どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月16日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング ガーリックシュリンプ味やきそば」の実食レビューです。
まるか食品が東京都立大島高等学校の生徒に商品開発を打診!? 高校生が伊豆大島×ハワイの姉妹島盟約60周年を記念して新たな「ペヤング」の変わり種を企画!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング ガーリックシュリンプ味やきそば
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品の代名詞となっている即席カップめんブランドで、現在は「やきそば」を主力商品としていますが、1973年(昭和48年)7月発売の「ペヤングヌードル」が最初の商品。その約2年後、1975年(昭和50年)3月13日に「ペヤング ソースやきそば」が登場して以来、関東を中心に圧倒的なシェア率を誇っているのですが、近年は全国のユーザーから注目を集めています。
今回の新商品「ペヤング ガーリックシュリンプ味やきそば」は、数年前に日本でもブームを巻き起こしたハワイの定番料理「ガーリックシュリンプ」を再現した一杯で、考案者は東京都立大島高等学校(東京都大島町)農林科に在籍する2年生の中村一稀さん。1962年(昭和37年)2月12日に姉妹島盟約を締結した伊豆大島とハワイ島の盟約締結60周年に着目し、その双方にちなんだ新作が実現しました。
まるか食品と高校生のコラボ企画といえば、宮城県志津川高等学校・商業部の生徒と開発した2022年2月7日発売品「ペヤング たこめし風やきそば」(渡辺晴南さん考案)及び同年2月21日発売品「ペヤング わさび醤油味やきそば」(小野寺樹莉さん考案)が記憶に新しいところ。そのため高校生と共同で-・という企画自体は2校目になるのですが、ひとつ興味深かったのが実現までのプロセス。
志津川高校(宮城県)とのコラボ企画は、同校の商業部で顧問を務めるペヤンガー(ペヤング愛好家)の根本博教諭が仕掛け人となり、生徒たちが考案した60通り以上の商品案を集め、まるか食品にラブコール。その熱意に応える形で話が進み、上記の2品が発売されることになったのですが、大島高校(東京都)とのコラボ企画はプロセスが逆。
群馬県出身の教員を通じ、今度は “まるか食品から大島高校に商品開発の打診があった” らしく、2022年4月から2年・3年の生徒(計6人)で “大島らしい食材” のアイディアを出し合うことに。なかには「あら汁」「うつぼ」「くさや」のほか「大島牛乳で作るカルボナーラ」や「島唐辛子のペペロンチーノ」など、ガーリックシュリンプ以外の候補もあったようですが、さすがに安牌を切った様子。
個人的に “くさや” けっこう気になるけどw それはさておき当初は大島の伊勢海老(いせえび)を使いたいと提案されたようですが、ちょっとコスト的に厳しいと断念。そのかわり大島の特産として知られる塩(海の精)を採用することになり、大島らしい食材を使いながら、ハワイの郷土料理を味のコンセプトにする、大島×ハワイ島の姉妹島盟約60周年記念に相応しい一杯が完成しました。
さっそく東京都大島支庁の元にはもちろん、ハワイ島観光局の前局長を務めたロス・バーチ氏の手元にも渡るなど、すでに架け橋となっているようですが、ひとつ懸念を覚えるのが「ガーリックシュリンプ」というコンセプト。ガーリックシュリンプをイメージした即席カップ麺は過去に他社もリリースしているのですが、どれも絶品とまではいかなかったので、ある種の鬼門となっているジャンルの一つ。
はたしてソースにエビの風味を効かせているのか、具材にエビを使っているのか、またペヤングのガーリック系は基本的にニンニクが遠慮なく強烈なので、伊豆大島産の塩についてはもちろん、ニンニクの効かせ方やガーリックシュリンプの再現度にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「ソース」と「大島の塩」の計3種。ソースの食塩に大島の塩(海の精)を使っているのかと思いきや、わざわざ個包装になっていたので、この構成には驚きました。それにガーリックシュリンプ系のカップ麺でエビといえば剥き海老が主流となっていたのに対し、こちらは干し海老ということで、オリジナリティを感じるポイント。
麺は油で揚げたフライ麺で、めん重量は90gのレギュラーサイズ。調理前の見た目と原材料名の構成から察するに、いつもの「ソースやきそば」と完全に同じ仕様だと思います。蕎麦粉を一切使用せずに着色した「蕎麦風めん」や「うどん」のほか、春雨の「ピーヤング」など、なかには普段と異なる麺を使用した商品もありますが、やきそばシリーズの麺は基本的に使い回しという認識で問題ありません。
メーカー希望小売価格は214円(税別)に設定されているため、いつもの「ソースやきそば」193円(税別)よりも若干ながら高めですが、2023年1月現在の即席カップめん業界におけるレギュラーサイズ製品で標準的な値段。念のため販売店をリサーチしてみたところ、コンビニよりもスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなどが中心となっているようです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング ガーリックシュリンプ味やきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1) 内容量:118g(めん90g) 商品コード:4902885009047(JAN) |
発売日:2023年01月16日(月) 実食日:2023年01月19日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:214円(税別) 購入価格:192円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(ソース・かやく・大島の塩) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(糖類、たん白加水分解物、食塩、香辛料、植物油脂)、かやく(キャベツ、えび、フライドガーリック)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、増粘多糖類、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、ビタミンB2、(一部に小麦・えび・大豆を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容はキャベツ・えび・フライドガーリックとシンプルですが、この時点で強烈な香りが漂ってくる、なかなかにインパクトが強めのファーストインプレッション。あとは内側の線まで注ぎ、公式曰く後入れの「ソース」と「大島の塩」を加えて混ぜ合わせるのですが、ひとつ気になったのが “どのくらい「大島の塩」を使えばいいのか” という問題。
けっこう「大島の塩」が多かったので、それなりに「ソース」の塩分量を控えているとは思いますが、外装フィルム(容器底面)の調理方法⑤には “フタをすべてはがし、ソース、大島の塩を入れ、よく混ぜ合わせ-・” との記載しかありません。ペヤングのガーリック系といえば、食塩の当たりが強いソースが多かったこともあり、いきなり「大島の塩」ぜんぶ入れても大丈夫なんだろうか‥‥
などと盛大に日和ってしまったのでw とりあえずソースだけの状態で塩分濃度を確認した後、少量ずつ「大島の塩」を使いながら「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(118g)あたり |
カロリー:527kcal たん白質:10.7g 脂 質:25.1g 炭水化物:64.6g 食塩相当量:3.6g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつもの麺です(定期)
ペヤングやきそばシリーズの油揚げ麺について “基本的に使い回しという認識で問題ありません” と前述したように、基本は「ソースやきそば」と共通で、それを2倍(めん180g)にしたら超大盛、約4倍(めん330g)にしたら超超超大盛GIGAMAX(ギガマックス)、約7.3倍にしたら超超超超超超大盛ペタマックス、反対に80gまで減らすと廉価版の「ペヨング」になる単純な計算式。
たとえば現在を遡ること6年以上、2017年(平成29年)のバレンタインに合わせて発売されるや否や、ネット上で物議を醸した「チョコレートやきそばギリ」(2017年1月16日発売品)を筆頭に、直近だと「アップルパイテイストやきそば」(2020年9月21日発売品)など、ソースがスイーツ系だと喧嘩する嫌いを見せますが、ガーリック系のソースが相手だと基本的に懸念はありません。
外装フィルムに印刷されている賞味期限の右側に「+H」と記載してあった場合、群馬県伊勢崎市戸谷塚町の本社工場で、同じ箇所に「+A」と記載してあったら群馬県伊勢崎市下触町の赤堀工場で製造したことを意味しているのですが、工場による設備やレシピの違いはないそうです。ただ、どうしてもロット差は生じるため、その違いを楽しむスタンスで食べてみてください。
スープ
塩の投入ちょっと待った!!
添付調味料の原材料名は「糖類、たん白加水分解物、食塩、香辛料、植物油脂」とシンプルで、これ単体だとエビの芳ばしい旨みは楽しめないのですが、それについては後述する干しエビの仕事。味の系統は焼肉の塩ダレで、ニンニクは想像していたよりもガツガツくる感じではなかったのですが、生おろしニンニク特有のフレッシュな香味が「ガーリックシュリンプ」のガーリック部分を表現。
けっこう黒胡椒のアクセントが強かったので、それも印象に残りました。ちなみに「大島の塩」を加える前の塩気は穏やかで、しかしながら正直このままでも問題ないんじゃない? などと。そうですね、他社のカップ焼きそばに別添されているソースと比較的して優しい味わいの「ペヤング ソースやきそば」ですが、それでも “半分くらいしか入れないよ” であれば「大島の塩」なしでも程よい塩梅。
逆にビールを飲みながら豪快にカップ焼きそば喰らいたい日とか、サウナで汗を流した後とか、基本的に濃い味が好きな方にとっては薄味といったところ。それでも量的に「大島の塩」を全部使ったら塩辛いと思うので、まずはソース単体の塩気を確認し、体調やシチュエーションを考慮しつつ、必要な塩気を判断。あとは都度、少しずつ指で塩をつまみ、ぱらぱらと部分的に使うのがベストかもしれません。
ちなみに今回のカップ麺に別添されている大島の塩(海の精)は、立体塩田と平釜の伝統製法で作られた伝統海塩で、舌に直接のせると海の荒々しさを感じるのですが、その荒波も最初だけ。すぐに塩が持つ甘味が顔を出し、別添だからこそ小麦やキャベツの甘さ、加えてエビの風味もダイレクトに引き立ててくれるので、わざわざ個包装にしたのは素晴らしいアイディアだと感じました。
かやく
まるか食品かなり頑張ったんじゃないですかね
キャベツは通常の「ソースやきそば」にも入っている野菜なので、新鮮味は皆無に等しく、量も多くありません。またフライドガーリックもペヤングのガーリック系にしては極端に少なかったのですが、口の中に入ってくると当たり前にニンニクで、しっかりと自己主張を放ちながらも主張し過ぎない存在感が好印象。
えびは乾燥なので、身の甘味や中腸腺(いわゆるエビミソ)のコクなどは楽しめないのですが、甲殻類ならではの芳ばしさは申し分なく、どこを食べても飛び込んでくるボリューム感も素晴らしいの一言。コストの関係でイセエビの採用は難しかったと前述しましたが、これでもギリギリだったんじゃない? などと、まるか食品の企業努力を感じました。
総評
麺は「ソースやきそば」と同じテンプレの油揚げ麺を使用していましたが、大島産のブランド塩を個包装で別添し、かやく(えび)のボリュームと個性も素晴らしく、おふざけは一切なし。ただ、面白みに欠ける優等生ではありません。どちらかといえばユーモアに富んだ生徒会長というか、真摯な姿勢を貫きながらも確かな個性の持ち主で、文句なしの良品です。
はたして題材になったハワイの郷土料理「ガーリックシュリンプ」に近いのかと聞かれたら、もはや別物と答えますけどw ガーリック(にんにく)もシュリンプ(えび)も実際に使っているわけですし、ちょっと学園祭みたいな賑やかさもあって、近年のペヤングにネガティブな方も‥‥いや、そんな方にこそ食べていただきたい、とても好印象な一杯でした【author・taka :a(大石敬之)】