どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年9月29日(火)新発売のカップ麺、ファミリーマート×日清食品「はやし田 芳醇鶏醤油」の実食レビューです。
新宿三丁目の行列店「らぁ麺 はやし田」監修のカップラーメンがコンビニ限定で初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
はやし田 芳醇鶏醤油
らぁ麺 はやし田(らぁめん はやしだ)とは、ラーメン激戦区としても知られる東京都新宿区・新宿三丁目の行列が絶えない人気ラーメン店で、創業は2017年12月19日と比較的に新しく、しかしながら「らぁ麺 はやし田 新宿本店」における2020年10月1日現在の食べログ点数は3.85と高評価。さらに “食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2018・2019” にも2年連続で選出されるなど、たしかな実力の持ち主。
今回のカップ麺「はやし田 芳醇鶏醤油」は、株式会社INGS(「らぁ麺 はやし田」の運営母体)と日清食品株式会社の共同開発商品で、コンビニのなかでもファミリーマートでしか買えない販路限定・数量限定商品として展開。製品スタイルは大判どんぶり型にノンフライ麺を搭載した、日清食品とファミリーマートの共同企画 “話題の名店” からの新作です。
「らぁ麺 はやし田」を経営している株式会社INGS(イングス)とは、新宿の飲食業界を牽引しているといっても過言ではない、新宿生まれ新宿育ちの青柳誠希(あおやぎ せいき)氏が代表取締役を務める企業で、2006年11月に開業したラーメン店(現「煮干中華そば鈴蘭 新宿店」)を皮切りに発足。
2009年3月18日に株式会社INGSを設立し、2020年10月現在は東京・神奈川を中心に店舗展開しているINGSの看板店「らぁ麺 はやし田」をはじめ、ほとんど金目鯛のみで出汁(だし)を取っている「らぁ麺 鳳仙花(ほうせんか)」や煮干しを効かせた「煮干中華そば 鈴蘭(すずらん)」、大山鶏と薩摩軍鶏を使用した淡麗系の鶏醤油清湯(ちんたん)と独自製法で作った煮干し系が看板の「鶏そば煮干そば 花山」他——
さらに厳選した素材でクオリティの高さを追求した中華蕎麦がコンセプトの「麺 かつら木」、INGSの看板店 “はやし田” のスープには使用されない鶏の胴ガラを使った鶏醤油清湯とタピオカを練り込んだ麺が特徴の「らぁ麺 くろ渦」、大山鶏をはじめとする鶏100%の鶏清湯を軸に他の系列店とは違い豊富なラインナップを取り揃える「らぁ麺 時は麺なり」、鶏と鯛が楽しめる「らぁ麺 ふじ松」と多数のブランドを展開。
さらに2020年8月7日にオープンしたばかりの新業態「ラーメン リンダ軒」や500円ピッツァが売りのカジュアルイタリアン&ワインバー「CONA Pizza Lovers Pizzeria & BAR」に「焼売のジョー」など、ラーメン事業の他にも多数の飲食店を経営しているのですが、それぞれのブランドに合わせた異なるコンセプトで差別化を図り、勢力を拡大し続けています。
話を戻しまして——今回のカップ麺を監修している「らぁ麺 はやし田」のコンセプトは、大山鶏をはじめとする国産の鶏ガラやブランド鶏の丸鶏を惜しみなく使い、なかでも鶏ガラは圧倒的に鮮度が高い素材のみを使用。さらに鴨を重ねたキレのある醤油ベースの鶏清湯「醤油らぁ麺」を軸に、高級魚として知られるノドグロ(アカムツ)を使った数量限定メニュー「のどぐろそば」の二枚看板。
今回は商品名が「芳醇鶏醤油」となっているため、再現元のメニューは「らぁ麺 はやし田」が誇る鴨と鶏の旨みを凝縮させた「醤油らぁ麺」とみて間違いなく、ファミリーマートの公式ウェブサイト内にある商品情報には “芳醇な鶏の香りと鴨の風味がクセになる醤油ラーメン” と記載。新宿で行列の絶えない人気店が初めて監修したカップラーメンということで、本格的な味わいに注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に後入れの「液体スープ」と「特製鶏油(チーユ)」の合計3袋。この構成自体は珍しいものではないのですが、液体スープの小袋と比較して特製鶏油が入っている小袋のほうが大きく、タイトルにも入っているように芳醇な鶏油の香りに期待できそうな予感。
麺は褐色の全粒粉を配合したノンフライ麺で、けっこう細めに切り出されているのですが、湯戻し時間は熱湯5分と長めの設定。実店舗(らぁ麺 はやし田)で提供されている「らぁ麺」の麺にも全粒粉を使用しているため、それを再現しています。近年、今回のように全粒粉を練り込んだカップ麺も珍しいものではなく、既存の「日清麺職人」をはじめ、全粒粉を練り込んだノンフライ麺は日清食品の十八番。
ファミリーマート通常価格は258円(税込278円)に定められ、販売店は北海道から沖縄を含む全国のファミリーマートが対象となっているのですが、前述のように数量限定かつ販売期間は約2ヶ月間限定と公式(株式会社INGS)が発表しているため、通年販売ではありません。特定のコンビニでしか買えないカップラーメンとしては、けっして安い商品ではないものの、それだけに本格的な内容に期待できそうです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:はやし田 芳醇鶏醤油 製造者:日清食品株式会社 関東工場 製造所:茨城県取手市清水667-1(A) 内容量:120g(めん70g) 商品コード:4902105264935(JAN) |
発売日:2020年09月29日(火) 実食日:2020年10月01日(木) 発売地域:全国(数量限定) 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:278円(税込) ファミリーマート通常価格:258円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・特製鶏油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、小麦全粒粉、大豆食物繊維、植物油脂、卵粉、チキン調味料)、スープ(しょうゆ、植物油脂、鶏脂、チキンエキス、食塩、糖類、香辛料、しいたけエキス)、かやく(チャーシュー、味付メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、カラメル色素、香料、リン酸Ca、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘剤(キサンタンガム)、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみで、中身はチャーシュー、メンマ、ネギとシンプルな構成。実店舗の「醤油らぁ麺」には、豚肩ロース肉と鶏むね肉を低温調理したレアチャーシューをはじめ、稀少価値の高い穂先メンマを使用。さらに斜め切りの青ネギをトッピングしているため、だいぶランクは落ちてしまいますが、まったく的外れな構成ではありません。
あとは熱湯を注いで5分間、待っている間に「液体スープ」と「特製鶏油」の小袋をフタの上にのせて温めて、麺をほぐしてから液体スープを馴染ませた後、特製鶏油を浮かべたら出来上がり。液体スープからはキリッとした醤油の香りが立ち、それと並行して芳醇な特製鶏油の香りが凄まじく、そこは本格的で好印象な反面、やや値段のわりに具材が寂しいところ。
ちなみに後入れの液体スープと特製鶏油を熱湯よりも先に入れてしまった場合、麺が適切にほぐれなくなってしまうため、かならず食べる直前に加えてください。それでは、パッケージにも書いてある “煮出した鶏と甘い鴨の風味” に注目しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(120g)あたり |
カロリー:451kcal たん白質:10.7g 脂 質:20.3g 炭水化物:56.3g 食塩相当量:7.5g (めん・かやく:1.8g) (スープ:5.7g) ビタミンB1:0.22mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:149mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:451kcal(めん・かやく:308kcal)(スープ:143kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
高品質な全粒粉配合ノンフライ麺
実店舗で提供されている麺は、数種類の厳選小麦を絶妙なバランスで配合し、前述のように全粒粉を使用した加水率の低い細めのストレート麺で、菅野製麺所と共同開発。店内の解説によると “コシ、のど越し、風味を高次元でバランスさせた逸品” とのこと。密度の高い作りから、加水率が低くてもコシが強く、歯切れの良さと歯応えを両立しているとの評判。
対する今回のカップ麺に使われているノンフライ麺は、輪郭のある角刃でカットされた中細麺で、完全なストレート麺ではないのですが、小刻みかつ緩やかな縮れでスープの掴みは悪くありません。練り込まれた全粒粉が全面で主張してくることはないものの、じっくり噛んでいると奥から全粒粉特有の芳ばしい風味が上品に漂います。
麺の加水率は特筆して高くも低くもないのですが、密度感のあるコシの強い食感で、キレのある醤油ダレと強烈な鶏油に対して麺が埋没することはなく、むしろ豊かに香る小麦の風味とスープが引き立て合うように相性は抜群。数年前の日清食品が製造していた高価格帯のノンフライ麺は、致命的な麺のほぐれにくさが足を引っ張ることも多かったのに、今回そういった懸念もなく、値段相応‥‥いや、それ以上の品質でした。
スープ
王道にして完成系
スープは “しょうゆ、植物油脂、鶏脂、チキンエキス、食塩、糖類、香辛料、しいたけエキス” とシンプルな構成で、豚や牛に由来する成分は使用しておらず、動物系は潔く鶏の一本勝負。特製鶏油を入れる前のスープは雑味がなく、ほのかに椎茸の旨味が漂い、醤油のキレが後味を引き締める、醤油ベースの鶏清湯として繊細かつ大胆な作り。
さらに別添の特製鶏油を加えた後は、芳ばしい鶏油の風味が重なって、いっきに膨よかなテイストに。正直あまり鴨の風味は目立っていなかったので、そこに期待していると肩透かしを食うおそれもありますが、ふわっと甘い鶏の旨味と圧倒的な鶏油の芳ばしさは見どころ。
かなり油脂の量が多いため、クドさがゼロとはいえないけれど、キレのある醤油が強めのスープに大量の鶏油はバランスがよく、みごとな調和を描いていました。なお液体スープは丁寧に混ぜ合わせる必要がありますが、特製鶏油は混ぜてしまうと香りが散ってしまうため、特製鶏油を浮かべた後は “かるく表面を均すくらい” が美味しく食べるポイントです。
具材
値段的にはイマイチといわざるを得ない
具材はチャーシュー、メンマ、ネギとシンプルな構成で、ネギの食感と風味にメンマの香りも今回のスープと相性がよく、しかしながら乾燥ネギのランクは低め。またメンマも穂先メンマからは程遠く、量も少ないうえにサイズも小さいので、お世辞にも値段相応とはいえません。
数年前の日清食品が販売していた税込270円クラスの商品には、もれなく分厚い厚切焼豚が入っていたのに対し、今回のチャーシューは薄くて頼りなく、こちらも値段相応とはいえない品質。今回は麺とスープのクオリティが高かったので、値段を加味しても納得できましたが、もうちょっと頑張ってほしかったです。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
あまり鴨の要素は目立っていなかったので、もうすこし主張させてほしかった思いもありますが、雑味のない醤油強めの鶏清湯に、それを包み込む特製鶏油のインパクトは特筆すべきレベル。まったく奇を衒った味ではなく、それでいて不満を感じさせない、ラーメン激戦区の新宿で行列に絶えない人気店「らぁ麺 はやし田」監修の恩恵が感じられる仕上がりでした。
そのためファミリーマート標準価格が258円(税込278円)という値段にも納得できる、高品質なカップラーメンなのですが、如何せん具材の貧弱さが否めなかったので、そこだけ期待度を下げてお召し上がりください。この流れから、次は実現可能であれば「のどぐろそば」の再現カップ麺が発売されると面白そうですね。