どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年1月13日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」の実食レビューです。
これぞ背徳の極み——「日清ラ王」に “二郎系・インスパイア系” の本格カップラーメンついに降臨!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、二郎系カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク
日清ラ王(にっしん らおう)とは、1992年9月21日から発売されている日清食品のフラッグシップモデルで、ブランド名「ラ王」の由来は “ラーメンの王様” に因んだもの。常に変化の波が大きなラーメン業界において、その時代の王道に進化し続けるブランドから、とうとう本格的な “二郎系・二郎インスパイア系” の新商品「豚ラ王(ぶたらおう)」が発売されました。
「二郎系(じろうけい)」とは、東京・三田に本店を置く「ラーメン二郎(らーめんじろう)」の流れを汲んだラーメンの総称で、たとえば元ラーメン二郎だった店が諸事情で屋号を変更した場合などに “二郎系” と呼ばれます。一方「二郎インスパイア系」とは、二郎系ラーメン店に強く影響(インスパイア)されたラーメンの総称で、今もっともアツいトレンド的なラーメンジャンル。
二郎系とインスパイア系の定義については諸説あるのですが、麺は日清製粉のオーション(強力粉)で打った加水率の低い極太麺、スープは中毒性の高い豚骨醤油ベースのスープ、具材には巨大な豚(ぶた)と大量のヤサイ(もやし・キャベツ)を山のように盛り付け、通称「コール」と呼ばれる呪文でトッピングが増やせるなど、いくつか特徴的な共通点があります。
たとえばトッピングの増減を指定するコール(呪文)が「ニンニクマシマシヤサイマシアブラスクナメカラメ」だった場合、ニンニクかなり多め・野菜多め・アブラ(味付けされた背脂など)は少なめ・醤油は濃いめ(カラメ)——と、あくまで一例ですが、そのジャンルを本格志向のカップ麺ブランド「日清ラ王」が本気で再現したのが「豚ラ王」で、気合の入れ方も尋常じゃありません。
「豚ラ王」のパッケージにも表示されている “踊る極太麺” は、日清食品の独自技術によって作り上げた日清ラ王史上もっとも太いウェーブ麺で、さらに背徳感を高める “アブラ増し袋” を別添。スープは背脂の旨味と突き刺さるガーリックの風味が特長的な豚骨醤油味に仕上がっているらしく、具材には多めのキャベツに自慢の厚切り焼豚と本気モード。
それだけにメーカー希望小売価格も “税別368円” という現代カップめん界の常識を覆す値段となっているのですが、2019年の衝撃作「日清のどん兵衛 マシマシ篇 ガチ豚ニンニク」や「マシマシの素」のバネもありますし、そろそろ既製品に囚われない尖った商品が出てもいい頃合いだったので、この思い切った値段については好印象と感じたくらい。
「どん兵衛 マシマシ篇 ガチ豚ニンニク」は、通称 “どん二郎” と呼ばれるカップ麺のアレンジレシピにインスパイアされたセブンイレブン限定のPB商品で、「マシマシの素」は即席どん二郎を作るための液体調味料として開発された非売品。けれども今回の「豚ラ王」は一般販売のNB商品となっているため、全国のスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどでも販売されています。
コンビニで購入した場合の税込価格は397円と驚愕の値段でしたが、話題性のある新商品ということで販売店舗も多く、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「ミニストップ」すべての企業で取り扱いを確認しました(※ただし一部の店舗や仕入れ責任者の采配によっては売ってないかもしれません)。
開封
さて、次は内容物と調理前の麺をチェックしていきます。「豚ラ王」に別添されている小袋は「液体スープ」「アブラ増し袋」「かやく」「焼豚」の合計4袋構成で、アブラ増し袋は “温めないでください” とのこと。ちなみに商品パッケージやアブラ増し袋のキーカラーとなっている黄の背景に黒い文字は、ラーメン二郎の看板と同じ配色です。
踊る極太麺は熱湯5分のノンフライ麺で、さすがにラーメン二郎(直系)の特徴となっている “縦切り” ではありませんが、くすみのある独特な見た目が特徴的。サイズも12番の切刃で切り出した日清ラ王史上もっとも太い太麺で、切刃番手12番といえば「うどん」や「沖縄そば」にも使用されるほどの切刃。
切刃番手(きりはばんて)とは、幅30mmあたりの麺帯から何本の麺線が切り出せるかを表していて、実際のラーメン店でも麺のサイズを表すときに使われている規格。太麺の基準は一般的に18番以下、この数字が大きくなるほど細麺に、小さくなるほど太麺になります(※ちなみに12番の幅をミリメートルに換算すると溝巾2.5mm)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:139(めん80g) 商品コード:4902105261385(JAN) 商品サイズ:縦180mm×横180mm×高さ70mm |
発売日:2020年01月13日(月) ※コンビニでは2020年1月14日(火)発売 実食日:2020年01月14日(火) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:397円(税込) 希望小売価格:368円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:八角どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・アブラ増し袋・焼豚・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、チキンエキス)、スープ(しょうゆ、豚脂、ポークエキス、香辛料、もやし調味油、たん白加水分解物、食塩、糖類)、かやく(キャベツ、チャーシュー、にんにく)/ 酒精、加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、リン酸Ca、増粘多糖類、かんすい、香料、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」と「焼豚」の2袋で、残念ながら二郎系を象徴するモヤシは入っていませんが、けっこうキャベツの量は多く、どん兵衛マシマシ篇で猛威を振るっていた乾燥の “刻みニンニク” を搭載。焼豚もカップラーメンの肉具材としては分厚いチャーシューで、ちゃんと側面に焼き目がついているのもポイントです。
ちなみにアブラ増し袋には “温めないでください” と書いてありましたが、液体スープの小袋には “フタの上で温めてください” と書いてあるため、お湯を注いでからショッキングピンクの小袋だけ温めます。なお、液体スープとアブラ増し袋は後入れとなっているため、うっかり先に入れないように注意してください(※麺が適切に戻りません)。
さて、カロリーは504kcalと二郎系カップ麺にしては少なく、脂質も19.3gと凶暴な数値ではないのですが、追加のアブラ増しトッピングで雰囲気のある見た目に仕上がった調理直後。引き続きモデルとなっているラーメン二郎らしさに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(139g)あたり |
カロリー:504kcal たん白質:13.4g 脂 質:19.3g 炭水化物:69.1g 食塩相当量:7.5g (めん・かやく:2.8g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:235mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:504kcal(めん・かやく:386kcal)(スープ:118kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
けっこう雰囲気ある!
ラ王史上 “最太”かつ新開発の「踊る極太麺」とはいえ、「豚ラ王」も日清ラ王の一角。見た目は雰囲気あっても実際は粘り気の強い多加水麺かもしれない——と、念のために構えていたのですが、なんのなんの。幅だけでなく厚みもある極太麺の加水率は、きちんと低めに設定されていて、ごわごわ・わしわし系の雰囲気が楽しめます。
さすがに灰分0.52±0.04%のオーション(2等粉)が放つムンムンした香りまでは再現できていませんが、日清食品の高級カップラーメンにありがちな麺のほぐれにくさが気になることもなく、熱湯5分きちんと守れば部分的な戻りムラもありません。加えて耐久性も高かったので、これならヤサイマシマシにアレンジしても耐えてくれそうな頼もしさ。
調理前の麺量は80gと値段のわりに超大盛ではないのですが、2020年1月現在の「日清ラ王」における麺量はカップラーメンで標準75g(汁なしラ王は標準80g)となっているため、やや「豚ラ王」の踊る極太麺は多めの量。日清ラ王史上もっとも太いとアピールしているだけのことはあって、しっかり食べ応えのあるノンフライ麺です。
スープ・アブラ増し袋
ここまできたかカップ麺
スープの土台は “微乳化系” の醤油豚骨味となっていて、そこまで強烈ではないものの、なかなかニンニクの風味は強く、醤油と豚骨のバランスは醤油のキレが優勢。アブラ増し袋の中身をトッピングする前は油脂感が控えめで、意外と大人しそうに見えますが、豚臭さや化学調味料の雑味など、いい意味で下品な二郎系の雰囲気を再現しています。
その雰囲気を大幅にブーストしてくれるのが「アブラ増し袋」で、パッと見は単なる白く濁った豚脂(ラード)に見えますが、試しに直接そのまま舐めてみたところ塩気が強く、下味の施されたアブラであることを確認。これを全体に馴染ませると前述の豚臭さが猛烈に強化され、塩気のエッジもガツンと強めに尖り、これぞ王道と言わんばかりの見事な風格を纏います。
「アブラ増し袋」の中には視認できる背脂の粒も入っていて、引き続きバランスはキレ優先の味わいではあるものの、しっかりと動物系のコクも網羅。かなり雰囲気の再現度は高く、系統としては2019年の二郎系レンジ麺を牽引し続けたセブンイレブンのジェネリック二郎「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」に匹敵するレベルだったので、思わず唸ってしまいました。
具材
刻みニンニクが強烈
スープに「もやし調味油」を使用していますが、やはり二郎系・インスパイア系を語る上で欠かせない「もやし」が入っていないのは寂しく、コンビニで買った場合の税込価格は400円弱なので、チャーシュー2枚は欲しいところ。とはいえ安心と信頼の実績を誇る厚切チャーシューは、あいかわらず乾燥肉具材の中でも最高峰に位置するクオリティで、焼き目の芳ばしさが臨場感を演出。
ヤサイ(キャベツ)はマシマシではないものの、そこそこキャベツの量は多く、粒状の刻みニンニクについてはインパクト抜群。液体スープにもニンニクの風味が仕込んでありましたが、それ以上に刻みニンニクの威力は明白だったので、仕事の休憩時間や人と会う前に食べるのは危険かもしれません。
※なお、試しに茹でキャベツ適量、もやし1袋、刻みニンニク、さらに「マシマシの素」を追加してアレンジしたらヤバかったので、後日ちゃんと記事にします。
総評
★★★★★★★☆☆☆(★7+)
最近、ちゃんと二郎系・インスパイア系のラーメンを研究しようと思い、「夢を語れ 東京」や「魔人豚(まじんぶう)」「ラーメンもみじ屋」「雷本店」「麺屋 桐龍(きりゅう)」などのラーメンを繰り返し食べていたので、ちょっと厳し目に評価しようと思っていたのですが、おいおい「豚ラ王」ここまでやるのか——と、正直かなり驚きました。
たとえば鼻を抜ける香りや余韻として残る雑味、やや強付いた極太麺など、さすがにリアル二郎と遜色ないとは言えませんが、これまでの二郎系ジャンルを意識していた商品の中では群を抜いた臨場感の持ち主で、まさに “王” の名に相応しい最強の一杯です。さらに美味しく食べるアレンジレシピの記事も準備しているため、今しばらくお待ちください。