どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年12月7日(月)新発売、ウエルシアグループ限定のカップ麺「黒潮拉麺監修 ばかほど背油黒醤油ラーメン」(328円+税)の実食レビューです。
店長の夢をバイトとヤマダイ(ニュータッチ)が実現!? 濃口醤油×豚骨魚介の神懸かり的なバランスを叶えた “中毒系カップラーメン„ 爆誕!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ばかほど背油黒醤油ラーメン
黒潮拉麺(くろしおらーめん)とは “このラーメン、中毒性あり„ をキャッチコピーに、千葉県館山市で人気を博しているラーメン店で、2021年(令和3年)11月20日にオープンするや否や『ラーメンWalkerグランプリ千葉2022 新店3位』及び『ラーメンWalkerグランプリ千葉 2024銅賞』に選出された館山きっての実力店。

このページでレビューする「ばかほど背脂黒醤油ラーメン」は、人気動画クリエイターのトミーさん(水溜りボンド)と深い縁を持つ「黒潮拉麺」監修のカップラーメンで、ニュータッチのブランドで知られるヤマダイと共同開発。販売店は全国のウエルシアグループ店舗が対象で、パッケージには「黒潮拉麺」の店主・西巻剛さんとトミーさんの姿がデザインされているのですが、なぜトミーさんの肩書きは “バイト„ なのか——。
ファンの間では周知のことかと思いますが、その発端は2021年(令和3年)6月に発表された『水溜りボンド』の活動休止まで遡り、自粛期間中に精神を消耗していたトミーさんに西巻店主が「日差しを浴びなさい」「外で働きなさい」「新しい店舗(黒潮拉麺)を館山に作って再出発するから一緒に働かないか」と声を掛け、西巻店主とその妻・実穂さん(現女将)のもとで実際にトミーさんが働いていた——というのが “バイト„ たる所以。
その体験がYouTubeの活動再開に深く関わっていたことから、復帰後も「黒潮拉麺」に関するショート動画などを多数投稿。すこしでも恩返しになればと活動を続ける中、ウエルシア側からトミーさんに “カップラーメンを作らないか„ と打診があり、今回の「ばかほど背油黒醤油ラーメン」を開発するに至ったようですが、トミーさん曰く「トミー要素とか一切入れてない」とのこと。
開発秘話などの詳細はトミーさんの個人チャンネル『とみビデオ』の動画(上記『人生最大の報告があります。』)に収まっているため割愛しますが、冒頭で “店長の夢をバイトとヤマダイが実現„ と触れたように、店長の叶えたい夢がカップラーメンを作ることだった、それを叶えるためにウエルシアの話を受けたトミーさんが「黒潮拉麺」の再現を希望して共同開発に取り組んだ——というのが大まかな流れ。
ただ、上記の動画では「黒潮拉麺」のルーツまで語られていないので、そちらを少し。
「黒潮拉麺」の歴史を遡ると、2014年(平成26年)11月1日のオープンから間髪を容れず、ラーメンフリークが殺到したことで話題になった東京都北区志茂の人気店「noodle kitchen ミライゑ(ぬーどるきっちん みらいえ)」にルーツを持ち、2017年(平成29年)6月末に閉店後、同年9月1日に「Noodle Stand Tokyo(ヌードルスタンドトーキョー)」の屋号でナポレ原宿ビルB1Fに移転オープン。
その後、ヌードルスタンドは “ヌースタ„ の愛称で人気を博し、2020年(令和2年)9月11日に渋谷区神宮前の施設「JINGUMAE COMICHI(ジングウマエコミチ)」に移転(※)。その翌年(令和3年)11月20日に “ヌースタの2号店„ としてオープンしたのが国道128号線沿いの「黒潮拉麺(QUROSHIO RAMEN)」で、西巻剛さん・実穂さんも館山市に移住し、2024年(令和6年)6月6日から現店舗(那古船形)で営業しています。
※2023年3月26日の最終営業をもって閉店。

さて、カップラーメンのモデルになった「黒潮ラーメン」は、竹岡式ラーメンの決め手として知られる富津の宮醤油をベースにしたタレに、豚・鶏・魚介をブレンドしたスープと背脂の甘さ、そこに解けるほど柔らかい極厚チャーシューと浅草開化楼の特注麺を合わせた一杯。
その味わいをイメージした「ばかほど背脂黒醤油ラーメン」の再現度は、実際に店舗で働いていたトミーさんのお墨付き。店長に至っては該当の動画内で「お店より美味しいです」と絶賛していらっしゃったので、カップ麺研究家の肩書を持つ私・taka :a 心して参ります。
開封

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2パックに、後入れ「液体スープ」の組み合わせで、オレンジの小袋には味付豚肉(チャーシュー)のみ、緑の小袋には背脂加工品・メンマ・モヤシ・ねぎを充填。液体スープの小袋もズッシリと重たいので、醤油の臨場感と液体背脂の量にも期待できそうな雰囲気。

パッケージに凄麺(すごめん)のロゴは印刷されていませんが、ヤマダイの製造するノンフライ麺ということで、同社の独自製法「凄麺ノンライ製法」(特許第3394937号)による乾燥麺とみて間違いありません。表面にオブラート状の物質が付着していますが、これは「凄麺」と同じく麺をほぐれやすくするための工夫(成分は大豆由来の食物繊維)なので、心配しなくても大丈夫。
前述のように販売店は全国のウエルシアグループ各店舗、さらに同グループの通販サイト(ウエルシアドットコム)でも取り扱われているのですが、1食あたりの販売価格は328円(税込354.24円)。ちなみに「凄麺」各商品の販売価格は、コンビニで購入しても1食あたり税込300円が基本なので、それよりも高価な立ち位置にあることを念頭に置いてレビューします。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:黒潮拉麺監修 ばかほど背油黒醤油ラーメン 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:茨城県結城郡八千代町平塚4828 内容量:117g(めん60g) 商品コード:4903088018492(JAN) |
| 発売日:2025年12月07日(月) 実食日:2025年12月10日(水) 発売地域:全国(ウエルシアグループ限定) 取得店舗:コクミン 小売価格:328円(税別) 購入価格:354円(税込) |
| 麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、大豆食物繊維)、スープ(動物油脂、しょうゆ、食塩、糖類、ポークエキス、ニンニクペースト、さば節エキス、煮干粉末)、かやく(味付豚肉、背脂加工品、メンマ、モヤシ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酒精、かんすい、増粘剤(キサンタン)、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、(一部に小麦・さば・大豆・豚肉を含む) |
実食開始

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、開発中の映像(とみビデオ)ではレトルトタイプのチャーシューを入れる案もあがっていましたが、今回は乾燥具材で統一されています。ヤマダイはレトルトタイプの大粒背脂(「凄麺 尾道中華そば」に使用)も保有しているため、タイトルに “ばかほど背脂„ を冠するのであれば、それを入れてほしかった気持ちが無きにしも‥‥いや、お店の背脂そんなに大きくないのか?

などと思いながら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら “添付調味料を入れる前に麺をほぐし„ 温めておいた「液体スープ」を入れ、よく混ぜ合わせたら出来上がり。大粒背脂こそ入っていませんが、背脂特有の芳ばしさは明確です。ただ、パッと見の雰囲気は「凄麺 京都背脂醤油味」の延長線上に位置しているようなビジュアル。
まやコスパ重視の商品でないことは重々理解しておりますけど、前述した販売価格の件もありますので、値段との兼ね合いや「黒潮拉麺」監修ならではのオリジナリティに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(117g)あたり |
| カロリー:421kcal たん白質:9.8g 脂 質:17.9g 炭水化物:55.2g 食塩相当量:7.0g (めん・かやく:1.4g) (スープ:5.6g) |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん


おそらく凄麺の京都(背脂醤油味)と同じ
湯戻し直後、ヤマダイのノンフライ麺にしては珍しく若干のほぐれにくさを感じたのですが、あくまでもヤマダイの技術力を基準にしての話。ほぐれにくさに関してはストレスを覚えるほどではなく、熱湯5分きちんと守れば戻りムラも目立たない、安心と信頼の “凄麺クオリティ„ が如実に体験できる品質の高さ。

湯戻し時間は長めのわりに細めの切り出しですが、加水率(小麦粉に対する水分の割合)は比較的に低めの設定で、食べ始めからグルテンの粘りよりもプリっとした歯切れの良さが際立つタイプ。また表面のなめらかな質感から、ウエルシアが公開しているニュースリリースの “歯切れとなめらかさを兼ね備えたノンフライ中細ストレート麺„ という説明通りの質感です。ただ、新開発ではない様子。
たまたま数日前に別件で実食した「凄麺 京都背脂醤油味」と酷似した組織だったので、それと同じノンフライ麺を流用している可能性大。そのため前述の販売価格を思うと‥‥みたいな部分はありますけど、けっしてクオリティが低いわけではなく、上品かつ芳醇に整った小麦感も含め、後述するスープとの相性に問題を感じることもありませんでした。
スープ


背脂と醤油も強いのにバランス型
ためしに “かやくを入れない„ パターンでも調理してみたところ、別添の「液体スープ」に含まれている背脂の粒は多く、多めの動物油脂から放たれる芳ばしさも印象的。一方で醤油のアプローチは意外と常識的というか、それについては筆者の宮醤油に対するイメージのバイアスもありますけど、しっかり濃いめなのに攻撃性は控えめで、見た目のわりにバランス重視のフレームワーク。
タレには再仕込み醤油と超特選濃口醤油を使用しているため、それなりの厚みが舌に乗ってはくるものの、たっぷりの背脂と糖類の甘さが醤油のカドを適度に包んでくれるまろやかな濃さ。動物系は豚に振り切っていたので、店舗のスープに使われている鶏は省かれているけれど、コクと厚みについては申し分なく、糖類で底上げされた甘みも背脂の芳ばしさが功を奏し、よくある人工甘味料のように悪目立ちすることはありません。
魚介は鯖節と煮干を併用していますが、あくまで立ち位置はサポート的。けれども豚・背脂・醤油が過ぎ去った後の余韻で急に頭角を現し始め、また次の一口を誘ってくる、あと引く味とはこれのこと。ペースト状のニンニクも目立ち過ぎず、それでいて埋没しているわけでもない、なんとも緻密なバランスから、最後まで飽きやクドさを感じることなく楽しめたんですけど、ガーリック以外の香辛料は不使用っていう‥‥すごいな。
かやく


モヤシがダークホースすぎた
味付豚肉・背脂加工品・メンマ・モヤシ・ネギは、いずれも既存の資材を使用しているため、この商品だけのステータスといえる具材は入っていませんが、印象に残ったのは液体スープの背脂とは異なる背脂加工品の芳ばしさと口当たり。それと、モヤシのシャキッとした食感が想像以上に効果的。
モヤシに関しては正直 “この程度の量で活躍してくれんのか‥‥?„ などと侮っていたんですけど、なんのこれしき。それに霞んでしまったのかメンマの記憶は朧げですがw ネギはフリーズドライで高品質。やや成型感の強い味付豚肉も入っているのいないのとでは大きく変わってきますし、背脂加工品とモヤシの効果が絶大だったので、物足りなさを感じることはなかったです。
総評
前述のように凄麺ブランドの「ご当地シリーズ」や「逸品シリーズ」を引き合いに出すと、各商品の希望小売価格は278円+税。さらにヤマダイが販売している「ご当店シリーズ」(現時点で「吉山商店」「名代富士そば」「ばんど太郎」計3品)の希望小売価格も298円+税を基本としているため、ウエルシアグループ限定かつ1食あたり328円+税の販売価格を踏まえると手放しには評価できません。ただ、裏を返すとネックはそこだけ。
いい意味で尖りすぎていないというか、ちゃんと個性を備えつつも幅広い層が楽しめる、そんな配慮を感じるバランスに妙を感じた次第。現行の「凄麺 京都背脂醤油味」と似たところはありますけど、それよりも味のフレームワークが力強く、既存品の延長線上では片付けられない作り込みだったので、個人的にはオススメしたい一杯です。【author・taka :a(大石敬之)】


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