どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年9月6日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル ポルチーニ香るきのこポタージュ」の実食レビューです。
おうち時間 de 旅気分「世界のカップヌードル」最新作は “ポルチーニ香る” フランスのビストロ風!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
世界のカップヌードル ポルチーニ香るきのこポタージュ
世界のカップヌードル(CUPNOODLES)とは、1971年(昭和46年)9月18日に誕生した世界初のカップ麺「カップヌードル」が “世界のおいしいを、お届け!” をスローガンに展開しているシリーズで、2014年(平成26年)4月14日発売のエスニックシリーズ第1弾「カップヌードル トムヤムクンヌードル」を皮切りに発足。
当初は「トムヤムクン」と「ミーゴレン」からスタートし、以降も「シンガポール風ラクサ」や「プーパッポンカレー」「シンガポールチリクラブ」「インド風バターチキンカレー」「蘭州牛肉麺」「グリーンカレー」など、エスニック系のフレーバーに特化していましたが、2020年9月上旬「世界のカップヌードル」に刷新され、テーマを “世界各国で親しまれている料理” に広げました。
日本におけるカップヌードルのロゴは「CUPNOODLE」となっているのに対し、世界のカップヌードルでは海外仕様と同じ複数形の “S” を付けているのが特徴で、これは “味だけでなくブランド表記までそれぞれの地域の人の感覚にあわせ、末永く愛されるブランドになるため” の「グローカル(グローバル+ローカル)戦略」と呼ばれるブランディングの一つ。
このページでレビューする「カップヌードル ポルチーニ香るきのこポタージュ」も例外ではなく、パッケージのロゴには「CUPNOODLES」と複数形の “S” が付き、シリーズ初となるフランス料理の「ポタージュ」に着目。寒くなる季節に合わせ、秋の味覚である「きのこ」を使い、いつものカップヌードルとは違った味わいが楽しめる “フランスのビストロ(bistro)風” がテーマ。
容器側面の概要にも記載されているマルシェ(marche)とは、フランスの日常生活に深く浸透している市場の総称で、ポタージュ(potage)は洗練されたスープ全盤を指す言葉。さらに秋といえばキノコ、その中でも “キノコの王様” と呼ばれている「ポルチーニ」を採用し、レストランよりもカジュアルなビストロ(小さな料理店)風のポタージュをイメージして開発されたのが今回のカップヌードル。
ポルチーニとは、ハラタケ目(Agaricales)イグチ科(Boletaceae)ヤマドリタケ属(Boletus)に分類される食用のキノコで、トリュフや松茸と並ぶ “世界三大きのこ” の一つ。山鳥のように膨よかな見た目から、和名をヤマドリタケといい、イタリアではフンギ・セッキ・ポルチーニ、ドイツではシュタインピルツ、今回の舞台になっているフランスではセップ(cèpe)と呼ばれています。
以前は一部の高級料理店で使われる印象が強かったポルチーニですが、ミシュランガイドで一つ星を獲得した東京都新宿区に本店を置く人気店「SOBA HOUSE(そばはうす)金色不如帰(こんじきほととぎす)」がラーメンにポルチーニを採用し、直近だと「Japanese Soba Noodles 蔦(つた)」のカップラーメンにも追加されるなど、すこしずつ身近な素材になってきました。
かくして世界累計販売食数500億食を達成した「カップヌードル」にも‥‥ええ、残念ながらパッケージに小さな字で上記の注意書きが表示されているのですが、日清食品のニュースリリースには “フタを開けた瞬間からポルチーニの香りが華やかに広がります。” との記載があったので、鮮烈な香りに期待しながら開封します。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、フタを開けたら熱湯を注ぐだけの簡単調理。開け口はTwitterなどのSNSで “猫耳” と話題になった新形状の「Wタブ」を採用しており、これは2021年6月から順次 “レギュラーサイズのカップヌードル” に実装されている仕様。従来の「フタ止めシール」を廃止することで、年間33トンのプラスチック原料が削減できる見込みとのこと。
そして開封した瞬間、ちょっと香料っぽさもありますが、きちんとポルチーニの香りが漂ってきます。前述した “世界三大きのこ” に数えられる黒トリュフや松茸はもちろん、和風だしに欠かせない椎茸(しいたけ)などともベクトルが違うので、ポルチーニを知らない方でも個性を感じ取れるような香りで好印象。
ちなみに通年販売されている「カップヌードル」のフタ裏には、ヨダレを垂らした猫、もしくは “6%の確率” で絶妙な表情のチベットスナギツネがデザインされているのですが、今回のフタ裏は無地。2021年8月30日発売の「カップヌードル 辛麺」も無地のフタ裏だったので、今後これが通年商品かスポット商品(数量・期間限定)かの見分け方になるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル ポルチーニ香るきのこポタージュ 製造者:日清食品株式会社 製造所:A・関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:79g(めん60g) 商品コード:4902105267851(JAN) |
発売日:2021年09月06日(月) 実食日:2021年09月07日(火) 発売地域:全国 取得店舗:ネット通販サイト(日清食品グループ オンラインストア) 商品購入価格:208円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー(標準サイズ) 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、香味調味料、ポーク調味料)、スープ(豚脂、クリーミングパウダー、乳等を主要原料とする食品、小麦粉、糖類、でん粉、オニオンパウダー、チーズパウダー、しいたけ調味料、ポーク調味料、ココアパウダー、ポルチーニ調味油、パセリ)、かやく(チーズ風油脂加工品、マッシュルーム、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、香料、炭酸Ca、酸味料、増粘多糖類、カラメル色素、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、シリコーン、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
かやくの構成は、チェダーチーズ風キューブ、マッシュルーム、ニンジンとシンプルで、チェダーチーズ風キューブはチーズ加工品ではなくチーズ風油脂加工品(マーガリンじゃなくてファットスプレッド的なアレ)を使っているのですが、本物のキノコ(マッシュルーム)が入っているのは好印象。そして、スープの原材料に “ポルチーニ調味油” を使っているのも見逃せないポイント。
その香りは熱湯を注いだ後も薄れることはなく、さらにマッシュルームやチーズパウダーなどの香りが鮮明になることで、より芳醇かつ複雑な香りが食欲を刺激してくる調理直後。麺が見えないほどの具材も魅力となっている「カップヌードル」なので、ちょっとボリューム感に欠ける印象が無きにしも非ずではあるものの、精鋭揃いな雰囲気で掴みは悪くありません。
ちなみに筆者は日清食品グループの公式オンラインストアを利用し、先行販売分を購入していたのですが、ぶっちゃけコンビニよりも割高なのでw 購入の際は全国のスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなど、最寄りの販売店を先にチェックしてみてください。それでは、ビストロ風の指標にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(79g)あたり |
カロリー:386kcal たん白質:7.7g 脂 質:18.5g 炭水化物:47.1g 食塩相当量:4.2g (めん・かやく:1.9g) (スープ:2.3g) ビタミンB1:0.19mg ビタミンB2:0.22mg カルシウム:107mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:386kcal(めん・かやく:325kcal)(スープ:61kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと個体差が気になる最近
いつもの「カップヌードル」に使われている油揚げ麺は約2mm幅を基準とし、スープの味わいが濃厚な「カレー」や「チリトマトヌードル」「味噌」などの油揚げ麺は太めの約3mm幅に切り出され、なおかつスープのフレーバーに合わせて味付けを変えているのもポイント。今回の油揚げ麺は約3m幅だったので、既存の「カップヌードル カレー」と同じ油揚げ麺かと思いきや‥‥
既存の油揚げ麺と比較して “明らかに厚みのある形状” から、啜り上げた際の口当たりに大きな違いを感じます。原材料名の構成だけ見ると、2021年7月に発売された「カップヌードル 氷見カレー ビッグ」と完全に一致するのですが、それよりも厚みがあったので、もしかすると「世界のカップヌードル」専用に切刃を変えている可能性も——。
念のため同じ日に購入しておいた別の個体も調理してみたところ、やはり既存の麺よりも厚みがあると感じたのですが、ここで確認していただきたいのが「世界のカップヌードル シビれる花椒の火鍋ヌードル」の実食レビューです。このときも最初は厚みのある麺だったのに、別の個体では普段通りの厚みだったので、ニュアンス以上の個体差が生じているのかもしれません。
スープ
文句なしで美味しい
クリーミングパウダーや乳等を主要原料とする食品に、豚脂(ラード)も併用して厚みを持たせているのですが、きちんとチーズパウダーも使用することでギミック感を抑え、某カップスープブランドに勝るとも劣らない濃厚でクリーミーなテイストを実現。そこにポルチーニの風味をプラスすることで明確な個性を表現し、なおかつ椎茸の旨みを重ねることでキノコ感をアップさせているのもポイント。
さらにオニオンパウダーでポタージュ感を押し上げ、ココアパウダーを隠し味に使っているのも面白く、ほんのすこしホロ苦さを加えることでフランスのビストロ風(既製品とは違う感)を演出しているようなイメージ。かなり強めのクリーム感に、ポルチーニの風味を明確に効かせた構成は、これまでの「カップヌードル」にもなかったテイストで、アクセントに添えられたパセリも効果的でした。
具材
けっこうマッシュルームが多くて嬉しい
ポルチーニの香りはすれども姿は見えず‥‥なんですけど、おそらく既存の「トムヤムクンヌードル」と共通のマッシュルームは特有の歯応えが心地よく、きのこポタージュとの相性は申し分ありません。ニンジンはコリコリとした歯応えと色味がアクセントに効果的で、すぐに溶けてしまうチーズ風油脂加工品(チーズ風キューブ)もスープの濃度を底上げすることに寄与。
ただ、最初に食べた商品のチーズ風油脂加工品は3個だったのに対し、前述した麺の個体差を確かめるために食べた商品には “チーズ風油脂加工品が8個も入っていた” ので、けっこうスープの濃度が変わってきます。とはいえチーズ風油脂加工品が多い個体はマッシュルームの数が少ないなど、結果的な総重量は変わらないように製造されているため、その個体差を楽しむのも一興かもしれません。
総評
ちょっと麺の個体差が気になりますが、ひとつのポタージュ系カップ麺としてのクオリティが高く、ポルチーニの香りも明確で、ココアパウダーの隠し味にフランスのビストロ風(こだわり)を感じるなど、これといって非の打ち所が見当たりませんでした。ポルチーニの香りやクリーム系のスープが苦手な方にはオススメできない商品ではあるものの、そうでなければリピート率も高そうな一杯。
けっこうスープの粘度が高いので、麺を食べている間に自然と減っていきますが、残った場合は白ご飯を入れてリゾット風に〆るのもオススメ。また「カップヌードル 鶏白湯 ビッグ」がカップメシの「ぶっこみ飯」にアレンジされた例もあるので、今回の「ポルチーニ香るきのこポタージュ」も即席カップライスになるかもしれません。というか商品化してください【author・taka :a(大石敬之)】