どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月2日(月)新発売のカップ麺、エースコック「男はつらいよ お帰り寅さん 公開記念 でぶそば監修 中華そば」と「野菜タンメン」の実食レビューです。
松竹映画『男はつらいよ』の50周年と新作公開を記念して “寅さん” こと故・渥美清(あつみ きよし)氏が足繁く通った「中華でぶそば」の味をカップラーメンで再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
男はつらいよ×でぶそばカップ麺
映画『男はつらいよ』とは、昭和のコメディアンであり名優・渥美清(田所康雄)氏が “フーテンの寅” こと主役の車寅次郎に扮し、国民的な人気を誇った山田洋次監督の下町人情大河喜劇映画シリーズで、第1作目が公開されたのは1969年8月27日。テキ屋稼業を生業とする寅さんの独特な人柄や旅先で出会った “マドンナ” との恋愛・失恋模様などが描かれ、日本中を笑いと涙で包みました。
もともとは1968年10月3日から1969年3月27日までの間、毎週木曜日22時〜22時45分にフジテレビ系で放送されていた同タイトルのテレビドラマ『男はつらいよ』を前身とし、一攫千金を狙っていた寅さんが奄美大島のハブに噛まれて絶命——という最終話のオチに視聴者から抗議の電話が殺到。そのファンに対する罪滅ぼしも兼ねて、映画『男はつらいよ』が制作されます。
1969年8月27日に封切りされたシリーズ第1作目の観客動員数は、なんと54万3000人で、当時まだ入場料が450円だった時代に配給収入1億1000万円の大ヒットを記録。シリーズが30作を越えた1983年には「ひとりの俳優が演じた最も長い映画シリーズ」として、ギネス世界記録(Guinness World Records)にも認定されました。
そして、映画『男はつらいよ』の公開から50年の時が過ぎた2019年12月現在——渥美清氏の生前に制作されたシリーズ最終作『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(第48作)及び没後1年に制作・1997年11月22日に公開された第49作『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』以来の最新作『男はつらいよ 50 お帰り 寅さん』が2019年12月27日に公開されます。
その映画最新作の公開を記念して、松竹株式会社がエースコックと今回のカップラーメン「でぶそば監修 中華そば」及び「同 野菜タンメン」を開発。主演の渥美清氏をはじめとする『男はつらいよ』の出演者と撮影スタッフが愛した中華料理店「大船でぶそば」の美味しさを再現した一杯で、『男はつらいよ』の世界観をカップめんで表現したとのこと。
「中華でぶそば」とは、かつて松竹が大船撮影所を所有していた頃、神奈川・松竹大船撮影所前に開業した老舗の中華料理店で、創業は昭和24年(1949年)。創業から10年は店名がなかったらしく、昭和34(1959年)に現在の本店所在地・神奈川県横浜市栄区笠間に移転した際、恰幅のよかった先代店主の風貌に因み「中華でぶそば」という名前の店になりました。
現在の「でぶそば」店主は、先代の実子である2代目が務め、店先にある先代の丸々とした似顔絵が目印。店内には寅さん関連のポスターや渥美清氏が晩年に “10枚だけ書いた” とされる漢字のサインが額縁に飾られ、半分サイズのラーメン・チャーハン・焼売が3点セットになった「寅さんセット(半チャン半ソバ半シュウ)」など、『男はつらいよ』に因んだメニューもあるそうです。
寅さんも車寅次郎の衣装で頻繁に訪れていたらしく、マドンナの人気ランキング1位・浅丘ルリ子さん(リリー)をはじめ、吉永小百合さん(歌子)や太地喜和子さん(ぼたん)など、歴代マドンナ全員が「でぶそば」で食事をしたのだとか——そんな「でぶそば」のラーメンを再現したのが今回の「中華そば」、また “メニューに載ってないけど野菜そばもやってます” とのことなので、カップ麺の「野菜タンメン」は野菜そばの再現かもしれません。
開封
「中華そば」に別添されている小袋は、「液体スープ」と「かやく」の2袋。麺は黄色味を帯びた油揚げ麺で、エースコック特有の油揚げ麺臭が目立ちます。ちょっと気になるのが製造所の違いで、「中華そば」は埼玉県川越市にある東京工場製造となっているのに対し、「野菜タンメン」は兵庫県たつの市にある兵庫工場製造となっていました。
「野菜タンメン」に別添されている小袋は、「かやく入り粉末スープ」と「調味油」の2袋。どちらもメーカー希望小売価格は税別193円、発売エリアは全国のスーパー・コンビニ等とされているのですが、どこに行っても売ってない状況だったので、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)で取り寄せました。もしスーパーに売ってない場合、ドラッグストアも狙い目かもしれません。
残念ながら今回は外れてしまったのですが、1,969名様に500円分のオリジナルQUOカードが当たるインスタントウィンキャンペーン(フタをあけてQUOカードが入っていたら当たり)も開催。今回の2商品はもちろん、同社の「わかめラーメン ごま・しょうゆ」及び「同 ごま・みそ」並びに「わかめそうめん フジッコ 純とろ仕立て」もオリジナルQUOカード入りの対象商品となっています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:男はつらいよ お帰り寅さん 公開記念 でぶそば監修 中華そば / 野菜タンメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(K)埼玉県川越市大字今福461-1 / 兵庫工場(T)兵庫県たつの市神岡町東觜崎308 内容量:82g / 74g(めん60g) 商品コード:4901071215965 / 4901071215972(JANコード) 商品サイズ:縦140mm×横140mm×高さ77mm(個装) 発売日:2019年12月02日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml / 400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・かやく / かやく入り粉末スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【中華そば】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、砂糖)、スープ(しょうゆ、ポーク調味料、動物油脂、食塩、砂糖、チキンエキス、植物油脂、野菜調味料、たん白加水分解物、酵母エキス、野菜エキス、ポークエキス、魚介風味調味料、コンブエキス、ジンジャーペースト、醸造酢)、かやく(焼豚、ねぎ、もやし、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、香料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
【野菜タンメン】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、砂糖)、かやく入りスープ(キャベツ、食塩、チキン調味料、砂糖、ハクサイエキス、ポークエキス、人参、香辛料、もやし、玉ねぎ、たん白加水分解物、キクラゲ、粉末みそ、オニオンパウダー、酵母エキス、魚介風味調味料)、調味油(動物油脂、植物油脂)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
どちらも湯戻し時間は熱湯3分、「中華そば」の具材には実店舗と同じようにチャーシューやネギ、もやしがトッピングされています。現在の「でぶそば」で提供されている「ラーメン」にメンマは入っていないようなので、エースコックのオリジナルかもしれません。ちなみに12月上旬から全国のスーパーを中心に一斉発売、販売期間は “来年3月までの限定販売” とのこと。
両商品ともに容器は同じサイズ、かつ内側に引いてある熱湯の目安線も同じ位置にあるのですが、必要なお湯の目安量は「中華そば」が410mlなのに対し、「野菜タンメン」は400mlと微妙な違いが発生しています。そこまでストイックにならなくてはいけないような量ではないけれど、わずか10mlとはいえ差が生じていました。
さて、「でぶそば」の野菜タンメン(野菜そば)についての評判・口コミは少なく、あまり情報は得られなかったのですが、カップ麺での具材はキャベツ、もやし、人参、玉ねぎ、キクラゲと具沢山。お店のメニューはいずれも昔ながらの伝統的な味わいらしいので、ノスタルジックな雰囲気を思い描きつつ、それぞれ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
【中華そば / 野菜タンメン】
栄養成分表示:1食(82g / 74g)当たり カロリー:305kcal / 314kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:305kcal 314/ kcal(めん・かやく:258kcal / 264kcal)(スープ:47kcal / 50kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
「でぶそば」の麺は、すこし柔らかめに茹でられているらしく、もちもちとした食感の中太ストレート麺という評判・口コミが多かったのですが、カップラーメン(中華そば)の油揚げ麺はモチモチというよりもフカフカとした弾力の中庸的な食感。形状は丸刃でカットされた丸断面の中細で、緩やかに縮れており、ふかふかとしながらも意外に食べ終わるまで一定の弾力が続きます。
「野菜タンメン」の油揚げ麺も同じくフカフカとした中細麺で、原材料名や “適度な弾力とコシを併せ持っためんに仕上げました。” というエースコックの商品特長(ニュースリリースの解説)も一言一句まったく同じなのですが、工場の違いか若干ながら野菜タンメンのほうが細く、調理前の色も薄めに見えました。しかし、食感や風味に関しては、ほぼほぼ目立った違いはありません。
後述するスープがオーソドックスかつ麺そのものが中庸的なので、どちらのスープにも違和感なくフィット。調理前も調理後も油揚げ麺特有の風味は常に主張してきますが、全体的に高級感の無さが功を奏し、結果的なイメージは悪くなかったです。厳密にいって再現度は高くないかもしれないけれど、きわめて “ふつうという安心感” は共通点かもしれませんね。
スープ
「中華そば」は後入れの液体スープ、「野菜タンメン」は先入れの粉末スープ(かやく入り)+後入れの調味油という構成で、「中華そば」の液体スープにも動物油脂が含まれているのですが、実にアッサリとした素朴で飾り気のない味わい。動物系はポークをベースに鶏ガラが脇を固め、野菜の優しい風味がスーッと通り、ほんのりと魚介と昆布のアクセント。
昔ながらのイメージから、けっこう化学調味料のピリピリとした刺激を覚悟していたんですけど、化調の刺激は強過ぎず弱過ぎず、カエシ(醤油)のキレやペッパー系のアクセントも比較的に弱め。一見すると地味で物足りなさを感じるのですが、土台が大人しいからこそチャーシューの芳ばしい香り、もやしの風味が面白く、そこが印象に残りました。
「野菜タンメン」のスープは塩味で、まさにカップ塩タンメンの王道を地で行くようなテイストなのですが、比較的に「中華そば」よりもキレのある味わい。化調のピリピリとした刺激も強く、食塩もスッと真っ直ぐ味覚に浸透してくる塩梅で、いかにも業務的というか、うん。けっこう好きw 中華料理店のオヤジが魔法の粉を使ってチャチャッと手際よく作ったタンメンスープ、みたいなイメージ。
けっこうキレのある塩タンメンスープに具材から滲み出る野菜の旨味、それだけでなく粉末スープに仕込まれていたハクサイエキスやオニオンパウダーの甘みがキレのあるスープと対比を描くような構成で、ほんのり味噌の隠し味。あっさり派の方には「中華そば」のスープがオススメですし、「野菜タンメン」の塩スープは分かりやすく、どちらも下町の中華料理店を思わせる落ち着いた味わいでした。
具材
「中華そば」の具材に入っている焼豚は、エースコックのタテ型カップ麺で頻繁に見かける丸型のチャーシューで、かなり調理前は濃いめの色合い。だからといって醤油が強過ぎるわけではなく、ちょっと燻製っぽいというか、独特の芳ばしい香りがスープに広がります。かなり中華そばのスープは穏やかだったので、なおさら普段以上に焼豚の香りが目立っていました。
メンマは少量かつ小さかったので、ぜんぜん存在感はありませんでしたが、もやしのシャキシャキとした歯触りは意外と自己主張が強く、それ以上に目立っていたのが青ネギの歯触り。実店舗のラーメンには輪切りの白ネギが入っているようなので、ネギのベクトルは異なるものの、トラディショナルな中華蕎麦を演出する上で無駄のない構成だと思います。
「野菜タンメン」の具材は野菜を中心に構成され、豚肉などの肉具材は入っておらず、ほとんどキャベツがボリュームを担っているのですが、そのキャベツがたっぷりで好印象。キクラゲはビックリするほど小さめでしたが、彩りのいい人参はコリコリと歯応えもよく、玉ねぎは甘みを重視した柔らかいもの。
そして中華そば同様もやしが入っていて、量は比較的に少なめではあったものの、意外に意識しなくてもアピールしてくるシャキシャキとした歯触りが効果的でした。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)
今回は税込138円での購入だったので、総評は及第点としましたが、いい意味で “ふつうにおいしい” です。まったく派手な味付けではないですし、めちゃくちゃコスパが高いわけでもないけれど、けっしてイマイチというわけではありません。ある意味これぞ及第点の鑑というか、実に危なげない仕上がりです。
寅さんのファンにとってはジャケ買い必至の限定パッケージも魅力的なデザインですし、運が良ければ寅さんのイラストが描かれている500円分のQUOカードが当たるチャンス。高級感はなくとも悪い意味で安っぽい印象は与えない、なんとも普遍的で懐かしさを覚える味わいは、なるほど「中華でぶそば」に通じるところがあるかもしれません。