どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月9日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「ビャンビャン麺風 辛口麻辣湯麺」の実食レビューです。
サンヨー食品の即席カップめん史上 “最大級幅広麺” を搭載した「ビャンビャン麺風」ファン待望の第2弾はスープありのラーメンスタイル!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ビャンビャン麺風 辛口麻辣湯麺
ビャンビャン麺とは、中国の陝西省(せんせいしょう)に伝わる郷土料理で、独特の技法で作られる唯一無二の幅広い手打ち麺が最大の特徴。小麦粉に水と食塩を加えて生地を作り、茹でる直前に両手で伸ばしながら台に叩き付け、最後に麺の中央部を割いてループ状にする、その特殊な製法と超難読漢字が注目され、日本では蘭州牛肉麺に継ぐ密かなブームを巻き起こしています。
今回の新商品「ビャンビャン麺風 辛口麻辣湯麺(マーラータンメン)」は、つるみと粘りのある超幅広ノンフライ麺に、香辛料の辛味を特徴とするスープを合わせた一杯で、2022年4月11日発売の「西安式旨辛麺」に続く “ビャンビャン麺風” の第2弾。前回は油潑扯麵(ヨウポーチャーミエン)をモチーフにした汁なしカップ麺でしたが、今度はスープありということで、がらっと印象が変わりそうな予感。
ビャンビャン麺とは‥‥という解説は「ビャンビャン麺風 西安式旨辛麺」のレビューと重複するため、詳しく省略しますが、ビャンビャン麺風の第1弾を飾った「西安式旨辛麺」は当ブログで超絶高評価の★7.5を叩き出した実力の持ち主。なかでもサンヨー食品の即席カップめん史上 “最大級幅広麺” の仕上がりが素晴らしく、ネット上でも話題になっていました。
しかし、素晴らしかったのは史上最大級幅広麺(特製ノンフライ麺)だけではありません。その魅力を最大限に引き出す味付けも見どころが多く、醤油・葱油・黒酢を柱に立てた特製調味だれ(液体)の味わいも然る事乍ら、花椒の清涼感と粉末醸造酢の酸味を特徴とする特製スープ(粉末)も本格さの底上げに寄与しており、日本人向けの優等生なタイプでありながらも本格的な味わいを実現。
かやくは少量かつ個性も薄いラインナップだったので、あまり印象に残っていませんが、それも気にならなくなるほど史上最大級幅広麺のインパクトが強く、昨年末に公開したカップ麺ランキング【汁なし篇】で第1位に選定しようか最後まで悩みに悩んだ傑作でした(最終的には第2位にランクイン)。
というわけで、その続編となる「辛口麻辣湯麺」にも大きな期待を寄せているのですが、第2弾のコンセプトは “辛口麻辣” の文字通り辛さに振ったスタイル。念のため「麻辣」とは、第4次激辛ブームの到来に合わせて爆発的な人気を博した花椒(ホワジャオ)と唐辛子の組み合わせによるシビ辛系の味わいで、なかでも四川料理には欠かせない要素。
即席カップめん業界における麻辣ブームは、外食産業や食品業界における “トレンド味覚” として麻辣に注目が集まった2018年を皮切りに、2019年・2020年と痺れを強烈に効かせたフレーバーが急激な盛り上がりを見せ、2021年から現在にかけて落ち着いたように感じているのですが、今でも一部では根強く支持されているジャンルの一つ。
「ビャンビャン麺風 辛口麻辣湯麺」において辛さの度合いを想像させるポイントは、商品名にもなっている “辛口” という部分だけので、花椒の痺れと唐辛子の辛さレベルは実際に食べてみるまで分かりませんが、超絶高評価を叩き出した「西安式旨辛麺」と製品スタイル(汁なし・汁あり)も大きく違うため仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「特製スープ」と「液体スープ」の計3種。調理方法や小袋にも記載されているのですが、特製スープと液体スープを先に入れてしまった場合、麺が適切に戻らなくなってしまう危険性があるため、かならず食べる直前に加えてください。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、調理前から圧倒的な迫力ですよ‥‥すごい。カップラーメンにおける麺重量の平均は汁なしカップ麺よりも軽いため、第1弾(めん70g)よりも少ない65gとなっているのですが、レギュラーサイズのカップラーメンでは標準的ないし多めの量(なんだったら大盛り基準の手前)になります。ただ、ひとつ見逃せないのがメーカー希望小売価格の設定。
2022年6月1日(水)出荷分からの価格改定により、サンヨー食品は自社の袋麺・カップ麺・ミニカップにおけるメーカー希望小売価格を約10~12%アップさせているため、倍率だけ見ると良心的に思えなくもない変更なのですが、前回の希望小売価格は270円(税別)だったところ、20円(7.5%アップ)の290円(税別)に値上がりしていました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ビャンビャン麺風 辛口麻辣湯麺 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場(A) 内容量:110g(めん65g) 商品コード:4901734048992(JAN) |
発売日:2023年01月09日(月) 実食日:2023年01月11日(水) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:290円(税別) 購入価格:313円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(特製スープ・液体スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物油脂、粉末卵、植物性たん白、大豆食物繊維)、スープ(植物油脂、しょうゆ、糖類、食塩、醸造酢、たん白加水分解物、香味油、香辛料、チキン調味料、デキストリン、粉末醸造酢、酵母エキス、発酵調味料)、かやく(キャベツ、チンゲン菜、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、唐辛子)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、香料、カラメル色素、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、香辛料抽出物、パプリカ色素、レシチン、酸味料、かんすい、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、ラインナップはキャベツ、チンゲン菜、肉そぼろ、ねぎ、輪切り唐辛子の組み合わせとなっており、前回の「西安式旨辛麺」よりもボリュームアップ。大口径の容器を使用しているため、上記の画像では伝わりにくいのですが、けっこう具沢山ですよ。
あとは内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと4分。時間になったら「特製スープ」と「液体スープ」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。でもって膨張率の関係でしょうか‥‥ちゃんと内側の線を守って熱湯を入れたのに容器の内部を麺が圧迫しているような状況で、大盛りサイズのカップ麺を前にしているような感覚に。コレほんとに表示通りの麺量ですかね?w
ちなみに製造所は太平食品工業の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き痺れと辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(110g)あたり |
カロリー:399kcal たん白質:11.3g 脂 質:13.0g 炭水化物:59.1g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.1g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.38mg ビタミンB2:0.34mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:399kcal(めん・かやく:282kcal)(スープ:117kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
たぶん「西安式旨辛麺」と同じ特製ノンフライ麺
業界きっての広さを誇る麺幅に、ランダムな縮れの加減など、汁なしの「西安式旨辛麺」と共通するポイントは多く、実際の質感も然り。そこまで厚みのないピロピロとした形状にもかかわらず、もっちりとした粘りのある食感が楽しめる弾力の持ち主で、他に類を見ない不規則な口当たりも然る事乍ら、1本あたりの長さも注目すべき見どころ。
上記の画像では伝わりにくいかもしれませんが、1本あたりの長さは1mないし個体によっては1m以上に切り出されているため、これもビャンビャン麺の再現度を高めているポイント。おかげで猫舌の私は苦労することになったのですがw それはさておき前回の「西安式旨辛麺」と同じノンフライ麺である、という認識で問題ありません。
——それだけに、スープあり専用の仕様に変えなかったからこそのネックもあって、もっとも気になったのが伸びやすさ。もっちりとした粘りのある食感が楽しめる、というのは食べ始めの印象で、即席カップ麺の平均を遥かに上回る長さの麺は汁ありだと食べにくいデメリットがあり、このノンフライ麺が持つ魅力を最大限に引き出せていない側面も感じました。
スープ
日本式だけど硬派な路線
まずは特製スープ(粉末)単体の味を確認してみたところ、ここに花椒や唐辛子が入っているのかと思いきや、使用していたとしても少量で、あまり刺激的な要素は感じません。それよりもジャンクな旨み成分を中心としているため、本格志向の特製ノンフライ麺とは裏腹に、ずいぶんとジャンクなアイテムです。しかし、液体スープを加えると一変。
日本の醤油をベースにしているため、本場(四川)に忠実ではなく日本式に分類されますが、黒酢の酸味に、葱油を彷彿とさせる芳ばしさなど、味わいとしては本格的。また唐辛子の辛さはピリ辛もとい中辛以上、辛い食べ物が苦手な方にとっては辛口の領域で、花椒の痺れも同等に位置している、なかなか硬派に刺激的。
激痺・激辛クラスではないけれど、ピリ辛以上が苦手な方は油断してはいけません。ただ、それだけに「辛口麻辣湯」という表現から想像されるイメージを裏切らない、日本式でありながらも雰囲気を感じるテイストでした。
かやく
量は充分
パッケージサイズがφ180×78(mm)の大判どんぶり型カップを使用しているため、具材のボリュームが伝わりにくいのですが、そこそこキャベツの量は多く、チンゲン菜の風味も辛口麻辣スープにベストマッチ。ネギに特筆すべき個性はないけれど、けっこう強めの歯触りから、意外にも埋没することはありません。
鶏・豚味付肉そぼろと輪切り唐辛子は「西安式旨辛麺」にも使われていたトッピングで、なかでも前者はジャンクなタイプの肉具材になりますが、そのジャンクさが蛇足ではなくワイルドさを上げることに寄与している、いい取り合わせだと感じました。でも、値段が値段なので、もうちょっと特別なトッピングが欲しかったのも本音です。
総評
かくして「西安式旨辛麺」の “史上最大級幅広麺” は忠実に継承しつつ、今度は深みのある麻辣スープを合わせ、がらっと雰囲気を変えてきた「辛口麻辣湯麺」だったのですが、例の “史上最大級幅広麺” を忠実に受け継いでしまったからこそ伸びやすさが目立ち、それも規格外の長さからスープありでは啜り心地の悪さが気になるなど、改善点が無きにしも非ず。
強烈な麺の個性とスープの味わい深さを加味した結果、総評は上記のように定めましたけど、やはり唯一無二の “史上最大級幅広麺” を最大限に活かせるのは汁なしカップ麺だと思うので、引き続きカップラーメンも展開するのであれば汁あり専用の幅広麺を開発する、あるいは暫く汁あり特化で地盤を固めるのがベストかもしれません【author・taka :a(大石敬之)】