どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年11月7日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル 餃子(ギョーザ)ビッグ」の実食レビューです。
これぞ!白飯と食べたいカップヌードル!? 白ごはんが欲しくなるガッツリ飯の定番「餃子」の味わいを “カップヌードル流” にアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードルBIG 餃子
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、1971年(昭和46年)9月18日の発売以来、即席カップめん市場で圧倒的な占有率を誇る日清食品のブランドで、手軽に食べられる簡便性の高さはもちろん、独特の世界観を構築したテレビCMの放送や公式Twitterでのプロモーション戦略など、若者向けのシュールなアプローチにも定評があり、常に業界の最前線を走り続けています。
今回の新商品「カップヌードル 餃子(ギョーザ)ビッグ」は、1991年(平成3年)1月25日の発売から若者を中心に支持されている「カップヌードル ビッグ」の新作で、がっつり食べたいときの定番メニューとして確固たる市民権を得た「餃子」を “カップヌードル流” にアレンジ。過去に数々の変わり種を展開しているカップヌードルですが、商品名に餃子を冠したフレーバーは前例がありません。
餃子(ぎょうざ)とは‥‥などという解説は不要かもしれませんが、その歴史を辿ると紀元前5000年に小麦の栽培が始まったとされる時代まで遡り、小麦を使った食事が一般化してきた紀元前206年~紀元220年頃(漢の時代)には小麦粉で作った皮に肉や魚、野菜などを入れて包み、それを茹で上げて食べる点心(てんしん)の原型が中国の北部で確立していた、というのが現代における餃子のルーツ。
紀元1368年~1644年(明の時代)には中国の歴史上に餃子(チャオズ)の名が登場し、それが日本に伝わってきたのは “生類憐れみの令” が制定されてから約2年後、1689年(貞享6年)頃の話。水戸藩が残した『朱舜水氏談綺(しゅしゅんすいしだんき)』という書物には、餡に鴨肉や松の実、クコの実を使った福包(ふくつつみ)と呼ばれる餃子が徳川光圀(水戸黄門)に献上された記録が残っています。
ただ、当時の日本では “生類憐れみの令” により、鶏や牛を食べることは禁止されていたので、庶民の間に広く普及することはなく、肉食が解禁された明治以降も餃子に強くスポットが当たることはなかったのですが、第二次世界大戦を機に状況は一変。終戦後、満州で生活していた人々が日本に移住してきたことを切っ掛けに餃子を取り扱う店が増え、その知名度は全国に拡大。
本場の中国で餃子といえば水餃子、あるいは蒸し餃子が一般的なのに対し、日本では油を使って焼き上げる「焼き餃子」が特に人気を集め、日本に焼き餃子の文化が定着。しかしながら当時の餃子には満州で年老いた安い羊肉が使われていたので、独特のニオイがキツい‥‥というわけで臭み取りに “本場の餃子には入っていないニンニク” を使うようになり、日本独自の白ご飯に合う餃子文化が生まれました。
——はい、餃子の解説がヒートアップしておりますが、ここはカップ麺のブログです。先に「カップヌードル」では初となる「餃子」をイメージした商品と前述しましたが、2017年(平成29年)5月8日に “創作系うどん” をコンセプトにした即席カップめん「日清のどん兵衛 ギョーザラブうどん」を発売している日清食品なので、同社初の試みではありません。
さらに遡ると、2015年(平成27年)9月7日にエースコックが餃子の味わいをイメージしたカップラーメン「スーパーカップ1.5倍 ギョーザパンチラーメン」を発売しているため、企画としては他社の二番煎じになりますが、容器側面には “これぞ! 白飯と食べたいカップヌードル!” という力強い訴求あり。日本の焼き餃子らしく、白ご飯と一緒に食べることをオススメしているため、再現度の高さに注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「餃子のタレ」‥‥って、ネーミングそのままかw 餃子のタレをイメージした小袋を別添していることは、事前にニュースリリースを見て理解していたんですけど、これで餃子を食べても問題ないですよーってくらい餃子のタレに忠実なのか、それとも変化球なアクセントが入っているのか気になるところ。
かやくは謎肉(なぞにく)こと味付豚ミンチを筆頭に、日本の焼き餃子で餡に使われることが多いキャベツとニラを搭載ということで、それっぽいフレームワーク。謎肉は定番の「カップヌードル」にも使われている具材ですし、キャベツやニラも初めて見るトッピングではないので、個々の特徴や組み合わせに新鮮味を覚えることはないと思いますが、この時点で具沢山と思える量は嬉しいですね。
メーカー希望小売価格は245円(税別)に設定されているため、2022年11月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段。私は最寄りのローカルスーパーで購入しましたが、なんといっても営業力が強いブランドなので、新商品に強いコンビニやドラッグストアなど、かなり販売店は多いと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 餃子 ビッグ 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:104g(めん80g) 商品コード:4902105277713(JAN) |
発売日:2022年11月07日(月) 実食日:2022年11月08日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:245円(税別) 購入価格:235円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(餃子のタレ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料、たん白加水分解物、香味調味料)、スープ(豚脂、糖類、小麦粉、しょうゆ、香辛料(にんにく、しょうが、胡椒)、でん粉、食塩、ポーク調味料、植物油脂、粉末しょうゆ、発酵調味料、醸造酢)、かやく(味付豚ミンチ、キャベツ、にら)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、かんすい、酸味料、カラメル色素、増粘多糖類、香辛料抽出物、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、炭酸Mg、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。直近にレビューした変わり種を例に挙げると、原材料名の構成から察するに、おそらく「カップヌードル 牛骨コムタン ビッグ」と共通の麺であることが想定されます。無論、餃子の皮らしさは微塵も感じられない “麺” なのですが、小麦粉が主原料であることは揺るぎない共通点。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら「餃子のタレ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。調理後の香りついてもベクトルは餃子よりもラーメン寄りで、パッケージのイラストにもあった焼き餃子のような芳ばしさも漂ってきませんが、餃子のタレっぽい香りは明確すぎる調理直後。
念のため画角の外に白ご飯をスタンバイしているのですが、なかには白ご飯との相性がイマイチなカップ面もあるので(今回は間違いなく大丈夫そうな雰囲気ですけど)白ご飯との相性はもちろん “旨みジュワッと肉汁餃子味” の再現度にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)あたり |
カロリー:490kcal たん白質:10.6g 脂 質:23.9g 炭水化物:58.2g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:3.3g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.56mg ビタミンB2:0.25mg カルシウム:115mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:490kcal(めん・かやく:399kcal)(スープ:91kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
特に変わった様子はありません
カップヌードルに使われている油揚げ麺には、いくつかのテンプレートが存在し、以前は約1.8mm幅の細麺もあったのですが、現在のサイズは基本的に約2mm幅と約3mm幅の2パターン。定番商品を例に挙げると「カレー」や「チリトマト」「味噌」といった濃いめのスープには約3mm幅の太麺が合わせられるのですが、今回は通常の「カップヌードル」と同じ約2mm幅の麺を合わせています。
約2mm幅の麺にも複数のテンプレがあり、今回の原材料名は前述のように「カップヌードル 牛骨コムタン ビッグ」と完全に一致する内容で、これは数あるカップヌードルの中でも麺の主張を抑えている「シーフードヌードル」の流れを汲んだフレームワーク。よく見ると既存の「シーフードヌードル」とは異なる原材料名となっているのですが、同じ系譜に連なっていることは間違いありません。
もしかすると定番フレーバーと変わり種では製造ラインが違うのか、あるいは食品表示法の関係で最新版のルールを適用しているのか、それについて日清食品は開示していないけれど、体感的には「シーフードヌードル」と大差ないので、未体験でなければ違和感を覚えることはないでしょう。大盛りで食べ応えもありますし、後述するスープとの相性もよかったので、特に不満はありませんでした。
スープ
余韻の再現度は高い(ちょっとビックリしたw)
まずは「餃子のタレ」を入れずに食べてみたところ、そこまで肉汁が強調されているわけではなく、むしろ “あっさり” としたテイスト。パッケージの「旨みジュワッと肉汁餃子味」に過度な期待を寄せていた場合、物足りなさを感じることになるでしょう。ただ、ガーリックパウダーのエッジは明確かつ生姜の香味も感じるため、全体的に頼りない味付けではなく、別添の小袋を加えた途端に表情は一変。
別添されている「餃子のタレ」は、酢と醤油にラー油を合わせた王道を地で行く「餃子のタレ」で、それ以上でもそれ以下でもないんですけどw ぶっちゃけ最初の2、3口に感動はありません。しかし、注目すべきは余韻の印象で、まさに “ラー油入りの酢醤油で餃子を食べた後と同じような感覚” を覚えます。ええ、もちろん白ご飯との相性は申し分なく、余韻で白ご飯いけちゃう勢い。
「旨みジュワッと肉汁餃子味」については「餃子のタレ」を入れた後も物足りなさを感じたので、けっきょく最後までジューシィさに欠ける不満が並行してはいたものの、余韻として残る後味の “餃子食べた感” は印象に残りました。
かやく
謎肉が肉の旨味をサポート
謎肉は「カップヌードル」の発売当初から入っている最古参のトッピングで、名称はネットスラングを由来とし、その正体は大豆などの野菜と豚肉をフリーズドライ加工した代物。特有のジャンクさが苦手という評判も目にしますが、今回はスープで感じた肉感の弱さをサポートしてくれていたことに加え、餃子のタレとの相性もよく、新たなポテンシャルを感じる切っ掛けに。
キャベツもニラも微塵切りではないのですが、キャベツは食べ応えに寄与しつつ、野菜の甘さが箸休めに効果的。ニラは特に軸部分の風味が強く、全体のパンチを底上げしてくれるアイテムで、それぞれ前述のスープに合っていました。さらに水餃子の皮を彷彿とさせる、ツルッとしたワンタンの皮なんかが入っていると面白かったんですけど、それについては第2弾に期待でしょうか。
総評
なるほど余韻として残る印象は “餃子を食べた後” に酷似しており、別添されている餃子のタレも王道を地で行く餃子のタレで、全体の餃子感を底上げすることに大きく寄与していたのですが、ひとつだけ引っ掛かったのが「旨みジュワッと肉汁餃子味」という部分。それについては物足りなさが否めなかったので、すこし総評から差し引きました。
しかし、ジューシィな肉汁に過度な期待を寄せさえしなければ、余韻の “まるで餃子を食べた後、みたいな感覚に浸れるところが面白い良品” なので、けっして酷評しているわけではありません。全国的に取扱店も多いと思いますし、白ご飯との相性もバッチリだったので、気になっている方は積極的に試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】