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「しおらーめん進化 煮干塩らーめん」ニボいスープにクラクラ‥町田汁場 “塩を極めた名店”

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寿がきや食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2019年10月14日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「しおらーめん進化 煮干塩らーめん」の実食レビューです。

東京・町田の名店『町田汁場 しおらーめん進化』の豚清湯「煮干塩(にぼしお)ラーメン」を再現!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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進化 煮干塩らーめん

「町田汁場 しおらーめん 進化(まちだしるば しおらーめん しんか)」とは、東京都町田市に本店を構える塩らーめん専門店で、創業は2007年10月19日。「進化」を開業した店主・関口信太郎さんは、19歳で飲食業界に入り、「せたが屋」系列の「ひるがお 新宿御苑店」の店長を務めたあと、独立して「進化」をオープンしました。

講談社発行『業界最高権威 TRY(東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー)認定 ラーメン大賞 2014-15』の「名店部門 しお」で1位に輝き、東洋水産株式会社が同店の看板メニュー「しおらーめん」を再現したカップラーメンを開発しているのですが(「マルちゃん 縦型ビッグ 進化 塩らーめん」2015年5月15日発売)、今回は愛知県豊明市に本社を構える寿がきや食品株式会社とのタイアップ。



実は2018年6月18日、寿がきや食品が「町田汁場 しおらーめん進化」というノンフライ麺・どんぶり型の再現カップラーメンを販売していて、当時のメーカー希望小売価格は税別250円。それは東洋水産と同じく「しおらーめん」を再現したもので、名古屋コーチンなどの丸鶏をベースにサバ・アゴ・昆布・枯本節などの魚介だし、そして鶏油と塩を効かせた “鶏しお系” の一杯でした。

しかし、今回の再現元になっている「煮干塩らーめん」は、2007年10月の創業当時から存在する「進化」の伝統的なメニュー。カップ麺のパッケージには、豚清湯(ちんたん)スープに煮干だし、宗田鰹、白醤油たれを加えた力強い旨みのスープということで、白濁系とんこつスープではなく豚から出汁を取った清湯(濁りのない)スープをアピールしています。

創業当時のレシピを見ると、九十九里産煮干、長崎県産煮干、長崎県産鯵煮干、愛媛県産煮干と煮干だけで4種類。さらに高知県産宗田節に利尻昆布、国産豚拳骨で出汁(だし)をとっていたそうですが、豚骨は豚骨でも清湯系の “透明な豚骨” スープを合わせ、「煮干塩らーめん」の塩には高知県産完全天日塩「土佐黒潮天日塩・海一粒」やベトナム産天日塩をブレンド。

煮干しが持つシャープな力強い旨みを打ち出しつつ、えぐ味や苦味は最小限に抑え、その洗練された煮干塩スープに泳ぐは北海道産小麦 “春よ恋” の石臼挽き全粒粉を使用した加水率の低い低加水細ストレート麺。国産小麦の魅力を引き出すために、ちょっと柔らかめに茹でてサーブするのも店主のこだわりで、注文時に大盛り・かため不可(※やわらかめは可能)。



実店舗の器は有田焼で統一、水は「RO水(ほぼ100%不純物を取り除いた水)」や「πウォーター(パイウォーター:生体水に限りなく近い水)」を素材に合わせて使い分けるなど、かなり計算して作られているのですが、如何せん駅から遠くて交通の便が悪い上に本店の場所も分かりにくいという——それでもなお遠方からの客足が絶えません。

同店の「煮干塩らーめん」がカップラーメンになるのは、おそらく今回の新商品が初めてのこと。以前から寿がきや食品が販売しているカップ塩らーめん系統は塩気が強く、かなりキレのある印象が強いので、煮干しの強さと癖の有無、塩加減、白醤油の個性や豚清湯スープなど、かなり見所が多そうですね。

開封

さて、別添の小袋は「液体スープ」「あとのせかやく」「かやく」の3袋——なんですけど、かやくの中には丸い(でもって薄い)チャーシューが1枚のみ、お店で特徴的なメンマやレッドオニオン、またホースラディッシュ(山わさび、西洋ワサビ)が別添されていそうな雰囲気もなく、パッケージのイメージ写真でも具材は乏しい状態。



それから既知の方も多いかとは思いますが、基本的に寿がきや食品はカップラーメンの麺を製造していません。容器側面下段に “販売者” 寿がきや食品株式会社、 “製造所” 加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場(群馬県高崎市新町2330−26)とあり、寿がきや食品ではなくテーブルマークのグループ企業・加ト吉(カトキチ)の工場で製造されていることが明記されています。

これが油揚げ麺の場合、製造所は “ポンポコラーメン” を製造している「山本製粉株式会社」になるのですが、寿がきや食品の工場には油揚げ麺やノンフライ麺を製造する設備が整っていないので、ノンフライ麺は加ト吉に製造を委託しています。そして今回は熱湯4分のノンフライ麺、明らかに小麦全粒粉が練り込まれていますね。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:しおらーめん進化 煮干塩らーめん
販売者:寿がきや食品株式会社
製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場
内容量:110g(めん65g)
商品コード:4901677082633(JANコード)
個装サイズ:φ167×70(mm)

発売日:2019年10月14日(月)
実食日:2019年10月16日(水)
発売地域:全国(沖縄除く)
取得店舗:コンビニ(ローソン)
商品購入価格:270円(税込)
希望小売価格:250円(税別)

麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:大判どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:450ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・あとのせかやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、小麦たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(ポークエキス、ポークオイル、煮干エキス、香味油、チキンエキス、白醤油たれ、食塩、昆布エキス、ゼラチン、煮干粉末、宗田かつお節粉末)、かやく(チャーシュー、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸カルシウム、乳化剤、増粘多糖類、カゼインNa、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(V.E、ローズマリー抽出物、V.C)、カラメル色素、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・さば・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む)

実食開始

小麦全粒粉の使用率までは書いてありませんが、普段は加水率の高いノンフライ麺が多い寿がきや×加ト吉のタイアップなのに、けっこう色が薄くて加水率が低そうな見た目。液体スープ・あとのせかやくは食べる直前に入れる仕様なので、最初は「かやく」の小袋のみ開封してください。もし液体スープを先に入れた場合、麺が戻らないおそれがあります(※基本的に “液体スープ・調味油” 系の小袋は「後入れ」です)



販売地域は “沖縄を除く* 全国” で、販売店はスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアなど、販路を問わない全チャネル販売。実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では、「ローソン」で比較的よく見かけました(*沖縄に売ってないのは、運送業者の事情で沖縄までルートを網羅できていないから)。

あとは熱湯を注いで4分待機、その間に液体スープの小袋をフタの上で温めたら、4分後 “麺をほぐしてから”「液体スープ」を入れて、よく混ぜ合わせてください。で、「あとのせかやく」はネギだけなんですけど、なかなか彩りがいいのと煮干の香りがスゴい実食前の現在、タレの塩梅にも注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(110g)当たり

カロリー:386kcal
たん白質:10.3g
脂  質:15.4g
炭水化物:51.6g
食塩相当量:6.1g
(めん・かやく:1.3g)
   (スープ:4.8g)
カルシウム:109mg

参考値(調理直後に分別して分析)
熱量:386kcal(めん・かやく:261kcal)(スープ:125kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

もうシンプルにウマい
6.0

かなり縮れが強く、食べ始めは硬めの食感ですが、もちもちの低加水麺です。つまり、ほぼ本店の真逆に位置しているようなもの——ただ、一つのノンフライ麺としてのクオリティは高く、コシの強さと同時に後半はスープとの一体感が増してゆき、全粒粉を練り込みつつ梘水(かんすい)は抑えているような印象で、今回のスープとは完璧に近いマッチング。

もし胡麻が入っていたら判断しにくいのですが、あとのせかやくを入れる前に味わってみると、奥歯で噛んだ時に全粒粉特有の歯触りが楽しめます。そこまで風味は顕著に主張してきませんが、不意打ちに開く精製された真っ白の小麦粉では出せない芳ばしさが特別。でもって今回の麺、わざと “長めに待ったほうがいい” ですね。



時間が経てば経つほど麺が多くの水分を抱くことになるので、いよいよ本格的に多加水麺になりますが、つるみのある麺の表層に煮干の旨味が染み込んで心地よく、しっとりとした口当たりが堪りません。熱湯4分でフタを半分ひっつけたまま麺をほぐし、液体スープを馴染ませた後、再びフタをして1〜2分蒸らすのがベストだと感じました(※3回実食)。

スープ

煮干が芳醇すぎて‥‥
8.0

まず最初に飛び込んでくるのは「煮干エキス」で、煮干から抽出したオイル系の芳醇な旨味が口いっぱいに広がります。それが鼻を抜ける頃、奥から粉末煮干による縦の旨味が泳ぐように上がってきて、えぐ味や苦味などの灰汁(アク)は徹底的に取り除かれている、濾過したように雑味のない旨味が多重奏に語りかけてくるのですが、けっこう “癖は強い” ですね。

えぐ味や苦味こそ抑えられているけれど、まさに後にも先にもニボニボなので、このジャンンルとしては実に上品な装いでも魚がダメなら避けたほうが安全。逆に煮干し系が大丈夫なら、とりあえず試す価値あり。全体に大きく幅を利かせているのは煮干ですが、ほんの少し宗田鰹が脇を固め、愛知県碧南市(へきなんし)の特産でもある白醤油を絶妙に使って甘い余韻を演出。

そう、直接的に砂糖や糖類、甘味料の類いも未使用なのに “甘み” があって、豚清湯は主張しすぎることなく下地に徹し、それでいて鶏だけではだせない厚みのある出汁に煮干しを泳がせます。意外にも食塩の使用量は控えめで、塩で食わせるのではなく、余韻に塩のキレと甘みを残しながらも刺してこない、無化調じゃないけど無化調スープ系のフレームワークに唸ってしまいました。

かやく

あとのせかやくナイス
3.0

税別250円のカップ麺なので、正直まったく値段に見合ってないです。ただ、あとのせかやくの乾燥ネギは効果的で、歯触り控えめかつ華やかな香りが好印象。スープの感じ的に白髪葱も入っていると嬉しかったのですが、記憶に残らない先入れの青葱よりも印象がよかったです。

チャーシューは厚みのないペラチャーで、安もん(業務用)のハムみたいな。でも数年前の寿がきや食品が販売する製品に入っていたチャーシューは “リアルに向こう側が透けてみえることもある” 職人技の薄切りだったので、箸で持ち上げれば破れることもありましたが、その当時を思えば進化しましたね。

食感は人工的なプリッと歯切れのいいものですし、おいしい・まずいの二択を迫られたら返答に困りますけどw ひと昔前のスープにまで侵食してくるケミカルな風味もマシになりました。しかし、今回はスープが秀逸過ぎたので、そこにウェイトを置くなら “チャーシュー(かやく)は入れないほうがいい” です。

総評

★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)

麺とスープに特化した分、がっつり具材がコスト調整を受けている寿がきや食品らしい仕上がりで、なおかつ麺の再現度は程遠いと言わざるを得ませんが、その麺とスープの出来が素晴らしく、星6つけようか本気で迷いました。さすがに具材がショボすぎるので、総評は冷静に計算しましたけど、かなり美味しかったです。

前回と同じくコンビニで買った場合の値段は税込270円になりますが、煮干し系さえ大丈夫なら全力でオススメ。特にスープの完成度が高く、これについてはカップ麺のレベルじゃなかったです。塩のキレた塩ラーメンを求めている時には頼りないかもしれないけれど、魚系の塩らーめんが好きなら是が非でも押さえておきたいくらい、とても味わい深い一杯でした。

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