どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年3月16日(月)新発売のカップ麺、日清食品「カップヌードル リッチ 参鶏湯味」の実食レビューです。
プレミアムタイプの「カップヌードル リッチ」に薬膳料理の参鶏湯(サムゲタン)初起用!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル リッチ 参鶏湯味
カップヌードルリッチとは、カップヌードルのブランド誕生45周年記念商品として開発された「贅沢だしすっぽんスープ味」及び「贅沢とろみフカヒレスープ味」から始まったシリーズで、第1弾の発売日は2016年4月11日。当時の値段でレギュラーサイズよりも50円高い価格設定でしたが、より美味しいものを求めるアクティブシニア層(60代)のニーズに応えるべく、新戦略を展開しました。
カップヌードル史上最高級の贅沢スープを搭載した初のプレミアムタイプ第1弾は、希望小売価格が50円高い設定にもかかわらず、なんと発売1ヶ月で当初の販売計画を大きく上回る累計販売数600万食を突破。2016年10月3日には続編「無臭にんにく卵黄牛テールスープ味」を発売し、カップヌードルリッチ第1弾の登場から7ヶ月後の2016年11月には販売累計1,400万食を記録します。
1,400万食なんていわれてもピンとこないかもしれませんが、当時の日本の総人口(総務省統計局「人口推計 平成28年10月報」)1億2,693万人に基づいて算出すると “日本国民の10人に1人以上が「カップヌードルリッチ」を食べた計算” になり、カップヌードルブランドの新たな市場を開拓することに成功した日清食品——しかし、リッチの勢いは衰えることを知りません。
日経優秀製品・サービス賞2016の日経MJ(Marketing Journal)賞で「優秀賞」を受賞、さらに日本食料新聞社が制定する「平成28年度 第35回食品ヒット大賞」でも「優秀ヒット賞」を受賞する快挙を達成。カップヌードルの新たな可能性を広げることを目指した結果、アクティブシニア層だけでなく50代の男性層から若者まで、幅広い年齢層のユーザーから支持を得ることに成功しました。
以降、フカヒレスープ味は通年商品として固定され、2019年9月30日にスッポンスープ味が復活。それ以外は基本的に期間限定で、今回の「参鶏湯味」は「フカヒレスープ味」「スッポンスープ味」「無臭にんにく卵黄牛テールスープ味」「あわび風味オイスター煮込み」「松茸薫る濃厚きのこクリーム」「贅沢肉盛り担々麺」「贅沢濃厚うにクリーム」に続く第8のフレーバー。
参鶏湯(サムゲタン)とは、韓国で生まれた薬膳料理(滋養食)の一種で、鶏を一匹まるまる使い、内臓を取り出した丸鶏に高麗人参(こうらいにんじん)や鹿茸(ロクジョウ)、ニンニク、生姜、くるみ、棗(なつめ)、松の実、もち米などを詰めて煮込んだもの。日本でも女性を中心に人気を博し、参鶏湯味のカップラーメンやカップスープは何度かリリースされています。
しかし、あらためて日清食品のデータベースを検索してみたところ、参鶏湯・サムゲタンいずれも該当する検索結果なし。明星食品の「明星 ダイニングBeauty 春雨 五穀の参鶏湯」(2009年3月発売)と「明星 飲茶三昧 スープ春雨 参鶏湯」(2010年9月発売)はヒットしたのですが、日清食品製造の過去ラインナップに参鶏湯系の商品は見つかりませんでした。
もしかすると埋もれている商品があるかもしれませんが、おそらく参鶏湯味のカップヌードルが発売されるのは今回のリッチが史上初。参鶏湯の中で重要なポジションを占めている高麗人参を粉末状にして使用し、なおかつコラーゲン1000mg配合とのこと。参鶏湯は薬膳感が重要なので、そこが今回の見所になります。
開封
さて、別添の小袋はフタの上に貼り付けてある「贅沢仕上げ高麗人参特製油」1袋。ちょっと高麗人参のイラストがマンドレイク(マンドラゴラ)っぽい——と、それはさておき粉末スープには本物の高麗人参粉末を使用しているようですが、別添の特製油には “※高麗人参香料使用” とあるため、こちらには本物の高麗人参を使用しているわけではない様子。
具材は蒸し鶏、ネギ、クコの実、ニンジンとシンプルな構成で、本物志向の蒸し鶏は量が多く、ネギは斜め切りの高品質なタイプを採用し、クコの実で薬膳感を表現しているのがポイント。クコの実は既存の「カップヌードル リッチ フカヒレスープ味」にも使用しているため、初起用の具材ではないのですが、リッチな特別感を演出するうえでは充分な素材。
2020年3月現在のメーカー希望小売価格は税別240円、レギュラーサイズのカップヌードルが税別193円なので、お値段もリッチ。コンビニで購入した場合の税込価格は260円、レギュラーサイズのカップヌードルをコンビニで買った場合の税込価格は198円、つまり62円もの差が生じています。ちなみに今回の購入価格は、ドンキホーテで198円+税でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル リッチ 参鶏湯味 製造者:日清食品株式会社 関西工場 製造所:滋賀県栗東市下鈎21-1(S) 内容量:69g(めん50g) 商品コード:4902105258934(JAN) 商品サイズ:縦96mm×横96mm×高さ107mm |
発売日:2020年03月16日(月) 実食日:2020年03月23日(月) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:240円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:310ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料)、スープ(チキン調味料、鶏脂、コラーゲンペプチド、糖類、クリーミングパウダー、豚脂、ゼラチン、香辛料、酵母エキス、オニオンパウダー、香味調味料、しいたけ調味料、高麗人参粉末)、かやく(味付鶏肉、ねぎ、クコの実、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、香料、炭酸Ca、かんすい、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は細めの油揚げ麺で、スッポンスープ味のように “昔のシーフードヌードル” くらいの細さに見えたのですが、粉末スープの中に紛れていた麺の破片を現行のシーフードヌードルと比較してみたところ、まったく同じサイズでした。粉末スープの香りは参鶏湯というよりも鶏白湯(とりぱいたん)系の香りにちかく、いい意味で癖を感じるというか、けっこう密度の高い香りが好印象。
あとは熱湯を注いで3分待機、とろみ成分が事前の粉末スープに含まれていたので、実食前は溶け残りがないよう念入りにかき混ぜてください。で、ちょっとビックリしたのが特製油の香り——さすが高麗人参香料使用というだけのことはあって、かなり根菜系の香りが強く、高麗人参というかゴボウ? とにかく強烈で驚きました。
日清食品のニュースリリースを見ても薬膳料理っぽさを強調していたので、それっぽさとリッチシリーズならではの高級感に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。それにしても香料のニオイが強い‥‥w
栄養成分表示:1食(69g)あたり |
カロリー:318kcal たん白質:10.3g 脂 質:13.9g 炭水化物:37.9g 食塩相当量:3.9g (めん・かやく:1.6g) (スープ:2.3g) ビタミンB1:0.51mg ビタミンB2:0.21mg カルシウム:82mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:318kcal(めん・かやく:250kcal)(スープ:68kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺の量は少ないけど “いつもの麺”
カップヌードルはスープの味にあわせて麺の種類を使い分けていて、今回の原材料 “小麦粉、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料” は現行の「カップヌードル シーフードヌードル」及び「スモーキーブラックペッパーしお(SiO)」と同じ構成。以前はシーフードヌードルだけ1.8mmくらいの幅だったのですが、現在はレギュラーの麺に合わせ、約2mm幅に統一されました。
2016年4月11日に発売された「リッチ」第1弾の頃は現行シーフードヌードルの麺も約1.8mm幅で、2019年に復活した「スッポンスープ味」のみ約1.8mm幅の麺を使用していたのですが、それ以外のカップヌードルは基本的に約2mm幅の油揚げ麺が標準サイズ。「チリトマトヌードル」「カレー」「味噌」などは太めの麺を採用しているため、だいたい幅は3mmくらい。
さらに原材料の構成も各フレーバーに合わせて調整してあり、シーフードヌードルとSiOの麺は全フレーバー中もっとも主張が弱く、今回の濃厚な参鶏湯スープともベストマッチ。麺量はレギュラーのカップヌードルを除く通常商品の平均(60g)よりも少ない50gとなっているのですが、既存の「スッポンスープ味」や「フカヒレスープ味」をはじめ「リッチ」は麺量50gが標準です。
スープ
高麗人参香料やばいw
粉末スープに高麗人参粉末が含まれているため、それっぽい風味を感じるものの、まだ強烈に主張してくるわけではありません。しかし、丸鶏の旨味は想像していたよりも濃厚で、そのベクトルはサラッとした清湯(ちんたん)系のテイストではなく、長時間じっくり強火で炊き込んだような白湯(ぱいたん)系の “ぽってり” とした旨味。
しかし、高麗人参粉末による薬膳チックなアクセントや椎茸の効かせ方、クコの実から得られる独特の旨味など、いわゆる鶏白湯ラーメンのスープとはイメージが違っていて、純粋な参鶏湯とも違うのですが、とりあえずカップヌードルらしからぬ高級感のギャップはリッチシリーズならではの魅力。で、高麗人参の香料を使った別添の特製油を加えると雰囲気は一変‥‥
あくまで特製油における高麗人参の指標は香料ですが、土台に仕込まれていた高麗人参粉末と香料の間には相乗効果があり、根菜特有の風味がブースト。すこしゴボウっぽい芳ばしさが一見して明白に主張をはじめ、いわゆる鶏白湯とは一線を画します。とろみのベクトルも鶏のコラーゲンや餅米に由来する粘度に通じるところがあり、なるほど個性的で薬膳チックな味わいで、ちょっと人を選ぶかもしれません。
具材
蒸し鶏たっぷり、クコの実ナイス
蒸し鶏はチキンラーメンの変わり種などにも入っているソフトな食感の肉具材で、そこそこ大きめのサイズ。味付けは素材の風味を活かす方向性にあり、パサパサとした歯触りが目立つこともなく、安定のハイクオリティ。ネギも斜め切りの具材系で、人参はコリコリとした歯応えで存在感をアピールします。
単純に食べ応えがあるのは蒸し鶏ですが、個性と薬膳感の演出に長けているのはクコの実で、特有の甘味が一般的なカップラーメンと一線を画すポイント。かなり今回は高麗人参の主張が強かったこともあり、特製油投入後は鶏が押され気味だったところ、クコの個性が入ることで全体の調律がとれていました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
麺は通常商品にも使われている汎用麺かつ量は50gと少なめですが、この麺があるからこそ “カップヌードル” として成り立っているような状態。いい意味でスープはカップヌードルらしからぬ高級感を放ち、具材も本物志向の蒸し鶏に個性的なクコの実と記憶に残る構成で、丸鶏の旨味を軸にしつつ、一般的な “鶏白湯ラーメン” との差別化もバッチリ。
そのスープは値段に伴うクオリティの高さを誇っていたのですが、特製油に含まれる香料(高麗人参)のニオイが強かったので、実食の際は留意したほうがいいかもしれません(かなり芳ばしい残り香が続きますw)。そこがターニングポイントになりそうだったので、最初は特製油なしで鶏の濃厚な旨味と高麗人参粉末のアクセントを楽しんでみてください。