978年(昭和53年)にかけて「もつ鍋」を提供する専門店が多く創業し、バブル全盛期に突入する1986(昭和61年)以降は福岡市内に100軒以上の専門店が立ち並ぶほど。1990年(平成2年)初頭にバブルは弾け飛びますが、1992年(平成4年)博多で営業していた専門店が東京に進出して大ヒット。同年の『流行語大賞』銅賞に「もつ鍋」が選ばれるほどの人気を博し、空前の “もつ鍋ブーム„ が勃発します。
話をダイショーの「博多 もつ鍋スープ」に戻しまして‥‥同商品が初めて発売されたのは、先述の “もつ鍋ブーム„ 到来の1年前、1991年(平成3年)12月。それまで福岡・博多のソウルフードだった「もつ鍋」が家庭で手軽に楽しめる、その存在が「もつ鍋」の全国普及に大きく貢献したことは想像に難くありません。
そんな「博多もつ鍋スープ しょうゆ味」の魅力をカップラーメンに落とし込んだ「ダイショー監修 博多もつ鍋風〆のちゃんぽん」は、〆の定番となった “ちゃんぽん用の太麺„ に、スープの配合はもちろん “具材にリアルもつを採用„ するなど、めん・スープ・具材に至るまで “もつ鍋感„ にこだわった一杯。

パッケージに “本製品は「博多もつ鍋スープしょうゆ味」は、使用しておりません。「博多もつ鍋スープしょうゆ味」の味わいをイメージしたカップめんです„ との記載があるように、よくあるコラボ商品の例に漏れずなんですけれども、それでも「もつ鍋」の臨場感が楽しめるのかどうか、仕上がりが楽しみです。
開封

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」と「かやく」に、後入れ「調味油」の組み合わせで、かやくの小袋に “リアルもつ„ を充填。まるか食品のペヤングやサンヨー食品の蟻月(ありづき)コラボなど、過去にリアルもつ具材を使用した即席カップめんはリリースされているのですが、サンポー食品のカップラーメンに採用されたのは新鮮味を感じる展開。

麺はラードを配合した油で揚げたフライ麺で、サイズは太めの切刃18番(※切刃番手:幅30mmあたりの麺帯から何本の麺線が切り出せるのかを表している規格で、この数字が大きくなるほど細麺に、小さくなるほど太麺になる。18番は溝巾1.67mm)を採用し、〆の魅力を再現した様子。
ちなみに今回のコラボ商品、元を辿ると昨年11月7日(もつ鍋の日)サンポー食品の公式SNSアカウントがXとInstagramに “もつ鍋の〆に中華麺„ と題して発信した投稿で、ダイショーの「博多もつ鍋スープ しょうゆ味」で作った鍋の余りスープに自社の「棒状 九州久留米とんこつラーメン」を入れるアレンジを提唱した結果、両社の担当者が意気投合。そこから何度かのキャンペーンを経て、此度の即席カップめん開発に繋がりました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ダイショー監修 博多もつ鍋風〆のちゃんぽん 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230) 内容量:108g(めん80g) 商品コード:4901773102631(JAN) |
発売日:2025年09月29日(月) 実食日:2025年10月07日(火) 発売地域:全国 小売価格:271円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺(切刃18番) スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・かやく・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩)、スープ(食塩、しょうゆ、糖類、牛脂、豚脂、チキンエキス、デキストリン、野菜エキス、ポークエキス、香辛料、ガーリックオイル、たん白加水分解物、酵母エキス、魚介エキス、昆布粉末、酒粕パウダー、植物油脂)、かやく(キャベツ、味付豚もつ、ニラ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、増粘多糖類、pH調整剤、かんすい、セルロース、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、香辛料抽出物、酸味料、(一部に小麦・乳成分・牛肉・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
実食開始

別添の小袋は「かやく」と「粉末スープ」も先入れなのですが、ここで注意しておきたいのが小袋を入れる順番。サンポー食品のカップラーメンに別添されている粉末スープは他社の平均的な量を超えるため、粉末スープの溶け残りを少なくするために「かやく」「粉末スープ」の順にあけるのがポイント。

ふたつの小袋をあけたら粉末スープを狙って熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」を温めながら待つこと5分。時間になったらフタを開け「調味油」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。ええ、盛り付け頑張りました。さておき香りは “リアルもつ„ の影響も強く、なかなか雰囲気のあるファーストインプレッション。
ちなみに筆者は “博多もつ鍋スープ未経験„ なので、再現度の高さについては言及できないのですが、それでもらしい雰囲気が楽しめるのかどうか、もつ鍋の臨場感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(108g)あたり |
カロリー:494kcal たん白質:9.9g 脂 質:20.7g 炭水化物:67.0g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.8g) カルシウム:177mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん

博多もつ鍋の〆で人気の食べ応えのあるプリプリ食感のちゃんぽんめん(熱湯5分)
出典:https://www.sanpofoods.co.jp/news/archives/1438/

「井手ちゃんぽん」と同じかな?
サンポー食品のことなので、もしかしたら配合を微妙に変えている可能性もありますが、系統的には発売7周年を迎えた「井手ちゃんぽん」の流れを汲んだ食感。カップちゃんぽんに使われるフライ麺は “もちもち„ とした弾力を重視する傾向があるのに対し、こちらは加水率を低めに設定した珍しいタイプ。

そのため “もちもち„ とした弾力や鍋〆の煮込み具合に期待していると違和感を覚えるかと思いますが、加水率の低さは豚骨ラーメンの魅力を追求しているサンポー食品らしい特徴でもあり、食べ始めの “ぷりぷり„ とした歯切れの良さは慣れるとクセになる食感。
可能であれば鍋〆らしい個性も打ち出してもらいたかったけれど、コラボ元に倣った「しょうゆ味」の粉末スープとの間に大きな問題もなく、揚げ油のラードに由来する芳ばしさが心地よい、サンポー食品らしさ全開のフライ麺でした。ほんと、慣れたらクセになるんですよねコレ。
スープ

かつおとこんぶの旨みを効かせた、ダイショー「博多もつ鍋スープ しょうゆ味」の美味しさをベースにローストガーリックオイル入り特製調味油で調理感のある味わいに仕上げました
出典:https://www.sanpofoods.co.jp/news/archives/1438/

お、けっこう雰囲気あるのでは?
「粉末スープ」は食塩と醤油を軸に、やや甘めの味付けで、野菜エキスやポークエキスの旨みを効かせることで鍋らしさを表現しているのですが、さらに鰹と昆布の出汁をブレンドしているところは「博多もつ鍋スープ」の味付けをリスペクトした配合。それとコショーのアクセントが思っていた以上に強かったので、勝手に「味・塩こしょう」の遺伝子を汲み取るなど。

また別添の「調味油」が面白く、普段は豚脂100%にこだわっているのに “今回のコラボではローストガーリックオイルとビーフオイルを配合することで調理感を高めている„ ところがポイント。たっぷりのシマチョウ(牛の大腸)やホソ(牛の小腸)を煮込んだ際の油脂感には及びませんが、ニンニクと牛脂の効果は薄弱ではありません。あと酒粕パウダーの隠し味、これ面白いですね。
かやく

もつ鍋を再現するため、味付豚もつ、キャベツ、ニラ、唐辛子
出典:https://www.sanpofoods.co.jp/news/archives/1438/

リアルもつが個性的
もつ鍋の定番具材であるニラの量は少なめですが、キャベツの量はカップちゃんぽん級に多く、ちょっと甘めのスープに唐辛子のピリッとした刺激が映えるフレームワーク。そして、なんといっても主役の “リアルもつ„ が効果的。

噛み応えと風味はペヤングとサッポロ一番が愛用している “味付豚腸„ に似ているため、経験者にとっては驚きのないアイテムになりますが、他の肉具材にはないモツ特有の臭みを残している個性的な代物。はたして「もつ鍋」のそれとは異なるベクトルを歩んではいるものの、公式が訴求している “リアルもつ„ のキャッチコピーは誇張ではありません。
総評
ちゃんぽんをイメージしたフライ麺はサンポー食品らしさフルスロットルですから、もつ鍋の〆に使われる麺のイメージとは‥‥いや、お店にもよりますかね。いずれにせよ麺とスープの相性は結果的に悪くなかったし、コラボ元の味を知らない筆者でも “こんな感じなのかな„ と想像が捗ったので、そこにダイショー監修の恩恵を感じた次第。
また “あのサンポー食品がリアルもつ具材に手を出した„ という部分はマニア的に衝撃を受けた点も含め有意義なコラボだと感じました。サンポー食品の新作は九州エリアを出るとエンカウント率が低下するため、東に行けば行くほど販売店は限られてくるかと思いますが、お店によっては “鍋つゆの定番コーナーや生鮮・精肉・野菜売場などの鍋つゆ展開場所„ にも並べてあるようです。
もつ鍋をイメージしたカップラーメンといえば “もつ鍋しょうゆ味„ を標榜していた「魔改造カップヌードル」が記憶に新しい商品になりますけど、それよりも圧倒的に雰囲気のある仕上がりだったので、もし見かけたら試してみてください。【author・taka :a(大石敬之)】
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