どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年3月18日(月)新発売のカップ麺、日清食品「おだしがおいしいカップヌードル 鶏南蛮そば」の実食レビューです。
おだしが決め手の和風カップヌードル「鶏南蛮そば」は “白い謎肉” が決め手!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
おだしがおいしいカップヌードル 鶏南蛮そば
「おだしがおいしいカップヌードル」とは、日清食品の新提案 “あっさりおいしく、お手頃価格! ” をコンセプトに掲げた「カップヌードル」の和風ブランドで、シニア層に向けた新シリーズとして開発。ひとつ前の記事で同時発売品の「肉だしうどん」はレビュー済みなんですけど、シニア層だけでなく若者からご年配の方まで楽しめそうな素晴らしい一杯でした。
カップ麺のパッケージにも「カップヌードルの『あの肉』が決め手」と書いてあるように、「肉だしうどん」では “謎肉(なぞにく)” の愛称で親しまれている茶色い豚肉ベースの味付豚ミンチが入っていたのですが、こちらは鶏肉ベースの “白い謎肉” と思われる味付鶏ミンチのイラストが描かれています。
「カップヌードル」は、世界初のカップ麺として1971年(昭和46年)9月18日から発売されている言わずと知れた超ロングセラー商品で、現在は圧倒的シェアを誇る世界的にも有名なインスタントラーメンのNo.1ブランドとして確立しましたが、1971年の販売当初は大々的な宣伝によって4時間に2万食も売れたものの、まだカップラーメンが日本の食文化として定着しておらず、その後の売り上げはイマイチだった‥という記録が残っています。
しかし、1972年(昭和47年)2月19日から2月28日、長野県北佐久郡軽井沢町にある河合楽器の保養所「浅間山荘」において連合赤軍が人質を取り立てこもった「あさま山荘事件」が起きた際、機動隊員にカップヌードルが配給され、極寒の地でカップヌードルを食べる隊員達の姿がテレビ中継で全国に映り、その予期せぬ宣伝効果によって爆発的にヒット。1971年発売開始当時の売り上げは2億円だったのに対し、事件後の1972年には前年比33.5倍となる67億円を記録しました。
その黎明期とされる1972年12月、世界初の和風カップ麺「カップヌードル 天そば」が発売されていたのですが、「日清のどん兵衛 天ぷらそば」の登場(1976年11月発売)以降、和風部門は「日清のどん兵衛」に任せる形となり、カップヌードルは中華麺を軸にシリーズ展開され、しれっと「カップヌードル 天そば」は姿を消してしまいます。
それから約35年ぶりとなる2012年1月16日、カップヌードルのブランド40周年記念キャンペーン「カップヌードル誕生40周年記念」の復活総選挙にて、世界初の和風カップ麺「カップヌードル 天そば」が「復刻希望第1位」を獲得し、数量限定の復刻版として再販売されたのですが、おそらくカップヌードルから和蕎麦が出るのは復刻版のカップヌードル天そば以来ですね。
今回は具材にカップヌードルの「あの肉」を起用し、サブタイトルも「鶏とカツオのWだし」となっているように題材は「天そば」ではありませんが、現代のカップヌードルでは珍しい和風メニュー。同時発売品の「あっさりおいしいカップヌードル 肉だしうどん」には茶色い謎肉が約5個入っていましたが、こちらの「鶏南蛮そば」には何個入っているでしょう。
開封
これは「肉だしうどん」も同じ状況だったんですけど、通常のカップヌードルには容器の底にある外装フィルム開封箇所にフタ止めシールが貼り付けてあるのに対し、「おだしがおいしいカップヌードル」には残念ながら外装フィルム開封用の機能も兼ね備えているオレンジ色のフタ止めシールは貼り付けてありません。
ただ、通常のカップヌードルはメーカー希望小売価格が税別180円(平均売価120円〜140円)なのに対し、こちらは “あっさりおいしく、お手頃価格! ” というコンセプトの通りメーカー希望小売価格が税別125円(平均売価100円前後)の手頃な価格設定なので、おそらくコスト調整の関係で省かれたのだと思います。
気になっていた白い謎肉の数はジャスト「6個」で、スクランブルエッグ(たまご具材)は「肉だしうどん」と共通。ネギも共通ですが「鶏南蛮そば」のほうが大きめにカットされていて、これについては鶏南蛮の “南蛮(なんばん=ねぎ)” を意識しているのでしょう。白い謎肉の一部が朱色になっていますが、原料によるものか赤唐辛子の色が移ったのかもしれません。
同時発売品の「肉だしうどん」は北近畿のローカルスーパーで購入したのですが、「鶏南蛮そば」だけどこにも売ってない状況だったので(スーパー・コンビニ・ドラッグストアなど20店舗以上ハシゴしたんですけど見付からなかったのでw)、日清食品グループの公式オンラインストアで購入しました。スーパーでは税込105円で販売されていたのですが、公式のネット通販サイトで購入するとガチの定価購入になるため、税込135円と少し高く‥いや、それでも安いですね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:おだしがおいしいカップヌードル 鶏南蛮そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(製造所固有記号 F)静岡県焼津市相川17-2 内容量:62g(めん50g) 商品コード:4902105246948(JANコード) 規格サイズ:縦96mm×横96mm×高さ107mm 発売日:2019年03月18日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(蕎麦) スタイル:縦型レギュラーサイズ 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(小袋なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ)、スープ(糖類、食塩、魚介調味料、植物油脂、粉末しょうゆ、かつお節粉末、たん白加水分解物、チキン調味料、香辛料)、かやく(味付鶏ミンチ、味付卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、カラメル色素、炭酸Ca、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、増粘多糖類、カロチノイド色素、くん液、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【アレルゲン情報】(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
別添の小袋は付いていないので、フタを半分まで開けたら熱湯を注ぐだけの簡単調理。麺(蕎麦)は細く、待ち時間は熱湯3分です。日清食品のタテ型カップ蕎麦といえばオープン価格の廉価版「日清の江戸そば」やJALとの共同開発商品「そばですかい」、「日清タテ型どん兵衛 天ぷらそば」などがあるんですけど、麺の原材料は「日清の江戸そば」及び「日清タテ型どん兵衛 天ぷらそば」と同じでした。
ちなみに今回の「鶏南蛮そば」は日清食品の静岡工場(静岡県焼津市相川17-2)製造、ひとつ前の記事でレビュー済みの「肉だしうどん」は同社の下関工場(山口県下関市小月小島1-1-12)製造となっていたのですが、購入した地域の問題ではなく、全国どこで買っても「肉だしうどん」の製造所は下関工場、「鶏南蛮そば」の製造所は静岡工場とのことでした(※日清食品に確認済みです)。
さて、完成です。香りは鰹だし由来の和風色が強めですが、同時に白い謎肉から漂うジャンクな香りが相俟って、これまで発売されてきたカップそば系の製品としては異色の雰囲気で個性的ですね。それでは、カップヌードルらしさにも注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(62g)当たり
熱 量:280kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:280kcal(めん・かやく:246kcal)(スープ:34kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しなやかで、のどごしの良いそば。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース」)
先ほど「日清の江戸そば」や「日清タテ型どん兵衛 天ぷらそば」に使われている麺と原材料は変わらないと解説しましたが、体感的には「日清の江戸そば」に近く、あまり歯ごたえはありません。ただ、歯切れが良くて食べやすく、適度な粉っぽさがイイ感じですね(余談ですが「そばですかい」の油揚げ麺には椎茸エキスが練り込まれています)。
油揚げ麺特有の芳ばしい風味からインスタント感は強く、本物の蕎麦よりも圧倒的にカップ麺サイドに分類されるのですが、油揚げ麺ならではのコクが今回の和風つゆに対してプラスに作用していたし、実際とても相性がよかったので、まったく印象は悪くありません。むしろ「カップヌードル」というブランド的に、油揚げ蕎麦のインスタント感が適切にマッチしていて好印象でした。
歯ごたえやコシこそ控えめではあるものの、スパッとした歯切れの良さが心地よく、ややザラついた舌触りの粉っぽい質感が蕎麦粉の香りを強めるような効果を担っていて、実際きちんと蕎麦の香りは平行します。ちなみに「日清の江戸そば」も静岡県焼津市相川にある「静岡工場」で生産されていたので、静岡工場ではタテ型カップ蕎麦の製造ラインが整っているのかもしれませんね。
つゆ
鶏とカツオのWだしをきかせたすっきりとした味わいのつゆ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース」)
このテイストは確実に「日清のどん兵衛」が源泉で、特に魚介のブレンド感は日清のどん兵衛が培ってきた複合的で奥深い旨味が楽しめます。昆布や椎茸は入っていないので、うま味の相乗効果は意識されていませんが、どっしりとした魚介の旨味を中心に据え、カエシは甘みを帯びている甘濃いテイスト。
製品説明には “すっきりとした味わいの” と書いてありますが、むしろ味としてはガッツリ濃い味なので、西のどん兵衛よりも力強く、しかしながら東のどん兵衛ほど醤油のカドは立っていません。醤油は濃口だったので、香り付けどころではない存在感ではあるものの、しっかりとした出汁の旨味から甘濃い蕎麦つゆさえ苦手でなければ全国的に幅広く受け入れられそうな味わいです。
写真で見ると表面の油脂によって脂っこく思えるかもしれませんが、実際そこまでギトギトしているわけではありません。たしかに油揚げ麺や具材の白い謎肉、チキン調味料などによる動物系の旨味も重ねてあるのでライトなスープではないものの、きちんとテーマの「鶏とカツオのWだし」が打ち出されている深い味わいの蕎麦つゆでした。
具材
味付鶏ミンチ、たまご、ネギ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース」)
通称「白い謎肉」と呼ばれている味付鶏ミンチですが、もとからある茶色い謎肉は豚肉ベース、白い謎肉は鶏肉をベースに野菜などの素材をミンチ状にしてフリーズドライ加工した新種の肉具材で、「カップヌードル チリトマトヌードル」が発売35周年を迎えた年、2017年6月26日(月)のリニューアルを機に導入されました。以降、二代目・三代目の「謎肉祭」にも起用されています。
例えるなら一枚肉というよりもチキンナゲットのような成型肉なので、本物の鶏肉具材とは異なりますが、まったく違和感を覚えさせない和風つゆとのマッチングは見事。白い謎肉は茶色い謎肉と比較して軽めのテイストだと感じていたのですが、今回はスープが和風つゆなので、いい意味で謎肉本来のジャンクさが際立っているように感じました。
スクランブルエッグは定番たまご具材で本家カップヌードルと変わりなく、ネギは鶏南蛮蕎麦の南蛮(ねぎ)を意識して大きめにカットされています。白い謎肉から漂うジャンクな香りがカップヌードルらしい雰囲気で、これによって今回の製品が和風テイストのカップ蕎麦でも「カップヌードル」であることを確立させていました。むしろ、この白い謎肉はチリトマトヌードルよりも和風しょうゆ味のほうが相性いいかもしれないw
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
蕎麦(めん)は「日清の江戸そば」から汎用してきたようなイメージで、蕎麦つゆも「日清のどん兵衛」ライクな親しみのある魚介強めのテイストから、奇抜さよりも安定感重視の大人しい仕上がりだったんですけど、それを無難に思わせないのがカップヌードルのアイデンティティともいえる「謎肉」の存在です。今回の和風テイストにも問題なく‥というか、白い謎肉に関してはチリトマトヌードルのスープよりも甘濃い和風しょうゆ味のほうが合っていると感じたくらいだったのでw 一見の価値あり。
これは味の決め手というよりもブランドとしての決め手を表現しているような印象で、白い謎肉が入っていなかったら印象に残らない、「日清の江戸そば」に姉妹品の変わり種が出たようなオープン価格の廉価版に近い結果に終わっていたかもしれませんが、そうはさせない白い謎肉が面目躍如の一杯でした。シニア層の方に限らず幅広い層の方が楽しめそうな仕上がりだったので、値段も安いですし見かけたら試してみてください。「肉だしうどん」の完成度も高めでしたが、どちらもカップヌードルの新定番として末長く販売を続けてほしいと素直に思えたし、今後の新作にも期待ですね。