どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年12月3日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、日清食品「三宝亭 全とろ麻婆麺」の実食レビューです。
東京・中目黒と渋谷にある人気ラーメン店「新潟三宝亭東京ラボ」監修のカップラーメンがファミリーマートに新登場!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
三宝亭 全とろ麻婆麺
「新潟 三宝亭 東京ラボ(にいがた さんぽうてい とうきょうラボ)」とは、1967年(昭和42年)4月創業の株式会社三宝(新潟県新潟市)が運営する「酸辣湯麺(さんらーたんめん)」と「全とろ麻婆麺(まーぼーめん)」の専門店で、2015年11月27日に1号店・中目黒店をオープン。2018年7月14日に2号店・渋谷宮益坂店を新規開店し、現在は都内2店舗体制で営業しています。
株式会社三宝(三宝グループ)とは、1954年(昭和29年)にマリリン・モンローが宿泊し、1960年(昭和35年)に石原裕次郎と北原三枝が結婚式を、また1962年(昭和37年)には小林旭と美空ひばりが結婚式を挙げたことで有名になった、東京・日比谷「日活国際ホテル」のフレンチシェフ・金子 行宏(かねこ ゆきひろ)氏が創業したグループで、もとは小さな中華料理店が前身。
1956年(昭和31年)から「日活国際ホテル」のフレンチシェフを務め、それまで洋食一筋だった現・三宝グループの会長は、先輩シェフの誘いで新潟を訪ねた際、人生の伴侶となる女性と出会ったことをキッカケに日比谷のホテルを退社。当時、新潟の市民に馴染み深かった “中華料理” を一から学び直す決意を固めます。
その地で創業した小さな中華料理店が1967年(昭和42年)4月にオープンした三宝グループの1号店「三宝飯店(さんぽうはんてん)」で、徐々に事業を拡大。地域に根ざす中華系ファミリーレストランとして着実に成長した結果、従業員数は918名(平成30年7月現在)、売上高は40億円(H30年4月期)の大企業に成長しました。
その三宝グループ(金子会長)が培ってきた元フレンチ出身の粋を集め、 “炒飯にはじまり、炒飯に終わる。” という中華料理へのこだわりをブレンドし、創り上げられた「酸辣湯麺」と新潟発祥のマーボーメンを独自にアレンジした「全とろ麻婆麺」の専門店「新潟三宝亭東京ラボ」を開業。今回のカップラーメン「三宝亭 全とろ麻婆麺」は、その看板メニューを再現したものです。
お店の代表メニューは、「酸辣湯麺」と「全とろ麻婆麺」を筆頭に、「韮葱(にらねぎ)そば」や期間限定の「研究麺」、さらに中目黒店限定「蟹肉雪花麺(夜限定)」や渋谷宮益坂店限定「海老辛麻婆麺」といった店舗限定メニューも展開。メインの麺類に加えて新潟の地酒(日本酒)や一品料理など、夜は居酒屋・ダイニングバーとして利用できるのも特徴ですね。
通常の「麻婆麺」と「全とろ麻婆麺」の違いは、さらっとしたスープに粘度の高い麻婆豆腐をトッピングしているのではなく、容器の底まで “全部とろとろな麻婆麺” に仕上がっていること。それが「全とろ麻婆麺」という商品名の由来であり、実店舗ではスープや豆腐をレンゲですくって小ライスにかけて食べる「麻婆丼」をオススメしています。
開封
というわけで、佐賀の即席めんメーカー・サンポー食品株式会社の新作カップラーメンではなく、日清食品株式会社と「新潟三宝亭東京ラボ」の共同開発商品で、ファミリーマート限定・数量限定商品として新発売。別添の小袋はフタの上に貼り付けてある後入れの「特製香味油」が1袋、こちらは待っている間にフタの上で温めましょう。
発売地域は全国のファミリーマートが対象で、ファミリーマート通常価格(希望小売価格)は212円(税込228円)に設定。一部の地域及び一部の店舗では売ってないかもしれませんが、おおむねファミリーマート全店あげて意欲的に商品を陳列しているようなので、比較的に他のカップ麺よりもエンカウント率は高めかもしれません。
具材は “辛うまラーメン日本一” の再現カップ麺で見慣れた四角い豆腐が7個、さらにニラが大量に入っていて、香りはザ・麻婆麺のド定番といったところ。麺は調理前から縮れが気にならない熱湯5分の平打ちストレート油揚げ麺が採用されており、ファミマ限定カップラーメンとして定期的に発売されている「味仙 台湾ラーメン」の麺と似ていますが、それと比較して原材料は違います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:三宝亭 全とろ麻婆麺 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(S)滋賀県栗東市下鈎21-1 内容量:107g(めん80g) 商品コード:4902105261378(JANコード) 発売日:2019年12月03日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、チキンエキス、香辛料)、スープ(豚脂、糖類、小麦粉、植物油脂、でん粉、香辛料、粉末みそ、食塩、ポーク調味料、酵母エキス、ビーフ調味料、唐辛子みそ、香味調味料)、かやく(豆腐、味付豚肉、たまねぎ、にら、赤唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、香料、炭酸Ca、カラメル色素、pH調整剤、かんすい、香辛料抽出物、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
何気に炎が燃えたぎっている辛そうなパッケージデザインの今回、容器側面に表示されている辛さレベルこそ5段階中 “真ん中の3” ですが、ちょうど反対に位置するバーコード横に “※小さなお子様や、辛味が苦手な方は注意してお召し上がりください” と記載。ちなみに実店舗では、既存の選べる3段階の辛さ “辛増し1・2・3” に加え、2016年7月29日より「激辛」も追加されたそうです。
なお、フタの裏には「麻婆丼の作り方」なるものがあり、 “カップめんのスープや具材をごはんにのせると、麻婆丼が楽しめます。または、カップめんの残ったスープにごはんやおにぎりを入れても美味しく食べられます。” とのこと。せっかくなので、白ご飯とのマリアージュもチェックしてみましょう。
さて、さすが「全とろ」というだけあってスープの粘度が高く、とろっと高粘度。しかも何気に “とろみの決め手は後入れの「特製香味油」だった” ので、それを入れる前に粉末スープを溶かし、特製香味油を投入後も念入りに混ぜ合わせてください。それでは、辛さレベルと花椒の痺れにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(107g)当たり
カロリー:490kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:490kcal(めん・かやく:410kcal)(スープ:80kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実食前に “辛うまラーメン日本一の再現カップ麺で見慣れた四角い豆腐が——” と書きましたが、実は麺の原材料名も同社が製造するセブンイレブンの人気商品「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 辛旨味噌」と “まったく同じ内容” なので、おそらく使用している生地は例のガーリック練り込み麺に近いものと思われます。
中本のカップラーメンと比較して麺の厚みは控えめですが、コシの強さに加えてスパッと切れる加水率の低い歯切れの良さは共通点。たん白加水分解物や醤油、チキンエキス、香辛料(たぶんニンニク)による下味がスープとの一体感を高めつつ、とろみ麻婆スープと対比を描くように、角刃でカットされた輪郭のある口当たりで麺単体としての存在感を際立たせているのもポイント。
ノンフライ麺ではなく油揚げ麺なので、油揚げ麺特有の風味も並行しますが、まったく嫌味ではありません。むしろ油揚げ麺ならではのコクがプラスに作用しているため、縮れのないストレート麺で有名店監修の名を落とさないように高級感を打ち出しつつ、カップラーメンだからこその魅力も味わえる絶妙な麺でした。それに、麺量80gの大盛りなのも嬉しいですね。
スープ
土台の粉末スープは和味噌をベースとし、かるく唐辛子の辛味成分・カプサイシンによる刺激もありますが、まだヒーハーするほど辛くないです。ただ、意外と花椒(かしょう)の痺れは効いていて、こちらも舌が麻痺するような激痺(ゲキシビ)クラスではないものの、痺れと同時に和山椒では出せない清涼感が鼻腔を抜ける、花椒ならではの清涼感が実に上質で華やか。
その粉末スープを念入りに溶かした後、別添の「特製香味油」を加えたら、可能な限り手際よく混ぜ合わせ、ダマにならないよう均等にトロミの素を行き渡らせるように意識します。これを加えると唐辛子の辛さが強くなりますが、体感的な辛さレベルはピリ辛以上〜辛口未満。ただし唐辛子の辛さと花椒の痺れが得意でない場合、辛口に片足を突っ込んだ辛さになるかもしれません。
日本人に親しみのある和味噌のコク、刺激的だけど強すぎない麻辣(マーラー)のシビれとカラさ、そして “肉の旨味” もポイントで、基本は豚肉の旨味を主軸にしているのですが、それと同時にビーフ調味料による「牛肉」の旨味と「牛脂」のコクが隠し味以上に自己主張。その旨味と唐辛子の辛さに糖類の甘味が重なった瞬間、いっきに中毒性がブーストします。
スクロース(ショ糖)の200倍ほど甘いアセスルファムK、さらにスクロースの600倍ほど甘いスクラロースを重ねているため、甘さのベクトルは人工的。ただ、そこまで強烈に甘いわけではなく、前述した油揚げ麺のコクがピタッとハマるのも絶妙な甘さと辛さのコントラストあってこそ。
とろみの加減は麻婆餡(マーボーあん)ほどボテボテした粘度ではなく、なんとも上品で口当たりのいいシルキーなとろみ。実店舗のスープより粘度は低いように思いますが、一つのカップラーメンとして強過ぎず弱過ぎない適度な効かせ方で、ちゃんと最後まで “とろとろ” でした。
具材
具材(かやく)は豆腐、味付豚肉、たまねぎ、にら、赤唐辛子の5種類で、そのうち唐辛子は具材というよりも薬味ですが、いわゆるスイートチリのような辛くないギミック素材ではありません。小さな味付豚肉は援護射撃的な要因ではあるものの、小さいながらに旨味はパワフルで、同じサイズの玉ねぎはシャッキシャキの歯触りとフレッシュな香味が旨辛とろみ麻婆スープのアクセントに効果的。
たっぷりと入っているニラで全体のスタミナ感が底上げされ(※あ、そこそこスープのガーリック感も強いです)、主役の豆腐もゴロゴロと。タイプはリニューアル前* の「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」に入っていた中央に亀裂のない、また角の立たないタイプではあるものの、おかげで型崩れしにくかったです(*参照「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」 新旧 “徹底比較” 最強のカップ麺 リニューアルで麺増量!!)
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
まさに和製とろみ麻婆麺の王道を地で行くような一杯で、随所に日清食品のカップラーメンらしいアレンジは見られましたが、そのスタイルと実店舗「新潟 三宝亭 東京ラボ」の意向が寸分の狂いもなくフィットしているようなイメージ。和味噌のコク、ひき肉の旨味、麻辣の痺れる辛さ、常習性を覚えさせる甘みなど、かなり完成度の高い一杯で驚きました。そして、オンザライスアレンジ。
ご飯の上に具材ごとスープをのせたとしても、みるみるうちにスープが浸透していくので、餡掛け状の麻婆豆腐がデーンとのった麻婆丼にはなりません。ただ、異様なまでに白ご飯とスープの相性がよく、ちょっとライスなしでは語れないような状態に——(白ごはん必須!!)かなりバランスを重視した仕上がりではあるものの、ただの優等生では終わらない、バランス型の決定版的な一杯です。