どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年2月26日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 ばり嗎(ばりうま)監修 豚骨醤油らーめん」(306円+税)の実食レビューです。
広島発の新・和歌山らーめん専門店!? 地元で愛される推しチェーン第1弾は最強トロ炊き「とんこつ鶏ガラ醤油 ばり馬」監修のカップラーメン!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ばり嗎監修 豚骨醤油らーめん
ばり嗎(ばりうま)とは、2003年(平成15年)5月にオープンした1号店「新・和歌山らーめん ばり馬 長束店」(現在閉店)を皮切りに、2024年現在は広島を中心に国内26店舗、さらに海外は南東アジアを中心に28店舗を展開している人気チェーンで、運営母体は株式会社ウィズリンク。
発祥の地は広島県広島市安佐南区ですが、提供しているラーメンのルーツは和歌山にあり、独自の進化を重ねた “最強トロ炊きとんこつ鶏ガラ醤油らーめん” を標榜しています。
そんな「ばり嗎」自慢の味わいをカップラーメンにアレンジしたのが本商品「ばり嗎監修 豚骨醤油らーめん」で、販売者は東京都渋谷区に本社を構える明星食品。地元で愛される人気ローカルチェーン店とコラボし、懐かしい味わいや憧れの地方飯をお届けする、新シリーズ「地元で愛される推しチェーン」第1弾として商品化されました。
カップラーメンのモデルになっている「ばり嗎」店舗の「豚骨醤油」は、創業の味を掲げる伝統的な一杯で、豚の背骨やゲンコツ(ひざ関節)を中心に、もみじ(鶏の足)や鶏ガラ、香味野菜など、いくつもの食材をブレンドし、特製の大釜で煮込み続けること8時間以上。素材本来の旨みを極限まで引き出した、最強の豚骨スープを自負しており、しかしながら特有のクセは控えめとの評判。
ちなみに “最強トロ炊き” という表現は、口の中で蕩(とろ)けるようなテクスチャーに由来し、老若男女に推される味わいを突き詰め、国内外あわせて54店舗を展開するまでに至りました。
そんな「ばり嗎」監修によるカップラーメンのパッケージを見ると、わかりやすく “推し” の文字が強調されていたり、背景にボルテージ高めのオーディエンスを配置していたり、アイドルや人気ロックバンドのライブ会場を彷彿とさせるデザイン。最近だと東洋水産(マルちゃん)も「推しの一杯」を発足させましたけど、即席カップめん業界にも “推し” ブームが反映されるとは、末恐ろしいまでの適応能力です。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」と「粉末スープ」に、後入れ「液体スープ」の合計3パック。明星食品のニュースリリースを読んでみると、スープの特徴について “豚と鶏の旨みがあふれる濃厚な豚骨醤油スープ。” としか記載されていませんが、最強トロ炊きを演出するための成分をスープに配合している可能性が高いので、調理の際に注意したいポイント。
麺は熱された揚げ油を通過したフライ麺ではなく、熱風を当てて乾燥させられたノンフライ麺で、湯戻し時間は3分と標準的。実店舗で提供されているスープは、工場で一括生産〜急速冷凍後、各店舗に届ける手法を取っているようですが、麺はフランチャイズ(FC)加盟店も含め “全店に製麺室を設置” し、他のフランチャイズにはない完全自家製麺を導入しているというから驚きです。
ちなみに「明星 ばり嗎監修 豚骨醤油らーめん」のメーカー希望小売価格は306円(税別)ということで、直近にレビューした商品を例に挙げると、明星食品とは親子関係にある日清食品の新作「日清ラ王 うにクリ」と同等の値段。コンビニで購入した場合の税込価格は330円、つまりカップラーメンとしてはミドルレンジクラスの商品なので、それも踏まえて評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 ばり嗎監修 豚骨醤油らーめん 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:106g(めん65g) 商品コード:4902881456852(JAN) |
発売日:2024年02月26日(月) 実食日:2024年03月05日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:306円(税別) 購入価格:330円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、植物油脂、食塩、卵粉、植物性たん白、しょうゆ)、スープ(しょうゆ、豚・鶏エキス、豚脂、糖類、香味調味料、油脂加工品、食塩、香辛料(ガーリック、ジンジャー、ペッパー)、ポーク調味料、乳等を主要原料とする食品、とろみ粉末(でん粉、デキストリン、植物油脂)、たん白加水分解物、酵母エキス、粉末油脂、植物油脂)、かやく(チャーシュー、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、香料、酒精、かんすい、炭酸カルシウム、増粘剤(キサンタンガム)、乳化剤、卵殻カルシウム、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・いか・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・くるみを含む製品を生産しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」と「粉末スープ」も先入れ指定なので、とろみ成分を後者に仕込んでいる可能性大。容器側面の調理方法には記載されていませんが、念のため “ゆっくりと粉末スープを溶かしながら” 熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待つこと3分。
時間になったら粉末スープを完全に溶かし、それから「液体スープ」を加え、再度よく混ぜ合わせたら出来上がり。和歌山の豚骨醤油ラーメンを象徴する “花形かまぼこ” は入っていませんが、モデルになっている「ばり嗎」のラーメンにも花形かまぼこはトッピングされていないため、それを尊重した様子。
希望小売価格が306円(税別)のカップラーメンにしては特徴のないビジュアルなので、見た目の華やかさに欠ける部分は否めませんが、それと同時に独特のオーラを放っており、湯気は豚骨の芳醇さと醤油のエッジも印象的な調理直後。はたして値段相応の満足感が得られるのかどうか、引き続きコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(106g)あたり |
カロリー:367kcal たん白質:11.0g 脂 質:9.1g 炭水化物:60.2g 食塩相当量:7.0g (めん・かやく:1.8g) (スープ:5.2g) ビタミンB1:0.65mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:289mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:367kcal(めん・かやく:273kcal)(スープ:94kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
明星が自社の強みを遺憾無く発揮してきた件
実際の「豚骨醤油」に合わせられている麺は、前述のように各店の製麺室で作られる自家製麺で、加水率は低く、形状は細めのストレート。それを模したノンフライ麺の縮れも弱く、加水率も低めの設定で、食感は粘りの強さよりも歯切れの良さが特徴的なタイプになりますが、ひとくち目に驚いたのが小麦の香り。
啜り上げた途端、低加水麺ならではの小麦感が薫風のように抜け、じんわりと味蕾に甘さを残す、想像以上にリアルな小麦感にビックリ。ガチの生麺と比較した場合、もちろんノンフライ麺の限界を感じる部分もありますけど、食べ始めは表面に適度な粘りを備え、しかしながら噛み込むと中心部は適度な硬さ。
もともと明星食品は熱湯60秒のバリカタ麺を得意としているように、その技術力を覗かせる品質で、加水率を一般的な中華麺(30~35%)よりも下げながら、最後までダレないところも高く評価すべきポイント。後述するスープとの相性も申し分なく、その魅力を邪魔せずに伝えながらも埋没しない、とても素晴らしいノンフライ麺でした。
スープ
けっこう硬派に和歌山ラーメンだった
まずは「粉末スープ」単体の味を確認してみたところ、やはり粘度を高める成分が含まれていたのですが、ドロドロぽってり系ほど強烈なテクスチャーではありません。たしかに口の中にトロッとした感覚を伝えてくるけれど、丁寧にした処理した豚骨を長時間じっくりと炊き出したような、そんなベクトルの口当たり。
醤油については頼りないといわざるを得ないけれど、あちこちに骨っぽい風味が浸透しているため、それが全体の炊き出し感を高めることに大きく寄与しています。
続けて「液体スープ」を加えると、濃口しょうゆ特有の鋭いキレ味により、けっこうワイルドな面持ちに変化するのですが、同時に豚骨のコクも深まって、それらが喧嘩することなく和やかに共存しているイメージ。鶏の主張はサポート的ですが、しっかり骨の魅力を打ち出しつつ、一般的にネガティブとされるクセは控えめで、きちんと濃厚なテイストから、とろみの加減も不自然ではありませんでした。
かやく
シンプルだけどネガティブじゃない
丸型のチャーシューは、お世辞にも値段相応のクオリティとは評価できない品質で、サイズも大きくありません。ただ、加工肉特有の雑味は比較的に弱く、メンマはリアルな食感で、後者については特有の発酵感がスープにフィット。
ネギもフリーズドライだったので、熱風乾燥ならではのジャキジャキした繊維質が気になることもなく、麺とスープの満足度が高かったこともあり、あえてのシンプルさというか、いい意味で具材については気にならなかったです。
総評
広島に本部を構える「ばり嗎(とんこつ鶏ガラ醤油 ばり馬)」監修から始まった「地元で愛される推しチェーン」ですが、ご当地のカテゴリー的には和歌山で、なんかちょっと不思議な感じですけどw 和歌山ラーメンを模した商品としては、しっかり手堅く硬派な味わい。コンビニで購入した場合の税込価格は330円になりますけど、まったく損ではありません。
かくして好調なスタートを切った新シリーズ、そのテーマは「ご当地」や「ご当店」とは一線を画す “地元で愛されるチェーン店とのコラボレーション” ということで、いわゆる個人店は対象外という切り口も新しく、第2弾・第3弾のピックアップが早くも楽しみになりました【author・taka :a(大石敬之)】