どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年7月3日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「ビャンビャン麺風 汁なし担担麺」の実食レビューです。
シリーズ第3弾は原点回帰!? 超難読漢字で話題の “ビャンビャン” シリーズ最新作は花椒の痺れと唐辛子に辛味、さらに五香粉の香りを効かせた本格派!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ビャンビャン麺風 汁なし担担麺
ビャンビャン麺とは、中国の陝西省(せんせいしょう)を発祥とする郷土料理で、他に類を見ないほど幅の広い麺が最大の特徴。小麦粉に水や食塩を加えて生地を作り、茹でる直前に両手で伸ばしながら台に叩き付け、最後は麺の中央部を割いてループ状にする、その特殊な技法を駆使した作り方と “1文字あたり57画の激ムズ漢字” がSNSでも注目され、じわじわとブームを巻き起こしています。
今回の新商品「ビャンビャン麺風 汁なし担担麺」は、サッポロ一番ことサンヨー食品が実現した “カップめん史上最大級幅広麺” を特徴とする「ビャンビャン麺風」シリーズの最新作で、2022年4月11日発売品「西安式旨辛麺」及び2023年1月9日発売品「辛口麻辣湯麺」に続く第3弾。今度は “花椒・唐辛子・五香粉を効かせた汁なし担担麺” ということで、すでに勝ち確の雰囲気を漂わせているのですが‥‥
実食の前に、まずは冒頭で “シリーズ第3弾は原点回帰!?” と触れたことについて解説しておきます。前述のように「ビャンビャン麺風」としてのシリーズ第1弾は汁なしの「西安式旨辛麺」で、西安はビャンビャン麺の発祥地とされる陝西省の省都。三蔵法師(玄奘)ゆかりの大雁塔に、兵馬俑や始皇帝陵、安遠門、西安城壁、華清池など、中国きっての観光スポットとしても知られる場所です。
そんな西安の名物に「油潑扯麵(ヨウポー・チョーミエン)」という食べ物があり、サクッと概要を説明すると、茹で上げた麺の上に唐辛子や刻み葱をトッピングして、熱したピーナッツ油をかけて食べる麺料理なのですが、その主役を担うのがビャンビャン麺。ほかにもトマトと鶏卵の炒め物(西紅柿炒鶏蛋)をトッピングしたスタイルなど、ビャンビャン麺の味付けや食べ方は一つではありません。
多様性についてはサンヨー食品の「ビャンビャン麺風」も例に漏れず、待望のシリーズ第2弾「辛口麻辣湯麺」ではスープありのカップラーメンに切り替え、新たな可能性を模索していたのですが、冒頭で触れた “原点回帰” の『原点』は現在を遡ること4年半以上、2018年(平成30年)12月10日の話。
直近だと「サッポロ一番 みそラーメン 四川火鍋風 タテビッグ」(2022年11月14日発売品)でもコラボしていた、菰田欣也(こもだ きんや)シェフ監修による「ファイヤーホール4000 四川汁なし担担麺」を発売していたサンヨー食品。後者の製品に使われていた特製幅広麺(当時、特許出願中)こそ「ビャンビャン麺風」の『原点』なので、それが “シリーズ第3弾は原点回帰” と紐付けた理由です。
サンヨー食品の公式ウェブサイト内にある「ビャンビャン麺風 汁なし担担麺」の製品情報には、味付けについて “ねりごまのコクにポークのうまみを加え、花椒のしびれる辛みと唐辛子のスパイシーな辛みを合わせました。五香粉の香り豊かな担担麺だれです。” と記載されていることから、四川(しせん)風の文字はないけれど、解説を見る限り四川の担担麺を意識していることは間違いありません。
唐辛子とは‥‥などという解説は不要かと思いますが、その辛味に花椒(ホワジャオ)の刺激を組み合わせた麻辣(マーラー)は四川料理に欠かせない要素。五香粉(ウーシャンフェン)は、花椒・クローブ・シナモンの3種に、陳皮・フェンネル・スターアニス(八角)のうち2種を組み合わせた混合スパイスの総称なので、麻辣についてはもちろん、五香粉の効かせ方にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「特製調味だれ」と「特製スープ」の計3種。そういえばシリーズ第1弾(汁なし)、シリーズ第2弾(汁あり)も3袋構成でした。とりあえず特製調味だれに練り胡麻、特製スープに唐辛子・花椒・五香粉が充填されていると思うので、それぞれの効果に期待したいところ。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、あいかわらず強烈なオーラを放っているのですがw この幅を実現しながらも湯戻し時間は4分間。パッケージには史上最大級幅広麺(当社カップめん史上)とありますが、前回・前々回と比べて極端に幅が広くなったような印象は受けません。ただ、今回も凄まじいインパクトですね‥‥ちょっと怖いw
メーカー希望小売価格は276円(税別)に設定されているため、たとえばコンビニで購入した場合の税込価格は298.08円になりますが、スーパーやドラッグストアなども販売店に含まれています。私が購入した田舎のローカルスーパーでは税込224円だったので、ちょっと安すぎるような気もしますけどw ひとまずコンビニ以外での販売価格は250円前後が相場になると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ビャンビャン麺風 汁なし担担麺 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4901734050445(JAN) |
発売日:2023年07月03日(月) 実食日:2023年07月08日(土) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:276円(税別) 購入価格:224円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:580ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(特製調味だれ・特製スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物油脂、粉末卵、植物性たん白、大豆食物繊維)、たれ(豚脂、植物油脂、ねりごま、糖類、しょうゆ、食塩、デキストリン、香辛料、みそ、ポークエキス、ポーク調味料、たん白加水分解物、ガーリックペースト、粉末醸造酢、発酵調味料)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、唐辛子)/ 調味料(アミノ酸等)、香料、酒精、乳化剤、かんすい、パプリカ色素、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、鶏・豚味付肉そぼろ、ネギ、輪切り唐辛子とシンプルなラインナップ。途中で画像のキャプションにも入れたように「サッポロ一番 ファイヤーホール4000 菰田欣也シェフ監修 四川汁なし担担麺」(2018年12月10日発売品)と共通する内容なので、そのブラッシュアップ版といったイメージが拭えないのですが‥‥
かやくを麺の上に空け、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「特製調味だれ」を温めながら待つこと4分。時間になったら湯切り口から湯を捨て、フタを剥がし「特製調味だれ」を馴染ませてから「特製スープ(粉末)」の順に混ぜ合わせて出来上がり。具材はショボいといわざるを得ないけれど、あいかわらずノンフライ麺の存在感が化け物じみてて凄いw
ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、超幅広麺の仕上がりはもちろん、辛味や痺れの強さにも注目しつつ「めん」「たれ・スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:458kcal たん白質:12.2g 脂 質:19.2g 炭水化物:59.2g 食塩相当量:4.0g ビタミンB1:0.34mg ビタミンB2:0.33mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
文句の付け所が見当たりません
もしかすると微妙に配合を調整している可能性もありますが、ひとまず「小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物油脂、粉末卵、植物性たん白、大豆食物繊維」という原材料名の構成は第1弾「西安式旨辛麺」及び第2弾「辛口麻辣湯麺」とも完全に一致する内容で、この幅広麺が持つ魅力を最大限に引き出す食べ方は、やはり “汁なし” が最も適していると再認識。
というのも「汁あり」だった前回(第2弾)は、前々回(第1弾)の「汁なし」と比較して驚くほどに伸びやすく、もっちりとした粘りのある食感が楽しめたのは最初だけ。またサンヨー食品の “史上最大級幅広麺は他のノンフライ麺と比較して明らかに長く切り出されている” こともあり、ラーメンスタイルだと啜りにくさにもネックを感じました。
しかし、湯切り調理だと時間の経過による食感の劣化は圧倒的に控えめで、麺の長さもネガティブではありません。また特有のピロピロとした口当たりに、もっちりとした粘りも然る事乍ら、シリーズ中もっとも小麦の甘さを顕著に感じたので、そこも印象に残りました。それに湯切り時に出る戻し湯が他の商品と比較して少なく、こんなに入ってた!? ってくらい麺が膨れ上がるのも特徴です。お得感w
たれ・スープ
超幅広麺の魅力を引き立てる
まずは「調味だれ」単体の味を確認してみたところ、ふわっとオイルから花椒の清涼感が漂ってくるのですが、この時点での痺れは皆無に等しく、あくまでも香りだけ。豚脂の厚みと練り胡麻のコクを中心に、醤油と味噌で味を調えている、まったりとした日本人向けの味付けから、刺激よりも比較的に甘さのほうが目立ちます。
続けて「特製スープ」を加えると、花椒の痺れ(麻味)や唐辛子の辛さ(辣味)だけでなく、五香粉のエキゾチックなスパイス感が相俟って、やや人を選ぶテイストではあるものの、それだけに本格的。甘さについては糖類によるところが大きいけれど、その甘さが中毒性を高めてくれるだけでなく、ノンフライ麺の小麦粉と共鳴することで、その甘さを増幅するような効果を発揮するのも見どころ。
そんな甘さと対比を描く、粉末醸造酢のアクセントもワザありで、まったりとした部分をクドいと思わせない絶妙なバランス感。唐辛子の辛さレベルはピリ辛の枠を出ることなく、しかしながら花椒の痺れは中辛くらいに達しているため、それが苦手な方は少し構える必要ありですけど、かなり中毒性の高い味付けでした。個人的に五香粉の主張も適切に思えましたけど、気になる方は注意してください。
かやく
前述の出来栄えを思えば
鶏・豚味付肉そぼろは、他の商品にも頻繁に使われているジャンクな肉具材で、高級感など皆無。ネギもランニングコストが低い熱風乾燥ですし、輪切りの赤唐辛子も飾り程度の存在感で、そもそも量が少ないw ——なんですけど、ノンフライ麺のクオリティが凄まじく、また味付けの完成度も高いため、そんなに気にならなかったです。そういえば、第1弾の「かやく」も同じ内容でしたね。
総評
というわけで、具材に対する高級感とボリュームに関しては、これまでと同様に期待してはいけません。しかし、それと引き換えに打ち出された「史上最大級幅広麺」の個性は凄まじく、添付調味料もノンフライ麺との親和性が高い味付けで、今回は “汁なし” に戻ったこともあり、その魅力を存分に楽しむことができました。
花椒は唐辛子よりも人を選ぶ香辛料なので、それが受け入れ難い方にはオススメできない一杯になりますが、そうでなければ絶対に試す価値あり。前回・前々回が好印象だった方はもちろん、ビャンビャン麺風ってなんぞや? という方も、これを機に試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】