日清食品が提案する究極の組み合わせ!?「日清焼そばU.F.O.」ありそうでなかったTKG(たまごかけごはん)ならぬTKY(たまごかけやきそば)を商品化!!
どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年11月9日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清焼そばU.F.O. T.K.Y. 卵かけ焼そば 濃い濃い追いソース付き」の実食レビューです。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清焼そばU.F.O. T.K.Y. 卵かけ焼そば
日清焼そばU.F.O.(にっしんやきそばユーフォー)とは、カップ焼そばカテゴリーでNo.1の売上* を誇っている日清食品のロングセラーブランドで、初めて発売されたのは1976年(昭和51年)5月21日。濃厚なソースとコシの強い麺を特徴とする定番のソース焼きそばをはじめ、近年は即席カップめん業界でもトレンドになっている “ガッツリ系” に着目し、様々な変わり種のスポット商品を展開しています。
*インテージSRIカップインスタント麺市場 焼そばカテゴリー 2019年1月〜12月、累計販売金額(全国、全業態)
今回の新商品「日清焼そばU.F.O. T.K.Y. 卵かけ焼そば 濃い濃い追いソース付き」は、2005年を皮切りに爆発的なブームを巻き起こしたT.K.G.(卵かけご飯)をモチーフに、卵かけご飯ならぬT.K.Y.(卵かけ焼そば)をテーマに開発された新作で、卵黄ペースト×濃い濃い追いソースだけでなく、たまごそぼろふりかけとスクランブルエッグの共演も見どころ。
卵かけご飯(たまごかけごはん)とは、日本で古来から親しまれている米飯と生卵を絡めて食べる料理、または食べ方の総称で、和歌山県有田郡金屋町のカネイワ醤油本店が1999年に製造を開始した「卵かけご飯のしょうゆ」が “卵かけご飯ブーム” の火種。その専用しょうゆは販売当初、あまり売れなかったそうですが、口コミで飲食店や旅館などに販売を拡大し、じわじわと2004年頃から売れ始め、2005年に大ブレイク。
その後、人口およそ140人の小さな集落(兵庫県豊岡市但東町栗尾)にて、2006年3月にオープンした卵かけご飯専門店の先駆け「但熊(たんくま)」を皮切りに、あまりにも定番すぎた “白ご飯に生卵を入れるだけ” という食べ方が見直され、読売連合広告社の森田明雄氏が企画した2007年9月発行の料理本『365日たまごかけごはんの本(T.K.G.プロジェクト)』が発売されるや否や、卵かけご飯を「TKG」と略す人が続出。
2008年に『365日たまごかけごはんの本』がメディアで取り上げられ、卵かけご飯=T.K.G.(Tamago Kake Gohan)の略称は全国区に拡大し、本格的な “第1次TKGブーム” が勃発。もともと白ご飯に生卵と醤油をかけるだけの食べ方から、卵かけご飯専用醤油・卵かけご飯専門店・卵かけご飯の料理本などの影響で様々なバリエーションのアレンジが提唱され、なおかつ簡単に食べられることもTKGがブームになった理由とされています。
そんな庶民の強い味方「TKG」のブームも落ち着きを見せ始めた頃、タカラトミーアーツが2017年10月に発売したワンタッチでTKGが作れる卵かけご飯製造機「究極のTKG」を皮切りに、再び卵かけご飯がクローズアップされ、カルボナーラ風やチーズ入りといった変わり種の目立つ “第2次TKGブーム” が勃発。その真っ只中にある現在、とうとうTKGならぬTKYが開発されてしまいました。
さて、卵黄ペースト付きの「日清焼そばU.F.O.」といえば、2020年8月24日発売のインスパイア系やきそば「日清焼そばU.F.O.大盛 汁なし豚らーめん ニンニク背脂醤油味 卵黄ペースト付」が記憶に新しく、それ以前にも「牛すき焼味+卵黄ソース」(2017年9月11日発売)や「RED&YELLOW」(2016年7月25日発売)といった卵黄ソース付きの変わり種を展開してきた日清食品。
しかし、卵かけ焼そば(T.K.Y.)を突き詰めてきたのは今回が初めて。日清食品の公式ウェブサイトに掲載されているニュースリリースには “日清焼そばU.F.O.が提案する究極の組み合わせを、この機会にぜひお召し上がりください” とあったので、究極のウマさに注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体ソース」「濃い濃い追いソース」「たまごそぼろふりかけ」「卵黄ペースト」の合計4袋。たまごそぼろふりかけに特別な注意事項は記載されていませんが、液体ソースと濃い濃い追いソースは “フタの上で温めてください” なのに対し、卵黄ペーストは “フタの上で温めないでください” となっているため、調理の際は注意してください。
麺は熱湯3分の油揚げ麺で、パッケージに “大盛” の表示はないのですが、皿型ではなく角型の容器を使用しているように、麺重量120gの大盛り仕様。日清食品の公式ウェブサイトには “ソースとの絡みが抜群な、コシのある中太ストレート麺” とあり、麺の原材料名も定番の「日清焼そばU.F.O.大盛」と同じなので、それと共通の油揚げ麺を使用しているのかもしれません。
メーカー希望小売価格は、通常の日清焼そばU.F.O.大盛(税別220円)よりも高い税別245円で、販売店を問わないNB(ナショナルブランド)商品として展開。購入店のイオンリテールでは228円(税込246円)で販売されていたのですが、コンビニで購入した場合の税込価格は265円で、コンビニ大手4社の中では「ローソン」での取り扱いが意欲的でした(2020年11月14日現在の販売状況を記載)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清焼そばU.F.O. T.K.Y. 卵かけ焼そば 濃い濃い追いソース付き 販売者:日清食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(R) 内容量:163g(めん120g) 商品コード:4902105266274(JAN) |
発売日:2020年11月09日(月) 実食日:2020年11月14日(土) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:スーパー(イオンリテール) 商品購入価格:246円(税込) 希望小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:700ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:4袋(液体ソース・濃い濃い追いソース・たまごそぼろふりかけ・卵黄ペースト) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料)、ソース(卵黄ソース、ソース調味料、糖類、還元水あめ、植物油脂、食塩、香辛料、香味調味料、ポーク調味料、ポーク調味油、たん白加水分解物、香味油)、かやく(味付卵、キャベツ)/ 加工でん粉、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、ソルビトール、かんすい、酸味料、香料、酒精、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘多糖類、カロチノイド色素、ビタミンB2、炭酸Mg、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
具材のキャベツとスクランブルエッグは最初から容器の中に入っている状態で、毎度おなじみキャベツの量が頼りないのは「日清焼そばU.F.O.」における変わり種の特徴でもあるのですが、スクランブルエッグの量が多いのは嬉しい誤算。どちらも「カップヌードル」などに使われている具材なので、新開発のトッピングではないけれど、調理前の印象は悪くありません。
で、今回は “小袋を入れる順番” が重要らしく、熱湯3分で湯切りを行った後、まずは「液体ソース」を最初に加え、しっかり混ぜ合わせてから「たまごそぼろふりかけ」をトッピング。次に「卵黄ペースト(あとがけ①)」を入れてから「濃い濃い追いソース(あとがけ②)」を上にかけて絡めながら食べる——というのが正しい作り方となっているので、調理の際は小袋を入れる順番に気を付けてください。
なお商品情報の概要で製造所は東日本明星株式会社の埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360)と書きましたが、同工場は日清焼そばU.F.O.大盛などの製造も担当している工場なので、今回が特例ではありません。それでは、卵黄ペーストと濃厚ソースの相性に注目しつつ「めん」「ソース(卵黄ペースト・濃い濃い追いソース)」「具材・たまごそぼろふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(163g)あたり |
カロリー:732kcal たん白質:11.3g 脂 質:33.6g 炭水化物:96.1g 食塩相当量:8.4g ビタミンB1:0.52mg ビタミンB2:0.75mg カルシウム:201mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの高品質な油揚げ麺
麺はレギュラーサイズの「日清焼そばU.F.O.」及び「日清焼そばU.F.O.大盛」にも使われている油揚げ麺と同じ丸刃で切り出された丸断面の麺で、麺の原材料名も “小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料” と共通の構成。体感的にも定番の麺と大差なかったので、同じ麺という認識で問題ありません。
レギュラーサイズの定番「日清焼そばU.F.O.」には100gの油揚げ麺を、大盛りサイズの「日清焼そばU.F.O.大盛」には130gの油揚げ麺を搭載しているのに対し、今回の「日清焼そばU.F.O. T.K.Y. 卵かけ焼そば 濃い濃い追いソース付き」は120gと中途半端な量なので、それがパッケージに “大盛” と表示していない理由なのかもしれないのですが、単純に食べ応えは大盛りと表示しても差し支えないボリューム感。
極太サイズの平打ち麺を搭載してくることも珍しくなくなってきた近年の「日清焼そばU.F.O.」ですが、しなやかでコシの強い定番の中太麺もクオリティが高く、ちょっと蒸し麺っぽい雰囲気も感じるようになってきた今日この頃。定期的にリニューアルしているため、しばしば往年のファンから厳しい声を頂くこともあるようですが、個人的にはレベルの高い麺と評価しています。
ソース(卵黄ペースト・濃い濃い追いソース)
定番のソースに卵黄のコク
もしかすると微妙に調節している可能性もありますが、土台の「液体ソース」は日清焼そばU.F.O.のオリジナルソースと共通の味わいで、関東を代表する「ペヤング」や特製マヨが決め手の「一平ちゃん夜店の焼そば」よりも力強いテイストが売り。香辛料の配合も独特で、日清焼そばU.F.O.の確固たるアイデンティティを表現しています。
続けて「卵黄ペースト」を加えると、マイルドな卵黄のコクが濃厚ソースと対比を描くだけでなく、和風だしベースの味付けで薄味にならないように工夫しているのがポイント。それでも卵黄のコクが強いので、卵黄ペースト単体では味の輪郭がボヤけてしまう嫌いがあるものの、それを打開するのが「濃い濃い追いソース」の存在。
「濃い濃い追いソース」も液体ソース(オリジナル)の流れを汲んでいるため、独特のスパイス感が特徴となっているのですが、通常の液体ソースよりもサラッとした仕上がり。また油脂は少なく、酸味の強いテイストから、まったく同じソースではありません。
全体の食塩相当量は8.4gと高めの値となっており、濃い濃い追いソースの集中している部分はオリジナルに沿って純粋にキレが強化されるのですが、卵黄ペースト(卵のコク)と重ねることで濃厚さがブースト。和風だしベースの卵黄ペーストと洋風ソースの相性も問題なく、あながち究極のウマさというのも誇張ではないかもしれません。
具材・たまごそぼろふりかけ
たまごそぼろふりかけが意外と侮れない
具材のキャベツは汎用なので、これといって特別な野菜ではないですし、量も多くはないものの、みずみずしい食感が濃厚なソースと対比を描いている、これが入っているのといないのとでは大違い。また熱湯3分で膨張したスクランブルエッグは食べ応えに寄与してくれるだけでなく、カップ焼きそばに使われることの少ない具材なので、汎用の具材なのに新鮮味を感じます。
また別添の「たまごそぼろふりかけ」も単体で味わってみたところ、なかなかどうして侮れない存在で、ほんのり後味に鼻を抜ける風味は卵黄そのもの。歯触りは “ふりかけ” らしく軽めの食感で、TK(たまごかけ)感は控めですが、風味を例えるなら煮抜きの卵黄に近く、全体の卵感をアップすることに寄与していました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
Y(やきそば)なのに焼いてねェじゃねぇか云々についてはさておき、たまごそぼろふりかけとスクランブルエッグはインスタント感が強く、TK(たまごかけ)の指標は卵黄ペーストが担っているのですが、なるほど日清焼そばU.F.O.が誇る濃厚ソースと和風だし仕立ての卵黄ペーストは相性良好で、きちんとT.K.Y.を体現。
ど安定の組み合わせですが、定期的に珍しい変わり種で市場を活性化させているカップ焼そば業界では逆に珍しいテーマだったので、着眼点も評価できる良品です。ただし、濃い濃い追いソースと卵黄ペーストを全体に大きく混ぜてしまった場合、もろもろボヤけてしまうので、かならず小袋を入れる順番を守ってお楽しみください(author・taka :a)