どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年3月25日(月)リニューアル新発売のカップ麺、明星食品「明星 ぶぶか 油そば」の実食レビューです。
カップ油そば売上ランキング1位に君臨する王者「らーめん専門店 ぶぶか」の「油そば」が明星史上最大麺厚の “もっちり極太三層麺” に進化!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
ぶぶか 油そば 2019年リニューアル
「明星 ぶぶか 油そば」とは、2019年で発売18年目を迎えるカップ油そば売上ランキングNo.1* のロングセラー商品で、東京・吉祥寺の名店「らーめん専門店 ぶぶか」の看板メニュー「油そば」を再現した汁なしカップ麺です(*インテージSRIカップインスタント麺の油そば市場2017年1月~2018年12月累計販売金額から算出)。
2009年に行われたリニューアル以前のデータが残っていないため、今回で何度目のリニューアルになるのか定かではありませんが、今年で発売18年目。「らーめん専門店 ぶぶか」と「明星食品」との関係には深い歴史があり、両者の間には切っても切れない繋がりがあるのですが、そんじょそこらのタイアップとは関係性の重みが違います——
「ぶぶか」の創業は1995年3月24日、わずか10席のラーメン店として東京・吉祥寺にオープン。お店の「ぶぶか」という名前の由来は、かつての棒高跳び世界記録保持者セルゲイ・ブブカ選手のように成長したい――という初代店主の思いに因んでいます。今でこそ “知る人ぞ知る小さな名店” から「油そば」の代名詞として挙げられるほど有名な店になりましたが、当時のメニューはラーメンのみ。
2019年4月現在の運営母体は「株式会社サガミホールディングス(旧:サガミチェーン)」となっているのですが、もともとは明星食品グループの「明星外食事業株式会社」が2002年2月に営業権を取得。2006年12月に明星食品が日清食品グループに参入したことで明星外食事業株式会社も日清食品グループに入り、2008年10月に「味の民芸フードサービス株式会社」へと社名を変更します。
そして2014年1月、日清食品ホールディングスは「味の民芸」を「サガミチェーン(現:サガミホールディングス)」に9億円で売却。「らーめん専門店 ぶぶか」も日清食品ホールディングスの傘下を離れ、2018年4月よりサガミホールディングスに加わりました。
現在のカップ麺には2代目店主・乾川聡満さんの名前と顔写真が掲載されていますが、初代店主は国定裕儀さん。その国定さんこそが実は元 “明星食品の営業マン” で、明星外食事業の営業として入社し、その後「ぶぶか」の創業に尽力した店舗開発部の部長代理に就任。明星食品の社命を受け、1994年に所沢街道沿いの駐車場に小さな屋台をオープンします。
屋台時代のメニューは当時まだ珍しかった背脂入りの背脂系東京豚骨ラーメンのみで、コンセプトは濃厚スープ。その屋台は部活帰りの学生やサラリーマンから愛されていたそうですが、つまり「ぶぶか」は “明星食品グループが立ち上げたラーメン店” なんです。なので、明星食品がカップ麺の製造を長年担当しているのも必然的な流れというわけですね。
初めてカップ麺の「明星 ぶぶか 油そば」が発売されたのは2002年6月——さきほど明星食品グループの「明星外食事業株式会社」が2002年2月に「ぶぶか」の営業権を取得したと書きましたが、そのタイミングと初めてカップ麺が発売された時期が重なっているのも単なる偶然ではないでしょう。
現行パッケージの上部にも大きく「もっちり極太三層麺」と書いてありますが、発売18年目を迎える2019年のリニューアルポイントは “明星食品史上最大麺厚の極太麺を使用” していることがアピールされているので、「ぶぶか」らしいジャンクな食べ応えと麺のクオリティに注目しながらレビューしていきます。
開封
「ぶぶか」は2018年11月に「新宿紀伊国屋店」をオープンしているのですが、カップ麺の外装フィルムを破いた先に新店舗情報が追加されていますね。最盛期の8店舗展開から2015年9月以降は吉祥寺に1店舗を残すのみと低迷していたところ、サガミホールディングスの傘下に入ってから一転し、2018年10月に新宿で開催された「大つけ麺博 10周年特別企画」の第一陣に初代店主が出店、創業当時の味を振る舞ったことでも話題になりました。
別添されている小袋は先入れの「かやく」、後入れの「液体ソース」「マヨネーズ」「ふりかけ」で合計4種類。メーカー希望小売価格は税別218円で、私の購入価格は北近畿のローカルスーパーで税込192円でしたが、業界全体の価格改定によって2019年6月1月(土)出荷分以降のメーカー希望小売価格は現在の税別218円から “税別230円に値上がり” します。
麺は今回のリニューアルから実装された極太麺となっているのですが、明星食品の極太麺は軒並みレベルが高いので、問題なく期待できそうですね。ちなみに「油そば」発祥の店は1952年(昭和28年)創業の「三幸」(国立市)、または1953年(昭和29年)創業の「珍々亭」(武蔵野)が通説となっているのですが、その存在を全国に知らしめたのは「ぶぶか」と「明星食品」のカップ麺が築いてきた功績が大きいのは言うまでもありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 ぶぶか 油そば 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社(製造所固有記号 R) 内容量:163g(めん130g) 商品コード:4902881419437(JANコード) 規格サイズ:縦176mm×横176mm×高さ65mm 発売日:2019年03月25日(月)リニューアル |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:角型ビッグ・大盛カップ焼そばタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:770ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体ソース・マヨネーズ・かやく・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、粉末油脂、しょうゆ、卵粉)、ソース(豚脂、マヨネーズ、しょうゆ、糖類、植物油脂、豚・鶏エキス、食塩、香味油、たん白加水分解物、チャーシューエキス、醸造酢、香辛料、香味調味料)、かやく(チャーシュー、メンマ、ナルト、香辛料、ねぎ、のり)/ 加工デンプン、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、酒精、香料、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、酸味料、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま・りんご(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)※コンタミネーション:本品製造設備では、えび・かにを含む製品を生産しています。原材料の海苔は、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。 |
実食開始
先入れの具材はチャーシュー、ナルト、メンマとなっているのですが、魚粉や卵黄などをトッピングする「まぜそば」とは違い、「油そば」の具材はクラシカルな中華そばに通じるシンプルなラインナップが定番。チャーシューのサイズは小さめですが、適度に脂身のサシが見え、やや大きいナルトが雰囲気を醸しています。
固形具材は特別に量が多いわけでもないのですが、ふりかけの彩りとマヨビーム可能なマヨネーズで賑やかな見た目に仕上がるのも嬉しいですね。ところで外装フィルム(底面)やフタの上に記載されている調理方法、また小袋にもアドバイスはありませんが、液体ソースの中に低温で凝固する動物油脂が含まれているため、 “必ず液体ソースの小袋はフタの上で温めて” ください。
それでは、『ぶぶか』らしいジャンクなテイストと新たに実装された “もっちり極太三層麺” の存在感、また全体のバランスやマヨネーズの有無、ふりかけ投入後の変化に注目しながら「めん」「たれ・マヨネーズ」「かやく・ふりかけ」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(163g)当たり
熱 量:771kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
弾力があって食べ応えのあるもっちり食感の極太麺です。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 ぶぶか 油そば』」)
これまで明星食品の極太麺を使用した「油そば」や「まぜそば」系統の変わり種と比較してもピークに近い弾力の強さで、口当たりとしてはソフトな麺になるのですが、この上なく歯切れが悪い(※全力で褒めています)。むっちりと歯を包んだ後、何度も何度も噛ませてくれる反発性の高い食感。
まるで生麺というよりも油揚げ麺らしい弾力のベクトルになるのですが、歯切れの良さを完全に放棄して粘り気を最大限に叩き上げているような特化型の仕上がり。表面は滑らかな麺肌ですが、適度な縮れも相俟ってタレの絡みは悪くありませんし、ガツン系のタレと存在感の強い麺のバランスも偏ることなく対等です。
麺の量も大盛仕様の130gなので、食べ応えもバッチリ。タレの油脂に加えてマヨネーズという方向性からハンドルの向きはジャンクな路線を一直線ですが、お店の再現カップ麺だからといって油揚げ麺であることがネガティブに作用することはありません。だいぶ重たいですけどw 本店にも “体調の悪い方はご遠慮下さい” という注意書きがありますからね。
たれ・マヨネーズ
焼豚の旨みが溶け込んだ濃厚な醤油だれに、風味豊かなごま油を合わせ、アクセントにラー油を加えました。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 ぶぶか 油そば』」)
豚脂(ラード)や辣油、葱油など、お店のアブラには “7種類の油” をブレンドした “レインボーオイル” と呼ばれる企業秘密のオイルが使用されているのですが、カップ麺のタレでは豚脂を中心とした動物油脂の重厚感が筆頭(※以前に公開されていたレインボーオイルのレシピは「ラード、ラー油、ごま油、ガーリックオイル、オリーブオイル、オニオンオイル、パプリカオイル」でした)。
続いて植物油脂に含まれる胡麻油やガーリックオイル、加えて炒め野菜を彷彿とさせる風味も添加してあり、辣油は控えめですがオイル感は複雑です。油そばらしくアブラギッシュな内容ではあるものの、チャーシューダレを彷彿とさせる濃口醤油ベースのキリッとした醤油の旨味、ほのかな醸造酢の酸味もアクセントに効果的で、しっかりジャンクでも大味ではありません。
お店で人気のトッピングとなっているマヨネーズを加えることで、濃厚感が一層アップします。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 ぶぶか 油そば』」)
マヨネーズは同社の「一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズにも使用されている “マヨビーム・ノズル” 付きの小袋で、中身はプレーンタイプとなっているのですが、タレとの相性バッチリですね。マヨネーズ特有のコクで背徳感はイッキに上昇しますが、同時に麺の熱がマヨの酸味を絶妙にピックアップ。
マヨネーズで大幅にジャンクさが加速すると同時にマヨの酸味とタレの醸造酢が重なって、ぴったりと歯車が噛み合っている、さすが歴史のある落とし所ですね。ぐちゃぐちゃにマヨネーズを混ぜてしまうと抑揚が無くなり味がボヤけてしまうので、まずはタレだけの状態で楽しみ、それから部分的に味を変えるようにトッピングしながら食べるのがオススメの食べ方です。
かやく・ふりかけ
チャーシュー、メンマ、ナルトの組み合わせです。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 ぶぶか 油そば』」)
チャーシューは定価180円のカップ麺に採用されるタイプほどチープな品質ではありませんが、希望小売価格200円オーバーのカップ麺としては可も無く不可も無し。まずいわけじゃないけれど、特別に美味しいわけでもありません。ただ、コリコリと歯ごたえのいいメンマの箸休めは食感の気分転換に嬉しく、大きなナルトもビジュアル効果抜群で、なんと言っても「ふりかけ」のアクセントが絶妙。
ネギ、ローストガーリック、のり、七味唐辛子、黒こしょうを組み合わせました。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 ぶぶか 油そば』」)
七味唐辛子は見た目も体感的にも一味唐辛子で、しかしながら唐辛子の辛さは大したことありませんが、香辛料要素はブラックペッパーがいいですね。タレの油脂に対してブラックペッパーの清涼感が心地よく、ジャンクさを掻き消さない程度にタレのアブラやマヨネーズを程よく引き締めてくれていました。
お店と違って海苔は刻み海苔、ネギも白葱ではなく後入れの小葱ですが、どちらも正解。硬派なタレに対して満遍なく行き渡る海苔の風味は王道のバイプレイヤーで、後入れのネギも主張し過ぎることなく軽やかなステップで風味を彩ります。マヨネーズだけだと後半ちょっと飽きてきそうかも‥‥と思ったタイミングで使用すると再び盛り上がるので、ふりかけは途中で使うのがオススメ。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
実はノーマルの「ぶぶか 油そば」を食べるのは久しぶりでしたが、これはもう完成してますね。やや豚脂が減退し、あまり以前は目立っていなかった炒め野菜の香りの広がり方が印象的だったので、それによりアブラ(油・脂)の組み立て方が複雑になったように感じたのですが、とりあえず食後の背徳感は大丈夫w(※つまりジャンクで重たい)
「ぶぶか」の「油そば」は “あなた色に染まります” というスタンスなので、お店のカスター(卓上調味料)よろしく定番の酢やラー油、こしょう、にんにく、豆板醤などで自分好みにアレンジして食べるのも一興ですが、まずはマヨなしで硬派な濃口醤油のコクとアブラの旨味を、それからマヨを部分的に、最後にふりかけで再燃焼させると最後まで飽きません。麺も過去最高峰の完成度ですし、さすがカップ油そば売上No.1に君臨しているだけのことはある実力派です。