どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月2日(月)新発売のカップ麺、エースコック「厚切太麺 こってり味噌だれ油そば」の実食レビューです。
味噌×油そば!? ありそうでなかった組み合わせの新商品が登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
厚切太麺 こってり味噌だれ油そば
厚切太麺(あつぎりふとめん)とは、太い!分厚い!濃い!をテーマに発足した食べ応えのあるシリーズで、2015年3月23日発売「厚切太麺 どろソース焼そば 大盛り」が第1弾。その後は「油そば」や「和そば」など、汁あり・汁なし問わずコンスタントに変わり種の新商品がリリースされているのですが、味噌だれ系の油そばは今回が初めて。
味噌は醤油と同じくらい日本人にとって馴染みのある調味料なのに、カップ焼そば・油そば・まぜぞばといった “汁なしカップ麺” において、基本的に和味噌が主役になることはありません。たとえば和製中華系(回鍋肉風など)や韓国風の味付けに使われることは珍しくないのですが、堂々と「味噌だれ」を冠した汁なしカップ麺は意外と珍しいです。
今回のカップ麺「厚切太麺 こってり味噌だれ油そば」発売前にGoogleで「味噌 油そば」と検索してみたところ、味噌ラーメン(インスタントラーメン)を使った油そば風の汁なしアレンジレシピが多く、あとは台湾まぜそば的な料理のトッピングに使われている “肉味噌入り” などのキーワードが釣れたくらい。
ただ、東京都小金井市にある「がんま」という店のレビューが検索1ページ目にヒット。厳密にいうと商品名は油そばではなく「味噌まぜそば」となっていて、その記事自体は5年ほど前に更新されたものだったのですが、醤油ダレではなく味噌ダレの汁なし和え麺を提供している実店舗もあることが分かりました。
しかし、今回の商品名は「まぜそば」ではなく「油そば」――しばしば「油そば」と「まぜそば」の違いが取り沙汰され、やれ同じだの違うだのと持論が飛び交っているのですが、当ブログの見解は後者。「油そば」はトラディショナルでシンプルなもの、「まぜそば」は自由度が高いものと定義しています。
もうちょい掘り下げると、「油そば」は昭和30年代から存在する食べ物で、発祥の地は東京都武蔵野地区(「三幸」又は「珍々亭」が発祥の店として有名)。「まぜそば」は六厘舎グループの「ジャンクガレッジ」が発祥といわれ、他にも「麺屋はなび」の「台湾まぜそば」など、多種多様なトッピングが特徴的。
また、「油そば」は最初からタレと油が麺に和えてあるのに対し、「まぜそば」は丼の底(麺の下)にあるタレや油、麺の上にトッピングされた具材などを客が自ら混ぜて食べるのが一般的で、提供スタイルの姿勢にも違いがあったりするのですが、そろそろカップ麺の話に戻しましょう。
容器は一般的なカップ焼きそば用の四角いタイプではなく、「スーパーカップ」などの大盛バケツ型よりも口径が広い寸胴型(縦165mm×横165mm×高さ80mm)で、「俺たちのガッツ飯」などに使用されているタイプ。最近ちょいちょいエースコックの汁なしカップ麺に採用されているのですが、「厚切太麺」シリーズに採用されたのは今回が初めてです。
開封
別添の小袋は、「調味たれ」と「かやく」の2袋。そもそも「厚切太麺」から汁なしカップ麺が出るのは約2年半ぶりで、2017年5月8日に発売された「背脂こってり油そば」(シリーズ3回目の油そば)以来の話。これまで厚切太麺からリリースされてきた油そば系統は、基本的に例外なく塩気が強かったので、今回そこが気になるところ——
メーカー希望小売価格は税別240円、コンビニで購入した場合の税込価格は257円と地味に高く、スーパーでも税込200円以下は珍しいかもしれません。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ミニストップ」のみ取り扱いを確認、他のコンビニでは見かけませんでした(※おそらく地域差あり)。
麺は熱湯4分の油揚げ麺で、カップ焼きそばタイプの大盛り商品では通常めん130gが基本となっているのに対し、今回の「こってり味噌だれ油そば」は120gと中途半端な量となっています。ただ、「俺たちのガッツ飯」をはじめφ165×80(mm)の寸胴型では基本的に120gなので、これが標準量なのかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:厚切太麺 こってり味噌だれ油そば 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W)兵庫県加東市河高1816-175 内容量:157g(めん120g) 商品コード:4901071207731(JANコード) 商品サイズ:縦165mm×横165mm×高さ80mm 発売日:2019年12月02日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:寸胴型・大盛り 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:650ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(調味たれ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、たれ(みそ、植物油脂、動物油脂、ポークエキス、砂糖、ポーク調味料、香辛料、発酵調味料、たん白加水分解物、食塩)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子)/ 加工でん粉、酒精、炭酸カルシウム、調味料(アミノ酸等)、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」1袋、中に入っているのはキャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子と特別な内容ではなく、量も多くありません(というか笑えるほど少ない)。通常の四角い容器だと混ぜにくいほど具沢山! というわけではないので、今回の容器を使う意図がハッキリしないのですが、もしかすると麺の量や湯戻しの効率が関係しているのかもしれません。
調理前の内容量は157gと地味に重く、カロリーも643kcalと地味に高め。ただ、懸念していた食塩相当量の数値は5.9gと常識的で、むしろ大盛り汁なしカップジャンルでは低いくらい(※例「スーパーカップMAX大盛り 太麺濃い旨スパイシー焼そば」食塩相当量7.9g /「厚切太麺 背脂こってり油そば 大盛り」食塩相当量7.6g)
さて、意外とキャベツや肉具材が膨れてくれたのですが、コンビニだと税込257円の汁無し大盛りカップ麺にしては頼りなく、ちょっとコストパフォーマンス的な部分が心配な実食前の現在——厚切太麺の仕上がりと味噌ダレの加減に注目しつつ、「めん」「たれ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(157g)当たり
カロリー:643kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
2019年はカップ麺をはじめ、コンビニのチルドラーメン(レンジ麺)でも二郎系・二郎インスパイア系の新商品が多く、今回そういったアピールは特にないのですが、まるでラーメン二郎を彷彿とさせる強付き。昨今の極太麺を思えば正直そんなに太くはないけれど、サイズ以上の強烈なコシが楽しめますし、ランダムな縮れで口当たりに躍動感があります。
ごわごわ、わしわし、ごわごわ、わしわし‥‥と、ひたすら貪りたくなるような、特にブチンッ! と弾ける剛の食感が印象的。どちらかというと比較的に加水率が高く、多加水麺に寄っているのですが、すくなからず意識しているように感じました(※ちなみに二郎系のラーメン店は、加水率の低い極太麺を使用している場合が多い)。
麺量は120gと汁なし大盛り系の標準(130g)よりも少なめですが、何度も何度も生地を折り畳み、かなりの圧でプレスしたようなさ密度の高さから、まったく食べ応えについては問題ありません。また、かなり容器が広いので、厚切太麺というわりにサイズのインパクトは感じられないけれど、実際かなり豪快な剛の麺です。
たれ
カップ油そばといえばタレよりもアブラが多く、しっかり混ぜた後も容器の底はアブラでギトギト‥‥なんてことも珍しくないのですが、今回は明らかに味噌ダレが多め。こってりとした口当たりではあるものの、しっかり混ぜた後は容器の底にタレや油脂が残ることもなく、ぴったり麺に絡んで余りません。
で、懸念していた塩気も大丈夫。見た目どおり味噌が多く、けっこう濃いめの味ではあるものの、鋭く舌を刺してくるような塩気は気になりません。明らかに「白味噌のコク」が主役の味噌ダレで、かなり柔らかく穏やかな味噌を中心に、生姜やニンニクをガツンと効かせ、程よく赤味噌を練り込みながら輪郭を整えているようなテイスト。
さらに乳化感の強い豚骨スープを濃縮したかのように、どっしりと構える豚骨系の旨味が主軸にあって、アブラの動物油脂(体感的にラードが主体)と自然に調和。そんな動物系のコクを打ち出しつつ、比率として多いのは植物油脂なので、ちょうど重た過ぎず軽すぎず、なんとも絶妙でした。味のベクトルは、「大勝軒」とコラボしたカップ麺の味噌ダレに近い味わいです。
具材
キャベツは汎用で量は必要最低限、輪切りにされた赤唐辛子はピリッと辛いけどアクションたったの2回、程良く味付けした肉そぼろは例によって例の如く “はずれ” ——というわけで控えめに言って肉そぼろはマズイです。今回はハイクオリティな麺と味噌ダレが実に美味しかった分、しっかり具材が責任を取らされていました。というわけで、ちょっとアレンジ。
もやしを500Wの電子レンジで2分〜2分30秒ほど加熱した後、ふつうに調理した「こってり味噌だれ油そば」にトッピングして、上から焼肉のタレを適度にかけたら‥‥ヤバうまwww 加えて「牛脂」や「ラード」などの動物油脂でアブラマシ、定番の「刻みニンニク」や「生おろしニンニク」でニンニクマシマシもオススメ(※豚と味玉は別途お好みで)。
容器のサイズが大きいので、もやし1袋(250g)ぜんぶ入れても余裕綽々。今回は家にあった醤油ベースのタレを使いましたが、土台が味噌ダレなので、味噌ベースの焼肉のタレがあるとベストかもしれません。意外とゴマだれ(ごまドレッシング)とかでも美味しいかも‥‥
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
これまでの「厚切太麺」とは違う、まるで “ラーメン二郎” の強付きを意識しているかのような麺が実に印象的で、タレは “大勝軒” コラボの味噌ダレを思わせる熟成した白味噌の甘味と発酵感が味わい深く、具材は仕方ないか——ということで総評は上出来の星5つとしました。立ち位置としては「まぜそば」ですけど、それはさておき食べ応えのある麺と濃厚な白味噌ベースのタレは一見の価値あり。
また、ちょっと喉が乾くほど濃い目の味でも食塩の使用量は少なく、濃さのわりに舌を刺してこないので、エースコックの汁なしカップ麺(油そば)=しょっぱいのイメージが強い方でも比較的に安心して食べられると思います。あとは加熱したモヤシやメンマ、チャーシュー他、キクラゲやザーサイ、コーン、バターなど、ちょい足しアレンジも楽しんでみてください。