どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月15日(月)新発売、エースコックのカップ麺「彗星の如く現れた行列店 中華そば 深緑 黒出汁中華そば」の実食レビューです。
彗星の如く現れた行列店シリーズ第2弾は「四つ葉」のセカンドブランド!? ラーメンランキング埼玉1位・全国3位の行列店と高級志向のカップラーメンを新開発!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
彗星の如く現れた行列店 中華そば 深緑 黒出汁中華そば
彗星の如く現れた行列店(すいせいのごとくあらわれたぎょうれつてん)とは、人気急上昇中のトレンドラーメン店とコラボし、ターゲットユーザーに話題を喚起することを目的としたエースコックのブランドで、トレンディな新店の “美味しい驚き” を手軽に体験できる一杯がコンセプト。2023年1月2日発売の「中華そば たた味 スタミナ中華そば」を皮切りに、早くも続編が登場しました。
今回の新商品「彗星の如く現れた行列店 中華そば 深緑(ふかみどり)黒出汁(くろだし)中華そば」は、2020年9月24日にオープンし、現在は「食べログ」のラーメンランキング埼玉1位 / 全国3位(2023年5月21日時点 ★3.98)に君臨する埼玉県東松山市のトレンド店「中華そば 深緑」監修によるカップラーメンで、深緑の代名詞といっても過言ではない「黒出汁」の味わいを再現した一杯。
開業わずか3年以内に現在の地位を築き上げた「中華そば 深緑」ですが、2013年(平成25年)6月21日の創業以来、今もなお絶大な人気を誇る埼玉県比企郡川島町の名門「中華そば 四つ葉(よつば)」が立ち上げたセカンドブランドで、四つ葉の店主・岩本和人(いわもと かずと)その人が手掛けた新店舗と分かれば納得のポジション。
「中華そば 深緑」という名前の由来には “よりラーメンを深く追求したい” という店主の想いと「四つ葉」の “緑を深める” という意味も込められており、人気店としての揺るぎない地位を確立した「四つ葉」のライバル店になることを目標にオープンするや否や、前述のように「食べログ」では「四つ葉」を超える評価を勝ち取るなど、すでに埼玉県を代表する名店として確固たる支持を得ています。
「彗星の如く現れた行列店 中華そば 深緑 黒出汁中華そば」のモデルにもなった「黒出汁」は、六白黒豚(鹿児島が誇るブランド豚)の「豚骨出汁」に、東京シャモ・村越シャモロック・ホロホロ鶏から抽出した「鶏出汁」と、牡蠣・アサリ・はまぐり・伊吹いりこなどから取った「魚介出汁」を合わせ、さらに牛蒡(ごぼう)・マッシュルーム・白菜などの「野菜出汁」をブレンド。
その複雑なスープを纏め上げるのは、店主が厳選した7種の醤油から成るタレで、温度変化による味の変化も訴求するなど、並々ならぬ “こだわり” が詰め込まれていることから “2023年5月現在の値段は1杯あたり1,500円” と強気な設定ですが、それでも上々の評判・口コミが目立っています。
そんな「中華そば 深緑」の “こだわり” を再現したカップラーメンにもスープに黒豚エキスを使い、牡蠣・ハマグリ・アサリなどの魚介出汁を合わせ、原材料名を見るとハクサイエキスやマッシュルーム調味料の記載も確認できるなど、なかなか頼もしい商品に仕上がっている様子。そして、パッケージに記載された “和牛オイルで仕上げる” のアピールも強く興味を惹いてくれるポイント。
実店舗のレビューを検索しても和牛オイルに関する感想は目立っていなかったので、エースコックのオリジナルかと思いつつ、さらに調べてみたところ、実際の「黒出汁」にもスープに “松坂牛の骨を使用している” ことが分かりました。というわけで、いよいよ楽しみですよ。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「調味油」の計3パックで、調味油に “和牛オイル” を使用している様子。ちなみに余談なんですけど、エースコックは3年以上前に「一度は食べたい名店の味 PREMIUM 四つ葉 地鶏だし醤油ラーメン」(2019年9月2日発売品)をリリースしており、その完成度が高かったので、引き続き期待が高まる展開。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。いかにもエースコックらしい見た目というか、しっとりとした口当たりが想像できる加水率が高そうな佇まい。ただ、深緑(実店舗)の「黒出汁」に使われる麺の加水率は低めに設定されているようなので、この采配が吉と出るか凶と出るか。
さらにメーカー希望小売価格は308円(税別)と高めに設定されているため、ここも評価する上で重要な要素。前述した「一度は食べたい名店の味 PREMIUM 四つ葉」のメーカー希望小売価格も当時の相場では充分に高額となる270円(税別)だったので、それから物価の高騰が相次いでいる現在、もはや順当に思える値段設定なのですが、いずれにせよハイクラス系の商品であることは間違いありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:彗星の如く現れた行列店 中華そば 深緑 黒出汁中華そば 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:102g(めん65g) 商品コード:4901071400965(JAN) |
発売日:2023年05月15日(月) 実食日:2023年05月21日(日) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:308円(税別) 購入価格:300円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:490ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・調味油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、たん白加水分解物、大豆食物繊維、卵白粉)、スープ(チキンエキス、植物油脂、たん白加水分解物、しょうゆ、食塩、鶏油、魚介エキス、果糖ぶどう糖液糖、牛脂、トマト調味料、ポークエキス、はまぐり調味料、ハクサイエキス、香味調味料、マッシュルーム調味料)、かやく(焼豚、ねぎ、なると、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸Ca、カラメル色素、香料、かんすい、乳化剤、増粘剤(加工でん粉)、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は焼豚・ねぎ・ナルト・メンマの組み合わせなのですが、丸い焼豚はエースコックの縦型カップで定番のアレ。ねぎも熱風乾燥(つまりジャキジャキとした歯触りに懸念を覚える項目)ですし、端材みたいなメンマも情緒に欠けるポイント。ただ、大きめのナルトは実店舗の「黒出汁」を象徴するアイテムの一つなので、そこだけは好印象。
添付調味料は2パックとも後入れなので、かやくを入れてから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「調味油」を温めながら待つこと5分。時間になったら麺をほぐし、温めておいた「液体スープ」と「調味油」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。かやくに特別な要素は少ないけれど、調味油を加えた途端 “牛脂と牛蒡の香り” が広がって、そこにハッとした調理直後。
ちなみに販売チャネルは限定されていないため、スーパーやドラッグストアでも購入できるのですが、コンビニで購入した場合の税込価格は1食あたり332円の高級品。というわけで、引き続きコストパフォーマンスにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:326kcal たん白質:8.5g 脂 質:8.3g 炭水化物:54.4g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:1.5g) (スープ:4.7g) カルシウム:238mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
品質だけで評価するなら★5クラス
調理前の佇まいから受け取れるイメージを裏切らない、しっとりとした口当たりの多加水麺で、食べ始めはノンフライめん特有のゴムっぽい質感と部分的に硬いところが気になったのですが、致命的な戻りムラは感じません。もちろん揚げ油に由来するエースコック特有のニオイも気にならない、とても高水準な仕上がりです。
表面は滑らかな麺質で、弾力と粘りは強く、それでいてランダムな縮れが功を奏し、スープの掴みは悪くありません。ただ、食べ始めから数分は麺の自己主張が勝ち過ぎていると感じたので、麺の持つポテンシャルやスープとのバランスを最大限に活かすために “液体スープと調味油を馴染ませてから3、4分ほど休ませる” のがベストかも。
というわけで、ノンフライ麺のクオリティだけ見れば高い水準に位置しているのですが、実際の「黒出汁」に使われている自家製麺(北海道産小麦使用)は前述のように加水率が低く、さらに平打ちストレートの形状から、再現度の高さ云々については目を瞑らなければいけません。
スープ
とにかくバランスが正気じゃない
まずは調味油を入れずに「液体スープ」だけの状態で味わってみたところ、見た目のわりに濃口しょうゆが強く主張してくることはなく、しかしながら特有のコクは尊重された旨み重視の配合で、動物系は穏やかに泳ぐ鶏の出汁を中心に、黒豚が脇を固めているようなフレームワーク。
エースコックのニュースリリースには “牡蠣やハマグリ、アサリなどの魚介だし” とあり、トマト調味料(ドライトマト系?)やハクサイエキス、マッシュルーム調味料など、かなり複雑な構成に思えるのですが、実際は何か一つを突出して目立たせるのではなく、さまざまな素材の調和を図っているような、いろいろと使っているのに驚くほど一体感のあるテイストです。
そこに浮かべる「調味油」も面白く、鶏油(ちーゆ)や牛脂のほかに植物油脂もブレンドしているのですが、その植物油脂に牛蒡を使っているのか特有の芳ばしさが個性的。なかでも牛蒡のアタックは強く、牛脂と共に個性の核を担っているのですが、引き続き全体の一体感が壊れることはない、その緻密なバランスにエースコックの狂気じみた執念を感じました。
ちなみに超余談なんですけど、牛蒡は英語でburdock(バーダック)といいます。カカロットの父ちゃんですね。
かやく
値段に不相応
焼豚は縦型カップの製品にも使われている丸型のチャーシューで、そこそこ噛み応えのある質感と濃いめの味付けではあるものの、高級感は皆無。メンマはサイズのわりに香りが強く、それがスープに合っていたのですが、これについても「スーパーカップ」で定番のアイテムですし、ジャキジャキと不躾なネギの歯触りも悪い意味で気になったポイント。
雰囲気を演出してくれていたナルトだけは、ことさら欠点を取り立てるような具材ではなかったものの、メーカー希望小売価格を思うと残念な気持ちが否めなかったので、さらに42円ほど希望小売価格を底上げしてでも特殊な具材を入れてほしかったです。
総評
メーカー希望小売価格が308円(税別)であることを踏まえると、かやくはイマイチといわざるを得ない内容で、ハイクオリティなノンフライ麺も再現度については高く評価できないなど、いくつか引っ掛かる点はありますが、スープの作り込みは素晴らしいの一言。実際の「黒出汁」は1,500円なので、もちろん完全再現とまではいかないけれど、雰囲気は充分に醸せているのではないでしょうか。
めっちゃ牛脂こってり! とか、濃口しょうゆガツンとショッパめ! みたいな脳筋のインパクトはなかったものの、個性については牛蒡の芳ばしさが印象に残ると思いますし、その個性があっても調和の取れたスープに価値が見出せる一杯でした。このペースだと年内に「彗星の如く現れた行列店」第3弾が出る可能性も高いので、次のコラボも楽しみです【author・taka :a(大石敬之)】