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カップ麺ランキング【総集篇】マニアが選ぶ2025年のTOP5発表 〜第1位は麺とスープを極めた至高の一杯!!

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まとめ

筆者が身を投じている即席めん市場は “年間1000以上の総発売アイテム数„ を誇る巨大マーケットなのですが、この業界には千三つ(せんみつ)という言葉があり、これは1000件のうち3件の確率(0.3%程度の反応率)を表しています。つまり、年間1000以上の総発売アイテム中、新商品は “3つも生き残ればいいほうだよね„ という意味合い。

大半はメーカーの自社ブランド(NB=ナショナルブランド)からリリースされますが、コンビニ各社のPB(プライベートブランド)に、小売店のオリジナル商品やエリア限定商品ほか、特定の販売店にのみ卸される留型(とめがた)も含めると製造側の人間でも完全には把握しきれないほど。創意工夫を凝らした新作が矢継ぎ早に展開され、そのほとんどが知らず知らずのうちに消えていく厳しい世界。

そんな刹那に魅了されて早12年——。現在は年間実食数1,000以上、通算13,000食を超えたカップ麺研究家の私 taka :a(たか)が2025年を振り返り、深く印象に残っている新商品をランキング形式で紹介します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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カップ麺ランキング

ランキングを発表する前に、まずは殿堂入りさせた商品について触れておきます。というのも、このブログでは各レビューの最後に設けている総評(星の数)に基づいてランキングの順位を決めているのですが、その指標で選出すると毎年「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」と「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」が確実に上位を狙ってくるので、こいつらは年末のランキングに含めないことにしました。

たとえばノンフライ麺を使用した「北極ラーメン」だったり、まさかの「辛辛魚らーめん」が縦型ビッグにリニューアルしたり、目を疑うほどの変化が生じた場合には選出の候補に戻しますが、今年も劇的な変化は見られなかったので、スポット的な変わり種を除く「北極ラーメン」と「辛辛魚らーめん」は殿堂入り。

2025年は諸々の事情によりYouTube活動(カップ麺TV.)を一時的に休止せざるを得なくなり、ブログの更新も思い通りにならない状態に陥るなど、例年よりもレビューの数が少ないため、その中から選出する形になりますが、引き続き最後までご覧いただけますと幸いです。

第5位「セブンプレミアム クラムチャウダー味ヌードル」(★6)

王道を地で行くクラムチャウダー味

ランキング第5位のカップ麺は、セブンプレミアムの「クラムチャウダー味ヌードル」(158円+税)で、共同開発者は「わかめたくさんあさりだし塩ラーメン」を担当しているサンヨー食品。かにがら粉末を隠し味に使用していたり、具材に本物のアサリを使用していたり、開発背景に「わかめたくさんあさりだし塩ラーメン」が垣間見える商品なのですが、方向性はまったくの別物。

あさりが強烈に主張してくる本格派

いかにもカップラーメンらしいスナック的な油揚げ麺を搭載しているため、お世辞にも本格的とはいえないチョイスになりますが、まずスープの作り込みが素晴らしく、それこそクラムチャウダー系のカップスープを実直に落とし込んだような仕上がり。ど直球にクリーミーなテイストも然る事乍ら、二枚貝特有の旨みも強烈で、貝出汁(かいだし)を得意とするサンヨー食品の強みを再認識。

加えて具材のアサリも凄まじく、噛めば噛むほどアサリの旨みが口いっぱいに、それも舌の脇にコハク酸の収斂(しゅうれん)作用を覚えるほど。それらの本格的な要素に合わせられた “いかにもカップラーメンらしいスナック的な油揚げ麺„ のチョイスも実はポジティブで、スープの魅力と個性をダイレクトに運ぶための媒体として効果的に機能している、とても総合力の高い一杯でした。しかも1食あたり税込170円、コスパも高い。

第4位「NIBOSHIMANIA かけ濃厚煮干そば」(★6)

これでもかと煮干に特化した一杯

続きましてランキング第4位のカップ麺は、ファミリーマートの「NIBOSHIMANIA かけ濃厚煮干そば」(267円+税)で、共同開発者はマルちゃんのブランドで知られる東洋水産。昨年のカップ麺ランキング【無差別篇】で第1位に選出した「Lab Q かけ醤油らぁ麺」に端を発する “かけ系„ の新作で、とにもかくにも煮干に特化した一杯。

ニボシの匂いが部屋中に充満する

銀色に輝くシャープな煮干の旨みも然る事乍ら、焼きアゴを彷彿とさせる芳ばしさも同居している、がっつり煮干を主張させながらも複雑な作り。具材らしい具材どころか薬味さえも入っていませんが、その分しっかりとスープに力を注ぎ込んだ内容で、有名店監修の大判どんぶり型にもかかわらず、ファミリーマート通常価格は税込288円に抑えたコストパフォーマンスの高さも魅力的。

「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」が確立した特許技術「生麺ゆでてうまいまま製法」(特許5719064号)によるノンフライ麺を採用しているため、すでに何度か同じ系統の麺を経験している方にとっては新鮮味のない項目になりますが、固ゆで系の歯応えと歯切れの良さがニボいスープに違和感なくフィット。これまでに何度も煮干系のカップ麺をリリースしている東洋水産ですが、その中でも上位に食い込む名作です。

第3位「カップヌードル 魚豚」(★6.5)

「クセ旨」シリーズの中でもヤバいやつ

折り返し地点となるランキング第3位のカップ麺は、日清食品の「カップヌードル 魚豚(ぎょとん)」(236円+税)で、ラーメン業界でいうところの “またおま系„ を想起させる一杯。冒頭で千三つ(0.3%程度の反応率)について触れましたが、こちらは「味噌」「欧風チーズカレー」「辛麺」「担担」「ねぎ塩」に次いで開発されたクセ旨シリーズ第6弾に該当する新たな定番商品。

カップヌードルとは思えないほど硬派な作り込み

麺は約5mm幅に切り出されている「味噌」や「担担」と同じ油揚げ麺なので、それについては新開発ではないけれど、魚介はサバ節の旨みとニボシのエキスが主軸を担い、それらがクリーミーな味わいの豚骨と滑らかに調和している、想像以上にハイレベルなスープにビックリ。正直、別添の「追い魚粉」を入れる前の段階からすでに完成系といっても過言ではない作り込みだったのですが‥‥

別添の「追い魚粉」を加えた途端、魚介の存在感が大幅にブースト。しかし、よくあるカツオが主体の魚粉ではなく、引き続きサバの個性が際立つ味わいで、まったりとした豚骨のクリーミーさも健在。むしろ魚介が明瞭になったことで豚骨の輪郭が際立ち、その中をスッとニボシが泳いでいる、こんなにも高水準なスープが「カップヌードル」で楽しめるのかと。そして、こんなにも個性的なのに通年商品とか、末恐ろしいにも程がある。

第2位「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼監修 背徳ニンニク醤油 今だけタマゴ入り」(★6.5)

「すず鬼」監修シリーズ最高傑作

そろそろ大詰め‥‥ランキング第2位のカップ麺は、ファミリーマートの「元祖スタミナ満点らーめん すず鬼監修 背徳ニンニク醤油 今だけタマゴ入り」(267円+税)で、共同開発者は明星食品。これまでに何度も縦型ビッグのカップラーメンを展開している「すず鬼」監修シリーズですが、その中でも過去最高点を叩き出したのが本商品。

とにかく中毒性がエグい

中心部までミッチリと詰まった噛み応えが楽しめるノンフライ麺は「麺神(めがみ)カップ」のDNAを感じる仕上がりですが、それでいて加水率は低く、ワシワシとした噛み応えが個性的。その豪快なノンフライ麺を支えるスープはニンニクの攻撃性が際立つ味わいで、いかにも「すず鬼」監修らしいアグレッシブな味わいにチューニングされているのですが、注目すべきは同シリーズ初となる具材のチョイス。

これまでの縦型ビッグで定番だった味付豚肉と背脂加工品まで省き、あえてタマゴとニラだけに絞った具材の構成を見た瞬間、いくらなんでも極端に振り切りすぎだろ‥‥などと懸念を覚えたものですが、なんのこれしき2種のタマゴによる優しい風味と口当たりが前述の攻撃的なスープに重なって中毒性マシマシ。ファミマの月見背徳メシ用に開発されたので、ゴリゴリの期間限定商品なんですけど、これはマジで定期的に再販してくれ。

第1位「支那そばや監修 かけ醤油らぁ麺」(★7)

麺とスープを極めた至高の一杯

お待たせしました、2025年のカップ麺ランキング【総集篇】第1位は、ファミリーマートの「支那そばや監修 かけ醤油らぁ麺」(267円+税)で、こちらも共同開発者は明星食品。ランキング第4位に選出した「NIBOSHIMANIA かけ濃厚煮干そば」に次ぐ “かけ系„ の新作で、昨年12月に発売された「支那そばや 佐野実の伝説の一杯 醤油らぁ麺」(297円+税)との共通点が多く見られる一杯なのですが‥‥

かけ系の最高峰に位置する完成度の高さ

あえて具材を省くことでファミリーマート通常価格を30円(税込32円)も抑えている、というのが物価高の時世で嬉しいポイント。しかし、それだけではありません。クロレラエキスを配合したノンフライ麺は従来品よりも高品質かつナチュラルで、チャーシューなどの具材を省いたことが功を奏し、北海道産ホタテエキスや名古屋コーチンオイルを使用したスープの繊細な部分がダイレクトに伝わってくるところも大きな変化。

あとのせかやくの千切りネギが別添されているため、こちらは純然たる “麺とスープだけ„ ではないけれど、途中で加える千切りネギの効果が素晴らしく、香りと味の移り変わりで2度おいしい一杯。具材はカップラーメンにとって大きなステータスのひとつに数えられますが、それが本格さの足を引っ張ることも珍しくない昨今。麺とスープのこだわりが強い商品こそ、こういった潔さが多くの方に求められてくるのではないでしょうか。

まとめ

というわけで、2025年のカップ麺ランキングは以上になりますが、最後に来年の傾向について触れておきます。日清食品が「価格改定ならびに内容量変更のお知らせ」を発表し、2026年4月1日(水)出荷分からメーカー希望小売価格の変更(値上げ)と、一部商品は内容量の変更(減量)が予定されている現在。これまでの流れから、他社の即席カップめんも続々と値上げに踏み切る光景は想像に難くありません。

そこに物価高が騒がれ続けている時世が相俟って、かつては庶民の味方だった即席カップめんが “これまで以上に高い食べ物„ に見えてくるでしょう。だって10年前の「カップヌードル」や「どん兵衛」なんて1食あたり180円(税別)だったんですよ? ほかにも急激に値上がりした商品のジャンルは数え切れないほどありますけど、コンビニで買ったら300円以上するカップ麺も珍しくない近年。ぶっちゃけ高い、けっこうキツい。

コロナ禍ではオープン価格のコスパ特化型vs.高級路線の二極化が目立っていましたが、さらなる多様性も求められている現在。なかでも “あえて具材を省き、本格的な味わいでありながらも販売価格を抑えた「かけ系」のカップラーメン„ に強い可能性を感じているため、そういった商品が本格的に増えてくるのではないかと。

もちろん他にも多種多様な新商品がリリースされると思いますので、何を食べようか迷ったときの判断材料にしていただけるように、また読むだけで手元にあるカップ麺が何倍も美味しく食べられる調味料のようなレビューを心掛けながら、今後も活動を続けてまいります。本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。皆様お身体ご自愛の上、よいお年をお迎えください。【author・taka :a(大石敬之)】

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