どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年4月20日(月)新発売のカップ麺、日清食品「カップヌードル 鶏白湯 ビッグ」の実食レビューです。
一滴残らず飲み干したくなる罪深き濃さ!? カップヌードル史上初 “鶏の旨味こってり” な「鶏白湯」新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル 鶏白湯
カップヌードルとは、世界初のカップラーメンとして1971年(昭和46年)9月18日から販売されている日清食品のロングセラーブランドで、大盛りサイズのカップヌードルBIG(ビッグ)が登場したのは1991年(平成3年)1月25日。これまでに様々な変わり種のフレーバーを発売してきましたが、意外にもカップヌードルから鶏白湯(とりぱいたん)がリリースされるのは今回が初めてです。
鶏白湯とは、鶏ガラや丸鶏を白濁するまで炊き出したスープの総称で、2005年頃からブームになっているのですが、その発祥については定かになっていません。けれども現在は、しょうゆ、しお、みそ、とんこつに続く「第5のスープ」としてラーメン業界に定着。同じ白湯でも豚骨とは違うベクトルの濃度から女性を中心に人気を博し、いまや全国的な知名度を誇るスープになりました。
一般的に濁りのないスープを清湯(ちんたん)といい、白く濁ったスープは白湯(ぱいたん)に分類され、そのうち鶏白湯は博多の「水炊き鍋」がルーツという説もあるのですが、東京都足立区に本社を置き “業務用鶏白湯スープのパイオニア” と呼ばれている「クックピット株式会社」(本間義広社長)も鶏白湯ブームの仕掛人。
同社は日本で初めてストレートタイプの業務用ラーメンスープを商品化し、全国のラーメン店に “濃縮還元型ではない” 冷凍の鶏白湯スープを導入することで鶏白湯ブームの勢いに拍車をかけます。しかし、ひと口に鶏白湯といってもサラッとしたタイプから粘度の高い濃厚スープまで幅広く、癖の強い骨っぽいものからフライドオニオンを効かせた洋風系の洗練されたスープまで様々。
今回の新作「カップヌードル 鶏白湯 ビッグ」は、パッケージに “罪深き濃さ! 鶏の旨味こってり” とあるように、数年前からラーメン業界のトレンドにもなっている “濃厚鶏白湯” をカップヌードル風にアレンジした新商品。鶏白湯に野菜を溶かし込んだスープは、ざらつきのあるポタージュのような飲み口で、鶏の旨味を後味まで堪能することができるとのこと。
加えて “口の中で羽ばたく旨さ” を謳う特製鶏旨香味油(とくせいとりうまこうみあぶら)でワンランク上の鶏白湯に仕上がるらしく、こってりとした味わいなのに思わず飲み干したくなる “罪深き一杯” を強調している今回。日清食品のニュースリリースに “ポタージュのような飲み口” とあるので、洋風路線の鶏白湯を軸にアレンジしているのかもしれません。
ちなみに歴代のカップヌードルから発売された鶏(チキン)系を洗い出してみたところ、1981年8月発売の「カップヌードル チキンヌードル」に始まり、1996年6月「チキン&ペパーヌードル」、1997年6月「バーベキューチキン」、2001年2月「鶏五目」、2004年9月「スパイシーチキンBIG」、2005年9月「ダブルチキンビッグ」、2007年2月「マイルド クリーミーチキン」、2008年6月「ブラジリアンチキンヌードル ビッグ」——
2010年3月「ねぎ塩グリルチキン ビッグ」、2010月7日「スパイシーグリルチキンヌードル」、2010年11月「チキングラタン風ヌードル」、2011年5月「チキラッシュ」、2012年6月「GOLD 金のゴマ入りチキンソルト味」、2013年2月「ねぎ塩バーベキューチキン キング」、2016年6月「黄金の鶏油付きスパイシーチキンカレー」、2018年9月「インド風バターチキンカリー」、2019年1月「スパイスチキンカレー」‥‥けっこうありましたねw
開封
他にも2020年2月に “鶏” を冠した「黄金鶏油 鶏塩」を発売、同年3月に「カップヌードル リッチ 参鶏湯味」を発売しているのですが、前述のようにカップヌードルから純粋な「鶏白湯」が発売されるのは今回が初めて。別添の小袋は「特製鶏旨香味油(とくせいとりうまこうみあぶら)」が1袋、日清食品のニュースリリースには “深みのある鶏油の香りが特長” とあります。
粉末スープの量は多めに入っていて、具材は味付鶏ミンチ、スクランブルエッグ、ネギ、赤ピーマンと4種類。ダイス状にカットされた味付鶏ミンチは、おそらく「カップヌードル チリトマトヌードル」や「おだしがおいしいカップヌードル 鶏南蛮そば」にも入っている “白い謎肉” で、2017年6月26日の「チリトマトヌードル」リニューアル時に開発されました。
メーカー希望小売価格は税別220円、今回は日清食品の公式ネット通販サイトで限定300食のみ先行販売されていた分を購入したので、1食あたりの税込価格はコンビニよりも高い237円でしたが、コンビニでの税込価格は232円が2020年4月現在の標準売価。スーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアなどであれば、税込200円前後で購入できるかと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 鶏白湯 ビッグ 製造者:日清食品株式会社 関西工場 製造所:滋賀県栗東市下鈎21-1(S) 内容量:105g(めん80g) 商品コード:4902105258798(JAN) |
発売日:2020年04月20日(月) 実食日:2020年04月20日(月) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ネット通販サイト(日清食品グループ オンラインストア) 商品購入価格:237円(税込)※配送料・手数料別 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製鶏旨香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料)、スープ(豚脂、チキン調味料、ポテトフレーク、でん粉、クリーミングパウダー、食塩、糖類、小麦粉、植物油脂)、かやく(味付鶏ミンチ、味付卵、ねぎ、赤ピーマン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘多糖類、炭酸Ca、かんすい、カラメル色素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、くん液、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は熱湯3分の油揚げ麺で、形状はカップヌードルらしい細めの平打ち麺が採用されているのですが、粉末スープとの兼ね合いか普段よりも濃い目の色合いが気になるところ。上記の写真では照明の関係で濃い黄色に見えますが、実際はカップヌードルのなかでも見たことないくらい茶色っぽい見た目だったので、ちょっとビックリしました。
あとは熱湯を注いで3分待機、別添の「特製鶏旨香味油」は後入れなので、食べる直前に加えてください。で、とりあえず調理後はカップヌードルらしく具沢山なのですが、妙に主張が激しい油揚げ麺特有の芳ばしさが気になるところ——これがチキンラーメンなら納得なんですけど、ちょっとカップヌードルらしからぬ雰囲気の実食前。
ちなみに粉末スープのなかにトロミ成分が含まれていたので、お湯を注いでから3分後、容器の底から念入りに混ぜ合わせてください(特に麺の上部で凝固している粉末スープの溶け残りに注意)。それでは、鶏白湯の濃度と麺の干渉に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(105g)あたり |
カロリー:489kcal たん白質:11.0g 脂 質:21.8g 炭水化物:62.1g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:3.9g) (スープ:3.2g) ビタミンB1:1.25mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:156mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:489kcal(めん・かやく:417kcal)(スープ:72kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
個体差あり
カップヌードルはスープに合わせて麺を使い分けており、今回の原材料 “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料” は「シーフードヌードル」及び「スモーキーブラックペッパーしお(SiO)」と同じ構成なのですが、そもそも湯気の香りからして芳ばしく、ぜんぜん麺の雰囲気は別物。
とりあえずカップヌードルにおける汎用麺の中で “シーフード系譜” は比較的もっとも主張の弱い麺になるのですが、やはり色の濃さは偶然ではなく、かなり芳ばしい風味が目立ちます。さすがにチキンラーメンほどではないものの、それに通じるところがあり、油揚げ麺特有の風味がスープに強く干渉していたのが残念なポイント。
麺のサイズや食感などは既存の「シーフードヌードル」や「SiO」と同じだったのに、やたらロースト感のある芳ばしい風味が気になりました。しかし、念のため同じ商品を2つ実食してみたところ、2食目に食べた「カップヌードル 鶏白湯 ビッグ」の麺は色が白っぽく、芳ばしい風味も歴然の差で弱かったので、たまたま “よく揚っていた麺に当たったのかも” しれません。
スープ
しっかり硬派に濃厚な鶏白湯
豚脂を使用しているため純粋な鶏白湯100%ではないのですが、動物系の旨味に豚骨らしさはなく、しっかり鶏が主軸になっている硬派な作り。鶏のネガティブな癖(くせ)こそ抑えられているものの、カップヌードルだからといってスナック的な鶏白湯ではなく、むしろ骨っぽさを漂わせていたことに驚きました。
そのザラついた舌触りはポテトフレークによる効果が強く、でん粉や小麦粉でトロミをつけていましたが、鶏の旨味が濃厚さの指標を履き違えていなかったので、まったくネガティブではありません。むしろポテトフレークは “鶏白湯に野菜を溶かし込んだ——” の野菜を演出するうえで効果的な歯車ですし、粉末スープだけの状態でも上出来の美味しさです。
しかし、それだけで終わらないのが今回の鶏白湯。別添の「特製鶏旨香味油」は純粋な鶏油(ちーゆ)ではなく、鶏油と植物油脂を足したオイルに香料を添加したような内容でしたが、投入した瞬間から鶏の脂を彷彿とさせる芳ばしい風味を付与。やや人工的なベクトルではあるものの、粉末スープでは出せない油脂の臨場感が華やかで、ある意味「カップヌードル」らしからぬ本格さでした。
具材
具材はカップヌードルらしさ全開
赤ピーマンは少量かつサイズも小さかったので、ほとんど飾りに過ぎませんでしたが、同じサイズでも歯触りのいい青ネギは意外と存在感が強く、シャキシャキとした食感がアクセントに効果的。たまご具材は通常の「カップヌードル」にも入っているスクランブルエッグなので、新開発の具材ではないのですが、本格的な鶏白湯にも漠然とフィットしているのはカップヌードルの為せる業といえるでしょう。
味付鶏ミンチは白い謎肉(鶏肉や野菜などの素材をミンチ状にしてフリーズドライ加工した肉具材)で、チリトマトヌードルが発売35周年を迎えた際に導入されたもの。通常の茶色い謎肉よりもサッパリとした口当たりで、比較的にジャンクな印象は控えめです。できれば蒸し鶏がベストではあったものの、数は13個と申し分なく、カップヌードル目線で見ればイメージは悪くありませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
同じショップ(公式オンラインストア)で買った「カップヌードル 鶏白湯 ビッグ」1食目の麺は明らかに風味が違ったのに対し、2食目の麺は “いつも通り” だったので、もし1つしか食べていなかったら評価は及第点(星3つ)だったかもしれません。そのため総評は迷ったのですが、いずれにせよスープの完成度は高かったので、今回は上出来の星5つとしました。
もし麺が茶色かった場合、スープに対する干渉が激しいので、だいぶ受ける印象は変わってきますけど、カップヌードルらしからぬ骨っぽさを打ち出した本格鶏白湯スープは一見の価値あり。そもそもカップヌードルは苦手、鶏白湯は無理——という方にはオススメできませんが、想像以上に硬派かつ濃厚だったので、気になった方は終売前に確保してください。