どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年8月15日(月)新発売、エースコックのカップ麺「タテロング リンガーハットのピリカラちゃんぽん 辛さ2倍」の実食レビューです。
リンガーハットグループの創業60周年を記念して「ピリカラちゃんぽん」辛さ2倍の味わいをカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
リンガーハットのピリカラちゃんぽん 辛さ2倍
リンガーハット(Ringer Hut)とは、1962年(昭和37年)7月22日、長崎県長崎市鍛冶屋町に創業した「とんかつ浜勝」(現「とんかつ 濵かつ」)を起源とする長崎ちゃんぽん専門店で、1974年(昭和49年)8月13日に「リンガーハット」の原型となる “長崎ちゃんめん” 1号店(現「リンガーハット 長崎宿町店」)をオープン。
外食産業が急成長を見せた70年代に破竹の勢いで出店攻勢を仕掛け、長崎市・諫早市・大村市など、発祥地の周辺に計11店舗の「長崎ちゃんめん」を展開。以降はチェーンストア理論の第一人者・渥美俊一氏の教えに基づき、12店舗目は福岡と決め、1977年(昭和52年)二日市に “リンガーハットとしての1号店” を出店。ここで初めて「リンガーハット」の店名が登場し、壮大な歴史の幕が開きます。
今回の新商品「タテロング リンガーハットのピリカラちゃんぽん 辛さ2倍」は、リンガーハットの店舗で人気を博す「ピリカラちゃんぽん」の味わいを “辛さ2倍” にアレンジしたカップラーメンで、大阪府吹田市に本社を構えるエースコックが商品化。
「ピリカラちゃんぽん」をイメージしたカップ麺といえば、2019年(令和元年)8月5日にエースコックが「タテロング リンガーハットのピリカラちゃんぽん 期間限定3辛」を発売しているため、今回が初の試みではないのですが、3年前の “期間限定3辛” と “辛さ2倍” ‥‥どっちが辛いんだろう?w
ときに初めてリンガーハットのカップ麺が発売されたのは、現在を遡ること約15年、2007年(平成19年)8月27日。第1弾は大判どんぶり型のカップラーメンで、11種類の具材(キャベツ、味付豚肉、えび、かまぼこ、いか、玉ねぎ、キクラゲ、人参、コーン、もやし、キヌサヤ)とノンフライめんを搭載した、本格的なスタイルでデビューを飾ります。
以降は手軽に食べられる縦型ビッグ(タテロング)のカップラーメンを定期的に展開しつつ、2009年(平成21年)10月1日にリンガーハットグループ全店で実施された野菜国産化開始を受け、その理念に基づき、カップラーメンに使う具材の野菜も国産に切り替えるなど、徹底した姿勢でリンガーハットと向き合ってきたエースコック。
近年は1食あたり糖質30%オフを実現した低糖質カップめん「ロカボデリ リンガーハットの長崎ちゃんぽん 糖質オフ」だったり、店舗の汁なしメニューを再現した湯切りタイプの「まぜ辛めん」だったり、フレーバーやコンセプトのバリエーションを広げつつ、お互いの絆を深めてきました。
商品のパッケージにはリンガーハットの創業65周年記念ロゴしか印刷されていませんが、2022年はエースコックとリンガーハットがコラボ15周年を迎える記念すべき年。ここで “辛さ2倍” が来るとは思っていませんでしたが、リリース時期が夏なので、食欲を刺激してくれる味わいに期待しながらの実食です。
開封
さて、まずはフタのクーポンに注目。天面に小袋は別添されていませんが、日本国内のリンガーハット店舗で使える「ピリカラ味噌1辛 無料クーポン」付きということで、これがリンガーハットグループ創業60周年記念のステータス。これを店舗で掲示すると「ピリ辛味噌 1辛」30円(税込)が無料になるのですが、デリバリーとモバイルオーダーでは利用できないため注意してください。
はい、えーっと‥‥いつもの見慣れた光景ですねw 今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製ペースト」が1袋。あいかわらず最初から容器の中に入っている状態なので、もれなく粉末スープまみれです。今回は粉末スープの成分的にベタベタしやすいのと、粉末スープの粒子が細かいため、取り出す際は注意してください。そして、もうひとつ注目しておきたいのがメーカー希望小売価格。
2022年8月現在の縦型ビッグにおけるメーカー希望小売価格は、相場的に245円(税別)が標準となっているところ、今回の「タテロング リンガーハットのピリカラちゃんぽん 辛さ2倍」は254円(税別)と平均よりも高めの値段。無料クーポン付きの帳尻を合わせるために、希望小売価格を底上げしたのであれば、リンガーハットの店舗が近くにない方にとっては損な話でしかありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:タテロング リンガーハットのピリカラちゃんぽん 辛さ2倍 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:90g(めん70g) 商品コード:4901071247799(JAN) |
発売日:2022年08月15日(月) 実食日:2022年08月16日(火) 発売地域:全国 希望小売価格:254円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製ペースト) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ)、スープ(食塩、乳化油脂、香味油、香味調味料、ポーク調味料、ポークエキス、糖類、みそ、でん粉、香辛料、チキン調味料、野菜パウダー、粉末しょうゆ、豆板醤、酵母エキス、たん白加水分解物、ホタテエキス、全卵粉)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、魚肉練り製品、もやし、人参)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、かんすい、酒精、微粒二酸化ケイ素、香料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、カロチノイド色素、カラメル色素、香辛料抽出物、クチナシ色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。具材はキャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、魚肉練り製品、もやし、人参の計5種で、そのうち野菜具材は “すべて国産” です。なかでもキャベツに特別感を覚えるのですが、この鶏・豚味付肉そぼろ‥‥怪しいですね。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら「特製ペースト」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。豚骨と魚介の香りは控えめですが、豆板醤と味噌は比較的に強く主張してくる調理直後。
辛味の強さについて、エースコックのニュースリリースや商品のパッケージにも警告文はないけれど、念のため辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(90g)あたり |
カロリー:368kcal たん白質:8.0g 脂 質:11.7g 炭水化物:58.8g (糖 質:56.6g) (食物繊維:2.2g) 食塩相当量:5.6g (めん・かやく:1.5g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:238mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:368kcal(めん・かやく:300kcal)(スープ:68kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
油揚げ麺のニオイが気になる
長崎ちゃんぽんで定番の麺といえば、箸で持ち上げたときの目方が重い、丸刃で切り出された中太ストレート麺を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、今回の「ピリカラちゃんぽん 辛さ2倍」に使われているのは角刃の縮れ麺。一般的に想起される長崎ちゃんぽんの麺とは真逆といっても過言ではない形状で、ちょっと不思議な感覚に陥ります。
リンガーハットの店舗で提供している麺も断面は四角いので、あながち的外れな形状とはいえないものの、ここまで縮れは強くありません。おかげでスープとの絡みに問題はなく、麺が独り歩きしなかったのはメリットになりますが、もうすこし縮れは弱くてもいいかなと。ただ、これはこれと割り切れば悪くありません。
けっこうエースコック特有の油揚げ麺臭が強いので、風味についてはネガティブですが、後述する「特製ペースト」で幾分かは誤魔化し可能。食べ始めは歯応えのある食感で、そこそこ密度が高く、太めの油揚げ麺に有り勝ちなフカフカは気になりませんでした。
スープ
特製ペーストで表情が一変
まずは「特製ペースト」を入れる前に味を確認してみたところ、旨味のベクトルは大幅に動物(豚骨)寄りで、しれっとホタテエキスを使っているのですが、あくまでホタテは隠し味。ただ、クリーミングパウダーは併用していないのに、豚骨のクセを抑えながらも乳化感は強く、ライトでも丁寧な骨組み。さらに野菜パウダーも加えるなど、ちゃんぽんらしい味わいを演出する術が見られます。
しかし、そこに「特製ペースト」を加えた途端、豆板醤と味噌が全体のイニシアチブを握るため、丁寧な豚骨スープとホタテの隠し味は一瞬で裏方に。これはこれで分かりやすいのですが、ちゃんぽんらしさは鳴りを潜めてしまうので、油揚げ麺の自己主張を度外視していえば、特製ペーストなしのほうが “らしい” かなと。
前述のように油揚げ麺の主張が強いので、最終的には特製ペーストを投入した後のほうが安定しているのですが、まずは特製ペーストなしの状態でも食べてみてください。ちなみに唐辛子の辛さレベルはピリ辛の枠を出なかったので、辛さ2倍でも大したことないと思います(※辛味の感じ方には個人差があるため、辛い食べ物が極端に苦手な方は注意してください)。
具材
肉そぼろ以外は上等
ピンク色のカマボコは風化した感じの味だったので、ちょっと気になったのですが、雰囲気を盛り上げてくれる見た目の貢献度は高く、結果的な印象としては悪くありません。またメインの国産キャベツはフリーズドライ(凍結乾燥)であることから、一般的なエアドライ(熱風乾燥)のキャベツとは食感や風味が別格。なんかこう、乾燥具材なのにナチュラルなんですよね。
もやしは細めで目立ちにくいのですが、これも国産。コリコリとした人参は見た目にも歯応えにも嬉しくて、きちんと価値が見出せるラインナップです。ただしスッカスカの “程良く味付けした肉そぼろ” テメーはダメだw
総評
現在の縦型ビッグにおける相場よりも高いので、すこし厳しめに見た部分もありますが、エースコック特有の油揚げ麺臭だったり、豆板醤と味噌が支配するスープだったり、せっかくのリンガーハットグループ創業60周年記念商品という立ち位置も加味すると、もうちょっと洗練させてほしかった思いが無きにしも非ず。ただ、けっして残念な一杯ではありません。
適度な辛味のアクセントなど、暑い夏にも食べやすいように工夫されていたので、季節的にはピッタリの商品だと思います。はたして今回の「ピリカラちゃんぽん 辛さ2倍」で60周年記念商品は打ち止めなのか、それともエースコック×リンガーハット15周年記念商品を準備しているのか、もうすこし注目しておく必要がありそうです【author・taka :a(大石敬之)】