どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年8月31日(月)新発売のカップ麺、日清食品「カップヌードル 旨辛豚骨」の実食レビューです。
旨辛とんこつラーメンを「カップヌードル」が本気で追求!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル 旨辛豚骨
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、言わずと知れた日清食品が誇る世界初のカップ麺で、1971年(昭和46年)9月18日に伊勢丹百貨店(東京都新宿区)で販売開始。当初あまり他の店頭に並ぶことはありませんでしたが、日清食品はカップヌードル専任の営業課を組織し、消防署や警察署、自衛隊など、夜勤の多かった特殊ルートに営業をかけ、今では国内年間売上1,000億円を突破するNo.1ブランドに成長しました。
今回の新商品「カップヌードル 旨辛豚骨」は、豚骨に辛味を掛け合わせた人気にラーメンメニューをカップヌードル流にアレンジした新作で、旨みと甘みのある濃厚な豚骨スープを軸に、数年前から食品業界のトレンドとして注目されている花椒(かしょう, ホワジャオ)を隠し味に加えている、カップヌードルが本気で追求した “やみつき必至” の豚骨フレーバーとのこと。
とんこつ味のカップヌードルといえば、2015年7月20日に発売されたピンクのパッケージ「カップヌードル とんこつ ビッグ」が今回の「旨辛豚骨」を除く最終リリースで、他にも新・意識高い系カップ麺として2019年3月4日にリニューアルした「カップヌードル コッテリーナイス 濃厚! キムチ豚骨」(旧・カップヌードル ナイス 濃厚! キムチ豚骨)が定番ラインナップに存在。
それ以前にも豚骨系のカップヌードルは何度も発売されているため、ひとまず日清食品のデータベースに入り、念のため “ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字” で「カップヌードル とんこつ」「カップヌードル トンコツ」「カップヌードル 豚骨」「カップヌードル TONKOTSU」とサーチしてみた結果、以下の商品がヒット。
1993.09 カップヌードル ブートン ヤキブタしょうゆとんこつ
1994.11 カップヌードル トンコツ
1997.11 カップヌードル トンコツビッグ
1997.11 カップヌードル トンコツBIG
2002.02 カップヌードル 豚トロ塩ダレとんこつビッグ
2004.02 カップヌードル トンコツBIG
2004.12 カップヌードル トンコツビッグ
2006.12 カップヌードル トンコツビッグ
2008.09 カップヌードル うま辛コクとんこつ ビッグ
2012.02 カップヌードル 豚(トン)とんこつ
2012.12 カップヌードル スパイシー豚骨ヌードル ビッグ
2014.12 カップヌードル とんこつ キング
2015.07 カップヌードル とんこつ ビッグ
2017.09 カップヌードル ナイス 濃厚! キムチ豚骨
2019.03 カップヌードル コッテリーナイス 濃厚! キムチ豚骨
カップヌードルの誕生(1971年9月18日)から2020年9月4日現在まで、商品名に豚骨(とんこつ、トンコツ)を含むフレーバーでヒットしたのは上記の15品。パッケージでは基本的にローマ字で “TONKOTSU” と表記してあることが多かったのですが、ニュースリリースなどに記載されている正式な商品名は平仮名・片仮名・漢字表記で、オーソドックスな豚骨味は定期的に発売されています。
「カップヌードル うま辛コクとんこつ ビッグ」(2008年9月8日発売)と「カップヌードル スパイシー豚骨ヌードル ビッグ」(2012年12月10日発売)も辛味をブレンドした豚骨味のカップヌードルだったので、ブランド史上初の旨辛豚骨ではないのですが、レギュラーサイズでの展開は初の試み。なおパッケージの辛さレベルは5段基準で “2” となっていますが——
そのすこし右側にある注意事項の欄には “小さなお子様や、辛味が苦手な方は注意してお召し上がりください” とあるので、ぜんぜん辛くないわけではない様子。さて、今年で発売49周年を迎える天下の「カップヌードル」が本気で追求した豚骨ラーメン、その実力や如何に。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製旨辛ラー油」が1袋。この小袋に花椒オイルが忍ばせてあるのかと思いきや、日清食品のニュースリリースには “紅しょうがのさわやかな風味と唐辛子のピリッとした辛みをきかせた” とあったので、花椒ではなく紅生姜の風味が仕込んである様子。
具材は味付豚ミンチ、キクラゲ、ネギ、赤唐辛子、白いりごまで、具材らしい具材は謎肉(なぞにく)と思しき味付豚ミンチとキクラゲくらい。けれども味付豚ミンチは大小合わせて約10個、細切りのキクラゲもチラホラ目に付きますし、ネギの緑と唐辛子の赤で彩りも悪くありません。日清食品は白ごまをケチらないので、そこも期待したいポイント。
今回はレギュラーサイズのカップヌードルなので、メーカー希望小売価格は税別193円と通常のカップヌードルと同じ値段。人気ブランドということもあり、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)すべての企業で取り扱いを確認しました(※地域によっては売ってない店舗があるかもしれません)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 旨辛豚骨 製造者:日清食品株式会社 関東工場 製造所:茨城県取手市清水667-1(A) 内容量:82g(めん60g) 商品コード:4902105258538(JAN) 商品サイズ:縦96mm×横96mm×高さ107mm |
発売日:2020年08月31日(月) 実食日:2020年09月04日(金) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:198円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製旨辛ラー油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料)、スープ(ポーク調味料、豚脂、糖類、でん粉、チキン調味料、植物油脂、小麦粉、香辛料、粉末しょうゆ、鶏脂、香味油、食塩、クリーミングパウダー)、かやく(味付豚ミンチ、きくらげ、ねぎ、赤唐辛子、ごま)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、かんすい、増粘多糖類、pH調整剤、カロチノイド色素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は見慣れた細めの油揚げ麺で、湯戻し時間は通常通り熱湯3分。カップヌードルの麺は基本的に使い回しなので、おそらく今回も既存の麺を使用しているものと思われます。なお調理前の現在、隠し味に加えたという花椒の香りは目立っていませんが、いい意味で若干の生臭さを感じる豚骨の思いのほか硬派な香りがサプライズ。
あとは熱湯を加えて3分待機、別添の特製旨辛ラー油は “フタの上で温めてください” と小袋に記載されているため、指示通り温めます。依然として花椒の香りは目立っていませんが、油揚げ麺の芳ばしい香りとジャンクな豚骨の香りが漂い、それはスナック的なベクトルにありながら、きちんと豚骨らしい香りに食欲をそそられる実食前。
なお粉末スープの量が多いので、調理の際は粉末スープを溶かしながら “ゆっくり” 熱湯を注ぐのがポイント。しかしながら人工的なトロミ成分は含まれていないため、ストイックに混ぜ続けなくても大丈夫。それでは、花椒や紅生姜の風味と辛さレベルにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(82g)あたり |
カロリー:383kcal たん白質:8.9g 脂 質:16.1g 炭水化物:50.5g 食塩相当量:4.6g (めん・かやく:2.1g) (スープ:2.5g) ビタミンB1:1.59mg ビタミンB2:0.20mg カルシウム:175mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:383kcal(めん・かやく:297kcal)(スープ:86kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
安定の汎用ヌードル
たとえば麺にチーズパウダーが練り込まれている「カップヌードル 欧風チーズカレー」のように、一部の例外もありますが、基本的にカップヌードルの麺は3種類。通常の「カップヌードル」を基準に「シーフードヌードル」や「しお(SiO)」の麺は味付けが控えめで、逆に「カレー」や「チリトマトヌードル」の麺は味付けが濃く、サイズも1mmほど太めに切り出されています。
今回の麺は原材料名が “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料” となっているため、おそらく「シーフードヌードル」や「しお(SiO)」に使われている、もっとも主張の弱いカップヌードルの麺とみて間違いありません。今回のスープは繊細さを売りにしているわけではないのですが、おかげでスープの味がダイレクトに伝わってきます。
コシと弾力についてはカップヌードルなので、それ以上でもそれ以下でもないのですが、この頼りなさもカップヌードルの魅力といえるポイント。基本的にスープのジャンルを選ばないため、今回の豚骨スープとも相性がよく、カップヌードルのアイデンティティを確立するうえでも欠かせない、冷静に考えると食感は頼りないのに凄まじい存在感ですよね。
スープ
紅生姜の風味が面白い
別添の特製ラー油を入れる前のスープは、前述のようにサラサラとした舌触りで、すでにピリッとした唐辛子の辛味を感じるのですが、文字通り実際の辛さレベルもピリ辛の枠を出ません。また今回はアブラ(ラード)や背脂なども別添されていないため、豚骨のベクトルは香りから感じた印象の通り、粉末とんこつスープならではのチープなテイスト(もちろん悪い意味ではありません)
チキン調味料や鶏脂も併用し、一般的にネガティブとされる豚骨のクセも抑えているのですが、あらためて真剣に味わうと鼻を抜ける骨っぽさがあり、それはスープの温度が低下してくると勢いを増していきます。ただ、日清食品のニュースリリースに書いてあった花椒の隠し味は目立っていなかったので、それに関しては期待しないほうがいいかも。
別添の特製ラー油は単体で舐めてもピリ辛かつ花椒のアクセントは皆無だったので、最終的な辛さレベルもピリ辛の枠を出ませんが、粉末スープでは出せないラー油のコクがプラスされるだけでなく、紅生姜の風味が印象的。めちゃくちゃ強烈に、紅生姜ぁぁああ!とかではないのですが、紅生姜特有の酸味と風味が必要以上に出しゃばることなく並行する、なかなか面白い手法だと感じました。
具材
しっかり具沢山
赤唐辛子は直接そのまま食べても辛味が弱かったので、ほとんど飾りみたいなものですが、シャキシャキとした青ネギの歯触りは食感のアクセントに嬉しく、いりごまの芳ばしさもスープのパンチを底上げすることに寄与。キクラゲも思っていた以上に量が多かったですし、コリコリとした歯応えが効果的。
味付豚ミンチは通常の「カップヌードル」にも入っている謎肉(なぞにく)なので、特段これといって目新しい具材ではないのですが、これだけ入っていれば大満足。ただ、カップヌードルの具材は基本的に個数ではなく重量判定なので、謎肉の数も3個前後の誤差が生じることもザラですし、場合によっては5個ちかく差が生じるかもしれません。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
天下の「カップヌードル」が本気で追求した旨辛豚骨ということで、かなりハードルを上げていたのもありますが、それを除いてもインパクト不足な印象が否めなかった反面、万人ウケしやすいメリットも。せっかくなので花椒の隠し味を気張らせてもよかったように感じましたが、紅生姜風味の特製旨辛ラー油は効果的でした。
また今回の「カップヌードル 旨辛豚骨」で “カップヌードル炒飯” を作ったら激ウマなので、もし変わった食べ方に挑戦してみたい方は、アレンジも検討してみてください(※カップヌードル炒飯の作り方は、当ブログ内にある関連ページ「話題のカップヌードル炒飯を “黄金鶏油” の『鶏塩』で作ったら衝撃の美味しさだった件」に詳しく記載してあります)