どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年3月16日(月)新発売の二郎系ラーメンキット、日清食品「豚園 背脂醤油豚ニンニク」の実食レビューです。
ニンニクもりますか? 話題のがっつり系ラーメンが自宅で楽しめる二郎系キット「豚園」爆誕!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、二郎系インスタントラーメンとしての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
豚園 背脂醤油豚ニンニク
豚園(ぶたぞの)とは、2019年を境に急激な盛り上がりを見せているガッツリ系のラーメンジャンル「二郎系」「二郎インスパイア系」を強く意識した新商品で、もやしがあれば自宅で二郎系ラーメンが楽しめる!というもの。これは「豚園」というラーメン店が監修しているわけではなく、日清食品のオリジナル商品として開発されました。
二郎系(じろうけい)及び二郎インスパイア系とは、東京・三田本店「ラーメン二郎(らーめんじろう)」を発祥とするラーメンジャンルの総称で、ラーメン二郎と直接的な関係がある場合(直系)は「二郎系」と呼び、本店及び直系との関係はないものの、それに強く影響(インスパイア)された同ジャンルのラーメンは「インスパイア系」と呼ばれています。
二郎系とインスパイア系の呼び分け(定義)については諸説あるのですが、麺は日清製粉の強力粉・オーション(灰分0.52±0.04%の2等粉)で打った加水率の低い極太低加水麺を使い、スープは中毒性の高い豚骨醤油ベース、トッピングは豚(ぶた)と呼ばれる大きなチャーシューに大量の茹で野菜(もやし、キャベツ)が基本的なスタイル。
もちろんインスパイア系の中には味噌ベースや塩ラーメン系統のメニューを取り揃えている店もあるので、いまや多岐に及ぶラーメンの総称となっているのですが、いわゆる “ニンニクマシマシヤサイマシアブラスクナメカラメ” をはじめ「コール」と呼ばれる呪文でトッピングや味の濃さを調節できるのも普遍的な共通点。
以前から二郎インスパイア系の有名店が監修したカップラーメンや汁なしカップ麺は何度もリリースされているのですが、2019年以降は特に二郎系ブームの熱が加速しており、即席カップめん業界はもちろん二郎系のコンビニラーメン(レンジ麺)は通称 “ジェネリック二郎” と呼ばれるなど、飲食業界に於ける “ちょっとした社会現象” が起きています。
コンビニのジェネリック二郎商戦は、セブンイレブンの「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン」を皮切りに、ローソンの「にんにくが決め手! 豚醤油ラーメン」やファミリーマートの「大盛にんにく醤油ラーメン」も参戦。現在はコンビニ大手3社の三つ巴となっているのですが、即席めん業界も負けていません。
近年の日清食品における二郎系といえば、2019年10月8日に突如として現れたセブンイレブン限定商品「どん兵衛 マシマシ篇 ガチ豚ニンニク」をはじめ、その派生品「マシマシの素」や日清ラ王シリーズ史上初の二郎系「日清豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」(2020年1月13日発売)など、特に豚ラ王は雰囲気の再現度が高く驚きました。
今回の新商品「豚園」もパッケージの雰囲気的に「どん兵衛マシマシ篇」や「豚ラ王」の流れを汲んでいるのは間違いなく、製品の名称としては “即席カップめん” ではないのですが、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのジャンル。特に「豚園」は発売前から騒がれていたので、ちゃんと二郎系・インスパイア系の雰囲気が感じられるかどうかに注目してみましょう。
開封
さて、パッケージにも “用意するのはもやしだけ!” とあるように、もやしだけは別途用意しなければいけないのですが、豚園のセット内容は「極太麺」「チャーシュー」「豚園スープ」「背脂」「ニンニク」と基本は揃っている状態。今回はカップラーメンではなく袋麺なので、別の容器(どんぶり)が必要なのと、調理の際は鍋を使います。
箱の中に入っているは「麺」「豚園スープ」「焼豚」の3袋、上記の写真左に写っている黄色い大きな小袋(麺)の中に「背脂」と「ニンニク」が入っているので、小袋の数は合計5袋です。用意する「もやし」の推奨量は250gなので、だいたい市販のもやしだと1袋。もし面倒でなければ適度にカットした茹でキャベツを50gほど追加するのもアリですね。
今回は日清食品グループの公式オンラインストアで限定300食が先行販売されていたので、そのタイミングで購入していたのですが、2020年3月16日より一般販売開始。ちなみにメーカー希望小売価格は税別368円、おそらくコンビニで購入した場合の税込価格は395円前後、日清食品の公式オンラインストアでは税込397円で販売していました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:豚園 背脂醤油豚ニンニク 販売者:日清食品株式会社 製造者:株式会社クレバー 製造所:大阪府八尾市竹渕2-95 内容量:164g(めん95g) 商品コード:4902105109830(JAN) |
発売日:2020年03月16日(月) 実食日:2020年03月16日(月) 発売地域:全国 取得店舗:ネット通販サイト(日清食品グループ オンラインストア) 商品購入価格:397円(税込) 希望小売価格:368円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:即席袋めん 容器材質:紙 湯量目安:500ml 茹で時間:熱湯5分 小袋構成:5袋(めん・豚園スープ・焼豚・背脂・ニンニク) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、サイリウム種皮、大豆食物繊維、チキンエキス、チキン調味料)、スープ(しょうゆ、豚脂、ポークエキス、香辛料、ガーリック調味油、植物油脂、糖類、チキンエキス、食塩、醸造酢、ポーク調味料)、かやく(チャーシュー)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸Ca、かんすい、増粘剤(キサンタンガム)、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、乳化剤、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・落花生・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
作り方が書いてある麺の小袋に、後入れの「背脂」と「ニンニク」が入っていて、この2袋は食べる直前にトッピング。作り方は、まず500mlの熱湯を鍋に入れて沸騰させた後、麺と焼豚を入れて5分間ゆで、豚園スープを入れてから一煮立ち。その間、もやしを500~600Wの電子レンジで3分加熱しておきます。
あとは一煮立ちさせた麺と豚園スープを容器に移し、電子レンジで加熱しておいたもやしをのせ、その上から焼豚・背脂・ニンニクをのせて出来上がり。今回はカップラーメンではないので、うっかりフタの上で温めて——みたいなミスは起きないかと思いますが、後入れの背脂は温めないように注意してください。
なお、気になるカロリーは702kcalと高く、さらに全体の食塩相当量は9.7gとインスタントラーメンの中でも飛び抜けた値となっているので、とりあえず “もやし” 1袋(250g)を追加する前提の味付けですね。それでは、引き続き二郎系・インスパイア系の臨場感に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(164g)あたり |
カロリー:702kcal たん白質:13.5g 脂 質:38.8g 炭水化物:74.7g 食塩相当量:9.7g (めん・かやく:3.4g) (スープ:6.3g) ビタミンB1:0.43mg ビタミンB2:0.57mg カルシウム:244mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:702kcal(めん・かやく:453kcal)(スープ:249kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
二郎系っぽくはないけど高品質
麺はノンフライ麺ではなく油揚げ麺だったので、ノンフライ麺のように雑味のないテイストではないのですが、油揚げ麺特有のコクと今回の豚園スープは相性がよく、それがネガティブに働くことはありません。また一煮立ちさせたことが功を奏し、すこぶる麺とスープの一体感が高いのもポイント。
厚みのある縮れ麺は “極太麺” を名乗るに相応しい太さで、麺の量は調理前で95gと食べ応えあり。むちむち・もちもちとした加水率の高い弾力だったので、もうちょっと二郎系らしいゴワゴワ・ワシワシとした食感に寄せてほしいところはあるものの、ふかふかと頼りない食感になることもなく、コシも強めで単純にクオリティの低い麺ではありません。
ちなみに麺の原材料は “小麦粉、植物油脂、食塩、しょうゆ、サイリウム種皮、大豆食物繊維、チキンエキス、チキン調味料” で、大豆食物繊維やチキン系の成分を練り込んでいるのが日清食品らしいポイントになるのですが、サイリウム種皮は即席麺において珍しい素材。むちむち、もちもちとした食感は、このサイリウム種皮が鍵を握っているのかもしれません。
サイリウム種皮:80%以上が食物繊維で構成され、水溶性と非水溶性の食物繊維をバランスよく含み、水分を吸って膨張するとゼリー状になる特性がある。
スープ
優等生だけど雰囲気ばっちり
土台の「豚園スープ」は醤油寄りの醤油豚骨味で、ニンニクを入れる前からニンニクの風味があり、比較的にシンプルな味付け。薄口醤油では出せない濃口醤油特有のキレと豚骨ベースのコクも感じられ、なるほどスープ単体だと “かなり” 味が濃く、そもそもスープだけの食塩相当量でも6.3gですし、とりあえず “もやし” は必須です。
それっぽい雰囲気を打ち出しながら、比較的に洗練されたフレームワークが日清食品らしいポイント。さらに別添の「背脂」は味付アブラではなくシンプルに白い背脂で——と、思いながら単体で舐めてみたところ塩気が強く、もやしの水分が出ても全体がボンヤリすることはありません。
タイプでいうと “微乳化系” で、背脂に含まれるラードを中心とした動物油脂もさることながら、きちんと粒状の背脂入り(いや、ラード加工品かも‥‥)なのもポイント。基本的に優等生の味付けですが、後述するニンニクのキレ、もやしの風味が重なった結果、なるほど “それっぽい” 雰囲気はけっこう再現できていると思います。
具材
具材は値段的に寂しいか‥‥
「豚園」に入っている具材は焼豚1枚だけ、しかも「ラ王」や「行列のできる店のラーメン」(現在終売)に使われていた厚切焼豚よりも一回り小さく、1食あたり税別368円の袋麺にしてはイマイチと言わざるを得ません。ただ、別添のニンニクは効果的で、少量ながら二郎系らしいパンチのあるテイストをガツンと演出してくれます。
これも背脂同様単体で舐めてみると塩っぱかったので、いわゆるチューブの生おろしニンニクと同じ代物という認識で問題ありません。もやし(自前)は濃いめのスープを中和してくれるだけでなく、二郎系の雰囲気を演出する上で重要なポジションに位置しているため、かならず用意してください(太めがオススメ)。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
麺は食べ応えのある95gの極太麺を採用し、スープは濃口醤油のエッジが効いた醤油豚骨味で別添のアブラとニンニクも効果的だったのですが、如何せん値段がネック。もちろん美味しいかマズイかでいえば単純に前者ではあるものの、1食あたり税込400円弱のインスタントラーメンにしてはコストパフォーマンスの低さが否めません。
もやしは消費期限が短い生鮮食品なので、それを自分で用意しなければいけないのは納得できるのですが、二郎系を象徴するうえで重要な存在かつ商品名の「豚園」にも組み込まれているブタは値段相応とはいえないボリューム‥‥などといいながらコスパ云々が気にならないのであれば悪い商品ではないと思うので、もやしを用意したうえで試してみてください。